~E・S~転生者は永遠を望む   作:ハーゼ

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今回は主人公が全枠つかっての登場です。


第二十三話 最強決定戦

おいっす、俺の名前は暮見雄二。よかったら覚えていってくれ。

 

そんな俺は今修行中です。

 

 

「なぁ~雄二兄ちゃんまだ終わんないのかよー。早く教えてくれよ。」

 

「まぁ、待ってろ。すぐ終わらせるから。」

 

 

ただいま素振り中でこれが終わったら一夏と箒の練習をみてやる約束をしている。

 

 

「おい一夏‼兄さんを困らせるんじゃない。それに終わったら先に見てもらうのは私だぞ。」

 

「はぁ?俺は兄ちゃんが困るようなこと言ってないし、先に見てもらうのは俺だ!」

 

 

はぁ~、また始まった…

箒と一夏はあまり仲が良くなく、練習するといつもこれだ。

二人の姉は仲いいのにこいつらが仲悪いのは意外だった。

 

 

「こら!お前ら喧嘩すんな。二人とも同時に見てやるから・・・」

 

「「ほんとに?」」

 

 

二人が同時にこちらを見る。なんでこういう時は息ぴったりなんだか…

実は仲が良いのでは?・・・・ないな。

 

 

「ほんとほんと。俺が嘘ついたことあるか?」

 

「たくさんある。」「いっぱいある。」

 

 

やっぱ仲良しだろこいつら…

というかいつもふざけてる弊害がこんなとこにでてくるのか…

 

 

「あーじゃあ、あれだあれ。今日は嘘つかないDayだからほんとだ。」

 

「「やったー!」」

 

 

なんで俺に見てもらうだけでこんなに喜ぶのかね?

柳韻さんよりはぬるい教え方だけどさ、お前らは地獄メニューじゃないだろ。

まぁ、前向きに好かれているって思っとこ。

 

9999・10000・‼

 

よし、終わり。

 

 

「じゃ、はじめっか。」

 

 

オー!と威勢の良い返事をしながら俺についてくる。

まったく、可愛い奴らめ。

 

 

「「ハァ~ハァ~ハァ~・・・・」」

 

「ま、こんなもんだな。二人とも休憩してこい。5分後再開な。」

 

 

二人を休憩させたところでちーちゃんが来た。

 

 

「どうだ、調子は。」

 

「二人ともなかなかいい調子だよ。特に一夏は始めたばっかなのに箒に食らいついていっているよ。もしかしたら箒を超すかも。」

 

 

箒には同年代でライバルになる子がいなかったのでありがたい。

 

 

「そうか、お前がそういうなら安心だ。」

 

「信頼してくれてるのは嬉しいんだけどさ、俺よりちーちゃんの方が強いんだからちーちゃんが直接教えてやれば?」

 

 

ふと思ったことを聞いてみる。

ちーちゃんは真面目だし、人を動かすカリスマ性のようなものを持っている。

先生はぴったりだと思うんだけどな。

 

 

「基本は教えてやれるんだが・・・・それ以上となるとな…。お前も知っているだろう?」

 

「あっ!?そうだった…ちーちゃんの教え方って・・・・」

 

 

忘れていた・・・・ちーちゃんは天才型だから教え方が独特だった。

どんな教え方かといったら『シュバッとやってズドンだ。』的な感じ。

 

 

「いや~俺的には理解できてたから忘れてたわ~。ていうか一夏をだいぶ鍛えるつもりなんだね。」

 

「少なくとも軟弱にするつもりはない。」

 

 

うわぁ、一夏の修行で苦しむ姿が容易に想像できる…

今はまだ練習だから優しくしてやろうと思った。

 

 

「兄さん。再開しましょう。」

 

 

箒と一夏が来て催促してくる。もう五分か。ちーちゃんと話してるとすぐ時間がたつな。

 

 

「そういえば、雄二兄ちゃん。」

 

「ん?なんだ一夏。」

 

「雄二兄ちゃんと千冬姉はどっちが強いんだ?やっぱり千冬姉?」

 

 

一夏が俺たち二人を見て聞いてくる。

そういえば一夏が来てからちーちゃんと一回も試合してなかったな。

知らないのも当然か。

 

 

「そりゃあ、もちろんt「に、兄さんに決まっているだろう!」・・・」

 

 

箒・・・何を言っているんだ…

お前も知っているだろう?

 

 

「ほんとかよ?千冬姉はちょー強いんだぞ!」

 

「ほんとだ!兄さんはちょーーー強くて私の自慢の兄さんだ。そんな兄さんが負けるはずないんだ。ね?兄さん。」

 

 

箒が期待を込めた目線で見てくる。

箒・・・お前はそんなに俺のことを思っていてくれたのか。

 

 

「もちろんだ。強いのは俺だ。」

 

 

それに答えずして何が兄か‼

ちーちゃんもここは俺の顔を立ててくれることだろう。

ちーちゃんも『貸し一だぞ?』と目線で伝えてくる。キャーちーちゃんイケメーン!

 

 

「そう、強いのはy「嘘だよな、千冬姉!」当たり前だろう。雄二が最強?違う!私が最強だ!」

 

 

一夏が泣きそうな顔でちーちゃんを見つめるもんだからちーちゃんもスイッチが入ってしまった。

これはまずい。しかし箒のためにも引くわけにはいかない。

 

 

「おいおいちーちゃん、冗談もその大きい胸だけにしてくれ。」

 

 

やっべ、焦って変な挑発してしまった…。し、しょうがないんだ。ちーちゃんのおっぱい大きいんだもん!

 

 

「ほーう、面白いこと言うではないか。最強の称号を持つ物は二人もいらない。死合いしようではないか。」

 

 

ちょー怒ってる…。しかも今なんか試合の文字がおかしかったような・・・

もう引き下がれない・・・・下がったら死ぬっ!

 

 

「受けてたとうじゃないか。もし俺が負けたら言うこと一つ聞いてあげるよ。その代わり俺が勝ったら一日メイド姿で俺に奉仕してもらおう‼」

 

「ッ!?・・・いいだろう。その条件飲んでやる。後悔するなよ?」

 

 

ここまで来たらやけだった。絶対に負けられないプレッシャーと勝った時のご褒美を同時に用意することによって限界以上のパワーを引き出す作戦だ。

 

こんぐらい必至になんないとちーちゃんには勝てない。ちーちゃんも負けられないのは同じだが俺は欲望駄々洩れの願いによって次元の違う強さを得て見せる‼

 

 

準備を終え、俺たちは向かい合う。

 

ちーちゃんが持つのは一本の木刀。それ一本のみだ。

対する俺が持つのは木刀を短くした短刀だ。それを両手に二本持つ。

 

 

「さぁ、始めようか。箒、開始の合図を頼む。」

 

「は、はい!・・・それでは・・・」

 

 

お互いに構えをとり、その時に備える。

 

 

「始め!」

 

ドンッ‼ 

 

 

開始早々床が壊れるんじゃないかと思うほど大きな音を立てながらお互い接近する。

そして一秒立たないうちにお互いの得物が激突する。

ちーちゃんの木刀を右の短刀で防ぎ左の短刀で攻撃する。

しかしそれを通すほど甘い相手ではなく木刀をうまく使い防がれる。

 

短刀では木刀の攻撃を殺しきることは難しいためいったん距離をとる。

ちーちゃんもまた下手に距離を詰めてこない。短刀の連続攻撃を警戒しているのだろう。

 

 

(まったく、一本で二本防ぐとかどういう技術だよ…)

 

 

ちーちゃんの技術に舌を巻く。俺だってできないわけじゃないが自分クラスの奴のは捌く自信はない。

彼女はそれを行える。こと剣の扱いにおいて彼女の右に出る者はいない。(柳韻さんは除く)

 

 

(さてとどうするか。)

 

 

短刀を手首でくるくる回しながら考える。

一撃の理は相手、手数の理は自分。しかし、自分の間合いにするには相手の間合いを潜り抜けなければならない。

 

 

(防御重点をおいた速攻。これしかないな。)

 

 

回していた短刀を逆手で持つ。それをみて仕掛けることがわかったのかちーちゃんからのプレッシャーが増す。

しかし、その程度で尻込みしているようじゃ勝てない。構わず突っ込む。

 

 

相手の間合いに入った。その瞬間目の前に迫っている攻撃。短刀を使ってうまく流す。

しかし予測されていたのか流れるような二撃目が来る。しかしこちらもそれは織り込み済み。

問題なくいなす。しかし・・・・

 

 

(そう簡単に間合いを詰められねぇ…)

 

 

こちらの足を止めさせるように繰り出される攻撃。防ぐのは難しくないが攻めるのが難しい。

一度距離を離して仕切り直す。

 

 

(こいつは攻略に時間がかかるな。)

 

 

10分が経過したがまだ戦局は変わっていない依然俺は間合いに入れずに防御している。

 

 

(こうも防御ばかりの試合ってのは最初の時を思い出すな。)

 

 

牽制の攻撃をし、距離をとりながらそんなことを思う。

思い出される自身の初めての試合。

防御メインの試合というのは共通しているがあの時と違い、自分は攻めた防御をしている。

矛盾しているが実際そうなのだからそうとしか言いようがない

 

 

(さて、いろいろ試してみたがいまいち効果が出ない。)

 

 

緩急をつけた接近、短刀の持ち替えによる軌道の変化、足技を入れた攻撃 etc…

様々なことをしたが間合いを詰めるに至ってない。

 

 

(一番惜しかったのが蹴りを出したときだったな…)

 

 

蹴りには一瞬反応が遅れたがうまくカバーされてしまった。

 

 

(やっぱあの時みたいに意表を突くしかないな。)

 

 

彼女から意表を突く・・・・それは並大抵のことじゃできない。

しかし、できないわけじゃなかった。一つだけ作戦がある。

これによって勝敗が決まるだろう。そのため、タイミングが重要だ。

俺はその時を待った。

 

 

ちーちゃんの猛攻を防ぎ続けているとついにそれを行えるチャンスが来た。

 

 

(今だッ‼)

 

 

距離を離す瞬間、上の道着を脱ぎ去り間に投げる。これによって数瞬俺の動きを見れない。

同時に距離をとっていた俺はそこから下がって警戒するであろう相手に向けて己の得物を投擲する。

俺の放った二本の短刀は道着を突き破り相手に襲い掛かる。相手からは道着で見えなかったため対処は難しいだろう。

 

カンカンッ!

 

はじかれた音が俺の耳もとに届くがそれも想定内。すでに俺は横合いから接近している。

それにちーちゃんも気づくがもう遅い。道着によって遮られた相手からの二本の短刀の不意打ちですら防ぐちーちゃんだが更なる不意打ちは防げまい。

 

 

(終わりだッ!)

 

 

俺は掌底を打ち込みに入る。すでに俺の間合いであり、防御も回避も不可能。

 

 

ズドンッ!

 

 

鈍い音が鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれは俺の掌底による音ではなく、最速の一撃が俺の腹に入った音だった…

 

 

あのタイミングでは攻撃は決して間に合わない。ではなぜ間に合ったのか?

答えは、線ではなく点だったからだ。点の攻撃、すなわち突きである。

彼女の最速の一撃が俺の掌底の速度を上回った。

それだけのことだった…

 

 

俺の体は前方に倒れていく・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ‼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時さらに鈍い音が鳴る。

 

 

「な・・・にぃ・・・!?」

 

 

驚愕と苦痛の声をあげながらちーちゃんが崩れ落ち、気を失う。

なぜちーちゃんが崩れ落ちるのか?その答えは簡単だ。

 

 

()()掌底を打ち込んだからだ。

 

 

あの突きを食らって反撃するのは不可能だ。それは俺だって例外じゃない。

しかし俺はそれを食らって反撃し、今この場に立っている。

 

 

「俺の・・・勝ちだな・・・・」

 

 

それだけ言うと俺はその場に倒れて気絶した。

 

 

 

 

 

 

「いっつ!?」

 

 

腹部の痛みで目が覚める。

どうやら道場の端の方で寝かされていたらしい。

外を見るとすでに夕方だった。上着も新しいのが着せられている

 

 

「起きたか。」

 

 

声のした方を見るとちーちゃんがいた。

 

 

「まったく、勝ったお前の方が起きるのが遅いとはおかしな話だな。」

 

 

そういってちーちゃんは笑う。聞けばちーちゃんは数分したら目を覚ましたが俺は一時間近く気を失っていたらしい。まったくもってちーちゃんの言う通りだった。

 

 

「で、あれはどういうことだ?」

 

 

しばらくしてちーちゃんが真剣な顔で聞いてくる。

あれというのはおそらく最後についてだろう。

 

 

「どうして攻撃できたかってこと?」

 

「そうだ。あの突きは私の全力だった。いくらお前が頑丈だといっても反撃は不可能だったはず。」

 

 

ごもっともな疑問だと思う。俺がちーちゃんの立場でも一番に疑問に思う。

 

 

「そう、不可能だった。だからそこに俺はかけたんだ。ちーちゃんに勝つためには俺の実力じゃあ意表を突くぐらいでしか勝てない。道着も短刀も間合いに入れたことさえもすべては囮でちーちゃんのその一撃を出させることが目的だった。」

 

「あえて打たせたと言うのか!?いや、待て!どうやってあれを耐えた!?」

 

 

ちーちゃんに攻撃させるのが俺の作戦だった。それを聞いたちーちゃんはとても驚いている。

それはそうだろう、耐えるのが不可能な攻撃に耐えることが前提なのだから。

 

 

「それはねこういうことだよ。」

 

 

俺はちーちゃんの手を取って俺の腹部に触らせる。セ、セクハラじゃないよ!?

 

 

「これは・・・・異常な硬さだ・・・!?」

 

 

ちーちゃんは俺の腹部に触れて驚く。もちろん何か詰め物をしているわけじゃない。

 

 

「そうこれが俺が耐えられた答え。俺は筋肉を収縮させることによって防御力を上げた。」

 

 

これはどこかのマンガで見た技で研究していたのだ。不完全なため本来なら実践に使えるような技ではないのだがあらかじめ来ると分かっていればギリギリ使える。

今回俺はこれを使ってちーちゃんの突きをギリギリ耐えきった。

 

 

「お前は本当に馬鹿げたことばかりするな…そんなこと普通出来ないし、やろうとも思わんぞ。」

 

 

ちーちゃんが普通とか言うの!?しかも呆れられてるし。

やってみたらできたんだからしょうがないじゃん。

 

 

「まぁ、今回はだいぶ無茶したけどね。」

 

 

今回は箒の為にも絶対に勝ちたかった。だから普段やらないような危険なこともしたし、不完全な技も使った。

一歩間違えれば大けがしていたかもしれない。

 

 

「そうだ、お前は無茶なことを平気でやりすぎる。今のも聞けば聞くほど危ないではないか…」

 

 

ちーちゃんに叱られる。

 

 

「まぁ、でも今回はちーちゃんの技量信じてたし、得物も木刀だったかr「そういう問題ではない‼」ッ!?」

 

 

余りに大きな声でビックリした。ちーちゃんがここまで叫ぶのは珍しい。

 

 

「そういう問題ではないんだ・・・・私はお前になにかあったら・・・・・」

 

 

しかし今度は消えてしまいそうなんじゃないかと思うほど小さい声だった…

そして、話しているちーちゃんの顔はとても悲痛なもので体も震えていた。

本気で心配してくれてるのだ…

 

 

「ごめん・・・」

 

 

自分のせいで目の前の女の子が悲しい顔をしている。

そう思うと自分がいかに馬鹿なことしたのかがわかり、許せなくなる。

 

 

「二度と今みたいな馬鹿はしないでくれ…」

 

 

ちーちゃんは震える声で俺に言う。

 

 

「わかった・・・もう二度としない。」

 

 

俺はちーちゃんの手を取って誓う。

 

 

「俺は君や心配してくれる人が悲しむような無茶は絶対にしない。だけど・・・・俺は気が付かないうちに無茶するかもしれない。そんなときは君が俺の無茶を止めてくれないか?」

 

 

俺一人では気が付かないうちに無茶をして皆を悲しませるかもしれない。

だけどこの子ならばそれに気づいて止めてくれる。

ずるくて情けないけどそれで皆が悲しまないならそれが一番だと思う。

 

 

「ダメ・・・かな・・・?」

 

「___ろう・・・」

 

「えっ?」

 

「いいだろうと言ったんだ。その代わり私に頼んだからには覚悟しろ。どんなことをしてでも止めてやる‼骨の一本や二本は覚悟しろ。」

 

 

快く俺のお願いを聞いてくれた。

その顔はとても晴れ晴れしく、いつものちーちゃんの笑顔だった。

 

 

「ハハハ・・・お手柔らかに頼むよ。」

 

 

俺はこの笑顔を守れるように頑張ろうと思った。




今回は戦闘回でした。皆さんも実力が気になっていたのでは?
我らが主人公も結構強くなっていますのでご安心ください。
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