~E・S~転生者は永遠を望む   作:ハーゼ

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第六十三話 鳴海杯開催

『各部対抗!織斑一夏&鳴海優争奪戦!』

 

朝のHRと一時間目を利用した全校集会。

全生徒がそろったことが確認された瞬間壇上のスクリーンにでかでかとそんな文字が出現した。

 

「今年の文化祭は例年通りはつまらないので見ての通りの企画を行うわ」

 

「え・・・・」

 

「えぇ~~~~~!?」

 

割れんばかりの叫び声にホールが揺れた。

まぁ、いきなり聞いたら大混乱するだろう内容だ。

楯無ちゃんってサプライズ好きなとこあるよな。

 

「静かに!一位を取った部活にはこの二人を強制入部させます。つまり総取りってことね」

 

「えっ?えっ?そんなの聞いてないんだけど!?ていうかあの人誰!?」

 

隣では一夏が慌てふためいている。

災難だな一夏も。

 

「ど、どういうことだ!?ていうか優は落ち着きすぎだろ!?」

 

「いや~、今何かしても無駄かなって。それにいつかは何か起こると思ってたし」

 

大方俺達が部活に入らないからクレーム来たんだろうな。

まぁ、貴重な男子だからしょうがない。

 

「ということで織斑一夏君と鳴海優君は放課後生徒会室に来るように。以上、解散」

 

さてと、どうするかな~。

 

 

時刻は放課後になり、俺と一夏は生徒会室に向かっていた。

 

「はぁ、なんで俺達だけなんだ?天馬だって部活やってないだろ」

 

「いや、天馬は部活に入っているよ」

 

「えぇっ!あの天馬が!?いったいどんな部活なんだ…?」

 

驚くのも無理はない。

俺も知った時少し驚いた。

 

「料理研究部」

 

「料理研究部ゥ!?それって隼人やシャルロットと同じとこだよな?あいつがまともに料理作ってる姿が思い浮かばねぇ…」

 

「ローゼさんが特別講師やってていつの間にかそこの在籍扱いにされてたらしいから料理はしてないけどね。でも、味見して厳しい意見をくれるんだってさ」

 

「なるほど。しかし、ローゼさんが特別講師とか強制的に入れられるんだったらそこがいいな俺」

 

「男子がもう二人もいるからたぶん無理だろうね」

 

「まじかよ…」

 

そんなことを話していたら生徒会室の前まで来ていた。

この時間だと全員いるかな?

 

「そういえば、生徒会長ってなんて名前なんだ?」

 

「更識楯無さんだよ。生徒会長の名前ぐらい覚えたほうがいいよ?」

 

「いや、忙しくてさ・・・って『更識』?それって優が仲いい四組の子と同じ苗字だな」

 

「あぁ、彼女のお姉さんだよ」

 

「へぇーそう思うと知らない人じゃないって気がしてくるな」

 

「そうそう、気楽にいこう」

 

ドアをノックすると返事が返って来たので扉を開ける。

中には楯無ちゃん、虚ちゃん、本音ちゃんの三人がいた。

あっ、めずらしく本音ちゃんが起きてる。

 

「あれ?なんでのほほんさんが?」

 

「あっ、おりむーになるみんだ~。さっきぶり~」

 

「えっ、あぁ、さっきぶり」

 

本音ちゃんがいることに一夏は困惑してるようだ。

こいつ今日はめっちゃ困ったりしてるな・・・・っていつも通りか。

 

「布仏さんは生徒会役員だからね」

 

「そうなので~す」

 

「・・・意外だ」

 

「皆そう言うよ~」

 

「んっんっ!そろそろいいかしら?」

 

おっと、そういえば楯無ちゃんと話に来てたんだった。

 

「あっ、すいません生徒会長」

 

「まぁ、そこまでかしこまらなくてもいいわよ?ほら、遠慮せず二人とも座って」

 

「どうも」

 

なんかいつもと違ってカリスマな雰囲気だしてるな。

いや、いつもがポンコツ気味なだけか?

 

「二人に来てもらったのは今回の企画についての説明のためよ。実はあなた達二人が部活動に入らないから色々と苦情を寄せられていてね。生徒会はあなた達をどこかに入部させないとまずいことになっちゃったのよ」

 

「それで今回の争奪戦ってわけか」

 

「まぁ、理由は予想通りって感じですね」

 

「話がはやくて助かるわ。でね、その交換条件としてこれから学園祭までの間、私が特別に鍛えてあげましょう。ね、悪い条件じゃないでしょう?」

 

それって一夏に対する条件だよな?

俺になんの得もないな。

いや、楯無ちゃん。ウインクしてもダメだからね。

 

「遠慮します」

 

一夏は一夏でこれがどういうことかわかってないな。

せっかく学園最強(ちーちゃんは除く)に鍛えてもらえるのにもったいない。

大方もうコーチはいっぱいいるからってとこだろうな。

 

「そう言わずに。はい、お茶どうぞ」

 

「どうも。・・・・おいしいですね」

 

「でしょ?はい、ケーキもどうぞ」

 

「いただきます」

 

「そして私の指導もどうぞ」

 

「いただk・・・って!それはいらないですって。というかどうして鍛えてくれるんですか?」

 

「ん?単純に君が弱いからよ」

 

一夏は一瞬何を言われたかわからないという顔をし、次の瞬間にはムッとした。

昔から単純でわかりやすい奴だなほんと。

まぁ、そこがいいんだが。

 

「それなりに弱くはないつもりですけど」

 

「ううん、全然弱いよ。だから、少しはマシになるように私が鍛えてあげようというお話」

 

「・・・・だったら勝負しましょう!俺が負けたら煮るなり焼くなりご自由に!」

 

(完璧に俺空気だな~)

 

まぁいっか。

 

 

結果から言うと一夏の完敗。

わかりきっていたことだけどな。

にしても楯無ちゃんも大人げないというか、なんというか…

 

「織斑生きてるー?」

 

駄目だこりゃ。完璧に伸びてるわ。

なんか最近一夏は負け癖ついてる気がする。

 

「最強の座に優くんも挑んでみる?」

 

「やりませんよ」

 

「そう、それは残念。いい勝負になると思ったのに」

 

「面白い冗談ですね」

 

「やっぱり本気のとこは見せてくれないのね」

 

「そんなものありませんよ」

 

「つれないわね」

 

ちーちゃんといい、楯無ちゃんといい、やっぱり実力者には結構見抜かれるな。

まぁ、色々やっちゃったのが原因だろうけど…

 

「そういえば楯無さん。僕への交換条件は?」

 

「・・・おねがい♡」

 

「可愛くいってもダメです」

 

「私と優くんの仲じゃない」

 

「それとこれとは別です」

 

いくら楯無ちゃんの頼みでも動きが拘束されるのは困る。

しかし、だからといって入らなければこのまま強制入部だ。

だから一つ部活をやらなくてもいい案を思いついた。

 

「その代わりと言ってはなんですが、一つ提案なんですけどいいですか?」

 

「提案?内容によるわね」

 

「それは_____」

 

 

 

 

 

 

 

 

「号外!ごうがーい!文化祭前にとびっきりのイベントだよー!」

 

「なんだ?今日はやけに騒がしいな」

 

「なにかあったのかな?」

 

「はい号外」

 

「あっ、どうも」

 

優と一夏が生徒室を訪れてから二日。

その日の朝、学園中に衝撃が走った。

 

「えーなになに、『第一回(今後はない)鳴海杯 開催!』だって」

 

「鳴海杯?鳴海となんか関係してんのか?」

 

「えーっと待ってね。下に詳細が書いてあるから。『鳴海優VS各部活で勝負し、勝ったところに鳴海優を入部させる』・・・・って、えぇ!?」

 

予想外の記事にシャルロットは驚きの声を上げてしまう。

というよりこの記事を読んだものはだいたいそういう反応をしている。

 

「ふーん、前回の集会といい生徒会はすごいことするな」

 

「落ち着きすぎじゃない!?」

 

「そうか?」

 

「だってこれ優が圧倒的不利だよ!」

 

「まぁ、確かにそうだけど・・・・鳴海だしなんとかするかなって」

 

「・・・・確かに…」

 

遠い目をして話す隼人を見て、シャルロットも納得した。

その遠い目から思い出されるは臨海学校初日の地獄絵図。

二人を微妙な空気が包み込む。

 

「・・・・とりあえず教室行こっか…」

 

「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

いやー、さすが楯無ちゃんは準備がはやい。

頼んでからまだ二日だよ?

 

「鳴海、貴様この企画事実か?」

 

「うん、本当だよ」

 

天馬から話しかけてくるなんて珍しい。

なんか険しい顔してるけどなんかあったのかね?

 

「チッ!こんな面白そうな企画を俺様に黙って進めおって・・・・・何故俺様に一声かけなかった。もっとおもしろくしてやったものを…」

 

・・・・祭り好きか?

いや、家柄上エンターテインメントにこだわっているのか?

 

「あー、次は声かけるよ」

 

「ふん、まぁいい。二日後なら今からでも十分に用意はできる」

 

「用意ってなんの?」

 

「それを言っては面白くなかろう?まぁ、楽しみにしておけ」

 

うーん、やな予感がする…

こういう時ってだいたい当たるんだよな…

 

「それと、俺様が用意するメインイベントまで負けるなよ?興醒めだからな」

 

──ハハハハハッ!

高笑いだけでやな予感が増幅するな。

面倒事が起こりませんように。

 

 

「はい!始まりました第一回(今後はない)鳴海杯!実況は新聞部の黛 薫子がお送りします!解説には生徒会長である更識楯無さんにきてもらっています。」

 

「どうも〜」

 

時間は経ち、鳴海杯(楯無ちゃん案)当日。

依然としてやな予感がなくならない。

こりゃ、気を引き締めていかないと足元すくわれるかもな。

 

「では、競技に移る前に改めてルール説明の方をさせてもらいます。更識会長、おねがいします」

 

「はい、知ってるとは思うけど念の為ルール確認よ。次のルールが守られていない部活は即刻失格だから注意よ?」

 

1.各部活は代表候補性又は全国大会に出場した実績のある生徒を競技に出すことはできない

 

2.競技は各々の部活に沿った内容のものでなければならない

 

3.競技で鳴海優に勝った場合、鳴海優を入部させることが出来る。なお、勝利した部活が出た時点で鳴海杯は終了とする

 

4.ドーピング、妨害はダメ♡

 

5.鳴海優が全勝した場合、鳴海優は部活に在籍しなくても良く、各部活は今後一切の鳴海優の部活案件についての苦情を生徒会に寄せないこと

 

「注意事項はこんなところね」

 

「ありがとうございます。因みに順番に関しましては運動部のあとに文化部となっており、その中でもくじ引きによって決まっています。更識会長、これはなぜ運動部優先なのですか?」

 

「まぁ、文化祭の織斑一夏君の方は文化部向けでこの鳴海杯は運動部向けってこと。だから文化祭で勝負するなら参加せずに準備した方が有利にもなるわ」

 

そう、そこがこの企画の通った理由。

ぶっちゃけ運動部は文化祭の展示では不利なため強行手段で楯無ちゃんを襲って生徒会長の座を奪おうとするのは明白。

 

それに負ける楯無ちゃんではないが彼女には他にいくつもの仕事があって忙しいため、その時間すら惜しい。

そこでこの圧倒的運動部有利の鳴海杯を開催することでその不満を解消することが楯無ちゃんの目的だ。

 

「なるほど、確かに文化部の参加率は3割以下となっております。そして運動部からの不参加はバレー部のみとなっております」

 

あれ?運動部は全部参加だと思ったんだけど意外だな。

文化祭に力を入れるのか、はたまた不調なのかな?

まぁ、手間が省けていいが。

 

「しかし更識会長、これはくじ運が勝負といっても過言ではないでしょうか?いわば早い者勝ちのルールですし」

 

「そうかしら?私はそうは思わないけど、まぁ、始まれば分かることでわざわざ話す必要もないわね。進めてちょうだい」

 

「はい!ではこれから順次開始しますので各部活は準備の方をお願いします。各勝負については学園内のモニターでもお伝えしていきます」

 

「それじゃあ、鳴海杯開始!」

 

よし、目指せ無所属だ!




次回は鳴海杯をお届けします
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