艦これ〜君と歩む道〜   作:双竜

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鈴谷さんといえば?
意味し…な発言が目立ちますね。
遅すぎるけど、改ニおめでとう!


少しずつ。ゆっくり。・鈴谷

「流石に夏は暑〜い!」

「そんな暑い暑い言うなよ。余計に暑く感じるだろ?」

「暑いもんは暑いんだよぉ〜!」

 

つい先日、改ニに改装したからか、秘書艦に任命されました!最初は、ただ単にお触りがしたいだけなのかとも思ったけど、最上姉や三隈姉、熊野が言うにはそんな人じゃない、って。鈴谷は提督のことを何一つ知らなかったし、興味も無かったし、知ろうもしなかったけど、数日間で大体は理解したつもり。そう、一言で言うなれば提督はシャイなんだよ!

 

「提督ぅ〜!明日さ、海行こうよ海!」

「鈴谷は毎日行ってるだろ?」

 

普通に会話しているようで、提督は目を合わせてはくれない。こういうことをされるとさ、やっぱり鈴谷としては萌えるんだよね。違う違う。燃えるんだよね。

 

「戦いじゃなくて、バカンスで行きたいんだよぉ!」

「バカンスってお前…」

 

呆れられているのか、返答に困っているのかは一目瞭然。答えは、両方!仮に、提督がHentaiだったら海に行こうっていう提案には直ぐに乗ると思うんだよね。なんてったって海だから。意味は、わかるよね?

 

「いいじゃん!イイことしてあげるから〜」

「………遠慮する」

「ねぇ!今の間ってなに?ねぇ!おーい!」

「何も聞こえない何も聞こえない何も感じない」

「最後のは意味不だよ?」

 

秘書艦に任命された時は出来なかったやり取りが今は出来る。その事が彼と鈴谷との心の距離を表していることは鈴谷にも分かる。

 

「取り敢えず、だ。海に行くにしても行かないにしても、仕事を終わらせてくれないか?」

「………なんの、こと?」

「演技下手かよ」

「さ、流石提督。鈴谷のハリウッドなみの演技力を目にしてもそんな事が言えるなんて!」

「いいから早くやれよなー」

「ちぇー」

 

実際問題、確かに仕事は溜まってはいる。溜まってはいるのだけど、暑くてやる気が出ない。うん。ループだね。みんな、1行目に戻ろう。ね?

 

「(………そうだ!)」

 

イイことを思いついた。我ながら流石だと思う。褒めてくれてもいいんだよ?鈴谷は褒められて伸びるタイプなんです。

 

「提督、交渉をしよう」

「急に真面目になんなよ」

「提督、交渉をしよう」

「………なんだ」

 

勝った!もはやこれは決定したも同然。鈴谷の交渉術から逃げられるわけがない!

 

「仕事をして欲しければ海にバカンスに行くと約束したまえ」

「嫌だよ」

「即答?!」

「即答だな」

「提督の鬼!人でなし!雪女!」

「最後のはぜってぇ違う」

 

おかしい。私の交渉術から逃げられるなんて…。もしかして、チーター?人生のチーターなのかな?もしそうなら裏山!

 

「ち、ちなみに、なんで嫌なの?」

「元々鈴谷の仕事だからな。ご褒美はないだろ?普通」

 

ぐうの音も出ない、とはこの事なのだと実感した。まさか実感する日が来るなんて…。流石の鈴谷も想像出来なかった。悔しいね。

 

「ところで、鬼と人でなしは認めちゃうの?」

「間違ってはいないからな」

「ふ〜ん」

 

なぜ、提督がそう考えているのかは理解している。提督の立場を考えれば、仕方が無いことだと思う。だけどね、提督。私たちはそう思ったことは、ないんだよ?

 

「なんで?」

「そりゃまぁ、わかるだろ?」

「分からない!」

「分かれ!」

「嫌だ!」

「嫌なのかよ!」

 

提督の言葉が終わるよりはやく、私たちは笑いあった。つまらなくても、ありふれた時間の中でのやり取りだとしても、何故か笑ってしまう。安心感っていうのかな?こういうの。

 

「話は最初に戻すよ」

「戻さなくていいよ」

 

1行目に戻る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてのは嘘なんだけど、戻った人いるのかな?いても恥ずかしがらなくていいよ!それは素直な証だから!

 

「ねぇ〜海いこうよぉ〜。もしくはクリスマスにしてよぉ〜」

「なんでクリスマスなんだよ」

「理由はない!」

「ねぇのかよ。てか『してよ 』っなんだよ」

「え?提督って神様じゃないの?」

「ちげえよ」

 

これだけの会話ができる仲でも、目を合わせてくれないとなるとそれなりにダメージは入る。入るのだけれど、これ以上踏み込んで仕舞えばこの関係が壊れてしまいそうで、進展しそうで、怖くて、興味があって。提督じゃなければ、距離を詰めるなんて簡単なんだろうけど、提督が相手になると難しくなる。つまりは、そういうこと、って陸奥さんが言ってた。今は、その意味が分かる。

 

「取り敢えずさ、終わらせろよ。終わったら考えてやるから」

「え〜。考えるだけでしょ?無理ゲ〜じゃん」

「諦めたら試合終了だって誰かが言ってたろ?」

「その言葉は卑怯だよぉぉ」

 

しかし、仕事は仕事。やらなきゃいけないし、終わらせないと夜の営みも出来ないからね。やるしかないかぁ。海も考えてもくれるんだから。

 

「(鈴谷、今、海にはクラゲがいるけど行きたいのか…?)」

 

「うぉぉぉぉぉぉ」

「静かにやれ静かに」

「この資料、なんかヌメヌメするぅ〜」

「なわけねぇ」

 

「(あ、でも艦娘だからクラゲには負けないか。なら大丈夫…か?)」

 

「とこれで、海に行くとして、水着とかあんのか?」

「あるよ?サンタビキニ」

「季節外れだな」

「しょうがないじゃん?」

「同意を求めんな」

 

いつも以上に、ツンとした声で返事をする提督。あれ、なんか気に触ることでも言っちゃったかな?まあ、置いとこう。で、なぜサンタビキニなのかと言われれば、理由はない。買わされたっていうのか、買ってしまった、というのか。え?誰にって?怪しいことばっかりしてる明石さん。

 

「呼ばれて飛び込む明石です!」

 

バキィ!

 

普通では考えられない音でドアが開いた。金具からは煙が出ている。出火は…してない?みたいだね。良かった良かった。

 

「止めろ!ドアを壊すんじゃねぇ!」

「明石が直しますから大丈夫です!」

「そういう問題じゃねぇよ」

「どういう問題ですか?」

「めんどくせぇなぁこいつ」

 

やっぱり、鎮守府に提督が着任した頃からいただけにどこか仲良さげに見える。嫉妬とか、そういう感情を無いものとして考えても、羨ましい。

 

「まぁ、その話はミッドウェーに置いときましょう」

「お、おう」

「(なんでミッドウェーなんだろ)」

 

明石さんの言葉の選び方は奇抜だけど、間違ってはいない。怪しいことをしていても、誰も干渉出来ないのはきっと、明石さんと同じレベルで話が出来ないからだと思う。

 

「鈴谷さん、提督と海に行くんですよね?」

「おい鈴谷」

「鈴谷は誰にも言ってないよ!!」

「てことは明石やりやがったな!」

 

諦めたように、それであって慌てて部屋のものをひっくり返して、何かを探している。まさか、盗聴器、じゃないよね?

 

「提督、探しても無駄ですよ。私の技術力をなめないでください」

「濡らせばわかるか?」

「え、それは、ちょっと止めてください!」

「よしわかった。水を持ってくる」

「止めてぇぇ」

 

叫んでいる割には、いつもと同じ表情。提督がバケツを持って執務室から出ていったのを確認すると、明石さんは耳元に顔を寄せてきた。

 

「提督のファンは多いことはご存知ですよね?」

「もちろん」

「なら、アドバイスです。提督は水着よりサンタコスが好きですよ」

「え?」

 

聞き直そうとしたけど、明石さんは「逃げろー」と言いながら駆け足で去っていった。サンタコス…サンタコスかぁ。

 

「鈴谷の提督攻略は続く、ってやつだよね。これ」

 

誰もいない空間で呟いた。だけど、きっと、明石さんには聞かれているのかな?明石さんには、負けないから。これは、心の中で決意した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「サンタは、反則だろ…」

 

その後、バケツに水を汲みながらそう呟く提督の姿が目撃されたとかされてないとか。




航巡好きとしてはハッピーエンドがいいんだけど、こういうのもいいかな?

感想くださるとありがたいです!

また次回、会えたら会いましょう!
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