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第三十話 始まった物語
(きつすぎる…)
俺こと織斑一夏は現在、教室にいる。
別に学校初日で友達ゼロとかそういうのじゃない。
今はまだ朝のHRすら終わってない状況だ。
ではなぜ俺が悩んでいるのかというと・・・
俺の席を囲むように女子の席が配置されているからだ。
まわりに女子いて悩んでる?お前馬鹿か?などと言われそうだがここばっかりは例外だ。
(なにせここは・・・・)
そう、ここは・・・・
(
IS学園。それは全世界からISを学びに来る生徒たちが集まる学園であり、ここはどこの国にも属していない特殊な学園なのだ。
ISは女性にしか動かせないのは一般常識だ。しかし、俺は男なのに起動させてしまった。
つまり・・・・比率がやばい…
(男女比率が普通なら喜べたがここまでくるとさすがにキツイ…)
女子だらけの空間に放り込まれて皆から見られる。
(俺はパンダじゃないっての…)
思わずため息をついてしまう。
「おり____か_ん_」
しかし救いなのが箒がいることだ。
「__むらい__く_。」
箒の方を見ると
『前を見ろ!』
と仕草と目線で伝えてきた。
(前?)
教えられた通り前を見ると・・・
「織斑・・・一夏・・・くん…」
何故か半泣き状態の先生が俺の名前を呼んでいた。
「えっ!?あっ、はい。なんですか先生?」
「あの・・・自己紹介・・・・織斑君の番なんだけど・・・やってもらっていいかな?あっ!私なんかの言う事聞いてくれないよね…」
ズーンと効果音が見えるぐらい落ち込む先生。
「いえいえ!そんなことないです。自己紹介やらせていただきます!」
「ほんとですか?」
「もちろんです!」
パァーっと顔が明るくなる先生。表情豊かだなこの人。
「じゃあ、お願いします。」
「はい。織斑一夏です。よろしくお願いします。」
とりあえず挨拶をして座ろうと思ったが女子からの期待の目線が突き刺さる。
これは趣味とか言わないといけないやつだ。
(雄二兄ちゃんが『自己紹介はまじで大切だから!まじで!』とかいっていたな…)
その時に困ったときの自己紹介を教わったが今がその使う場面のようだ。
「趣味は体を動かすことで得意なことは家事全般です。ISについては右も左もわからない状態なので助けてもらえると嬉しいです。皆さんのことも知りたいので話かけてもらえるとさらに嬉しいです。以上です。」
言い切った瞬間、ストンっと席に着く。そして遅れて拍手の音が聞こえる。
(どうやら成功したみたいだ。雄二兄ちゃん、ありがとう。)
やはり俺の兄は偉大だと思い、しみじみとする。
「なにをしみじみと天を見上げている、織斑。」
「えっ?」
ものすごく聞き覚えのある声が聞こえ、前を見ると
「千冬姉!?」
俺の姉である織斑千冬が立っていた。
何故ここに?と思っていると
「学校では織斑先生と呼べ!」
出席簿で頭を殴られ、スカン!といい音が俺の頭から鳴った。
「いっつ!何すんだよ千冬n・・・・織斑先生…」
千冬姉と言いかけたら出席簿を構えたので慌てて言いなおす。
そして千冬姉は無視して教卓の前に立つ。
「織斑先生、会議は終わられたんですか?」
「あぁ。山田君、クラスへの挨拶を押し付けて悪かったな。」
千冬姉はさっきまで話していた先生(山田先生というらしい)と軽く話してからこちらを向く。
「私がこのクラスの担任となった織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物にするのが仕事だ。」
そう千冬姉が言った瞬間・・・
『キャーーーーー!!』
「千冬様、本物の千冬様よ!」
「私、千冬様に会うために入学したんです!」
教室中から黄色い声援がうるさいほどにとびまくる。
「毎年よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。私のクラスにだけ集中させているのか?」
呆れ気味に言う千冬姉。俺もこれは異常だと思う…
「お姉さまー!もっと叱ってののしって!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように調教してー!」
うん、この学園ダメかもしれんね…
ていうか千冬姉が担任か。
「教師やってたんだ、千冬姉。」
「織斑先生だ!」
出席簿が俺の頭にクリーンヒットする。めっちゃ痛い…
そして周りでは俺と千冬姉が姉弟だということに驚き、ざわめいている。
「静かに!諸君らにはISの基礎知識を半年で覚えてもらう。いいな?いいなら返事をしろ!よくなくても返事をしろ!」
『はい!』
さすが千冬姉、圧倒的カリスマだな。
「それと自己紹介についてだが時間がないためあと三人だけやって終了とする。他のものは休み時間にでも自己紹介しあってくれ。」
三人か。誰が自己紹介するのかはもうクラス中の皆わかっている。
(どんな奴らなんだろう?)
俺は期待を膨らます。
俺以外の三人の
★
「天馬 零士(てんま れいじ)だ。最初に言っておくお前ら全員俺様の嫁にしてやる。モブのやつも安心しろ、俺は寛大だ。」
高らかに言い放ち、最後にニコッと笑う。
そのしぐさにクラスの大半の生徒がうっとりする。
それをみて満足そうに彼・・・天馬零士は席に着く。
(なんかすごい俺様系の奴だな・・・見た目もすげぇし。)
彼の見た目は銀髪にオッドアイでおまけにそれが完璧に似合う美形の顔。
完璧な容姿と言っても過言ではない。
「・・・・次は衛宮だ。」
千冬姉が呆れて頭を押さえながら次の奴に自己紹介を促す。
衛宮と呼ばれた男は席から立つ。
その容姿は赤みがかった髪が特徴的だった。
そしてこいつも天馬同様イケメンだ。
「衛宮 隼人(えみや はやと)です。よろしくお願いします。特技は物を直したり機械いじりです。簡単なものならすぐ直せます。以上です。」
最後にぺこりと礼をして席に着く。
イケメンなのでやはり女子がざわつく。
(普通だな・・・・いや、さっきのがおかしいのか。)
真面目そうだけど表情は柔らかく話しやすそうなやつという印象だ。
「よし、最後は鳴海だな。」
今の衛宮の自己紹介で千冬姉は気を持ち直したようだ。
正直、俺もほっとした。
そして最後の一人が立つ。
「鳴海 優(なるみ ゆう)です。人に自慢できる特技とかそういうのはないです。趣味は料理です。よろしくお願いします。」
最後の奴はほんとに普通って感じだ。黒髪に衛宮達と比べたら平凡な顔。
どこのクラスにも一人はいそうなやつだった。
(どこにでもいそうだからかな?なんか会ったことあるような気がする。)
「これで自己紹介は終わりだ。各自休み時間にしていいぞ。」
そんなこと考えているうちに休み時間になった。
しかし・・・・
(動こうにも動けない…)
俺が動こうとすると皆、挙動一つ一つに反応するため目立ってしまう。
(これ以上注目されたら俺の胃が死ぬ!)
だから動けない。他の奴も同じなのか席から動かない。
いや、天馬の奴は違うな…。机に足を乗っけて偉そうに座っている…
「一夏。ちょっといいか?」
そんなとき俺に救世主が現れた。箒である。
「あぁ!もちろんだとも。どこか移動するか。」
他の男子には悪いがこれ以上ここにいてもいいことはないので箒とともに教室を後にする。
・
・
・
「ここまでくれば大丈夫だろう。」
俺達は屋上までやって来た。ここならば視線などもなく、ゆっくりと話すことができる。
「久しぶり・・・というのはおかしいか。連絡は取っていたしな。」
「いやでも、直接会うのは6年ぶりだから久しぶりでいいんじゃないか?」
「それもそうだな。では、久しぶりだな一夏。」
「久しぶり、箒。でっかくなったなぁ。」
6年ぶりに再会した箒は当然だが成長していた。
雰囲気も落ち着いており、身長も伸びていた。
そして・・・・
(胸も・・・・成長したな。)
胸には重装甲がついていた。
「ふふっ、何を当たり前のことを言っているんだ。」
箒はおかしそうに笑う。あの頃と何も変わらない柔らかな笑み。
それをみて俺は安心した。
「あっ!そうだ!」
「ん?どうした一夏。」
そうだった言おうと思っていたことがあったのを思い出す。
「箒、去年の剣道大会優勝おめでとう。」
去年箒は剣道で全国大会優勝したのだ。
「どうしたんだ急に?優勝した日にも聞いたぞ?」
箒が首をコクンとかしげている。
箒の言う通りなのだが
「面と向かって言いたくなってさ。今まで会えなかったから。」
「一夏…」
箒は嬉しそうにこちらを見てくる。
「ありがとう。」
ドクンッ!っと心臓が跳ねる感じがした。
不意打ちだった。まさかここまで喜んでもらえるとは思わなかった。
「き、気にするなよ。俺が言いたかっただけだから。」
少しきょどってしまう。
「どうした?顔が赤いぞ、一夏。」
箒がニヤニヤしながら聞いてくる。
「う、うるさいなー。べつに赤くない。」
この後箒にからかわれつつも休み時間が終わるまで箒との会話を楽しんだ。
★
織斑一夏がISを動かしたことによって俺の考えていた仮説はあっていると確信した。
初めてISに乗った織斑千冬の弟、つまり遺伝子は近い。
恐らくはそれがISを動かせた原因であると俺は考えていた。
他の男性操縦者が現れるまでは・・・・
そいつらが現れたことによって俺の仮説は信憑性が格段に下がった。
もちろん素性を調べ上げたがISを動かせるような変わった点などなかった。
いったいなぜISが起動したのかは予想もつかない。
(この謎は俺には解けないのか?)
しかし、納得がいかない。
「ちょっといいか?」
思考に没頭していたら話しかけられた。
「いいけど、なんだい?」
声をかけてきた少年に返事を返す。
「いやさ、話がしたいと思ってさ。どんな奴なのかな~って。あっ!俺はさっき聞いてたと思うけど衛宮隼人っていう。確か
今、俺の目の前にいるのは衛宮隼人。男性操縦者の一人だ。
そして俺は・・・
「あっているよ。ありがたいね、もう名前を憶えてくれてるなんて。それに僕も衛宮君と話がしたいと思っていたんだ。」
鳴海優と名乗ってIS学園に
もちろんIS適正はある。最低値のCだがな。それに顔も別人だ。
どうやって俺がIS適正を得たのかは・・・っと今はそれよりも目の前の少年の相手をしないとな。
「衛宮君だなんてやめてくれ。呼び捨てで構わないし、好きに呼んでくれ。」
「そうですか、では衛宮と。それで衛宮は僕に何が聞きたいんですか?」
「何をってわけじゃなくて、ただ話してみたかっただけだから世間話でもなんでもって感じだ。」
「そうですか。では________」
それから他愛のない話をして休み時間をつぶした。
・
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今は授業中なのだが暇すぎてあくびが出る。
(IS学園っていっても所詮はこんなものか…)
授業がつまらないのはどこも一緒だな。
つまらないので寝ることにする。
★
「はい、ではここまででわからない人いますか?」
山田先生が黒板から振り返りクラスを見渡す。
今はISの基礎の基礎といったところらしい。
「山田先生…」
「はい、なんですか織斑君。」
俺が手を上げると山田先生がやさしく声をかけてくれる。
「ここがよくわからないんですけど…」
少しわからないことがあったので聞いてみた。
まだ基礎の基礎なのに恥ずかしい限りである。
「それだったら、ここがこうでね。こっちがこうですよ。」
「あぁ!なるほど。ありがとうございました。山田先生。」
山田先生の説明はとてもわかりやすく、すぐにわかった。
「では、続けますよ。」
(これはしっかりしないとすぐにわからなくなるぞ…)
・
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・
「ふぅー、終わった。」
授業も終わり、中休みに入った。
「なぁ、ちょっと時間いいか?」
赤い髪の・・・・確か衛宮に話しかけられた。
「あぁ、いいぜ。衛宮だっけ?俺は織斑一夏。一夏でいい。」
「俺は衛宮隼人だ。好きに呼んでくれ。よろしくな一夏。」
「じゃあ、隼人って呼ぶわ。」
それから隼人と少し話したところで
「そういえば一夏、お前授業ついていけてるのか?」
そんな質問をされた。まぁ、さっき質問してたの俺だけだしなそう思うのが普通か。
「まぁ、ギリギリって感じかな。参考書が分厚すぎてうろ覚えでさ。」
「読んだのか!?」
「いや、そりゃあ読むだろ。必読って書いてあったし。」
おかしなこと聞く奴だ。
「あっ!いや・・・その・・・それはそうなんだが、ほら!あれって分厚くて電話帳みたいじゃないか。なんか話してる感じ一夏だったら間違えて捨てちゃってそうだと思ってさ…」
「げっ!?なんで捨てそうになったことがわかるんだ。エスパーか?」
「いや、なんとなく一夏ってそうゆう奴かなって…」
すげぇ失礼なこと言われたが捨てそうになったのは本当なので言い返せない。
「で、結局なんでそこで重要な物って気が付いたんだ?」
「それはだな、俺には兄貴分みたいな人がいるんだけどな。その人が『物は大切にしろ。捨てるときも本当に捨てても問題ないか確認しろ』ってよく言ってたの思い出したんだ。」
「兄貴分?」
「あぁ、それh「ちょっとよろしくて?」」
説明しようとしたところで俺の声を遮るように声をかけられる。
そちらを向くと金髪縦ロールの女子がいた。
今回はここまでです。
主人公はどうやってISを動かしたのか?
他の男性操縦者は何者なのか?
一夏達の前に現れた金髪縦ロールは一体何リアなのか?
次回から更新が多分遅れます。(二日か三日に一回ぐらい)
一時、日間ランキングに入っていました。
皆様本当にありがとうございます。