Tales of Barbartia 〜強力若本(の中の人)奮闘記〜   作:最上川万能説

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 バーサーカーとマッド、出会ってはならないふたりが禁断の邂逅を果たす。果たしてその先に、どんな大惨事が待ち受けるのか? リトラーの胃の末路は!?
 今回、第4話! 若本スタンバイ!
 ウソです。たぶん、きっと、メイビー。




 それはそれとして、 気付けばUA5,500、お気に入り数250突破という想定外の事態に、私呆然としております。呆然としすぎて、思わず風呂場で喜びの舞を踊る程度にはラリっております。
 本当に、ありがとうございます……ッ!!(平身低頭覇)


第4話

 食堂を出て大股で技術本部へ向かう道中、バルバトス・ゲーティアのすっかり回復したかに見えた機嫌は再び緩降下しつつあった。実際に命を預け合う兵士たちはともかく、兵士よりもずっと多い銃後を守るそれぞれの要員が、彼を見るたびに密々コソコソともっともらしく囁きあっているのを耳にすれば、機嫌の下がり具合が緩降下で済んでいること自体が奇跡と言わざるをえないだろう。

 まあ、わからない話ではないのだ。地上軍兵士として勤務する間に、バルバトス・ゲーティア(オリジナル)の悪評は地上軍の隅々にまで知れ渡っていたし、それがある日突然まともな人格に矯正された、などと二年前の兵士たちに告げれば、それこそ“地上軍ジョーク”とみなされて一笑に付されていただろう。

 実際、「味方殺しをしないだけまだ理性がある」という評価を当の総司令部が下していたのだからお察しである。そういう周囲の機微を理解できるだけ、現在の“中の人”のバルバトスにもたらした影響は絶大なのだが、それをほぼ会うことのない後方要員に理解させろ、というのもどだい無理な話だった。

 が、それはそれ、これはこれ。己の憑依以前の人格がどれだけアレかということを知ってはいても、それを理由にしたり顔かつ聞こえよがしの密談をそこかしこでされれば、こめかみに青筋のひとつやふたつ浮き上がるのが人情というものである。実は別に聞えよがしではなく、絶え間なく続く闘争で鍛え上げられた彼の聴覚が敏感にそれを聞き取っていただけなのだが、聞こえて認識してしまえば変わらない。これが元来の人格であれば、(おど)しに背の大斧をブン回すくらいはしただろう。事実、背中に手が伸びるのを必死に堪えさせられたのだから。

 

 そうこうするうちに技術本部の座する技術本棟に着いた“地上軍の呼吸する闘争本能”ことバルバトスだが、そのエントランスで珍しくも懐かしい人物と再会することになった。彼の背負う超規格外大戦斧(ディアボリックファング)の設計者にして、技術本部の実務を一手に担う屋台骨――技術本部副部長である。彼は地上軍随一のバトルフリークスにすらにこやかかつ友好的に接してのける地上軍きっての聖人であり、彼がいなければ技術本部はただのマッドの巣窟でしかない、とまで謳われた人物だった。

 とは言え、「裏切りと味方殺し以外はなんでもやる」と前線以外で悪名高きバルバトス・ゲーティアに笑顔で話しかけるのだから、周囲がぎょっと目を剥くのは当然と言えた。

 

「おや、バルバトス君。君が技術本部(ここ)に来るのは、背中の大斧(それ)を作った時以来だね。出頭要請した側が言うのも悪いけど、規則で一応照会しなきゃならないから、もう少し待っててくれないかな」

 

 彼らの愛すべき副部長がいつ狂戦士の機嫌を損ねて縊り殺されるかわかったもんじゃない、とハラハラしながら見守っていた職員たちだったが、それに応えて穏やかに話すバルバトスの姿に、心臓を直接握られるような衝撃を受ける羽目になった。ありていに言ってSAN値直葬である。

 

「ああ、お手数をかける。しかし、俺がディアボリックファング(こいつ)を頼みに行ったのは、常時狂っていた頃の俺の最大の功績だな。折れず曲がらず(こぼ)れず、いつだって俺の闘争についてきてくれた。貴方のおかげだ」

 

 その場の技術本部職員が、第一印象的にありえない現状に白目を剥きかけてSAN値チェックする傍ら、二人の和やかな会話は、受付職員が我に返って職務を遂行するまで暫し続いた。

 

「ああ、照会も終わったみたいだね、待たせてすまない。ここから東の階段で地下一階に下り、第二兵装実験室に行ってくれ。そこで本件への説明がされることになってるんだ。

 実のところ、僕が説明してもいいんだが、それで先入観を与えるのもよくない。すまないが、何も聞かずに行ってくれないか?」

 

 申し訳なさそうな副部長に首肯を返し、最近丸くなったと有名な狂戦士は告げられた先へと向かった。足早に階段を下り、地下一階の廊下で視線を左右に向ける。左手に“第二兵装実験室”の室内札を見てとり、そちらに足を向けたバルバトスの前に、一人の少女(?)が立ち塞がった。

 少なくとも、見た目は非常に小柄な女性である。寝癖なのか少々乱雑に癖の付いた赤髪、袖口に黒のボンボン、肩に白い肩当ての付いた、色彩の自己主張の激しい衣装。バルバトスの好みからするとややアイラインが濃いような気がしないでもなかったが、もしかすると目元の隈を隠すためのものかと思い至り、それを口に出すのは自重した。そうでなくとも、女性のメイクに口出しするのは色々な意味で死亡フラグである。

 

「あんたがマジキチバーサーカーって噂のバルバトス・ゲーティア中佐? このハロルド・ベルセリオスを待たせるとはいい度胸じゃない」

 

 コレがハロルド・ベルセリオス(地上軍きっての超天才)!? どこからどう見ても女ではないか! 珍しく混乱したバルバトスは、思わず自称ハロルドの首根っこをつまみ上げてしまった。基本的に「今日の俺は紳士的だ(リアルガチ)」を地で行く、ノーマルモードの彼にしては珍しい醜態である。

 

「貴様がハロルド・ベルセリオスだぁ? 馬鹿言ってんじゃねぇ、その背格好と面構えのどこが男に見えるってんだ。……しかし貴様軽いな、ちゃんとメシ食っとるか?」

 

 首根っこを掴んだまま、ジロジロと無遠慮な視線を女性のあちこちに向けるバルバトス。先述のように基本的には口調を除けばだいぶ真っ当に矯正された(ように見える)彼だが、こうして混乱すればかつてに近い言動をかますこともあった。極めて珍しく、よほど混乱してないと見られないことだが。

 こらー降ろせー。無遠慮にジロジロ見られてさすがに羞恥心が沸いたのか、それとも単に扱いが気に食わないだけなのか、ゲシゲシと脇腹から太腿に蹴りをくれる自称ハロルドに目もくれず、右手に女性をぶら下げた彼は第二兵装実験室扉のインターコムに手を当てた。

 

「バルバトス・ゲーティア中佐、出頭要請により罷り越した。入室許可を願いたい。それと、ハロルド・ベルセリオスを名乗る女性を捕獲したんだが、コイツは一体、……!?」

 

 最後まで言う間もなく、実験室の自動ドアが開き、赤毛の青年が飛び出してくる。バルバトスがつまみ上げていた女性の脇を支えるように抱き上げて引き離し――あまりの剣幕に珍しく一歩引いたバルバトスが、青年が体重を支えたと見た瞬間に手際よく手を放したというのもあったが――背後に庇うように立った。

 

「――失敬、確かに彼女は私の()、ハロルド・ベルセリオスだ。まあ、見ての通り偽名なんだけれどね。自己紹介が遅れたが、私はカーレル・ベルセリオス。地上軍軍師として、中将を拝命している」

 

 ――これは失礼した。即座に上官に対する礼をとるバルバトスに、カーレルの背後からハロルドが胡乱なものを見る目を向ける。あたしの時とは随分違うじゃない、と顔全体で語っているが、バルバトスからすれば当たり前だった。男性名、それも地上軍にあって天上軍の最高知性に勝るとも劣らない異才の名を名乗る、どこからどう見ても絶対に男に見えない女が軍施設内にいて、疑わない方が色々とおかしい。看過する者にはSAN値チェックを真剣にお勧めしたいところである。

 

 閑話休題。

 

「時間も押してることだし、手際よくいこう。ハロルド、中佐に説明を。中佐、話は中で」

 

 カーレルの音頭で三人して入室すると、そこはゴチャゴチャと機材の乱立するカオスの支配地だった。あちこちの機器に接続され、所狭しと床を這い回る晶力伝導ケーブルや、散らばったメモ書き、作業台の上に積み上げられた、試作品と思しき兵器群のモックアップと設計図、それにレーションや簡易栄養食のゴミ。まさに足の踏み場もない。

 そんなカオスのド真ん中にぽっかりと空いたまともな空間――どうやら、この空間をもって実験室と言い張っているらしい。実質的には設計室に実験スペースが付いただけ、としか見えないが、しかしその実は対爆を筆頭に各種防護処理を厳重に施した、極めつけに頑丈な場所だった――に、寄り添って立つ男女の姿があった。

 

「ディムロスか、久しいな……それに、ぬぅ……アトワイト、か」

 

 この男にしては妙に歯切れの悪さ、微妙にばつの悪そうな表情が目につくが、それも当然と言えよう。現行人格が憑依する前日まで機会あらばストーキング&口説きまくり――無論、童貞こじらせた脳筋バカの告白など、歯牙にもかけられないものだが――そして被瞬殺記録を更新し続けた相手に、どの面下げて接しろというのか。まともな羞恥心があるなら、三跪九叩頭して半径数百m圏内から離れるべき事案である。まして任務とは言え歩み寄る必要があろうとは、無茶振りもいいところだった。

 空きスペースに歩み寄るカーレル以下三人を視界に入れ、ディムロス・ティンバーはやや困った顔をし、アトワイト・エックスは露骨に顔をしかめた。ディムロスからすれば、ナチュラルボーンバーサーカーがリミッター付きバーサーカーに確変し、周囲との折り合いを付けられるようになった時点で、バルバトスに対してそう悪感情は持っていない。ディムロスにとってのバルバトスは、己を過剰にライバル視してくる狂戦士というだけで、恋人たるアトワイトへのストーキングを除けば、今まで特に実害らしい実害はなかったからだ。恋人と件の狂戦士の間で起きた問題と、彼女との関係でどう折り合いを付けるべきか、と悩んではいるが、それはどちらかと言えば彼と彼女の間の問題である。

 しかしアトワイトにとっては別だ。彼女からすれば、そこの青色暴走きんに君は自分に執着するガチムチ変態ストーカーであり、ディムロスの護衛なしに会おうなどとは欠片も思わない。同じ青系統でもディムロスとバルバトスではレンズ結晶とガラス玉くらいには価値が違う、というのがアトワイトの偽りない内心だった。残念だが当然である。

 

 己を徹底的に視界から排除しようとするアトワイトに黙礼し、中身超フツーな狂戦士は誰に問うでもなく口を開いた。

 

「それで? 俺はここで何を片付ければいいんだ? 全部か?」

 

 いきなりの先制口撃に思わずディムロスが吹き出し、カーレルが必死に頬の引き攣りを制御している横で、ハロルドがシレッと応える。

 

「人体実験に決まってんでしょ。あんた実験台、あたし実験者。兄さんが記録して、そこの青いバカップルは万が一実験台が暴れ出したら頭かち割って止める役」

 

「人体実験だぁ?」

 

「そ、人体実験。ソーディアンへの人格投射のね。高密度レンズ製コアクリスタルへの人格投射理論と機器のプロトタイプは完成してるんだけど、肝心のデータがないわけ。だからデータ採取のために、ソーディアン・マスター候補筆頭と同レベルの戦闘力持ちで、なおかつ使い捨ててもコラテラル・ダメージの少ないあんたに白羽の矢を立てたのよ。

 だいたい、ぶっつけ本番で大惨事になったら、あたしの才能が疑われるしね。それにしても、あんたみたいなのにソーディアン・マスターとしての能力がある可能性が高いなんて、世も末よね〜」

 

 もはや自称ではなくなったハロルドではなく、彼女が説明の補足として黒板に書き込んだイラスト混じりの概略に目を走らせつつ、今現在既に疑っとるしお前みたいなあからさまにマッドな女に才能がある方が世も末だわ、という当人からすれば当然な反論を飲み込み、バルバトスは呻いた。つまり何か? そのクソ怪しいコアクリスタルとやらに、俺の人格をコピーすると?

 冗談ではなかった。ただでさえ肉体に引っ張られ、人格的にはオリジナルのエミュレートどころか、リミッター付きのオリジナル相当にまで侵食されているのだ。かつてのような死にたくないがゆえに必死こいて本能の手綱を握るヘタレ(地上軍基準)ではなく、肉体を乗りこなし狂熱に指向性を持たせる、冷徹な意思のもとに暴威を振り撒く鉄血の破壊者が今の“中の人”である。突撃と破壊と蹂躙しか能のなかったオリジナルより、ある意味ではタチが悪い。

 これで下手に人格コピーなぞやって、まかり間違ってどこに消えたかも定かでないオリジナルが転写でもされたら、最悪プロトタイプ・ソーディアンと肉体の同時侵食で暴走不可避である。ソーディアンのもたらす圧倒的スペックアップと狂乱した等身大の突撃する地上要塞の相乗により、天も地も等しく鎮圧に代償を払うこととなるだろう。群を凌駕する個という絶対的暴威による、死と瓦礫の山という代償を。

 

 そんな嫌な未来予想図を胸に、内心狂戦士(ただし理性付き)が滂沱の汗を流すのをよそに、実験の準備は一分の遅滞もなく進みつつあった。何処からともなくどうやって運び込んだのか、二人がかりで押す大型台車に載った人格投射用試作チャンバーが搬入され、固定されたそれに晶力伝導ケーブルがメドゥーサの生え際のごとく、束になって接続されていく。チャンバーに接続されたケーブルのうち、前面のソケットに例外的に挿し込まれた数本には、ちょうど黒板に“実物大”と銘打たれて描かれたコアクリスタルを、恐らく露出した部分の周囲ごと固定し覆うサイズのカバーとも固定具ともつかない、珍妙な機材が接続された。エネルギー供給を受けてか、脈打つように光る晶力伝導ラインが実に不気味である。

 チャンバーを搬入し姿を消したと思われた助手一号と二号のうち、絵に描いたような厚底ビンめいた分厚いレンズの丸メガネをかけた一号の方が、今度は一人用の台車を押してそそくさと現れた。その台車に載せられた固定台上のそれ(・・)に目を向け、バルバトスは目を剥き、次いで慌てて背中に手をやった。引き抜かれた背中の得物は当然無事だったが、しかしそれならば眼前のアレは一体何なのだ!?

 

ディアボリックファング(あんたのそれ)はウチの副部長が設計したものよ? 寸分違わずコピーなんてできて当然っしょ。ま、プロトタイプ・ソーディアンとして機能を発揮できるように、コアクリスタルの接続やそれに伴う強度不足の解消、レンズエネルギー伝達のための回路構築とか色々弄ったから、細部は寸分違わずとは言えないけどね。目方増えてるし。

 でもアレよね、斧なのにもの言う剣(ソーディアン)ってのもつまんないジョークね」

 

 混乱する彼に親切にも説明を与えたのは、意外にもこの手の些事を嫌う人間筆頭のハロルドだった。まあ、彼女からすればさっさと人体実験に移りたかったし、些事を些事として丸投げる方が余計に予定が遅れると、渋々ながらも理解していたからなのだが。それにしても一言多いのは生来のサガだろうか。

 チャンバーとプロトタイプ・ソーディアン《ディアボリックファング改》が人格伝達ホルダーで固定されたのを視界の片隅で捉えたハロルド(地上軍のマッド筆頭)が、右親指を背後に向けつつ「はよ()け」と無言で催促する。さすがにディムロスならソーディアン付きの己でも殺し尽くしてくれるか、と変なところで納得した後天的狂戦士は、ままよ、とチャンバーに踏み入った。もっとも、当のディムロス自身はというと。

 

 ――――試作型ソーディアンを手にした上で暴走したバルバトスに、自分は勝てるのだろうか?

 

 と、突撃兵(トゥルーパー)の異名で名高い彼にしては珍しく、脳内でいささか過剰にパワーアップさせたバルバトスと己を戦わせつつ、あーでもないこーでもないと内心懊悩していたのだが。

 

 が、バルバトスの(本人にとっては)悲壮な決意とディムロスの躊躇とは裏腹に、人格投射実験はつつがなく始まった。問題は、人格投射前に行われるスキャニング工程がほぼ終わらんとした時に顕在化した。

 

「ぐ、ぬッ……!?」

 

 チャンバー越しにくぐもったバルバトスの呻きの直後、接続されたモニタリングデバイスを睨んでいたカーレルが戸惑った声を上げる。

 

「ハロルド、フラットラインを示していた各種パラメータが、急に乱れ出したぞ。まさかとは思うが、こういう事態は想定のうちなのか?」

 

 どうせ自分が一から十まで手がけた実験だし成功するだろう、と明後日の方向を向いていたところを呼びつけられ、ちょっと見せて、と横から首を突っ込んだハロルドが驚きに目を見張った。それを見たカーレルが「珍しく驚きに表情を乱すハロルド、尊い……」と内心シスコン丸出しにほっこりし、それを隠してやはり想定外の事態か、とディムロスに用意してくれと目を向けると同時、コンソールを壊さんとする勢いで操作しながら、今度はマッドが呻いた。

 

「何よ、この数値。人格、ひいては魂の疑似的数値化定義とパラメータ検出理論が間違ってないのはあたしだから当然としても、これじゃ人格が二つあるって言ってるようなものだわ。あいつ二重人格だったわけ!?」

 

 期せずしてある意味で正鵠を射たハロルドはさておき、チャンバー内の我らがぶるぁ魔人に視点を戻そう。彼が精神世界、ときおり熱く身を焦がす熱風の吹き荒れる廃墟の街において対峙していたものこそ、スキャニング時に発せられた晶力波導により活性化した、かつてのオリジナル――その残滓であった。

 

「返せぇ……それは俺の体だ、俺に返せぇぇぇぇ!!!」

 

 ディアボリックファングを振り回し、凶相もあらわに襲いかかるオリジナルに対し、“彼”もまた背の大戦斧を引き抜く。なるほどここは精神の座、己の望むことはある程度形になるらしい。試作型ソーディアンの代わりに台車に置いた愛斧が背中にあるのも、「それが己の背にあって当たり前」という認識が具現化したのだろう。

 ――ならば好都合、己ごときヘタレの異世界人に乗っ取られた挙句、残骸となり果てた分際でメソメソと精神の座にしがみつく間抜け(クソ童貞)を微塵に砕き散らし、二度と這い出してこれないように完全滅殺してくれる!

 

「ぃぃやかましいんだよこのクソ間抜け! 肉体ひとつ御しきれんゴミクズが、バルバトス・ゲーティアを名乗ろうなんざ片腹痛いわァ!!

 今日の俺は紳士的だからなぁ、念入りに擦り潰して、貴様ごときが二度と余計な口を開けぬようにしてくれる――ありがたく死ねぇぇぇいッ!!!」

 

 咆哮一喝、ふたりの狂戦士が激しく切り結ぶ。互いの得物がぶつかり、衝撃波が虚空を掻き乱し、あるいは瓦礫を砕き散らして消えていく中、姿を同じくする異なる魂のデスマッチはより激しさを増していった――。




 若本節もそうだけれど、ハロルド節がちゃんとできてるか超怖い私。いやほんとに、頑張って再現したつもりではあるんですが。

 そして己に課した字数制限がものの見事にぶっちされて白目不可避。筆のノリって怖いですね。厳密にはキーボードだけど。

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