艦これ〜君と歩む道〜 作:双竜
イマイチキャラを掴みきれてないので崩壊がひどいです。ご了承ください。
「久しぶりね。ひよっこ提督」
「ひよっこ提督から進級はさせてくれないんだな、五十鈴」
「させるわけないじゃない」
彼に会った時に言うべき言葉はちゃんと考えていた。『これからよろしく』と。だけど、言えなかった。いや、言おうと思えば言えたのかもしれない。ただ単純に、言いたくなかったのかもしれない。
「2年ぶり、か」
「そうね。もう、そんなに経つのね」
目の前にいる彼は、もう、2年前の面影はなかった。2年間の間に何があったのかもわからない、知りたいとも思わない。知って仕舞えば、彼との差が開きそうで、置いていかれそうで、怖くて、不安で。
「懐かしいなぁ」
「そう?理解出来ないわね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「初めまして、提督見習いの〇〇です。短い間ですが、よろしくお願いします!」
それが、彼との最初の出会いだった。当時、私は艦娘としての一般的な知識や艦娘としての力を高める為の学校に通っていた。深海棲艦との戦いが始まったばかりなだけあって、先生は艦娘ではなかった。私達が一期生なのだから、それも当たり前ではあるのだけれど。
「五十鈴…さん。よろしく」
「……よろしく」
興味をなくしていたこともあってか、彼がどの席に座るかすら聞いていなかった。視線だけを向け、挨拶を返す。所詮見習い、所詮ひよっこ。礼儀正しくする必要は感じない。それに、この人とは馬が合わない。根拠があったわけではない。理由があったわけでもない。ただの直感。
ーーーーーーーーーーーー
それから数日は、なにごともなく過ぎた。正直なところ、彼が日本の、世界の将来を担うことに対して、不安しか感じくなっていた。特別賢いわけではない。特別運動が出来るわけでもない。特別統率力があるわけでもない。それに、全てにおいて私より出来が悪かった。最も、私はクラスのなかでも賢い方のグループであったから、仕方がないことだと言えばそれまでなのだけれど。
「だから、あんたに艦娘の何がわかるのよ!!」
机に手を叩きつけながら怒鳴る。叩きつけた手がヒリヒリするけど、今はそんなことに構ってはいられない。
「わからねぇよ!わからないから知ろうとしてんだろ?!」
「やり方が間違ってるって言ってんの!あんたバカなの?」
毎日のような衝突。クラスメートは最初こそやめるように促したり割って入ってきたけれど、今では『またやってる』と思われるようになっている。ひどい時はガラスが割れたりハサミが飛び交うだけあって、今回はましな方ではある。
「バカってなんだよ!」
「バカはバカよ!バカの意味もわからないの?バカ!」
彼は、傷付いていないような表情をしていた。それがまた、悔しくて悔しくて。彼が心の中で傷付いていることはこれまでのやりとりでわかっていたはずなのに。結局、守る力があっても、誰かを傷付けなきゃ生きていけないんだって、わかってしまった。
「はいはい、そこまでですよ。五十鈴姉さん、見習いさん」
こうやって、いつも割って入ってくるのは妹の、『由良』だった。姉である私よりも強くて、大人っぽくて、優しくて。オーバーヒートした頭を冷やすには十分過ぎて。
「暴れるなら私を沈めてからにして。無理なら、今すぐ止めて」
『沈める』それは『殺す』ことを示すことだって、わかってる。だから、由良は言える。殺せない、と信頼、信用している証でもあり、死ぬ覚悟があることの証明。
「由良が、そう言うなら…」
「わかったわよ…」
当然、私たちに彼女を殺すことなんか出来なくて。だから、いつも止めるしかなくて。
ーーーーーーーーーーーー
「今日は、由良はいないね」
「そう、みたいだな」
「今日は、停戦しとかない?」
「だな」
今思えば、この時から私は少しおかしかったのかもしれない。わざわざ自分から停戦を持ち出すなんて、考えられなかった。
珍しく大人しく授業を受けていることに違和感があったのだと思う。先生の視線が痛かったし、クラスメートの騒めきもいつも以上だった。
バァン!
いつもよりかは静かな教室に、突如大きな音が響き渡った。状況を理解するのに数秒。理解した内容は理解したくはないものだった。拳銃を持った男が1人。付き添いが2人。銃口は教壇に立つ先生に向いていた。
「ここは艦娘ってやつを育成してる場所であってるな!?」
「は、はい…」
銃のトリガーに手をかけた男が大声で問いかける。その声と、自分の置かれた状況に怯えてか、国家秘密をバラす先生。しかも、クラスメートの半数以上はすっかり謎の多いたちのペースに呑まれていた。
ツーツートンツートン トントン ツートントンツーツー トントンツー トンツーツーツー トンツートントントン トントンツートントン トンツーツーツートン
隣から聞こえてきた音はモールス信号。訳すと、ジユウヲオトセ。つまりは銃を落とせ、だ。それでこの状況が打開できるかなんてわからない。だけど、やるしかない、それも事実。失敗すれば、終わり。チャンスは一回。彼を信用するのもあれだけど、今だけは、信用しないと。
「いいか、動くなよ…」
そう言われて動かなくなる五十鈴ではない。手元にある消しゴムを出来るだけ、予備動作を省略し、かつ火力がでるように投げる。
「痛っ!」
当たったのは指。消しゴムとはいえ、艦娘がなげた消しゴムだ。酷ければ打撲では済まない。が、ちゃんと銃は落とせた。私の仕事は終わった、かのように思えた。銃を落とされた男は、慌てて空中で銃を掴んだのだ。焦る。相手がロスした時間は予想より短い。この時間で何ができるというのか。動揺しつつ、彼をみる。
「手を頭の後ろで組め。組んだら膝をつけ」
凛々しい声で、彼は指示していた。そして、彼は、何処から取り出したのか、銃を持っていた。引き金には指をかけていない。
「従わなかったら…」
「こうなる」
言うが早いが、男が持っていた銃が破壊された。発砲音は聞こえなかった。
「わかったろ?」
男はたちにはもう、交戦する意欲はなかった。
仕事もろくに出来ない憲兵に男たちを引き渡した後、私は彼に聞いた。
「勝率は、あったの?」
「100%、勝てたよ」
「な、なんで?」
その確率はおかしいと思った。だから、聞いた。
「理由は2つ。撃ちもしないのに引き金に手が掛かってたこと。手から離れた銃を空中で掴んだこと。これは暴発の危険がある。どっちも銃は扱うなら常識的なことだ。それが出来ていない、知らないということはちゃんと学んでないってこと。軍人がにわかに負けるわけがない」
聞いてから、納得はできた。だけど同時に、今まで衝突してきた人が、自分より上だと知ってしまった。結局私は誰にも勝てない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「やっぱり、昇格させるわ」
「なにに?」
「一人前の提督、に」
彼は軽く驚いた、ように見えた。
「ありがとう。これから『も』よろしくな」
「ええ。よろしく」
勝てないなら、追いつけばいい。傷付けてしまうなら、それ以上のなにかを与えればいい。彼と出会わなければ、こんな風にも思えなかったのかな?
…どう、でしたか?
キャラ崩壊してたらごめんなさい。うちの鎮守府の五十鈴はこんな感じです…。
次は誰になるのかな〜