どうでもいいわこんなの!ってめっちゃ言われそうです。
水の中。
そこは、世界中で最も美しいのではないかと思わされるほど幻想的な場所。
水面を見上げれば、陽光がきらめき輝くのが見える。
水中を見渡せば、澄み切った水と天使のはしごを思わせるような光の柱を見ることができる。
そんな中に、少女は居た。
水底の岩に腰かけて、じっと周りを見ている。
…彼女が水中にいたのは、それらを見たかったからではなく、あつかったからなのだけど。
しばらくぼーっとしていたら、誰かの声が聞こえてきた。
「ドール、出ておいで」
少女―ドールは、その声の主が、大好きな義理の姉であることに気づいた。
「おねえちゃん!」
ドールは叫んで、真っ黒いうろこに覆われた尾ひれを器用に動かし、水面に顔を出した。
(……あれ?)
ドールは、池の岸に立っているのは姉だけだと思っていたのだが…姉の隣に、見知らぬ男性が立っていた。
年は、おそらく20代半ば。黒髪に黒い目で、とても純粋そうな人だった。背には、大きな剣を背負っている。
(…『おきゃくさま』かな?)
そう思って、ドールは尾ひれを足に変え、岸へ向かって泳いだ。
数分後、岸に上がると、姉がタオルで体をふいてくれた。
「ドール、この人は――ンさん。泉の近くで倒れていたの。――ンさん、こちらは妹のドールです」
ドールは聞き終わってから、紹介された男性にお辞儀をする。
「――ンさん、はじめまして。――ラおねえちゃんのいもうとの、ドールです」
「もう、ドールったら。誰もいないところでならいいけど、人前では『お姉様』か『姉上』でしょう」
姉は微笑みながら、そう言った。
紹介された男性も、それを見て微笑んでいた。
それが、
ドールが最も幸せだったころの記憶だ。
何で守れなかったんだろう。
誰が、何が悪かったんだろう。
お姉ちゃんがしっかりしていたらよかったんだろうか。
私がうまく立ち回ることができたらよかったんだろうか。
お父様とあの人がすれ違っていなければよかったんだろうか。
分からない。分からない。
他の人が聞いたら、過去の事をあれこれと考える私を馬鹿にするだろうか。
お姉ちゃんたちが知ったら、「何を今さら」と笑うだろうか。
あの頃私は小さくて、みんなに守られているばかりだった。
そんな私でも、あの笑顔と、小さな小さな命を、救いたかったのに。
あらゆる人から愛されて、うらやましかったお姉ちゃん。
大好きだったけど、少しだけ憎かったお姉ちゃん。
私はこんなに大きくなりました。
でも、あの悲劇の原因が、いまだにわかりません。
…相変わらず、人の振りした化け物のままだな。私は。
文才ないので変なとこあったらバシバシ指摘してください。