~E・S~転生者は永遠を望む   作:ハーゼ

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とりあえず初日終了までです。




第三十一話 謎

俺の名前は衛宮隼人。

いわゆる転生者ってやつだ。

 

そんな俺は今、金髪縦ロールチョロインことセシリア・オルコットを前にしている。

 

 

「え~っと、何か用か?」

 

 

俺の隣にいる一夏が話しかけてきたオルコットに返事を返す。

 

 

「話かけたのだから当たり前でしょう?そんなこともわからないのですか?」

 

 

一夏がムッとする。俺もいまのは少しイラッときた。

 

 

「それだったらはやく話せよ。」

 

 

一夏が催促する。

 

 

「なんですのその態度は。私が話かけるだけでも光栄なんですのよ。」

 

「光栄って・・・・俺は君のこと知らないし…」

 

「俺も知らないな。」

 

 

俺は知っているが知らないふりをする。

 

 

「私のことを知らない!?このセシリア・オルコットを!イギリス代表候補生であり、入試主席のこの私を!?」

 

「代表候補生なのか。それはすごいな。でも、自己紹介も全員やらなかったんだから名前知らなくても不思議じゃないだろ?」

 

 

まただ…

 

(俺の記憶だと一夏はIS知識ゼロのはず。)

 

なのに一夏は授業についていけ、代表候補生という単語を分かっている。

 

 

「自己紹介などしなくてもイギリス代表候補生の私のことは知っておくべきですわ!」

 

「そんな無茶な…」

 

 

一夏の言う通りだと思う。俺達は急遽IS学園に入ることになり、参考書を覚えるだけで手いっぱいだったのだから。

 

 

「無茶でもなんでもありませんわ!現にあちらの男性は私のことを知っていましたわ。」

 

「「えっ?」」

 

 

俺達はオルコットのみている方向を見る。

視線の先には鳴海がいた。

こちらの会話が聞こえていたのか手を振ってくる。

 

 

「それに比べあなたたちは常識が足りてないのでは?私はエリートですのよ!私と同じクr「ここわかんないんだけどさ。」ここはですね、こうですわ。「なるほど、ありがとな。」いえいえ・・・・・って何やらせてるんですの!」

 

 

鳴海から視線をこちらに戻すと漫才みたいなことやっている。

クラスの人たちもクスッと笑っている。

それに気づいたのか顔を少し赤くするオルコット。

 

 

「え~っと、結局オルコットは何しに来たんだ?」

 

 

話が終わりそうにないので俺は結論を求める。

 

 

「はっ!?そうでしたわ。私、男性操縦者がどのような人か確認しに来たのですわ。まぁ、結果は予想通りでしたけど。」

 

 

どうやら俺達はオルコットのお眼鏡に叶わなかったようだ。

まぁ、性格からいって俺達には最初から何も期待していなかっただろうが。

 

 

「ですが、私は優秀ですからあなた達にも優しくしてあげますわよ。わからないことがあれば、まぁ、泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ?何せ私、入試で唯一教官を倒した、エリート中のエリートですから。」

 

「あっ、それ俺も倒したぞ。」

 

「俺も倒したな…。水を差すようで悪いが。」

 

 

俺も試験では教官を倒した。まぁ、試験だから手加減していたというのもあるだろうが。

 

 

「ほ、本当ですの!?」

 

「いやまぁ、倒したっていうかいきなり突っ込んできたのをかわしたら壁にぶつかって自爆したんだけど。」

 

「な、なんですかそれは・・・・そちらのあなたは?」

 

 

オルコットがこちらに向く。

 

 

「俺の場合は相性が良かっただけさ。射撃タイプの機体を教官が使っていたから接近してギリギリ勝った。試験だから手加減していたんだろなきっと。じゃなきゃ近づけずに終わってた。」

 

「教官を倒したのは、わ、私だけと聞きましたが…」

 

「女子ではって落ちじゃないのか?」

 

 

それを聞いたオルコットは呆然とする。

 

 

「おーい、オルコット?」

 

「ハッ!?それじゃあ!本当にあなた達も教官を倒したって言うの!」

 

 

声をかけたら意識が戻ってきたらしく、こちらに詰め寄ってくる。

 

 

「お、落ち着けよ…」

 

「こ、これが落ち着いていらr『キーンコーンカーンコーン』話の続きはまた改めて。よろしいですわね!」

 

 

チャイムが鳴ったことによりオルコットは席に戻っていった。

 

 

「嵐のような子だったな…」

 

「あぁ…」

 

 

その後は特に何も起こらず放課後を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は織斑一夏。よろしくな。」

 

「えぇ、よろしく織斑君。僕のことは好きに呼んでくれ。」

 

「じゃあ、優って呼ぶな。優も俺のことは一夏でいいぜ。」

 

「さすがに名前を呼ぶのははやいと思うから織斑、っと呼び捨てで呼ばせてもらうよ。」

 

「そうか?俺は全然かまわないけどな。」

 

 

相変わらず一夏はフレンドリーなやつだった。

 

(変わらないものだな…)

 

一夏は鳴海優を知らないし、鳴海優も一夏のことは知らないことになっている。

ぼろが出ないように気をつけなければいけない。

 

 

「それにしても先生遅いな。」

 

 

衛宮が扉の方を見ながら呟く。

俺達男性操縦者は今、先生に教室に残るよう言われて残っている。

 

 

「先生も大変なんだろ。それよりも・・・・・天馬!こっち来て一緒に話さないか?」

 

 

一夏が窓際にいる天馬に話しかける。

 

 

「なぜ俺様がお前らなんかと話さなければいけない?」

 

 

ギラリと射抜くような眼光でこちらを見てくる。

 

 

(う~ん、まだ全然迫力がないな・・・・・25点かな。)

 

「そ、そんなこと言うなよ。俺達同じ境遇の仲間だろ?」

 

「仲間?フッ!愚民にしては面白いこと言うじゃないか。」

 

 

一夏が説得を試みるもダメなようだ。

 

 

「おいおい、さすがに言いすぎだぞそれは。」

 

「言い過ぎも何もあるか。事実なのだから。そして教えといてやる。俺は貴様らとなれ合うつもりはない。せいぜい三人でお友達ごっこでもしてろ。」

 

 

衛宮が会話に参加するが状況はさらに悪化していく。

一夏と衛宮は頭にきているのか拳を少し握っている。

対して天馬は余裕綽々といった感じでこちらを見下している。

このままでは一触即発といった空気だ。

 

 

「み、皆さんお待たせしました!」

 

 

そこに扉を開けて教室に入ってくる人物が二人。

山田先生とちーちゃんである。

その二人が入ってきたことで一夏と衛宮は拳から力を抜く。

 

 

「遅かったですね、先生方。」

 

「悪いな、職員会議が長引いてしまってな。お前たちに残ってもらったのは渡すものがあるからだ。」

 

「はい、こちらですね。」

 

 

そういって山田先生が一人ずつにカギを渡していく。

 

 

「それはお前たちの部屋のカギだ。再発行は手間がかかるため、なくすんじゃないぞ。」

 

「部屋?しばらくは自宅から通うんじゃなかったっけ?」

 

 

一夏が疑問の声をあげる。一夏の言う通りしばらくは自宅から通うことになっていたはずだ。

 

 

「急遽変更されてな、お前たちには今日から寮で生活してもらう。」

 

「えっ!?荷物とかはどうすんだ!?」

 

 

一夏が再び質問する。なるほど、自宅からではいつ襲われてもおかしくないからか。

しかし・・・・

 

(この二人・・・・妙に落ち着いているな。まるで知っているかのようだ。)

 

衛宮隼人と天馬零士。この二人は落ち着いた態度には違和感を感じる。

 

(まぁ、たいしたことじゃないか…)

 

最近の子は落ち着いているんだろうきっと。

そう結論づけた俺はちーちゃんの話の続きに耳を傾ける。

 

 

「荷物ならば心配するな。私が用意しておいたし、お前らの家にも連絡済みだ。」

 

 

そういうちーちゃんの後ろには人数分のダンボール箱がある。

 

 

「着替えに歯ブラシ、充電器が入っている。これだけあれば大丈夫だろう?」

 

「えっ!?それだけ!?」

 

「必要なものがあるなら休みの日に家に取りに行け。以上だ、異論は認めん。」

 

 

まじかよ・・・と落ち込む一夏。衛宮もこれにはさすがに苦笑いだ。

天馬は特になにも反応していない。

 

(本当に必要最低限なところがちーちゃんらしいな。)

 

俺にはブレスレット型の倉庫があるので何も問題ないので呑気にそんなことを思う。

 

 

「皆さんは大浴場は使えないので部屋のシャワーを使ってくださいね。」

 

「えっ?なんで使えないんですか?」

 

 

一夏の頭には疑問符がうかんでいる。

分かってないのは一夏だけのようなので助け船をだす。

 

 

「織斑。ここはIS学園でそのほとんどの生徒は?」

 

「そりゃもちろん女子だr・・・・あっ!なるほど、そういうことか!」

 

「馬鹿は頭の回転が悪いな。」

 

 

一夏がわかったところで天馬がクツクツと馬鹿にするように笑う。

 

 

「なんだと!お前さっきから!」

 

「事実だろ?いや、事実だからキレているのか。」

 

 

挑発する天馬と今にもとびかかりそうな一夏。

またもや一触即発という空気になったが

 

 

「おいおい、二人ともよせって。話が進まないだろう?」

 

「隼人・・・でもあいつが・・・」

 

「確かに天馬の言い方は悪いがあの程度の挑発に乗るな。乗ったっていいことないぞ?天馬の方も話が進まないからあまり口出しするなよ?」

 

 

衛宮の一言で一夏は落ち着き、天馬はフッと鼻をならし腕を組み、話を聞く体勢になる。

もう少し遅ければちーちゃんが仲裁(物理)をしていただろう。

 

 

「は、話はこれだけなので皆さん道草をくわないで寮まで帰ってくださいね?」

 

 

そういって先生方は教室から出ていく。

そして俺達も教室をでて、寮に向かった。

 

 

部屋に到着し、段ボール箱を床に置く。

どうやら俺は一人部屋のようだ。

 

 

「さてと・・・・」

 

 

スマホを取り出し、腕時計であるスパイダーショックを使って部屋の状態を調べる。

するとスマホであるスタッグフォンにいくつかの反応が示される。

 

(やはり、盗聴器が仕掛けられているな。)

 

その反応の正体は盗聴器である。スパイダーショックの発信機としての電波受信機としての機能を応用して発見した。

そして手元のスタッグフォンを操作してそれらの盗聴器をハッキングしていく。

 

 

「はい、完了っと。」

 

 

ダミーの音声を送るようにハッキングした。これで盗聴器は使い物にならなくなった。

壊すと俺への警戒度が増すため、このような回りくどい手を採用した。

 

 

「これで好き勝手できるな。」

 

 

ブレスレットからノートパソコンを取り出す。これは研究所のコンピューターとリンクしている。

その他にもいろいろ私物を取り出していき、部屋に配置していく。

 

 

「よし、完成。」

 

 

五分もしないうちに俺の部屋の内装は完成した。

大体の物が研究の資料だったりする。

 

 

「これでひと段落したな。」

 

 

ベッドに座り込み、体内から一つのメモリを取り出す。

 

 

Dummy(ダミー)

 

 

そしてメモリを発動させると俺の姿は鳴海優から暮見雄二へと戻る。

俺はこのダミーメモリの擬態能力を使い、姿を変えていた。

 

 

「肩がこるな。」

 

 

肩をまわすとバキボキと音をたてる。

やはり体格の違う体にしていたため、疲れが少し溜まっている。

 

 

「戻ったことだし、研究すっか。」

 

 

ノートパソコンの電源を入れ、研究をする。

今日考えることは・・・・

 

 

(なぜ衛宮隼人と天馬零士がISを動かせたのか…)

 

 

二人の男性操縦者についてだった。

俺の仮説からするとこいつらはバグそのものだった。

 

 

(なぜだ・・・・・)

 

 

単純に俺の仮説が間違っていたというならそれで解決してしまうが・・・・

 

 

「納得がいかない…」

 

 

納得がいかなかった…

なぜって?それは・・・・

 

 

俺がその仮説通りにIS適正を得ることができているからだ。

 

 

それだけ聞けばそんなやつらほっといて研究成果を発表すればいいのだが・・・・

 

 

(これは俺の体だからできただけだ…)

 

 

仮説の研究をしてきた一年間、俺はひたすら自分の体を作り変えてきた。

ISを調べて動かす要因だと思われるものを見つけては遺伝子操作能力があるジーンメモリと自分の技術をフル活用して自分の体を作り変えてきた。

そして俺はIS適正を得た。しかし・・・・

 

 

(そんなものに耐えられる人などいるはずがない…)

 

 

この女神様にもらった体だからこそできたのだ。この体じゃなければ度重なる人体改造に耐えられない。普通の人ではたどり着けない。確実に死ぬ。それほどまでに過酷なものだった。その結果俺の髪は色素が抜け、白くなってしまった。

 

 

(それに正直、どうして俺がISを動かせているのか詳細がわからない。)

 

 

度重なる改造でいったい何が作用してISが反応したのか俺でもわからなくなっていた。

しかし、少なくとも仮説をもとにした改造によって動かしているのは事実だ。

だからこそあの二人は俺からしたらバグなのだ。

 

 

(いったいどうやって・・・・)

 

 

二人について考えるが全くわからない。

 

 

「はぁ~、もうひとつの研究をすすめるか…」

 

 

俺にはもう一つ考えなければいけないことがある。

それは、俺がどうやってISを動かしているかの原因解明だ。

それがわかれば、安全なIS適正手術の発見やIS自体を改善できるかもしれない。

そうすればゴールにググッと近づける。

 

 

「絶対に解明してやる!」

 

 

俺は気合を入れて研究に没頭した。

 

結局、夜明けまで研究したが何一つとしてわかったことはなかった。




因みに一夏は箒と同室で他二人は一人部屋です。
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