デジモン×デジモン~リ:デジタイズ・アドベンチャー~   作:行方不明

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第八話、決着です。
ではどうぞ。


第八話 ~最後の戦い!新たなる可能性!~

暗い。際限ない暗闇の中を落ちていく……。いや、落ちているように見えて昇っているのかもしれない。前に歩いているのかもしれないし、後ろに下がっているのかもしれない。ただ一つ分かっているのは、空間認識能力が働かないほど、ここは何もない空間だということだけだ。なぜここにいるのか。と考えたところで首を振った。――実際、自身の姿も見えないので首が振れているかどうかも分からないのだが――考えるまでもないことだったと。自分達は負けたのだ。完膚なきまでに。何もできずに。あの滅びの声相手に、抗うことすらできずに、負けたのだ。諦めるしかない。きっとここは死後の世界なのだろう。ともすれば、アグモンや太一達もいるかもしれない。まあ、声も出ず、姿も見えず、ではいたとしても意味がないのだが。

 

 

 

 

 

どれくらいここにいたのか。数秒かもしれないし、数年かもしれない。時間経過も曖昧なのでどれくらい過ごしたか分からない。いい加減狂ったのなら楽にもなれようが、自身が狂う気配はない。いつまでこうしていればいいのか。いい加減にしてくれ!と思ったところで……声が聞こえた。どこかで……聞いたような声が。

 

「もう全て終わったのだ……諦めろ。」

 

幻聴だ。この世界では声など聞こえるはずがない。声の言う通り、諦めようとして。でも……と。思う。もし、デジモンと出会わなかったら。デジタルワールドに来なかったら。皆と出会わなかったら。自分は……どうなっていただろう。

 

「諦めるのではなかったのか。」

 

声が聞こえる。諦める。ここで。全部。

 

「そうだ。諦めるしかできない。今この場で。何ができる。」

 

……できるわけがない。何もできない。確かにそうだ。でも……諦めることは……もっとできない。終わりにする事なんかできない。皆と出会って。太一達と出会って。いろんな冒険をして。あのパートナーはずっと一緒にいた。ずっと信じてくれた。信じられているのだ。信じられているのなら……頑張らないと。

 

「ならば、どうするのだ?」

 

何ができるのかは分からない。でも、ここで諦められるわけがない!

 

「オマエはまだ、終わった訳ではない。オマエがココにいるのだ。お前のパートナーもオマエの行く先にいるのだろうよ。きっとな。」

 

声が聞こえなくなる。だんだんと遠ざかる声に変わり、暗闇に光が差す。

 

「では、また。何時か、何処かのセカイで会おう。」

 

真っ白に染まる視界の中、そんな声が聞こえた。ひどく悲しそうな、暖かな声が。

 

 

 

 

 

「やっ!」

 

白い。ひたすら真っ白な世界にアグモンはいた。呑気に片腕を上げて挨拶するので、タイガも同じようにして返す。

 

「負けちゃったな。」

 

「負けちゃったね。」

 

お互いが今の状況を確認する。絶望的な話をしているのに、その雰囲気はどこか軽い。

 

「でも……諦めないんでしょ?」

 

「もちろん。だって……。」

 

思い返す。元の世界の仲間。両親。いろいろなものが元の世界にはある。だったら……と。

 

「ここで終わりになんか……出来ないだろ?」

 

「もちろん!」

 

タイガの言葉に勢いよくアグモンが返す。

 

「話は決まったな。二人とも無事でよかったよ。」

 

真っ白な世界に太一達が現れた。二人とも無事だったらしい。自分達はこの状況下でも諦めないつもりだが、それは太一達も同じだったらしい。不退転の意思を感じる。

 

「じゃあ行くか。俺たちの。」

 

「デジタルワールドの」

 

その場にいる全員が声を上げる。自分がすべき事を。したい事を。何のためにするのかを。

 

「「「「明日のために!」」」」

 

その言葉と同時に、

 

「これはっ!?」

 

太一の胸にオレンジの光が灯る。そこには勇気の紋章が光り輝いていた。同時にタイガと太一のデジヴァイスが震える。まるで共鳴しているかのように。

 

「あの時と同じだな……。」

 

太一の呟きになんの事か分からない、タイガとアグモンは首をかしげる。同時に当時のことを思い出しているのだろう、太一のアグモンはどこか遠くを見つめている。

 

「タイガの勇気が俺に勇気をくれたって事だよ。」

 

太一の言葉と共に、デジヴァイスの震えが大きくなる。タイガが画面を見ると、そこには、

 

New Evolution

 

の文字があった。その文字を見て、不思議と行ける!という気持ちが湧いてきたタイガ。こちらを見つめる太一と共に頷くと、静かに、されど力強く、その言葉を発した。

 

「「アグモン。進化だ!」」

 

アグモン達はそれに応える。新しい可能性の先へと行くために。

 

「「おう!」」

 

「「アグモン!ポシビリティー進化―!」」

 

進化した姿はウォーグレイモンではなかった。

太一のアグモンが進化した姿は尻尾が生え、なおかつ全てを破壊してしまうような、巨大な剣を持っていた。

タイガのアグモンが進化したのは、ウォーグレイモンだ。しかし、背中のブレイブシールドは外れ、代わりにブースターが付いている。そして、全体の雰囲気が、シャープなものへと変化していた。

 

「ビクトリーグレイモン!」

 

「ウォーグレイモンX抗体!」

 

「「これが……アグモンの……新しい進化!」」

 

進化と同時に世界が鼓動する。白い世界がさらに白く染まっていった……。

 

 

 

 

 

「ナンダト……?」

 

目を開けるとどこか呆然とした――ように見える――ガルフモンがいた。戻ってきた。それを確認するとともに二人は自らのパートナーに指示を出す。

 

「グウ……。ナンドキテモオナジコトダ……。キエロ……デッドスクリーム!」

 

ガルフモンはまたあの技を放とうとする。それをさせまいと、ウォーグレイモンXは即座に接近。下から口を蹴り飛ばし、口を閉じさせた。同時に接近したビクトリーグレイモンは、巨大な剣を巧みに使い、振ってくる腕を避け、ガルフモンの目を切りつけた。

 

「グォオオオオ!」

 

目を潰され、手当たり次第に暴れることしかできないガルフモン。タイガと太一は全てを終わりにすべく、己のパートナーに指示を飛ばす。

 

「ウォーグレイモンX!」

 

「ビクトリーグレイモン!」

 

ビクトリーグレイモンとウォーグレイモンXはお互いに頷き合うと、お互いがすべきことをし始めた。ビクトリーグレイモンは己の剣を分離させ、両腕に装着。力を溜め始める。その隙にウォーグレイモンXはガルフモンの攻撃を避けながら、接近。両腕に貯めた力をゼロ距離で解放する。

 

「ガイアフォースZERO!」

 

胸に当たったことで崩れ落ちそうになるガルフモン。満身創痍ながらも気丈に立ち上がり、近くにいるであろうウォーグレイモンXを攻撃しようとする。……が、既にウォーグレイモンXはその場を離れており、ビクトリーグレイモンの必殺技が満身創痍のガルフモンに炸裂した。

 

「トライデントガイア!」

 

大気中のエネルギーを集中した攻撃がガルフモンに直撃した。

 

「ワレハ……スベテヲ……コワ……ス」

 

その言葉を最後に、ガルフモンはその体を崩壊させた。アポカリモンより生まれた世界の破滅を望む者は、二人の子供とそのパートナーによってその命の幕を閉じた。

 




というわけで、決着回でした。
ポシビリティー進化の名前がダサい件については触れないでください。ネーミングセンスないんです。
後、何故タイガがウォーグレイモンXかと言うと、デコード能力者はデジモンの能力を引き出す。X抗体はデジコアからデジモンの潜在能力を引き出す。ということで似てね?ということからきました。

残りはエピローグです。もうしばらくお付き合いください。


いつも通り誤字脱字は御手数ですが、ご報告ください。
また、感想、批評、批判お待ちしております。
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