~E・S~転生者は永遠を望む   作:ハーゼ

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いよいよ始まる代表戦。
誰が勝つんでしょうね?

~お知らせ~
結城紅の名前を鳴海 優(なるみ ゆう)に変更しました。
結城のときから読んでいただいている皆様にはご迷惑おかけしてすいません。


第三十三話 代表決定戦(前編)

「優、一緒に特訓しないか?」

 

 

放課後になり帰ろうとしたら一夏に呼び止められた。

一夏の隣には衛宮と箒もいる。

 

 

「どうして僕を?」

 

 

誘う意味がわからない。

同じ男性操縦者だから誘っているのかもしれないがISを上手く使えない俺を誘っても非効率的だ。

 

 

「どうしてって、人数がいた方が色々できるだろ?」

 

「そうかもしれないけど、あまり人数が多いと逆効果だと思うよ。」

 

 

メンバーを見る限り恐らく三人の中じゃ箒が一番ISに詳しい。つまり箒に教わるのだろう。

 

(あまり箒に負担はかけたくないな。)

 

そういう訳で断ろうと思ったが

 

 

「それに優って只者じゃない気がするから何か教えて貰えないかなって。」

 

 

一夏のおかしな言葉に思考が止まる。

こいつなに言ってるんだ。正体はバレてないはずだが…

 

 

「なんでそう思ったんだい?」

 

 

とりあえず探りをいれる。

 

 

「なんでってそりゃあ、優だけだったからな。あの状況で笑ってたの。」

 

 

一夏の言葉に他の二人も頷く。

あの状況?

 

 

「ほらあれだよ、今日のクラス代表決めで織斑先生がすごいオーラ出してた時。鳴海だけ笑ってただろう?」

 

 

笑ってた?俺、笑ってたっけ?

 

 

「僕、笑ってたのか…」

 

「無意識だったのか?最高だといわんばかりに口角が上がっていたぞ。」

 

 

まじか…気づかなかった。

確かにあのプレッシャーの中平然と笑っていたらそりゃ、変なやつって思われるわ。

 

 

「で、どうだ?一緒に特訓してくれないか。」

 

「それだと篠ノ之さんの負担が大きくなるんじゃないかい。見たとこ篠ノ之さんに教わるんだろう?」

 

「それならば気にしなくてもいい。私は部活もあってずっと教えられるというわけでもないし、教えるのは精々ISの基礎についてなどぐらいだ。一人増えたところでたいして変わらん。」

 

 

箒がそういうなら大丈夫なのだろう。それにここで俺は普通だと思わせないと後々面倒なことになりそうだ。

 

 

「うん、迷惑じゃないなら僕も一緒にやらせてもらうよ。」

 

 

本当だったら俺はこの学園にISを奪いに潜入したので学園内を調べたりしておきたいのだが今回はしょうがない。

 

(まぁ、学園生活は三年間ある。じっくりとやっていくか。)

 

その間もコア回収は続けるが、よもやIS学園内にその犯人がいるとは思わないだろう。

つまり三年間は身の安全が保障されていると言っても過言じゃない。

とまぁ、時間はあるので一緒に特訓することになったが

 

 

「そういえば、天馬君は誘わないのかい?」

 

 

気になったので聞いてみる。

さすがに仲間外れはかわいそうだ。ボッチの辛さはよく知っている。

 

 

「いや、誘うには誘ってみたんだけど…」

 

「『俺様に特訓など不要だ。貴様らは精々無駄な努力でもしてろ。どうせ勝つのは俺だからな』とか言われたんだ。」

 

 

あぁ、天馬はそういうタイプか…

一匹狼的なやつだね。ちなみに一匹でいる狼って群れから追い出されたボッチらしい。

 

 

「ならしょうがないね。彼と一緒にやったらなかなかに面白そうだから残念だな。」

 

 

そう言うと三人からそれはないと言われた。

解せぬ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで一週間特訓をし、今日は試合当日。

今はピットにて待機中。なぜかって?それは

 

 

『織斑君。来ましたよ、織斑君の専用機。』

 

 

山田先生の言葉を聞き、搬入口をみるとそこから一機のISを運び込まれてきた。

そう、一夏の専用機を待っていたのだった。専用機とは本来企業や国家に所属するものにしか与えられないが一夏の場合、データをとるために与えられた。

 

 

「これが俺のIS。」

 

「名前は白式だそうです。」

 

「白式…。悪いななんか俺だけ専用機があって…」

 

 

一夏は申し訳なさそうに俺達の方を見る。

一夏の言う通り専用機はコアの数の都合上一番最初にISを起動させた一夏のみに与えられた。

そのはずなのだが・・・・

 

 

「いや、実は俺も専用機持っているんだ…」

 

「えっ?」

 

 

衛宮は剣の形をしたネックレスを見せながらそんなことを言う。

一夏は気づいていなかったようで間抜けな声を出している。

 

 

「えっ、なんでだ!?なんで隼人が専用機持ってるんだ?」

 

「実は俺の両親が経営している会社がISの会社なんだ。だからデータの収集として渡された。」

 

 

そう、衛宮の両親が経営している会社は大手のISを扱う会社でその大きさは倉持技研と同等のものだ。

そんなとこの息子に会社から専用機を与えられないわけがないということだ。

 

 

「へぇ~、隼人の家って金持ちだったんだな。」

 

「まぁな。でもあまり金持ちって言われるのは好きじゃないからそこは頼む。」

 

 

二人が話しているうちに試合の時間だ。

 

 

「織斑、当たって砕けてきな。」

 

「優・・・・お前なぁ、こんな時に言うセリフじゃないぞそれ。」

 

 

呆れてプッと笑う一夏。いまので表情も柔らかくなった。

 

 

「ごめんごめん。じゃあ改めて、全力でぶつかってきな。」

 

「あぁ!」

 

 

気合の入った返事とともに一夏は試合に行った。

 

 

結果からいうと一夏の負けだった。

あと一歩というところでエネルギーが切れてしまい負けた。

そして一番気になったのがそのエネルギーが切れた原因だ。

 

(あれは零落白夜か?なぜあの単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が?)

 

零落白夜・・・それはちーちゃんが使っていた暮桜の単一仕様能力だ。

その攻撃は絶対防御すら切り裂くほどの威力を秘めている。しかし、その攻撃に自身のシールドエネルギーを消耗するという欠点がある。今回一夏のエネルギーが切れたのもこの能力の効果で間違いない。

 

(どういうことだ?)

 

本来他の機体の単一仕様能力を他の機体が発現することはないはずなのだ。

なのに白式は零落白夜を発現した。

 

(また開発者でもわからないことが増えたな…)

 

頭が痛くなってくる。ISは反抗期の子供かなにかだろうか?

 

 

「くそ~、負けちまった。折角皆アドバイスしてくれていたのにすまん。」

 

「気にするなよ。ナイスファイトだったぞ一夏。」

 

「そうだぞ一夏。あと一歩だったではないか。」

 

 

俺が考えている間にいつの間にか一夏が帰ってきていた。

 

 

「おつかれ織斑。惜しかったけど調子にのらないようにね。」

 

「お、おう。結構厳しいよなお前って…」

 

 

こんぐらいは普通だと思うのだが厳しいらしい。

まぁ、言葉を変える気は全くないが。

 

 

「それよりも次は優の番か。がんばれよ!」

 

 

一夏のあとは俺と天馬による試合だ。今回は勝ち抜き戦らしく勝った者同士でやるらしい。

しかし、一夏に勝ったセシリア嬢も主武装が破損したためこれ以上の試合は無理なので棄権。

なのでこの試合に勝った方が残っている衛宮と戦い、勝った方がクラス代表になるようだ。

 

 

「ようやく俺様の番か。待たせすぎだ貴様ら。」

 

 

ピットの奥の方から天馬が歩いてくる。

そしてすでに天馬はISを展開させている。

金色に輝くその機体は訓練機などではなく、()()()だった。

 

 

《なっ!?》

 

 

その姿にこの場の全員が驚愕する。もちろん俺も例外ではない。

 

(馬鹿な!あいつの家はISの会社でもなく、あいつに専用機が与えられるなんて情報はなかった。)

 

これは確実だ。コアの動きを把握するためにもそういった情報はすべて押さえている。

 

 

「何を間抜けな面をさらしている。貴様らのような奴らが専用機を持っていて、俺様が持っていないなんてことあるはずないだろうが。」

 

 

当然のように言っているがそれはありえない。

ISが渡った情報がなく、今装着しているということは元から持っていたことになる。

しかし、この学園内にあるコア反応は全て確認済みだ。その中にこいつの近くから反応は出ていない。

 

 

『天馬!どういうことだ。その専用機はどうやって手に入れた!』

 

 

ちーちゃんの声がスピーカーから聞こえてくる。

この反応からして学園側も認知していなかったようだ。

 

 

「あるやつからもらってな。」

 

『あるやつとは誰だ。』

 

「さあな。名前なんて知らんし、考える必要はない。それよりも早く始めろ。」

 

 

そういって天馬はアリーナに向かって行ってしまった。

 

 

「どうするんですか織斑先生。」

 

 

訓練用ISの打鉄を装着しながらちーちゃんに試合をするかどうか聞く。

俺としてはあのISの情報が欲しいため中止と言われても勝手にいくつもりだ。

 

 

『あいつはもうアリーナに出て専用機を皆に見せてしまった。やむえん、あいつのISも政府からの専用機として処理する。』

 

 

つまり試合はするということだ。

 

 

「ちょっ!?織斑先生、それじゃあ鳴海は訓練機で専用機とやらないといけないんですか。それって不公平じゃないですか。俺が出ますよ!」

 

「勝手に決めないでくれ。僕の試合だ。」

 

 

衛宮が交代をかって出たが俺は拒否する。

 

 

「でも相手は専用機持ちだぞ。勝てるのか?」

 

「負けるだろうね。」

 

「なら____」

 

「それでもやる。僕がやりたいんだ。」

 

 

衛宮に皆まで言わせず宣言する。これは俺のやるべきことでもある。

それに・・・

 

 

「それに、僕は衛宮のことが結構気に入ってるんだ。だからこれは次に戦う君へのプレゼントでもある。」

 

 

俺が先に戦うことで天馬のISの武器や戦闘方法が多少わかる。

それは次に天馬と戦う衛宮にとっては少しは役立つだろう。

 

 

「鳴海…」

 

「だからしっかり見ておけ。」

 

 

アリーナに向かうためカタパルトに乗る。

 

 

「鳴海優、打鉄、出る!」

 

 

カタパルトが動き出し俺は射出された。

 

 

「来たか。」

 

 

アリーナに出ると待ちわびたといった感じの天馬がいた。

 

 

「すまないな待たせて。」

 

「最初はお前か。訓練機ごときで敵うと思っているのか。」

 

 

奴は見下し、笑う。相当自身があると見える。

 

 

「やれるだけやるさ。」

 

「三分耐えたら褒めてやる。」

 

 

天馬がそう言い終わったところで試合開始の合図が鳴る。

 

 

「少しは耐えろよ。」

 

 

天馬が腕を上げると空中に槍、剣、斧といった様々な武器が展開され浮いている。その総数は10。

 

(なんだあの展開方は。それになぜ浮いてる?)

 

俺が疑問に思い見ていると天馬が手を振り下ろす。

それと同時に浮いていた武器が一斉にこちらに向かって高速で飛んでくる。

 

(何ッ!?)

 

咄嗟に回避行動をとるが数本被弾する。

たった数本だというのにシールドエネルギーが2割ほど削られた。

 

(なんつう威力だよ…)

 

こんなもの聞いたことがないし見たこともない。

天馬の方をみるとすでに次の武器が浮いており、こちらを狙っている。

アサルトライフルの焔備を打ち込むが武器が弾を弾きながらこちらに射出される。

今度はうまく回避できたがこの打鉄の機動力では回避を専念しなければ避けられない。

 

 

「きっついなぁ~もう。」

 

 

すでに武器が浮いているのを横目に捉える。

そして射出されてくる武器。二回連続回避は無理だ。

しかし、これに全部当たればシールドエネルギーがやばい。

 

(あまり目立ちたくないんだけどな。)

 

これだけじゃ情報不足だ。

 

近接用ブレードの葵で直撃しそうな数本の軌道を少しずらす。

その他の武器も打鉄の防御の要である両肩の盾で防ぐことによって絶対防御を発動させない。

一見すべて着弾しているように見えて、こうすれば被弾しても装甲に当たっているため絶対防御が発動せずにエネルギーを温存できる。欠点をあげるとするなら

 

(絶対防御が発動しない分痛いんだよねこれ。)

 

装甲に当てているものの如何せん威力が馬鹿高いためすごく痛いのだ。

なんとかエネルギーの減りをを一割ほどに抑えたがこのままではジリ貧である。

どうにかしなければいけないのだが・・・

 

 

「どうすっかなぁ~。」

 

 

視線の先には空中に浮かぶ武器と余裕そうな天馬の姿。

再び展開されている浮いている武器は先ほどのとは違うものだ。

 

(あの機体、やはり拡張領域(バススロット)に制限がないな。)

 

拡張領域とは武器を収納しておく俺のブレスレットのようなものだ。

ふつうなら容量制限があるのだが天馬のISにはそれがない。

今の技術でそんなことはありえないが自分の目で見て確信した。

あの機体は無茶苦茶だ。

 

 

「ほう、なかなか耐えているじゃないか。運よく外れているのが多いようだな。」

 

「ずいぶん出鱈目な機体を使っているね。」

 

「俺にふさわしい機体だからな、このぐらい当然だ。」

 

 

再び腕を振り下ろされ、武器が射出される。

俺は回避ではなく先ほどと同じ防御をする。

一つ違う点はスラスターを限界まで溜めていること。

武器の射出によって土煙が上がり俺の姿が見えなくなったところで一気にスラスターを開放して接近を試みる。

 

 

「何!?今のでなぜ落ちない!」

 

 

慌てて右手を上げようとするが遅い。

葵による斬撃を一発入れる。

 

 

「グッ!貴様ァ!」

 

 

攻撃をくらい少し後ろに飛ばされた奴を見て確信した。

 

(やはりあの射出攻撃は腕を振り下ろさないと使えないらしい。)

 

仕様なのか未熟なのかは分からないが近づけてしまえばそれは大きな隙だ。

この距離からなら天馬が腕を振り下ろす前に接近できる。

追撃を仕掛けたところで自分のうかつさに気が付いた。

 

(まずったな…)

 

俺のブレードはこのままいけば天馬が腕を下すより先に届く。

しかし、天馬のもう片方の手が別の行動をしている。

そしてブレードが直撃する直前・・・

 

 

「二度もくらうわけねぇだろ!」

 

 

天馬とブレードの空間に盾が展開され、ブレードが防がれた。

空中展開できるものは武器だけではなかった。

盾といった防御もこなせる機体だったのだこのISは。

 

 

「死ね。」

 

 

腕が振り下ろされ十本の剣が打鉄に直撃する。

この距離ではどうすることもできないためシールドエネルギーが尽きた。

 

 

『試合終了。勝者は天馬零士。』

 

 

アナウンスが試合終了を告げた。

 

 

『両者ピットに戻ってください。次の試合は15分後とします。』

 

 

アナウンスの指示に従いピットに戻っていく。

 

(ISの操縦は苦手だな…)

 

戻る途中そんな言い訳を考えながら戻っていった。




ついに零士君の強さが明らかになりました。

主人公は苦手とか言っときながら今回もさらりとすごいことしてましたね…
これでIS適正最低値のCなんだぜ。

セシリア戦?全カットです。
次回は衛宮VS天馬です。
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