評価も結構付いてますし……。
感謝感激ですね!
そんな訳で3話、投稿です!!
「まだまだ、だな。ISの性能に任せてしまって振り回される傾向が見られる。……ISと人間の融合。実際に見るまでは信じられなかったな」
今日の模擬戦は終了だ。千冬さんはそう言ってアリーナから出て行った。
千冬さんのその姿を確認した俺はアリーナの真ん中で大の字に倒れるよう転がった。
こ、殺す気かあの人は……。
───目がガチでしたね。私はあの人をもう2度と相手にしたくありません───
それ、昨日も言ってたぞ……。
千冬さんと模擬戦を始めてから1週間ほど経つがまだ俺はあの人に一撃も攻撃を当てられていない。
殺エミヤの『
───もはや化け物ですね。あれの弟があんな一般人だとは思えませんよ───
あー、ワンサマー君か。彼はほら、成長速度が異常だから。
───そのワンサマー君がまだISを動かしてないんですがそれは───
まさか原作開始前だとはねぇ……。
そう。実はまだ原作、つまりはワンサマー君こと織斑一夏君がISを動かしてないのだ。だが彼はもう中学三年生なのでそろそろ原作開始だとは思うが。
まぁ、その分俺はアフィリオンの使い方を実戦で学べてるんだけどな。
───原作開始後の千冬さんは随分と忙しそうですからね───
それに関してはワンサマー君に感謝だな。ありがとう!ワンサマー君!
───聞こえませんよねそれ───
気分だよ。
会話をしながら休憩を終え(肉体的疲労は感じない身体のため、休ませるのは精神的疲労だけだ)、俺はアリーナの掃除をすべく掃除用具箱へと向かった。
───掃除もいいですけど、まずはSEを補給してください。レッドゾーン突入しそうです───
せっかく掃除用具箱の前まで来たんだが……。まぁ、仕方ないか。
アフィリオンに言われ、掃除用具箱から離れSEを補給しに向かった。
少し歩いた先に、SEを補給するためのコードがある。携帯の充電器のようなものだ。
俺はそれを自分の首に突き刺した。
この、首に刺す感覚が慣れん。
───慣れていいものでもないように思いますが……───
まぁ、差し込み口は髪の毛で隠れてるから良しとするか。
───そこを見て嬉しい人なんていませんからね───
それもそうだな。さて、補給も終わったし、掃除でも―――
「ちょっと、そこの貴方」
掃除をしようと立ち上がったところで、見知らぬ誰かが声をかけてきた。
「は、い。なんで、しょうか?」
「あなた千冬様と特訓してるのでしょ?」
「あ、はい」
「それ、私と変わってくださる?」
……ん?話が見えないぞ?
「いえ、語弊があったわね……。数回に1回でいいから私も特訓に入れてくれないかしら?」
あー、そういう事ね。
───珍しい人ですね、この女尊男卑の世界では───
それな。本当に珍しいよ。
ここ1週間で何度も俺と千冬さんの特訓を変われと言ってきた人はいた。その人たち全員が俺を実力で排除してでも変わろうとする人だった。
───パッと見はロリっ子ですけどしっかり見ればショタっ子とわかる程度には男の娘ですからね、マスターは───
やめい。マジで見た目ロリなこと気にしてんだよ。
俺はアフィリオンが言った通りの容姿をしているため、女尊男卑思想の人は最初は優しいものの、近づき俺が男だと気づくと急に人が変わるのだ。
その後は最初の何人かが『アリーナに男がいる』ということを流していため、この人は俺が男と知っててここに来ていることになる。
「かまい、ませんがお、り斑先、生が、なんて、言うか……」
そう言うと目の前の女性は頭を抱えた。
「……あの人は暴力の化身。何かを「……あ」言うならまずは拳で語り合う人種よ。……どうしました、私の後ろを指差し……て……」
俺が指さした先を彼女が視線で追うと、そこには千冬さんが腕を組んでたっていた。今の話を聞かれたかどうか分からない彼女の頬から汗が落ちた。
「お、おり、織斑せん、織斑先生!?!!」
「……エーデルシュタイン」
「は、はい!!」
千冬さんの呼び声に彼女は背筋を伸ばし、気を付けをした。
「誰が暴力の化身だって?」
汗が吹き出ていた彼女の顔はカッパもびっくりなレベルで青くなった。
「とまぁ、冗談はここまでにしておくとしようか。エーデルシュタイン、お前も特訓に加わりたいと聞こえたが、何故だ?」
1度咳払いをしてから千冬さんは彼女、エーデルシュタインさんにそう聞いた。
「えっと、織斑先生は私がついこの間専用機を持ったことは覚えていますか?」
青さが引かないまま彼女は答えた。
「確か……企業のテストパイロットになったんだったな」
「はい。ですが私は1度もその専用機を実践形式で動かしてはないのです。ですから、データを取るついでに先生からご指導頂けたらいいかなって思いまして……」
……なるほど。高校生なのにすごく考えてるんだな、この人は。
───踏み台にされてることに気付いてください───
……Σ(・ω・ノ)ノ
───ふざけてるんですか?───
サーセン。っと、そんなこと―――
「ならばまずはそいつと模擬戦をしろ」
―――言ってる、場合じゃ……はい?
「勝てることが出来たら私との模擬戦に混ぜてやろう」
……アイエエエエ! モギセン!? モギセンナンデ!?
「かっ、手に決め、ないで、くださ、い」
「いつも同じ相手とやっていても経験にはならん。これも特訓の一つとしてやれ。拒否権は認めんぞ」
うぐぅ……。
───一理あるから何も言えませんね。最近はあれとの特訓もマンネリ化してきましたし───
マンネリ化っていうのやめてくれませんかね?なんかソレジャナイ感凄いから。それにこっちは一撃も当てられてないんだけど?
───『魔弾の射手』使っても撃ち落とされ、殺エミヤの宝具を解放して攻撃しても全て回避されながら反撃喰らううえ、『
こ、心が辛い……。
───事実です。と、言うよりもチュートリアルでラスボスと戦ってるようなものですよ、これ。自分のレベルに合わせた敵を倒さないと経験値も入りません───
いやまぁ、ご最もなんだけどさぁ……。
「それじゃあ、早速やるとしましょう。よろしくお願い致しますね?えっと……」
「あ、水無月、です。こちら、こそ、よろし、くです」
「……あー」
エーデルシュタインさんとそんなことを言っていたら、千冬さんが申し訳なさそうに声を上げた。
「2人は良くても私がダメでな。悪いが明日以降にしてくれないか?」
会議がこの後入っていてな。千冬さんはそう言葉を続けた。
なるほど、こんななりでもしっかりと教師してるってことか。
「すまないな。……それと水無月」
「はい?」
「明日は覚悟しておけ……」
───あっ……(察し)───
……。゚(゚´Д`゚)゚。
「えぇと、お疲れ様です?」
エーデルシュタインさん、それは慰めにならんとです……。
千冬さんは俺を睨んだ後、忘れ物のタオルを肩にかけてアリーナから出ていった。
「……模擬戦は明日に致しましょう。水無月様はそれで大丈夫ですか?」
「大丈夫、です」
ついでにサムズアップもしておこう。
「フフッ。大人と話しているように感じられましたが、案外見た目通りなのですね」
サムズアップをして意思表示をしたらエーデルシュタインに笑われた。……まぁ、笑顔が可愛いから許すか。
「水無月様、どうです?これから私の部屋でお茶でもいたしませんか?」
「お茶、ですか?」
「はい。戦う前に一つ、語らうのもいいかと思いまして」
……ふむ、このお誘いは受けるべきだな。
───この世界の情報が入ってきませんからね。受けるのは十分ありだと思いますよ───
「えっと、行きま、す」
そう答えるとエーデルシュタインさんは俺の手を掴んでニッコリと笑った。
「では行きましょう。つい先日手に入った茶葉があるのです。お口に合えばいいのですが……」
「だいた、い飲め、ます」
「それはよかった!」
あの、エーデルシュタインさん?場所が分からないから手を引っ張ってくれるのは助かるんですが、この身長差ですとね、ただあなたが私を連行しているようにしか見えn痛い!足が痛い!
───これはダメですね。諦めてください───
(´・ω・`)そんなー。
そんなやり取りをアフィリオンとしながら俺は、エーデルシュタインさんの部屋に着くまで彼女に引きずられていった。
〇●〇●
「こちらが私の部屋です。……あら、ズボンがボロボロですね」
そりゃあ、あなたがあんなに引きずったからな。
───ドナドナされてましたね───
ドナドナってよく言うけど、俺は聞いたこと無いんだよなぁ……。
───かく言う私もですが……───
「申し訳ございません。全く気づかなくて」
「大丈夫、です」
「お詫びにですが、服を1着差し上げます」
エーデルシュタインさんはそう言って部屋の扉を開けた。
中では一人の少女がベッドに座り、本を読んでいた。
「ただ今戻りました、ハレー」
「ん、おかえりブール」
『ハレー』と呼ばれた彼女は本から視線を外すこと無く答えた。
「例の彼、連れてきましたよ?」
エーデルシュタインさんの言葉に、ハレーさんは一瞬本から目線を外し俺に向けて、
「ありがと。えーと、君。とりあえずはそこの椅子に座って貰えるかな?」
と言った。
「わ、わかりま、した」
彼女が指さしたのは机に備え付けられた椅子だった。まぁ、男をベッドなんかに座らせるわけないか。
「ところでブール。もうボク達しかいないんだから、戻ったら?」
……戻る?
「そうですね。ウヴッン……。おいガキ、いまからする質問に答えな」
……フォ?
先ほどまでお嬢様のような言葉遣いだったエーデルシュタインさんはいきなり男口調になった。気のせいか分からないが声の高さが少しだけ低くなっている気がする。
「お前、
……もしかして、俺以外の転生者?
「そう、いうあ、なたは?」
「オレか?オレは転生者だ。後ろのコイツもな」
「じゃあ、ここによ、ばれた理、由は……」
「ハハハ、そういう事。君も転生者か知りたくてね。まぁ、予想通りみたいだったみたいだけどね。では改めて自己紹介をば」
エーデルシュタインさんにハレーと呼ばれた彼女は読んでいた本を閉じ、視線を俺に向けた。
「ボクはハレー・ルディブリアム。君と同じ転生者で
「ぜ、善処、します」
彼女、ルディブリアムさんはそういうとまた本を開き始めた。
……あ、良く見たらあの本ってゲームの攻略じゃん。
「んじゃあ、次はオレだ。オレはブール・エーデルシュタイン。お前と同じ転生者で
そう言うと、エーデルシュタインさんは部屋備え付けのミニキッチンに向かった。
「ブール、どうしたの?」
その行動を疑問に思ったのか、ハレーさんはそう聞いた。
「いや、そいつをここに連れてきたのは茶を飲ませる為だったからな。入れてやろうと思ってよ」
……面倒見はいい人なのかな?
〇●〇●
ブールさんがお茶を入れてからはちょっとしたお茶会が始まった。ドナドナされた俺は何も持ってないけど、部屋においてあるお茶菓子をハレーさんが出してくれた。
……にしてもこの羊羹、味が無いな。なんかゴムを食ってるみたいだ。……でも2人は美味しそうに食べてるし、前世からの貧乏舌が効いてるんだな。
あ、お茶は美味い……。
「さて、ここに3人の転生者が集まった訳だ」
結構な間雑談をしていたが、お茶菓子である羊羹が無くなった頃にブールさんがそう切り出した。
「この世界は天災や、亡国機業など死亡フラグが多い。だからよ、これからの出来事を知ってるオレたちだからこそ死なないために、一人でも多く誰かを助けるために3人で協力しないか?」
「協りょ、くです、か?」
俺は彼女の言葉に疑問を呈し、ハレーさんはただ静かに耳を傾けている。
「あぁ、チーム名も決めてあんだよ。これはハレーも初めて聞く内容だったな。チーム名は―――
彼女は1度口を閉じ、大きく息を吸ってからその名を言った。
―――
転生者の『ブール・エーデルシュタイン』と『ハレー・ルディブリアム』の解説は次回に……。