静かな恋の物語・18号編   作:ゼロ・リミット

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風邪が回復し、久しぶりの修行に行くことになったクリリンと18号。
18号の提案により、クリリンが勝利すると18号とデートに行けることに!
クリリンは見事18号に勝利し、デートに行くことは出来るのだろうか?
そして、18号は悩み思いがけない相手に相談することに・・・


第8話 18号の悩み

その日の夜、クリリンが寝たところを見計らい18号は砂浜に出ていた。

 

 

18号「はぁ・・・なんでこんな感情抱いちまったのかね?」

 

 

18号はため息をつくと空を見上げた。

 

 

18号「それに、組手で勝てたらデートするとも言ったし・・・」

 

 

18号「・・・!誰だい?」

 

 

18号が気配を感じて振り返るとそこに居たのはウミガメだった。

 

 

ウミガメ「何かお困りですか?」

 

 

18号「あんた、喋れるのかい?」

 

 

ウミガメ「ええ、一応・・・それで何故ため息などついておられるのですか?」

 

 

18号「あんたには関係ないだろ・・・どっか行きな」

 

 

ウミガメ「まぁまぁ、話してみれば楽になることもあるかもしれませんよ?」

 

 

18号「・・・・・あんたは恋ってことをしたことがあるかい?」

 

 

ウミガメ「恋?ですか・・・・」

 

 

18号「ある訳ないよね、亀のあんたが・・・」

 

 

ウミガメ「ありますよ?」

 

 

18号「は?」

 

 

ウミガメ「一度だけ、長い間生きてきて一度だけならあります・・・」

 

 

18号「それでその恋は実ったのかい?」

 

 

ウミガメ「いいえ、そのカメは人間に殺されました・・・」

 

 

18号「殺された?何のために・・・」

 

 

ウミガメ「人間はカメの甲羅を取ろうとしていたのです。カメは高く売れるらしく、たくさんの人間がやって来ました」

 

 

ウミガメ「わたしは二人で逃げようとしましたが、海で人間の設置した罠で捕まり連れていかれました」

 

 

18号「・・・・・・」

 

 

ウミガメ「それから、四十年間・・・そのカメの姿は見ていません」

 

 

18号「あんたはその時どう思ったんだい?」

 

 

ウミガメ「どう、とは?」

 

 

18号「好きだった相手が殺されたんだろ?憎しみとかそういうものはなかったのかい?」

 

 

ウミガメ「人間に対して憎しみなどは湧きませんでした。私は人間とはこういうものなのだと知っていましたから・・・」

 

 

ウミガメ「でも、自分に対する怒りと後悔は感じました」

 

 

ウミガメ「あの時助けられる力があれば、あの時私が変わりになっていれば、と・・・」

 

 

18号「それは仕方の無いことじゃないか・・・」

 

 

ウミガメ「私もそれは知っています。しかし、考えてしまうんです・・・」

 

 

ウミガメ「あれは本当に助けられなかったのか?と・・・」

 

 

18号「・・・・・・・」

 

 

ウミガメ「クリリンさんはいい人です。誰にでも優しく接してくれます。もちろん、私にも・・・」

 

 

ウミガメ「あなたには私のような思いはしてもらいたくありません・・・」

 

 

ウミガメ「今そこに、チャンスがあるじゃないですか・・・」

 

 

ウミガメ「やらないで後悔するよりは、やって後悔した方がいいとは思いませんか?」

 

 

18号「!・・・・」

 

 

ウミガメ「長々とすいません、それでは良い夢を・・・」

 

 

ウミガメはそう言うと18号といたところから離れていった。

 

 

18号「やらないで後悔するより、やって後悔・・・か」

 

 

18号はウミガメに言われてたことを考えながら眠りについた。

 

 

翌日、クリリンが目を覚ますと横から寝息が聞こえてきた。

 

 

クリリン「ん?・・・・うわっ!」

 

 

クリリンが横を見ると18号がすぐ横に眠っていた。

 

 

18号「ん、んーーーー」

 

 

クリリン「じゅ、18号さん?なんで俺の横で寝てるんですか?」

 

 

18号「ん、クリリンか・・・おはよう」

 

 

18号は寝ぼけているのか、いつものきつい眼差しが柔らかくなり優しい目になっていた。

 

 

18号「・・・・・・」

 

 

18号は起きると黙ってクリリンの顔を見つめていた。18号の視線に気づくとクリリンは首を傾げた。

 

 

クリリン「18号さん?なんで俺の顔を見つめてるんですか?もしかして何かついてます?」

 

 

クリリンが照れながら尋ねると18号は微笑みながら答えた。

 

 

18号「いや、クリリンがかっこいいなぁって・・・」

 

 

18号が答えると完全に顔を赤くしてクリリンは照れてしまった。

 

 

クリリン「お、俺・・・着替えてきます!」

 

 

クリリンが急いで服をクローゼットから出すと寝室から出ていった。

 

 

18号「なんて逃げるんだ・・・い・・・!!」

 

 

完全に目が覚めると自分の言ったことを確認し始めた。

 

 

少しすると18号の頭から煙が出てきたという・・・

 

 

クリリンはリビングに逃げるとソファーに座り込み、自分の胸に手を当てた。

 

 

クリリン「まさか18号さんがあんなこと言うなんて・・・それに寝起きだからか目や表情が優しくなってた」

 

 

クリリン「それに俺のこと、か、かっこいいって・・・」

 

 

クリリンは18号に言われたことを忘れまいと何度も脳内リピートしていた。

 

 

クリリンが着替え終わりソファーでくつろいでいると、18号が寝室から出てきた。

 

 

クリリン「お、おはよう18号さん」

 

 

18号「あ、あぁ」

 

 

クリリンと18号は今朝のことが忘れられないのか、まともに顔を合わせることも出来ず気まずい雰囲気になっていた。

 

 

クリリン「き、今日から組手やるんだよね?」

 

 

18号「そうさ、怪我しないように気をつけなよ・・・」

 

 

こうしてぎこちない会話を続けていたが、クリリンは覚悟を決めて18号に話しかけた。

 

 

クリリン「18号さん・・・」

 

 

18号「ん?なんだい?」

 

 

クリリン「俺やっぱり、18号さんのことが好きです」

 

 

18号「!!」

 

 

クリリン「俺の気持ちはずっと変わりません。俺はこの気持ちが18号さんに届くまで言い続けますよ!」

 

 

そう言うとクリリンは右手でグッドポーズを18号にしてみせた。

 

 

18号はクリリンの行動に驚いたがニヤッと笑うといつもの調子で話した。

 

 

18号「全く、そんなのはた迷惑な話だね・・・でも、嫌いじゃないよ」

 

 

18号(本当に・・・ここぞという時に限って男らしいんだから・・・気まずい空気をいつもの調子に戻そうとするんだから)

 

 

18号「さあ、修行を始めるよ!私から1本取ってみな!」

 

 

クリリン「いくよ!18号さん!」

 

 

こうして18号とクリリンのデートをかけた組手が始まった。

これから先、どうなることやら・・・・・




皆さんご機嫌よう、ゼロ・リミットです。
第8話の投稿が遅れてしまい申し訳ありません。ちょっとした休みに入り休息を取っていました。
第8話いかがだったでしょうか?
最近では物語のアイデアが湧き出てくるので執筆には困らないと思います。
次回、第9話是非お楽しみに・・・
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