今回の月末トーナメントは二人一組のツーマンセルで行われる。
ペアは自分達で申請するのだがこの場合だとペアができない生徒が出てしまう場合がある。
そういった生徒は当日抽選でペアが決まる。
そして大会当日、トーナメント表を見た誰もが戦慄した。
「これはまた面白い組み合わせだな。」
注目されているペアはただ一つ。
❝ラウラ・ボーデヴィッヒ&天馬零士❞
実質一学年最強ペアができてしまったのだ。
公平な抽選でこうなったのだから面白い。
そして個人的にさらに面白いのがそのペアの初戦の相手だ。
❝シャルル・デュノア&衛宮隼人❞
いきなりの直接対決だった。
★
「よもや貴様がペアだとはな。私の邪魔だけはするな。」
試合前、目の前の男へ忠告をしておく。
私はこいつが好かん。銀色の髪に左右で色の違う瞳、私と同じような特徴しているというだけでなく、雌豚をはべらせるだけが能。そして何よりもその
「それはこちらのセリフだ雑種。俺様はお前みたいな幼児体系に興味はない。まして、人形遊びの趣味も持ち合わせていない。」
「ッ!?」
こいつまさか・・・
いや、そんなはずはない。
「どういう意味だ・・・・?」
「そのままの意味だ。理解ができないのか?やはり出来損ないという事か。」
出来損ない…?
この私が・・・・出来損ないだとッ!
「貴様ァー‼」
プラズマ手刀で奴の首を狙いに行く。
こいつは言ってはいけないことを口にした。
今ここで潰す!
「吠えるなよ人形風情が。」
奴の目の前に盾が空中展開され攻撃を防がれる。
それと同時に周りに数本の武器が空中展開された。
これが情報にあった奴の機体の単一仕様能力か。
情報通り厄介だ。
「この程度でッ!」
向かってくる武器を回避し、回り込む。
そしてレールカノンを構えるのと同時に新たに数本の武器が私に向けて展開される。
(この距離ならばこちらが先だ!)
レールカノンを発射しようというところで・・・
『そこまでだ、馬鹿者ども!』
アナウンスから教官の声が聞こえてくる。
そうか、カメラでこちらを見ていたのか…
『双方今すぐに武器を収めろ。すぐに試合の時間だ。暴れるならそこで暴れろ。』
「了解しました…」
渋々奴に向けていたレールカノンを戻す。
あと数秒あれば仕留められたというのに。
『天馬、貴様も早くしろ。』
「俺様に命令とはな。まぁ、聞いといてやる。こいつに使うには勿体ないものだからな。」
奴が手を振ることで展開されていたものがすべて光となって消える。
『お前らはもうアリーナに出ていろ。これ以上ピットで暴れられても困るからな。』
「了解しました。おい貴様、私は衛宮隼人を潰す。貴様はもう一人の相手でもしておけ。」
「俺様に指図するなと言いたいところだがいいだろう。衛宮は俺様の得物だが先にやらせてやる。お前ではどうせ倒せないからな。」
ほんとにこいつは気に入らない。
私があんな奴に負ける?ありえない。
あいつはあくまで織斑一夏を潰す前の前菜に過ぎん。
「ほぉ、ならばさっさと負かして貴様の吠え面を見るとしよう。」
「フッ、吠えておけ。」
コイツの余裕ぶった表情を崩すのが楽しみだ。
・
・
・
・
アリーナに出てから数十秒後、向かいのピットから二機のISが出てくる。
これで全員揃った。
「貴様もつくづく運がないな。私と初戦から当たるとは。」
「ボーデヴィッヒ、御託はいい。さっさとかかって来い。」
生意気な男だ。
かかって来いとは、まさか勝つつもりでいるのか?
愚かな、実力の違いもわからないとはな。
「貴様、私に勝つつもりか?」
「当たり前だ、勝つのは俺たちだ。」
試合開始を告げるブザーが鳴り響く。
「ならば、その理想を抱いたまま溺死するがいい!」
開始と同時に私のレールカノンが戦いの火蓋を切った。
★
レールカノンがこちらに狙いをつけ、発射される。
それに対し俺は慌てることなくアイアスで対処する。
盾には傷の一つも出来ていない。
「シャルル、作戦通りいこう。天馬は強いが押さえてくれ。俺もアイアスを一枚貸す。」
投擲武器及び飛び道具に無類の強さを持つこの盾ならば天馬の攻撃にも多少は耐えられる。
こちらとしては厳しくなるが天馬と言うジョーカーが来てしまったのだから仕方がない。
それに盾はもう一枚ある。
「うん、まかせて。でもその盾は隼人が使って。ラウラさんは今の隼人じゃ一枚で倒せるような相手じゃないからね。」
大型レールカノンを主体としているボーデヴィッヒの専用機『シュヴァルツェア・レーゲン』に対して飛び道具には滅法強いアイアスは相性がすこぶるいい。
しかし、シャルルは盾が一枚では勝てないと言う。
「わかった、気をつけろよ。」
「うん、隼人もね。」
シャルルがそういうのであれば俺はその言葉を信じる。
悔しいがボーデヴィッヒは俺より強い。
万全の状態でいかなければ負ける。
「話し合いは済んだか衛宮?」
「待っててくれてありがとよ。でも、今の数秒で攻撃しとけばよかったって後悔するぞ?」
「そうかもしれんな~?だが、するとしてもこちらの雑種だけよ。これがお前の相手をするのだから。しかし、よく待っていたものだ、連続して噛みつくとばかり思っていたぞ?」
「うるさい、黙れ。先ほどのは戦う前の小手調べに過ぎん。あれをいなせなければ私と戦う価値すらない。それに、貴様ら雑魚がどのような作戦を立てようが私には敵わないことをこの学園に見せつけるいい機会だ。」
「なるほどね、僕たち随分となめられてるみたいだね。」
「そうみたいだな。それじゃあ、お言葉に甘えてこちらから行かせてもらおうじゃないか!」
一直線にボーデヴィッヒに突っ込み、剣を振るう。
それに対しボーデヴィッヒはこちらに手をかざし、AICを発動する。
「莫迦が。」
AICに捕らわれた俺にレールカノンが向けられる。
AIC内ではアイアスも動きが封じられるため防ぐ手立てはない。
「どうかな?今は一人で戦っているわけじゃないんだから。」
「ラウラさん、動きが止まっているよ。」
レールカノンを撃とうというところで俺の背後から接近していたシャルルがアサルトライフルでボーデヴィッヒを攻撃する。
「チッ、こざかしい。」
AICの対象をライフルの弾に変えることで攻撃を防いだが、AICの対象から外れた俺は自由になる。
ライフルを防いでいだ僅かな隙を突きボーデヴィッヒに攻撃するが、プラズマ手刀で受け止められた。
「そう簡単に当てさせちゃくれないよな!」
俺は鍔迫り合いの状態でスラスターを全開にすることによってボーデヴィッヒを押していき、シャルルたちから離れる。俺の目的は攻撃ではなく、最初から距離を取ることだった。
あの距離では天馬の攻撃が来た場合防ぐのは難しいためだ。
「まさか自分から仲間から距離を取るとはな、やはり貴様は莫迦だな。」
しかし、ボーデヴィッヒの言う通りシャルルからの援護は期待できない。
俺が一人でボーデヴィッヒを相手にする、これが作戦の一番の鬼門だ。
「そう評価するのはまだ早いんじゃないか?」
剣の切っ先で手招きするようにする。
「俺の実力を見せてやる。」
俺とボーデヴィッヒの戦いの幕が開けた。
★
「君の相手は僕だよ、天馬。」
目の前には黄金のISを纏った天馬。
(今の一連の動きに対して何にも対応しなかったってことはさっきの言葉も嘘じゃないかもね・・・)
隼人の相手はラウラさんがするという話、あながち嘘ではないらしい。
こちらと同じ考え、まさに以心伝心というやつだろう。
「役不足もいいところだが、衛宮があやつを倒すまでの暇つぶしぐらいにはなれよ?」
そう言って天馬が手を上げると彼の背後から数本の武器が空中に展開される。
あれがあの機体の単一仕様能力…
「
能力の名前であろうそれを口にし、手を振り下げる。
それと同時に武器がこちらに向かってきた。
「ほんとに飛んでくるなんてねッ!」
映像で見たことはあったが実際見てみるとやはり驚く。
遠隔無線を使っているというわけでもなさそうなのに動作一つで飛ばすことが可能。
全くもって謎の武器だった。
しかし、今はまだ数本のため避けることは難しくない。
「余裕があるようだな。どれ、一本増やしてみるか。」
しばらく避けていると数が一本増える。
情報通りであればこれ一本でかなり威力があるらしい。
一本増えるだけでも緊張感が大きく増してくる。
(今はまだ五本、映像では最大で十本までは使っていた…)
今射出されている数の倍、もしくはそれ以上の武器が飛んでくることも想定して動かなければいけない。
厄介なことこの上ない。
「どうした?逃げているだけではつまらんぞ。」
好き勝手言ってくれるな〜、もう。
だけど天馬の言う通り、避けてるだけじゃいずれ追い込まれる。
「じゃあ、そろそろこっちからも仕掛けていこうかな!」
飛んで来る武器を避けながらアサルトライフルを放つ。
しかし、盾を展開されることで簡単に防がれてしまう。
(ズルすぎでしょあれ…)
際限なく放たれる高火力の武器によって近付くことは困難、かと言って遠くから攻撃しても武器を避けながらの攻撃では盾で簡単に防がれてしまう。
何とかして接近したとしても・・・
(鎖があるんだよね…)
鎖に拘束されてお終い。
ほんとインチキもいい所だよ。
「でもやるしかないんだよね。」
隼人は格上であるラウラさんに食らいついていってる。
それは僕を信じてくれているからだ。
「泣き言言っている場合じゃない。」
隼人が信じてくれているならば、僕も隼人を信じて全力を出し切る。
天馬が手を上げ、次の射出の体制に入った。
(ここ!)
武器の引き金を引き、攻撃する。
その攻撃は盾に防がれることなく天馬に当たる。
「何ッ!?貴様、いつの間に!」
こちらの武器は先ほどのアサルトライフルではない。
握られているのはスナイパーライフル。
「流石にこの速度の武器切り替えには上手く対応出来ないみたいだね。」
「
「そう、正解。」
「君がこっちの武器に対応する盾を出すなら、こっちはその対応速度を超えればいい。」
「ククッ、ハハハハッ!」
防御が破られたと言うのに何がおかしいのか天馬が笑いだした。
「なるほど、確かにお前の言う通りだ。そう速く武器を切り替えられては対応が間に合わん。」
こちらの優勢を認めているがその顔には余裕の笑みが張り付いたままだ。
それが不気味でしょうがない。
「まぁ、今のままならという条件付きだかな。」
「ッ!?」
天馬が手を上げ、武器が展開される。
その武器の本数は8。先程よりも増えている。
「どうした、顔色が悪いぞ?たったの三本増えただけだ、問題無かろう。」
たった三本だって?三本もだ!
一回の射出ならば三本増えるだけだが、絶え間無く射出されるなら話は別だ。
「どこまで耐えられるか見物だな。」
手を振り下ろすとともに武器が射出される。
それを回避するが既に次の武器が展開されている。
「動きを止めたら串刺しだぞ?そら、動け動け。」
武器の嵐が襲って来る。
まだ避けることは出来るがそれで手一杯。
これでは先程のように攻撃するのは難しい。
「俺様をもっと楽しませろ!」
更にもう一本武器を増やそうとする天馬。
これ以上は不味いため、こちらも高速切替をして攻撃する。
(クッ、やっぱりこの状況じゃ厳しい…!)
弾は盾に防がれたり、体を軽く逸らすだけで対応されてしまう。
「撃ち合いとは楽しいものだなー!」
「全ッ然!」
こちらは精精、牽制程度の射撃で武器の射出を多少阻害できる程度だ。
それに比べ相手の攻撃はこちらにいつ命中してもおかしくない。
(隼人・・・はやく・・・・!)
私が耐えているうちに…
★
「グッ!」
「やはりこの程度か。」
やっぱり強え…
相性がいい筈なのに後手後手になってしまう。
戦い始めてから数分、俺はまだ一撃も攻撃を当てれていない。
その代わりこちらもダメージは減らしている。
(このままじゃ時間の問題か…)
何かしら手を打たなければやられてしまう。
「やはり貴様など相手ではないという事だ。」
ボーデヴィッヒがレールカノンを撃ってくる。
しかし、その程度の攻撃は通じない。
「アイアス!」
「甘いな。」
アイアスで防ぎ、反撃に出ようとしたところで横から声が聞こえてくる。
今のレールカノンは囮か!
「なっ!?」
「そして遅い!」
プラズマ手刀で切りつけられる。
こちらも剣を振るうが回避され、距離を取られてしまう。
「デカイ盾に頼りきったわかりやすい戦い方、愚かだな。」
巧い…
近接はAICによる牽制とワイヤーブレード、離れた距離ならこちらの長所を利用してくる。
「そしてその盾、近接攻撃は防げない。」
「・・・」ゴクリ
まさかそこまで気づいているとは…
不味いな…
「タネが割れればどうということはない。」
ワイヤーブレードがこちらに向かってくる。
さっきまでは盾を警戒してあまり出してこなかったが、ここからは多用してくることだろう。
「チッ、厄介だな。」
アサルトライフルでワイヤーブレードを牽制しながらボーデヴィッヒの動きに注意する。
気を抜けばAICの餌食になって一瞬で勝負が決まる。
カチッ、カチッ
アサルトライフルの弾幕が止んでしまう。
「クソッ、もう弾切れか。」
ライフルを投げ捨て、剣に持ち替えワイヤーブレードを払う。
「これで貴様には私に届く武器はない。」
レールカノンがこちらに放たれる。
迫るワイヤーブレードを剣で払い、レールカノンを急いでアイアスで防ぐ。
(何処から来る…?)
さっきはレールカノンを防いだ爆煙に紛れて横に回り込まれた。
だが、今度はそうはいかない。
神経を研ぎ澄まし、備える。
右方向の煙が不自然に揺らめく。
(そこだ!)
剣を振るうが空を切った。
そして煙の先から現れたのは・・・
(ワイヤーブレード…!)
剣を振り切った状態で避けられるものではなく直撃してしまう。
やられた、また読まれていた。
「貴様は私の掌で転がされるだけだ。」
ボーデヴィッヒの言う通り俺はここまで全部読み負けている。悔しいが完敗だ。
だが、俺だってただやられていた訳じゃない。
布石は充分に打ってきた。
(次だ、次で読み勝つ!)
再び、ボーデヴィッヒがレールカノンを放ってくる。
「アイアス!」
「学ばん奴だ。」
アイアスがレールカノンを防ぎ、爆煙に包まれた。
先程までと全く同じ展開。
どちらが有利かは言うまでもない。
「何ッ!?グゥ…!」
しかし、ダメージを負ったのはボーデヴィッヒだ。
何故なら俺が秘密兵器を使ったからだ。
予想外のダメージに怯んだボーデヴィッヒに更に二発、三発と攻撃が当たる。
そして俺の攻撃によって煙が晴れると俺の方を怒りと驚きを含んだ表情で見ているボーデヴィッヒが見えた。
「弓型のビーム兵器だと…!?そんな武器を使うといった情報はなかった…!」
「驚くのも無理はない、今初めて使ったんだからな。」
そう、俺の秘密兵器はこの弓。
これはブレードファクトリーに急遽作って貰ったビームを矢にした遠距離武装だ。
「お前なら必ずこっちの情報を頭に叩き込んでくると思っていた。」
ボーデヴィッヒは軍人だ。
ならば驕って情報収集を疎かにするなんてことはあるはずない。
「だからさっき俺がライフルを捨てた時にお前は確信したんだ、こいつにはもう離れて攻撃する手段がないってな。」
もちろん他の武装については警戒はしていただろう。
しかし、ここまで追い詰められるまでに俺が使わなかったこととIS学園の生徒を下に見ていたことがその警戒を捨てさせた。
「まさか、これを狙ってやられていたというのか…!?」
「まぁな、でも正直賭けだった。お前がワイヤーブレードで攻撃せずに近接に回り込んでいたら俺の矢は当たらなかった。」
外れていればすべてが台無しだった。
「賭けだっただと…!なんて愚かな…」
「そうかもな、だけど俺の攻撃はお前に届いた。つまり、今回は俺の読み勝ちだ。」
俺の言葉を聞き、ボーデヴィッヒの表情は怒りに染まっていく。
そしてレールカノンをこちらに向けて撃つ体制に入った。
「遅い。」
レールカノンを打つ直前で俺の矢が砲身に当たり、角度がずれた弾は俺の横を抜けていく。
そして俺の放った矢は三本。残りの矢がボーデヴィッヒにダメージを与えていく。
「クッ、図に乗るな!」
ワイヤーブレードがこちらに迫ってくるが矢ですべて射抜いて弾いていく。
(いける。)
何事にも流れは存在し、この戦いの流れは今俺にある。
ボーデヴィッヒは先ほどのことから動揺している。
攻めるなら今しかない。
(一夏には感謝しないとだな。一夏の一言がなければこの弓はなかっただろうしな。)
攻めながら心の中で一夏に感謝する。
実はこの弓は一夏のある言葉から閃いて作ってもらったものだ。
その言葉は俺がボーデヴィッヒ戦で必要になるであろうライフルを使えなくて悩んでいた時に言われた。
゛別に銃が使えなくてもいいんじゃないか?隼人は剣を握っているのがすげぇ似合ってるし、自分に合うものが一番だって。゛
その言葉を聞いて俺はライフルから離れて考えることができた。
何も遠距離は銃だけじゃない。そんなことに気づけたんだ。
そしてたどり着いたのがこの弓だった。
(右から一つ、左から二つか。)
すでに相手の攻撃を打ち落とすイメージはできている。
矢を三本放つ、そしてイメージ通り攻撃を打ち落とす。
昔からそうだった。弓を握ると思考が研ぎ澄まされて、イメージが自然と頭に浮かぶ。
後はその通りに射ればその通りになる。
これはきっと俺には弓が合っていると言う事なのだろう。
「今度はこっちから行かせてもらうぞ。」
矢を放ち動きを阻害し剣で斬りかかる。
矢を使うことでAICを牽制しているからできる戦法だ。
先ほどまでとは違い、あちらにもダメージを少しづつ与えられている。
しかし、それもしばらくすると押し返され始める。
(立て直しが思っていたよりも早いな。)
弓の攻撃にも慣れてきたのか徐々に打ち落とされる矢が増えてきている。
そしてこちらの隙をついてボーデヴィッヒが急接近してきた。
ここでそれを許せば俺の負けだ。
(仕掛ける!)
弓に残っているビームエネルギーを全て使った一矢を放つ構えを取る。
既にイメージは頭の中にある。
「ハッ!」
矢は光の柱となってボーデヴィッヒに放たれた。
★
「ハッ!」
急接近する私に向けて奴が放ったものは光の柱と呼べるほどの太さの攻撃だった。
これに当たればひとたまりもない。
そしてそれは既に鼻先まで迫っていた。
「ハアァァァぁぁ‼」
無理やり身体を捻ることで私はその攻撃を紙一重で躱した。
掠ったレールカノンは破壊されてしまったが今の反動で奴の弓も砕け散った。
そして私は止まることなく敵の目の前までたどり着き、AICを発動する。
(捕らえたッ!)
AICによって奴はもう動けない。
弓という慣れない攻撃方法に多少戸惑ったがその弓も既に壊れた。
「停止結界に捕らわれた貴様はもうお終いだ。」
プラズマ手刀を構え、振り下ろす直前、
「___ろ_」
奴が何かを呟いたがよく聞こえない。
まぁ、命乞いか何かだろう。
「命乞いか?情けない男だ。さっさと潰れてしm「避けろと言ったんだよ。」ッ!?」
手刀を振り下ろす直前、背中に衝撃が走った。
(なに・・・がっ・・!?)
衝撃の原因は二本の剣だった。
この剣が背後から飛んで来たのだ。
「もらった!」
「しまっt・・・!」
今の衝撃でAICが解けてしまい、自由になった奴に斬りつけられる。
しかし、痛みよりも混乱の方が酷い。
(一体、いつの間に・・・)
奴が剣を投げた瞬間など目撃していない。
それに奴は停止結界で動けなかったはず、その前だって・・・・
(・・・・・あの時かッ!)
あの柱のように太い攻撃を避ける時、私の注意は攻撃にいっており、僅かだが奴から目を離してしまっていた。
その瞬間に奴は剣を投げたのだ。弓までも布石だったとはやられた…!
(しかし私のシールドエネルギーは半分ほど残っている。距離をとって体勢を立て直せば・・・)
「シャルル!」
「待ってたよ!」
「なんだと!?」
先ほどまで離れていたもう一人がすでに迫ってきていた。
(
コイツがつかえるなんてデータもなかった。
「停止けっk「もう遅いよ!」なっ!
まずいそんなものをくらってしまったら・・・・
「ハァ!」
「ガハッ‼」
壁に叩きつけられ、連続で盾殺しを打ち込まれていく。
みるみるうちにシールドエネルギーが削れていく。
「貴様の番はもう終わりだ雑種。」
さらに上から強烈な衝撃が襲ってくる。
それは武器の雨であった。
フランス代表にも攻撃は当たっており、その衝撃で拘束からは外れられた。
「まだだ・・・・まだエネルギーは残って・・・いる・・・!」
僅かだがまだエネルギーは残っている。
私は負けていない。
「見るに堪えん負け犬は引っ込んでいろ。」
「グフッ…」
突然周りから伸びてきた鎖に拘束され、壁際に叩きつけられた。
(負け犬・・・・?私が・・・・?)
「出来損ないの人形風情が。」
(私は負けたのか・・・?)
許されない…
そんなことはあってはならない…
私は・・・・・
負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくないいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ・・・・・出来損ないは・・・・嫌だ・・・・・
『チカラガホシイカ?』
声・・・?
『ナンジ、チカラヲホッスルカ?』
誰だ・・・?
『サイキョウノチカラヲ。』
最強の・・・力・・・
「__せ__」
それはまさかあの人のような・・・
「よ___!」
奴らに勝てる力・・・・
「よこせ!!」
なんだろうと構わない。
力を・・・・寄越せ‼
『______起動。』
「あっ、あっ、ああああああああああああああぁぁぁ‼」
私が・・・最強・・・だ・・
謎の声に導かれるように力を求めたラウラ。
しかし、その様子はおかしい。
ラウラは一体どうなってしまうのか。
次回「