君との真剣な戦いをしよう!   作:でんとさん

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初投稿です。タイプミス、言葉選びの間違いなど指摘お願いします


何気ない日々

「泰斗。そろそろ起きなきゃだめだよ。」

 

深い眠りををその音声によって中断され、渋々ながら目を開けた泰斗の司会にはその音声の主、たまご型お仕えロボットのクッキーが映った。このクッキーについては世界の九鬼が開発したため常人の頭では到底理解、説明できないような構造になっているため、ただハイテクお仕えロボットであるということだけ言っておく。

 

「ん? どうかしたの?」

 

自分の方を見たまま動かない泰斗の様子に疑問を持った超ハイテク人工知能は疑問を持つ。

 

「・・・・いや、起こしてくれてありがとう。」

 

その言葉を聞いたクッキーはとてもメカとは思えないほど巧みに声の様子を変え喜びを表現する。

 

「どう致しまして。」

 

そう言い残し部屋をあとにするクッキーを見送ったあと泰斗はようやく体を起こし川神学園の制服に腕を通した。

 

 

 

 

 

「京、醤油とってくれー」

 

「はい、旦那様」

 

「ありがとう。お友達で」

 

「うー」

 

「飯くらい黙って食え」

 

すでにお決まりとなったやり取りをする直江大和と椎名京。そんな様子をうっとおしそうに黙々と朝食を食べる源忠勝。うつらうつらと船を漕ぎながら朝食をとる風間翔一。島津寮の面々がテーブルを囲み朝食をとっていた。

 

「おはよ」

 

「お、今日は遅かったな。俺の貸した本読んでたのか?」

 

「ああ、あれなかなか面白かったぞー。」

 

着替えを済ませた泰斗がそこへ加わる。大和と何気ない会話をしていると寮母の島津麗子が朝食をテーブルに並べてくれる。

 

「あら、おはよう泰斗ちゃん。今日もいい男ね。」

 

「おはようございます、麗子さん。いただきます。」

 

軽くいつもの挨拶した後、朝食を食べ始めた。

 

 

 

 

川沿いの土手を歩く一行。先頭には武神とよばれる、川神百代と後頭部をその豊満なバストで圧迫され、すれ違う人々から羨望の眼差しをうける大和、次いで京がいつ乱入しようかと機を探っている。そこから少し後ろに少年ジャソプを読んでいる島津岳斗、モロこと師岡卓也。そして最後尾に泰斗という並びになっている。いつもはこのメンバー+翔一+忠勝で風間ファミリーである。

 

「そういえば姉さん、ワン子は?」

 

「んー、もうそろそろ追いついてくるんじゃないか? ,,,,ほら、来たぞ」

 

「みんなー! おはよう!」

 

真っ赤なポニーテールとは全く合わない大きなタイヤを引きずりながらワン子こと川神一子は百代達のもとまでかけてくる。

 

「お、今日はタイヤ一個増やしたのか?」

 

「そうよ! 近々川神院で私への挑戦者が来るから増やしたのよ!」

 

「だからいつもよりちょっと遅かったんだねー。遅刻してたらお仕置きだったよ。」

 

京のその言葉を聞いた瞬間、一子は震え始める。

 

「き、気をつけるわ....」

 

 

 

 

翔一もやや遅れて登校しファミリーはそれぞれクラスメイトと談笑をしていた。教室のドアが開く。

 

「全員席につけ!」

 

鬼教師で有名な2-Fの担任、小島梅子の声が教室中に響く。大変美人な教師だがその手に持つ鞭により一部の生徒には恐怖が植え付けられている。もっとも、健全な学園生活を送っていればその鞭のお世話になることはないのだが。

 

「突然だが、このクラスに転入生が来ている。入れ。」

 

その言葉にクラスがざわつく。そしてドアが開き、その姿が見えた瞬間ざわめきは一層大きくなった。

 

見えたのは到底高校生には見えない、自分の親よりも年上であろう初老を過ぎたあたりの男性であった。

 

「え!? 転入生!?」

 

どこからともなく声が上がる。疑うのも当然だ。しかし、その男性の後ろに続いて入ってきた少女をみるなり教室は歓声に包まれた。クラスの男子の目に映った長めのブロンド、白人特有の真っ白な肌、白いタイツに包まれたスラリと長い足、どれをとっても完璧と言えるものだった。

 

「自分の名はクリスティアーネ・フリードリヒだ。クリスと呼んでくれ!」

 

「そして私はこのクリスの父、フランクだ。どうにも娘が心配でね、ついてきてしまったよ。日本はとでも良い国だと聞いている。娘をよろしく頼むよ。」

 

フランクのその言葉を聞き教室内は安堵に包まれた。自分と歳が30も違う、それもクラスメイトの父親ともなれば特異な緊張感を醸し出すであろう。

 

「クリスはリューベックからの留学生だからな、みんな仲良くしてやってくれよ。なにか質問はないか?」

 

梅子の問いかけに真っ先に手を上げた生徒、ヨンパチこと福本育郎が質問する。

 

「はい! えっと、クリスさんは今お付き合いしているひ」

 

「クリスにそんなものいるわけないだろう!」

 

福本の言葉を遮るようにしてフランクは銃を向けながら怒鳴る。怯えるヨンパチ。

 

「父様の言うとおり、私にはそのようなものはいないぞ。」

 

「ふむ、では他にないか?」

 

「はいはい! クリスさんはなにか武道をやってるんですかー?」

 

一子が期待の眼差しをクリスに向ける。

 

「幼い頃から、フェンシングをやっている。」

 

「センセー! クリスさんを歓迎したいんですけどいいですか?」

 

「それも面白そうだな。よし、許可しよう。近くで見たいものはグラウンドに集合だ。」

 

 

 

 

 

 

「この決闘はワシ、川神鉄心が審判を行う。」

 

一子は薙刀、クリスはレイピアを持ち向き合い対峙する。ちなみに刃などは取り外してあるため、ある程度の安全は保証されている。あたったら痛いのは当然だが。

 

鉄心は二人が視界に入る位置に立っており、3人を囲むように観客が、という立ち位置になっている。更にグラウンドは校舎の窓から見えるため、二階、三階にもこの決闘に注目する生徒が大勢並んでいる。

 

「両者準備はよいかの。それでは始めるぞ,,,,はじめ!」

 

鉄心の合図とともに攻撃を仕掛けたのは一子。クリスは一子の動きを見極めるため、はじめは動かなかったようだ。

 

「やぁっ! 先手必勝!....わわ!」

 

「はぁ!」

 

当たれば一撃で戦闘不能に至るであろう大振りかつ鋭い薙刀の振り下ろしを放つ。スピードを生かして戦うクリスにはその大振りな一撃は容易に見切ることができた。難なく回避し一子の脇腹目掛け突きを繰り出す。攻撃最中の一子は後ろに飛んでダメージを軽減する。

 

「くぅ....やるわね!」

 

 

 

 

 

「あー、妹苦戦してるなー....」

 

三階の窓から一子とクリスの決闘を観戦する百代と泰斗。脇腹への一撃が響き、一子の動きは精細を欠いていく。

 

「妹には申し訳ないが、これはさすがに厳しいかな....。」

 

戦況はどう見ても一子の圧倒的不利である。それを見た百代も一子の負けをほぼ確信する。

 

「どう思う? 泰斗。」

 

「なんで俺に聞くんですか? モモ先輩。」

 

「いや、お前実は相当強いだろ?」

 

「何言ってるんですか。そんなわけないじゃないですか。先輩と違って俺は一般人ですよ。」

 

「そんなまるで私が一般人じゃないみたいな言い方しなくていいだろー」

 

「....」

 

「ちょっと傷ついたにゃん....」

 

「....」

 

百代を軽くスルーし泰斗は窓の外を見る。一子とクリスの決闘はほぼ終盤に差し掛かっていた。一子が持ち前の勘でクリスの不意を突き一撃を加えた所で二人の距離が開く。

 

「これで決まるな。」

 

「ワン子が勝つに一票。」

 

「お? じゃあ私はクリスが勝つに一票。賭けに負けた方は一つなんでもいうことを聞くこと。」

 

「その勝負、受けましょう。」

 

本人たちの知らないところで勝手な賭けが始まっていた。泰斗にとってはこの賭けに負けるわけには行かなかった。百代の願いを叶えるには財布が軽くなることは確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

結果はクリスの勝ち。フェンシングは足が弱点という考えの元攻撃を仕掛けたがし、それを自分の弱点として鍛えていたクリスは冷静に対応し鋭いカウンターを見舞い見事一子を打ち破ったのだった。

 

「あー、ワン子負けたのか。」

 

「じゃあこの賭け私の勝ちだな。 さーて、何してもらおうかなー♪」

 

「....軽めで」

 

「よーし、しっかり考えて大事に使おー♪」

 

「....」

 

絶望。

 

 

 

 

「済まない、私は川神さんを甘く見ていたようだ。」

 

「いい勝負だったわ! あ、あと私のことはワン子でいいわよ!」

 

「了解した。これからもよろしく頼む!」

 

そう言ってクリスは手を差し出す。一子もそれに応じ固い握手を交わした。

 

 

 

 

白熱した決闘のあと、教室に戻り通常通り授業が行われた。そして放課後

 

「椎名。クリスに校内の案内頼めるか?」

 

「....」

 

「....連城。クリスに校内の案内頼めるか?」

 

「はい、引き受けます。」

 

「おお、助かるぞ。」

 

梅子の言葉を完全に無視する京。もともと京はファミリー以外に興味はないため、京が所属している弓道部の顧問の梅子に対してもこういった態度をとることが多い。風間ファミリーも半ば諦めている。

 

 

 

 

「今日はどうだった? クリス。うちのワン子が急に決闘なんて挑んでごめんな。疲れただろ。」

 

「いや、自分はよきライバルを見つけるられたらか満足だ!」

 

そういえばワン子もそんなこと言ってたな。転入初日の留学生を即ライバルにするとか俺にはよくわからないな。ワン子だからこそなせる業だな。

 

「校内はだいたい案内したから、仲見世通りでも寄っていくか?」

 

「仲見世通り? そこにはなにがあるんだ?」

 

「最近だと、くず餅パフェっていうのが喫茶店で出たかな。」

 

「そ、それは....美味しそうだ!」

 

やっぱり日本が大好きなだけあって、こういう和菓子を使った食べ物とか好きなんだな。事前に大和に聞いておいて正解。

 

「じゃあ案内するよ。」

 

 

 

 

クリスとともに仲見世通りへ向かう。やっぱりすれ違う人の目を引くな。そりゃこんだけ美人でしかも白人さんときたらね、仕方ないね。それにしてもクリスの父親、フランクさんはあれはどう見ても相当度を超えた親ばか様だね。まさか教室で銃を出すとは誰も思わなかっただろうな。父親の前であの質問したヨンパチも馬鹿だけど。

 

「さて、ここだな。」

 

「は、早く入ろう!」

 

「ちょっと落ち着きなさい」

 

「す、すまない」

 

 

店員に案内され席につきくず餅パフェを2つ注文する。そんな二人の背後から声がした。

 

「あれ、泰斗とクリス?」

 

「お、ワン子。とタッちゃん? こんなところにいるなんて珍しいね。」

 

「おう、泰斗か。一子がどうしてもくず餅パフェが食べたいって言うから連れてきたんだよ。」

 

「やっぱりワン子も食べたかったんだ。」

 

「学校を出たらちょうどタッちゃんがいてよかったわ!」

 

あれ? あー、はいはい。なるほど。はいはいはい。やるなタッちゃん! 昔からワン子大好きだったもんね....っと睨まれた。

 

新商品発売初日だけあって喫茶店内はなかなかに混雑していた。俺たちとワン子たちを知り合いだと判断した店員は同じボックス席内に案内する。

 

「あ、タッちゃんも頼むんだ、くず餅パフェ。」

 

「これは一子の分だ。」

 

「なるほど。こっち2つともクリスの分だよ。」

 

男二人は何も食べず、女子二人がそれぞれ2つずつパフェを食べるというなんとも言いがたい光景が出来上がっていた。

 

 

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