ゼロの使い魔~仮面の貴公子~   作:人外牧場

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死の刻印ナパーム A

「業火のクソ力だ!!」

 

 ボロボロのはずのソルジャーが立ち上がり燃える様な眼でスプリングマンを睨みつける。

 

「ご、業火のクソ力だとぉ」

 

「まさかてめえも・・・」

 

 スプリングマンとアトランティスの表情が見るからに険しくなる。ルイズがロビンを見るとロビンは説明する。

 

「私のライバルにキン肉マンという男がいる。彼はソルジャーの弟で、ある力を秘めている。それが火事場のクソ力といわれるモノだ。キン肉マンはその力と根性で圧倒的不利を覆し続けた。ソルジャーの業火のクソ力は言わば火事場のクソ力の元祖と言う事だ」

「そして、彼ら悪魔超人はキン肉マンの火事場のクソ力によって何度も辛酸を舐めてきたからな。苦手なのだろう」

 

 リングではアトランティスがリングから降り1対1の戦いが繰り広げられていた。しかし、打撃投げのダメージが薄いスプリングマン相手ではソルジャーは思うようにダメージを与える事が出来ず未だにスプリングマンペースで試合が運んでいた。

 

「スプリングバズーカ!」

 

 ネットを利用したスプリングの体当たりにソルジャーの体が大きく揺らぐ。

 

「スキだらけだぁ!」

 

 ソルジャーの右腕にスプリンが取りつき体の穴にソルジャーの右腕を通す。ソルジャーがポストに腕をぶつけてスプリングを引きはがそうとするがスプリングは離れない。

 

「まずは右腕、貰ったー!!螺旋解体搾り!」

 

 スプリングの体が大きく捩じりソルジャーの右腕から何かが粉々に砕ける音だけが聞こえる。右腕を完全に破壊してもスプリングの体は止まらない。既に骨が砕けている腕を捩じっている。このままではソルジャーの右腕が付け根から無くなってしまう。誰もがそう思った時、ソルジャーが動いた。

 

「私の腕が欲しければくれてやる!」

 

 ソルジャーが右腕をポストにぶつける。しかしそれだけでスプリングは悲鳴を上げソルジャーの右腕を解放する。離れたスプリングは自分の胸を押さえながら片膝をマットに付ける。

 

「まさか壊した右腕でベルリンの赤い雨が撃てるなんて、予想外だぜ」

 

 そういったスプリングの足元に体の一部が転がる。ソルジャーはポストにぶつける時にベルリンの赤い雨を放ちスプリングの体を切ったのだ。

 

「さすがはキン肉星の王子。弟に負けず劣らずの逆転ファイターっぷりだぜ」

 

「既に肉体のピークを越えているお前が現役の私をここまで追い詰めるとは」

 

 

「「だが、次で決める!!」」

 

 両者が同時に走り始め二人の影が重なる。

 

「バッファローハンマー!」

 

 ソルジャーのラリアットがスプリングを捕らえる。しかし、スプリングの弾性ボディがラリアットを体を反らして避ける。そしてカウンターのサマーソルトをソルジャーの後頭部に繰り出す。だがソルジャーはそれを読んでいた。繰り出されたキックを前を見たまま掴みスプリングを空に放り投げる。そしてスプリングを空中で捕らえロメロスペシャルに固め落下と同時に回転しスプリングをリングに胸から叩きつける。

 

「ナパーム・ストレッチ!!!!!」

 

 リングに落とされたスプリングの体はぐにゃぐにゃに曲がり指先一つ動かさず、その胸にはくっきりとAの文字が浮かび上がっていた。

 ソルジャーが左腕を群衆に掲げそれと同時に歓声が沸き起こる。群衆のソルジャーコールが鳴り響く中ソルジャーは自分を信じて待ってくれたマスターの元へ行き左手を差し伸べる。

 

「ありがとう、マスター。キミの私を信頼してくれる心が私に勝利をくれた」

 

「・・・ソルジャー」

 

 キュルケがソルジャーの手を握ろうとした時、歓声が消える。キュルケの顔を血が汚す。ソルジャーが左足を押さえてリングから転落する。ソルジャーが立っていた所には、ソルジャーの血で真っ赤に染まり瀕死の体でソルジャーの左足をネジ切ったスプリングマンが立っていた。だが、限界を超えたスプリングマンはその場でゆっくりと崩れ落ちる。

 

「・・あ、悪魔は・・ただじゃ死なねえ。てめえの、超人人生と道ずれだ・・・・ぜ」

 

 リングは無益な血で赤く染まり勝者無き戦いを悲しんでいるようだった。

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