佐久間まゆの15年の真っ赤な日記帳。 作:桃音
この作品は、家の裏でマンボウが死んでるpさんの楽曲『粘着系男子の15年ネチネチ』がネタになっております。
佐久間まゆの15年ネチネチにするかで迷いましたが、さすがになんか違うなと思ったので、このようなタイトルです。
プロデューサーさんへの愛を綴った真っ赤な日記帳を贈り続けて、もう15年が経ちます。
返事は一度も来ません。
まゆは、ずっと待っています。
プロデューサーさんには、もうずっと会えていません。
1年目、プロデューサーさんへの想いを綴った日記帳を贈り始めました。
アイドルになってから欠かさなかった真っ赤な日記を贈るだけなのに、なんだかそれだけで幸せでした。
ポストにかこんっと軽い音が響く度に、心が満たされました。
1ヶ月に一度、プロデューサーさんのポストに日記帳を入れるのですが、いつもからっぽになってて、ちゃんと読んでくれてるのかな?なんて考えていました。
ちひろさんに聞くと、曖昧に濁されてしまいました。
2年目には少しずつ、日記を書くコツが掴めてきました。
あまりぎゅうぎゅうに詰めず、あまりすかすかに隙間を空けず。
丁度いい日記帳の使い方を覚えてきました。
かこんっとまた軽い音が響きます。
ポストを開くと、プロデューサーさん宛ての郵便物と先程投函した真っ赤な日記帳だけが入っていました。
郵便物は広告ばかりでした。
3年目には、少し趣向を凝らして詩を書いてみました。
プロデューサーさんだから見せられる詩。
きっと、輝子ちゃんにも乃々ちゃんにも見せられないです。
最近、ポストに日記帳を入れた翌日のちひろさんの様子が気になります。
目を真っ赤に腫らしています。大丈夫なのでしょうか。
使い捨てのアイマスクを渡しました。
ちひろさんは少し驚いた顔をして、受け取ってくれました。
4年目には、日記を書かないと眠れなくなりました。
少し依存してしまっています。
日記を書かなきゃ…書かなきゃ…書かなきゃ…。
ちひろさんが何か言おうとしてやめる姿を最近よく見ます。
最近、同期の子がよく辞めていきます。
5年目、そろそろ引退を考え始めました。
プロデューサーさんに出会ってからもう何年も経ち、そろそろ時期なのかな?なんて思います。
でも、日記帳は何があってもやめません。
6年目にはアイドルを引退しました。
私は家に籠って1ヶ月に一度、プロデューサーさんのポストに真っ赤な日記帳を投函することだけを楽しみにするようになりました。
プロデューサーさんに会いたい。
そんな気持ちが募っていきます。
7年目には【佐久間まゆの一途な愛】として、話題になりました。
アイドルだったから?ポストに投函する様子をゴシップ誌に掲載されました。
でも…そんな事なんてどうでもいい。
さぁ、プロデューサーさんを今日は何に例えましょうか。
8年目も私は変わりません。
毎月毎月、真っ赤な日記帳を贈るだけ。
今日は何を書きましょう?
もうそろそろこの日記の詩だけでアルバムが50枚作成出来そうです。
ふと、とある歌詞を書き出しました。
【大好きだよ だけでいいの
何もしなくても
あなた見てる、それだけで幸せです】
あれ?私はどうしてプロデューサーさんの側にいないのでしょう。
プロデューサーさんの元に行かなきゃ…。
私は部屋を飛び出しました。
9年目…?なのですか?
私は事故に遭ったそうです。
自分が誰なのかすらわかりません。
でも…それでも…プロデューサーさんが好きな事だけは覚えていました。
10年目、やはり記憶は戻りません。
それでも欠かさずに日記を書きました。
プロデューサーさんをずっと想っていました。
11年目も12年目も記憶は戻りません。
ただただひたすらにプロデューサーさんが好きでした。
ひたすらにプロデューサーさんに会いたかった。
13年目もです。
千川ちひろさんと星輝子さんと森久保乃々さんという方がいらっしゃいました。
いっぱい思い出話をしてくれましたが、何も思い出せなくて…。
挙げ句の果てには、八つ当たりまで。
本当にごめんなさい。
ごめんなさい。私を嫌いにならないでください。
涙をぽろぽろ流す3人の姿が頭から離れません。
14年目は3人と笑いながら話せるようになりました。
それでも、本当に私は佐久間まゆという人物なのかすらわからない不安な日々を過ごしていました。
15年目、ようやく記憶が戻りました。
思い出して、大声をあげて泣きました。
朝も昼も夜も、人目を気にせず泣き喚きました。
15年前にプロデューサーさんが亡くなった事を。
真っ赤な日記帳は沢山の思い出を書いていました。
いつからか、想像の日々を描いていました。
もしも、こんな生活をプロデューサーさんと送れたら。
もしも、プロデューサーさんにもう一度会えたなら。
「あなた…の…口で…聞かせてください…」
掠れた声で歌を歌います。
メロディなんか滅茶苦茶でも。
「私の…こ…と…………だいすき……って……」
滅茶苦茶な歌を歌います。
ただひたすらに歌います。
何かに夢中になる事が初めてで、毎日がとても愛しかった。
大切なものは失ってからようやく気がつく、なんて誰が言いましたっけ。
私はアイドルに復帰しました。
もう一度、アイドルをしていたらきっとプロデューサーさんは喜んでくれるはずです。
今まで贈った日記帳はちひろさんがプロデューサーさんのお部屋に置いてくれていたそうです。
頼んで、プロデューサーさんのお部屋に上がらせて貰いました。
前に勝手に行って、夕飯を作った事もあったっけ。
少しくちゃっとおかれたスーツも読みっぱなしの本も何もかもが変わっていませんでした。
真っ赤な日記帳はテーブルの上にきちんと重ねて置いてありました。
プロデューサーさんのお部屋を見ていると、ふとあるものを見つけました。
佐久間まゆに宛てた手紙です。
中には何か、ころんとしたものが同封されています。
読んだ後、私は泣きじゃくりました。
そして、ひたすらに愛の言葉を叫びます。
あなたへの愛を綴った日記を贈り続けて16年。
返事はきっと来ないでしょう。
それでもいいんです。
それでも…ずっと…ずっと…まゆはプロデューサーさんを愛していますから。
プロデューサーさんの死の描写をどうするかは迷いました。ちゃんとどうして亡くなったのかを書くかどうかです。
でもそれは蛇足かなと思い、やめました。
佐久間まゆが日記を贈りだした理由は、プロデューサーさんが居なくなったなんて、信じられなかったからです。
ただ今は会えないだけなんだ、と思い…いえ、思い込んで、亡くなったという記憶に蓋をして、ずっと日記帳をポストに投函していたのです。
最後にまゆが見つけた手紙の内容は読者さんにお任せします。
ころんとしたものが何かも同様にです。
さて、明日はSSAです!
プロデューサーさん諸君!
明日もお仕事がんばりましょー!
まぁ、コールが出来ない私は無言でペンライト振ってまーす…
あと、私の作品は初めましてですよー!という方は、他の作品もよろしくお願いします!
そして、よろしければ…評価と感想お願いします!
それでは!
闇に飲まれよ!(お疲れ様です!)