人外少女とポケモンのトモダチが幻想入り   作:菅野アスカ

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やっと霊夢登場。


6話 新たな発見と巫女

「ゴース?それがこいつの名前か!?」

「はい。分類は『ガスじょうポケモン』、たぶん人間が普通に殴ってもあまり意味はありません!」

 

「そうか…なら!」

 

慧音は、数発の弾をゴースに向かって撃ち出した。…しかし。

 

「なっ…!?全然効いてない!?」

「…どうやら、慧音さんの弾は『ノーマルタイプ』と判断されたようですね」

 

「タイプ?どういうことだ?」

「ポケモンとその技には『タイプ』というものがあり、それによって技の効き具合が変わるんです。ゴースは『ゴースト・どくタイプ』。『どくタイプ』は『ノーマルタイプ』と相性が悪く、『ゴーストタイプ』に至っては全く効きゃしません」

 

「なら私が撃つぜ!!」

 

魔理沙はそう言って、大量の弾幕をゴースに撃ち出した。

 

「!…ウギィ……!!」

「ん、私のもそんなに効いてないな」

「魔理沙のは『フェアリータイプ』と判断されたみたいだね。『ゴーストタイプ』には普通の効果だけど、『どくタイプ』にはちょっと分が悪い」

 

「全く効かないわけじゃないだけマシか…じゃあ別のやt」

「ムウマ、あくのはどう!!」

「まーう!(まかせて!)」

「え?」

 

ドールはムウマに指示を出す。

 

ムウマは、全身から真っ黒い波動を放った。

 

「ウギィィィ…グアァァ!!!!」

 

そのまま、ゴースは倒れた。

 

「な!?ワンキルかよ!?」

「ムウマのほうがレベル上だからね」

「レベル?」

 

「ポケモンは、相手を倒すと『経験値』というものを手に入れ、それがある程度溜まるとレベルが上がるんです。レベルが高くなればなるほどポケモンは強くなります。…さっきのゴースのレベルは11、ムウマのレベルは88です」

「うわ、すっげー差!!」

「確かに、それなら一瞬で倒せるな」

 

「ええ。後、さっき見ていて気付いたんですが、対人戦の時はレベル云々は関係ないっぽいです」

「なるほど」

 

「…それなら、何で最初からやらなかったんだぜ?」

「いや、2人がやってくれるならそれでいいかなーと…」

「お前なあ…」

「とりあえずこいつは預かっときます」

 

そう言いながら、ドールはゴースを持っていた空のプレミアボールに入れ、カバンに放り込んだ。

 

「さ、観光行こ」

「お、おう」

 

~少女観光中~

 

「で、ここが鈴奈庵だぜ」

「本屋?」

「貸本屋だぜ。販売もやってるけどな」

 

2人は中に入った。

 

「いらっしゃいませ~…って、あれ?そちらの方は?」

 

奥から、1人の少女が現れた。

市松模様の着物の下にスカートをはき、その上にエプロンをつけているという、和洋折衷な格好をしていた。

 

「あ…初めまして。異世界から幻想入りしてきたドールといいます」

「初めまして!私は本居小鈴。ここの店番です。それで、何のご用でしょうか?」

 

「平たく言うなら観光です。…でも、ここ…少し気になる力がするので、見させてもらいますね」

「気になる力、ですか?」

「ここは妖魔本も多く扱ってるから、それじゃないか?」

「そうかも」

 

そう言いながら、あちらこちらの本棚を見る。

 

「やっぱり、絶版になったのが多い…ん?」

「どうした?」

「これは……」

 

ドールは、棚に並んだ本の1つに手を伸ばす。その本の題は、

 

「……『【写本】アブラメリンの書』…?」

 

天使や悪魔を呼び出し、願望をかなえるための手順が記されている魔術書(グリモワール)…「アブラメリンの書」の写本であった。

 

「油みりんの書?料理本か何かか?」

「『アブラメリンの書』。正しくは『術師アブラメリンの聖なる魔術の書』。天使や悪魔を召喚し、さまざまな願いをかなえるための手段や護符などが記されている魔術書」

 

「ああ、それですか。それ、アブラメリンの書の写本とは名ばかりの、天使と悪魔の名前や役割、逸話について羅列しただけの本ですよ。ちょこちょこ召喚方法とか使役する方法とかも書いてありますが、力の弱い下級天使や下級悪魔のやつくらいしかありません」

「…これ、もらっていいですか?」

「別にいいですよ。もう処分しようかと思ってたやつですから」

「そうですか。あとは……」

 

~少女買い物中~

 

「花言葉の本とか宝石言葉の本とか、いったい何に使うんだぜ?」

「贈り物するとき使うんだよ。これ、もう絶版になってて売ってないし」

「ありがとうございま~す♪」

 

「他はどこ行きたいんだぜ?」

「ん~……博麗神社」

「よし、わかったぜ!」

 

~少女移動中~

 

「ほら、ここが博麗神社だぜ!」

「…言っちゃなんだけど…人、居ないね…」

「こんな山の上まで来て参拝するやつはいないのぜ」

「だよねー…。ところで、博麗の巫女ってどこいるの?」

「霊夢な。たぶん中にいると思うから呼んでくるぜ!」

 

魔理沙はそう言って、本殿の中に入っていった。

 

(…暇…)

 

ドールは待っている間暇だったので、あちらこちらを見ていた。

 

(この末社はなんだろ…お母様はこんなのがあるとは言ってなかったけど…)

 

本殿の近くに、末社(祭神と縁の無い神を祀る社)が設置されていた。

末社に取り付けられているのとは別に周りを細い注連縄で囲まれており、末社自体の扉には札が何枚も張られている。

 

(こんなに厳重に札が張ってあるってことは、よっぽどやばい神でも居るわけ…?なんか、最近建てられたみたいだけど…)

 

「お~い、そこで何やってんだ~?」

「あ、魔理沙」

「霊夢、中にいたぜ」

 

そう言う魔理沙の後ろから、1人の少女が歩いてきた。

 

歳は、魔理沙と同じくらい。髪を大きな赤いリボンでポニーテールにしていて、脇が出る不思議な形の巫女服を着ている。

 

(博麗の巫女…?)

 

「初めまして、私は霊夢。見ればわかるだろうけど、ここの巫女やってるわ」

「初めまして。私は…」

「ドールでしょ?魔理沙から聞いてるわ」

「そう」

 

「あんたがなんかやらかしたら遠慮なくとっちめさせてもらうからね。あと、賽銭置いてけ」

「うわ出た、妖怪賽銭置いてけ!」

「ちょっと、何よそれ。喧嘩売ってんの?」

「やめなさい、霊夢」

 

そう言って出てきたのは、1人の女性。

 

脇が出る形の白衣(しらぎぬ)の下に黒いアンダーウェアらしきものを着ていて脇が見えないようになっていること、髪をいわゆる巫女縛りにしていて、霊夢が顔の両脇に垂らした髪につけている髪飾りをつけていないこと、緋袴の形状が馬乗り袴であることを除けば、霊夢そっくりの服装をした女性だった。

 

「あ、義母さん」

「ごめんなさいね、うるさい巫女で。私は『博麗夢幻』。先代の博麗の巫女で、霊夢の義母よ」

「初めまして、ドールといいます。あと、外の世界の通貨しかもっていないのでお賽銭は置いていけません」

 

「無理しておいていかなくてもいいんだy」

「大丈夫よ、交換できるやつが居るから」

「あ、そう」

 

ドールはそう言うと財布を出して賽銭箱に近づき、45円投げ込んだ。

 

「!!!ヒャッハァァァァァーーーーーーーー!!!」

「お前、45円って…」

「…ああ、価値が違うんだっけか。ここと外」

 

「ありがとうあなたいい人ね!!!」

「え、えっと……」

「霊夢、落ち着きなさい」

「( ゚д゚)ハッ!し、しまった。思いがけない出来事に、つい取り乱しちゃったわ」

「外から来た人って、普通はどれくらい賽銭入れてくの?」

「大体1円か5円だぜ。45円も置いてくやつはそうそういない」

「あ、そうなんだ。始終ご縁がありますように、って意味で45円なんだけど」

 

などと一同が話していたら、

 

「そこの子ーーーーーー!!!ちょっとお話いいーーーーーー!?」

 

空から天狗がものすごいスピードで降りてきた。

紫のリボンでまとめられたツインテールが、ものすごい勢いではためいている。

 

「あらはたて。珍しいわね。あんたがここに来るなんて」

「文が『すごいネタを仕入れた』って自慢してたから、文を問い詰めてそこの子について聞いて、んでもってあっちこっちで情報集めてここにいること突き止めたの!!!大変だったんだから!!!」

「あの…あなたは…」

 

「っと、こほん。私は姫海棠はたて。天狗の新聞記者。ちょっと取材させてほしいんだけど」

「…変なこと書かないでくれますか?」

「書くわけないよ!文じゃあるまいし!!」

「じゃ、いいですよ」

 

「よし!じゃあ質問1つ目、趣味は?」

「素性聞かなくていいので?」

「念写の応用でパクってきたから大丈夫!」

「(メモ帳でも写したのかな…?)じゃ、大丈夫ですね。読書、チェス、将棋、花札、掃除、手芸、日光浴、森林浴です」

「ふむふむ、じゃあ2つ目…」

 

~少女取材中~

 

「それじゃ最後の質問、好きな男の子のタイプは?」

「へ?え、えっと……1つだけでもいいから確固たる信念を持つことができていて、優しくて、トモダチ思いで、動物が好きで、私と共通点があって、勉強もできる人……?」

『あら?それって………。はあ、恋は盲目ね』

「なるほどー。ありがとっ!明日の『花果子念報』、お楽しみにっ!」

 

そう言って、はたては去っていった。

 

「で、あんたどうするの?もう日が傾いてきてるんだけど」

「家ごと幻想入りしたから帰る」

「あ、そう」

 

~少女帰宅中~

 

「ただいま」

「お帰り、マスター」

「遅かったね」

「途中で迷子になっちゃって………」

 

「ほんとに君は方向音痴だね。お腹すいてるでしょ?ご飯作っといたよ」

「あ、レッドさんて料理できたんですね。いつも缶詰食べてるからてっきりできないのかと」

あの状況(雪山の頂上)でどう料理しろと?あと、君には言われたくないな」

「喧嘩を売っているんですか……?」

「ドール、早く食わないと冷めるぞ」

「あ、はい」

 

~少女食事中~

 

「…レッドさん、人のこと言えないじゃないですか……」

「言わないでよ…君ほどじゃないよ……」

 

「辛い野菜炒めはまだ許す。だが、なぜ紅茶があんな味になる!?」

「何とも形容しがたい味だったね…」

「エルキドゥ、素直に『まずい』と言って大丈夫ですよ」

「ありすの紅茶が飲みたいー…」

 

ありすというのは、この家のもう1人の住人…というか、サーヴァントである。

ドールの母:カメリアが最初に参戦した聖杯戦争で、セイバーにマスターを殺された直後にカメリアと出会い、再契約したらしい。

今はお泊り会に行っている。

 

「ありすといえば、ありすが帰ってくる前に戻れたらいいね」

「ああ、そうだな」

「それはそうと、子オオカミ。もう9時半よ」

「…あ、眠いと思ったら…。もう寝よう」

『そうしましょうか』

 

こうして、ドールのやたら騒がしい1日が終わったのであった。




なぜか私の中で「レッドさんはメシマズ」という固定概念が出来上がってます。
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