恋姫散話   作:名無しAS

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大局に逆らっては・・・あれまだ破滅してないな


許子将さん

 

 

市街にて、良く当たると評判の占い師が現れるようになった。

 

占いについては、許子将の件があって、苦手意識を持っており、いまいち乗り気じゃない一刀

 

 

「隊長、その、なんでも恋愛については凄い的中率だそうです。だから、その・・・・・・」

 

 

と捨てられそうな凪の子犬のような瞳に耐えかねて、行くことになった

 

 

 

「って、お前かよ許子将!! 」

 

「ん? なんじゃお主か、まだ破滅しとらんかったのか、しぶといのぉ」

 

「うるせー。まぁいい、占いを頼むよ」

 

「隊長、占い師と知り合いだったのですか」

 

「ほぅ・・・・・・これはまた美人なお嬢さんじゃて、お主はいつみても美人を連れておるの。いつか刺されてしまうぞ」

 

「・・・・・・・・隊長」

 

「いやいや、それって華琳達だよ。ほっほらここであったのもなにかの縁だ。なにか占ってくれよ」

 

 

ジャラっと、代金の二倍の金を、許子将に払う一刀

 

凪を背にして、許子将にウィンクをするあたり、中々の狸ぶりである

 

許子将も顔色を一切変えずに、二倍の額をさくっと懐にしまう。実に天晴な狸ぶりだ

 

 

「ほっほっ、そうじゃの、ではお主の運命の相手を占おうてみようではないか。後ろのお嬢ちゃんも、気になるじゃろ」

 

「えっ、いや、でも、その・・・・・・はい、気になり・・・・・・」

 

「見えたぞ」

 

「えっ、うそ、はやっ」

 

 

いきなり振られて、慌てる凪。

 

そこに先程までの一刀を疑う冷たい瞳も刃のようなトゲトゲしい声音もない

 

瞬時に、凪を素の状態にする見事な腕前

 

一刀は内心、いい仕事をするなぁ、と関心をしていた

 

 

「お主の未来には随分と女の陰が見え隠れしているのぉ」

 

 

許子将おまっ!……凪、俺の腕を抓らないで。地味に痛い。

 

 

「だが、今はひときわ強く光って見えるのは三人の女声じゃ」

 

「三人の女性」

 

「その三人は、好奇心旺盛な者もいれば、傷が目立つ者もおり、小悪魔的な者もおるな」

 

 

この魏で三人組となれば、三羽烏の凪達と、数え役満の2つしかない。

 

また好奇心旺盛、傷が目立つ、小悪魔、誰を指しているかなど一目瞭然だ

 

真桜、自分、沙和のことだろう

 

一刀の腕をつねっていた凪は、つねるのをやめて許子将を真剣に見つめる

 

恋愛事に関してはよく当たると評判の占い師にここまで言われ、

 

占いの相手は自分の大好きな男性だ

 

凪は高鳴る胸の鼓動を抑えて、許子将の言葉の続きを待つ

 

 

「特に強く見える女性は、傷が目立つ女性じゃな。ああ、強くとはお主が一番結ばれる可能性の高い乙女の事じゃ」

 

 

ドクンと、凪の胸がひときわ大きく高鳴る

 

三人、傷が目立つと、これは自分以外いない

 

凪は目を見開き、許子将を見つめる

 

そんな凪と目を合わせる許子将。

 

ニコリと笑い、言葉を続ける

 

 

「この傷が目立つ女性じゃが・・・・・・うむ、良いおなごじゃ。未来も見えるのぉ、随分と、熱々じゃな。いやはやこれは万年新婚夫婦というやつかの」

 

 

凪の心臓が止まる。

 

頭は真っ白になり、顔が体験したことがないほど熱くなる

 

熱々、万年新婚夫婦、そんな単語が福音の如く気持よく聞こえる

 

 

そして、

 

 

「今日は調子が良いから、この水晶玉にその未来を少しだけ映せるぞい」

 

そう言うや、許子将はカッーと叫び、水晶玉に気合い一発を入れる。

 

映し出される映像。

 

 

『もう。おはようのキスは必ずしてねと言ったでしょ!』

 

 

ぶっ!

 

 

『はい、あーんをして。そ、れ、と、も、口移しがいいのかな~~?』

 

 

なっなっ、

 

 

『やだやだやだ……愛してるって、百回言わないと寝かさないからね』

 

 

なんで

 

 

『雪蓮、愛してるよ』

 

『一刀……わたしもよ、ってひゃん、そこ舐めないでよ』

 

『矢傷の痕、まだ毒が残ってるかもしれないだろ』

 

 

キワドイ衣装のせいで、目立つ矢傷の痕

 

その痕をぺろぺろと舐める一刀

 

 

たしか孫呉の長女で先王の孫策だよね

 

しかもなんか無茶苦茶デレとるぞ!?

 

一体なにが起こった!?

 

一体なにをしたんだ未来の俺!?

 

あの孫呉の長女の心をここまで鷲掴むとは……

 

水晶玉に映るのは、孫呉の長女にして、戦場では鬼神の如く暴れまわる戦姫。

 

しかし水晶玉に映し出されるその姿は、恋する乙女120%にとろけきっている。

 

一刀の知る孫策は、孫呉の王族にふさわしく、戦場では烈火の如く暴れ、

 

幾人の魏の兵があの刃の下に倒れたか分からない。

 

 

燃え盛る烈火の気勢が、太陽のように暖かく、愛おしげに俺(水晶玉に映る)を見つめている。

全身から針鼠のように溢れ出していた殺気は消え失せ、変わりに溢れ出すピンク色の暖かいなにか。

 

 

そして、

 

 

「……良い」

 

 

夏の夜、静かな川の船の上、月明かりを見ながら二人の寄り添う影がある

 

うちわ片手に髪の色と同じ深いピンクの着物を来ている孫策の姿。

 

これまた白い浴衣を纏う一刀に体を寄せてコテンと頭をつけている。

 

孫策の顔は幸一杯に赤く染まる。

 

その仕草がたまらなく愛おしく思える

 

水晶球に映る、そんなイベントに一刀は瞳を奪われ・・・・・

 

 

 

はっ!思わず横を見ると、凪は顔を真っ赤にしてうつむいていた。

 

それは憤怒の為か

 

その仕草がたまらなく恐ろしく思える。

 

って俺は何を悠長なことを考えているんだ。早く逃げなくては……

 

ドキドキと心臓は高まり、否が応でも、凪を意識してしまう。

 

逃げだそうと、したその時、

 

 

「なんで、隊長が孫呉の王族とこんな関係を持っているんですかね、これは取り調べる必要があります」

 

 

地の底から響く鬼の声。

 

 

一刀は、「知らない、俺はなにも知らない! 潔白だ!!」

 

 

と叫んだが、鬼はニッコリ微笑み、

 

 

「隊長、取調室はこちらです」

 

 

全力全開で一刀を取調室まで引きずっていったとさ。

 

 

 

 

「ありゃ、しまった、他の外史を映してしもうた」

 

 

許子将がつぶやくが、その声を聞くもは誰もいないかった

 

 

 

 

 

あふたーえぴそーど ~別の外史にて~

 

 

『凪、愛してる、ずっとずっと一緒にいさせてくれ』

 

『隊長、でも、私はこの傷跡が、その』

 

『俺はそんな事気にしない。ほらっ』

 

『たっ隊長、くすぐったいです、あっ脇は、たっ隊長』

 

『それに、ほら、傷って舐めると良くなるみたいだし』

 

『そっそれは生傷で、ああ、そこは舐めちゃ』

 

『凪がもうあんな事言わないために、今日はずっと治療してあげるな』

 

 

 

 

「ねぇ、これ、魏の楽進って武将よね。なんで一刀が、魏の武将に隊長って呼ばれてるのかしら」

 

 

溶岩よりも熱い瞳が一刀を射抜きつつ、氷のように冷たい南海覇王の刃が一刀の首に添えられる。

 

 

「しっ、知らない。俺知らない。楽進さんなんて知らない」

 

「ふふ、嘘は良くないわよ、だって、ほら、真名も呼び合う仲なんでしょう。傷痕まで舐め合う仲なんでしょ。

そういえば一刀は私の傷跡は舐めれくれた事はなかったわよね。つまり私に出来ないことを彼女にしたんでしょ」

 

 

 

江東の小覇王に追い詰められる一刀がいたとかいないとか

 

 

「んっ!? 間違ったかなぁ」

 

 

もちろん許子将のつぶやきは誰の耳にも入らなかった

 

 





小悪魔は小蓮。

好奇心旺盛といったなすまん。言葉が足りなかった

知的好奇心旺盛だったよ。つまりは蓮華だ

すまんなBy許子将
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