大晦日なので、年末最後の投稿をしようとして、がんばりました。
ではどうぞ!
王の仕事は簡単ではない。
ギルガメッシュは一日中、玉座の間におり、各方面にそれぞれ的確な指示を送っていく。彼の側には多くの人々がついており、それぞれの持ち場の状況を報告しており、それをギルガメッシュが決断する様な流れができている。
この時のギルガメッシュの決断は全ての事象を把握した上でのものなので、一般人には考えつかない様な内容になる。時には仲の悪い部署を協力させたり、時には関係なさそうな所から人や資材を引っ張って来るなど、破天荒なものが多い。しかし、その結果は全て素晴らしいものであり、バビロニアの人々は彼を暴君とも言ったが、同時に賢王であるとも言った。
「ええい!そんなものぐらいお前らでやらぬか!」
「そんなことのために我の時間を浪費するのか?」
…訂正、やっぱり彼は暴君だった!
彼は簡単で面倒くさい仕事は全て部下に丸投げしていきます。その上、まともに仕事してくれるかどうかは、ギルガメッシュの気分次第なので、ほとほと部下は困ります。
まあ、本当に必要なときには完璧に仕事をこなしてくれるいい王様なのですが…
「しかし、王よ。なにか良い事でもありましたか?」
「む、そう見えるか?」
「ええ。とても丸くなられました。ほかの者たちも何があったのか気になっておりました」
ギルガメッシュと話す女性はシドゥリ。ウルクの祭祀長であり、ギルガメッシュに堂々と会話ができる数少ない人物であり、その胆力と性格を買われ、ギルガメッシュの秘書のような立場にいる。
「ふははは!何、以前の散歩で良きものを拾っただけだ。気にするでない」
「そうですか。王が良いというにはさぞ素晴らしいのでしょうね」
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ギルガメッシュはその日の執務を終えると、王宮の離れに移動する。そこにはギルガメッシュ個人の部屋が多くある場所であり、専属の召使い以外には許可なく入ることができない場所である。
そんな場所の最奥にある一室。否、もはやそこは部屋というレベルのものではない。
ぱっと見、ただの部屋の扉に見えるが、それはかの王ギルガメッシュにのみ許された光景。他の者、たとえ神であろうとこの場所はただの壁に見える。この部屋がどんな部屋で、中に何を入れているのかを理解しなければ、この部屋の存在には気づかない。
そんな異常な部屋には、かの王が手ずから収集し、保管しているものがある。 それは……
「喜べレイデ!王が直々に貴様に会いに来たぞ」
「おかえりなさい!ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…わ・た・し?」
「……」
「……」
「よいぞ!素晴らしい!この台詞は良きものだ!粘土板に記して我が宝物庫に入れようぞ!」
「あぁぁぁ〜!恥ずかしい〜〜‼︎なんで私がこんなー‼︎」
この時の台詞が、後の世の奥方に仕事帰りの夫を迎える際の殺し文句として使われるなどとは、彼らは予想していなかった。いや、もしかしたらかの王は
彼女、レイデが連れ込まれてから一週間がたった。その間に色々あった。
例えば、暴君と恐れられている英雄王の機嫌が(シドゥリさん曰く)すこぶる良くなったとか。
例えば、バビロニアの城門の門番が全員入れ替わったとか。
例えば、英雄王に妃ができたなどという噂が流れたとか。
それもこれも、たった一人の人間の女が元凶とは、神ですら想像していないだろう。
私の名前はレイデ。不本意ながらある王様の愛玩物ペットをしているわ。ひどい自己紹介だ?私もそう思うわ。
激動の一週間だったけど、悪くは無かったような気がするわ。食べ物は美味しかったし、寝床もふかふかだったし……あれ?それだけじゃない?私って人間よね?これじゃ動物のペットと変わらなくない?
夜になれば王様が部屋に来て、一晩中私を弄って(深い意味は無い)、朝になったら「また明日来る故、我が来たら―――せよ」なんて命令してくる。そんな生活が続いていた。
だが、二日前に事件が起きた。私の父がバビロニアに殴り込んできたのだ。愛による謎強化(狂化ともいう)を受けた父はバビロニアの門番を全員倒してしまい、大騒ぎになりかけたが、王様が(お忍びで)出てきて、父に何かを言ったら何事も無かったように帰って行ったらしい。王様曰く、「おぬしの父を傷つけるなど、飼い主失格であろう」と言っていたが、顔色が僅かに青ざめていたのを見逃さなかった。お父さんそんなに怖かったのかな?
だが、父が門で「わしの娘をさらった馬鹿はどこだぁぁぁ!!」と絶叫して、それを諫めた謎の男性(金髪で謎のオーラを醸し出していたらしい)を見た人が僅かばかりいたせいで、英雄王はか弱い少女を攫いったのでは?、なんて噂がたったが、
「それで、我にお願いとはなんだ」
「この部屋に一日中いるのは疲れるのよ。だから城の中でいいから外に出してくれない?」
「ふん。何かと思えばそんなことか。ならば数日待て、こちらも用意が必要故な。」
「あと、あなたの金色の門?も貸してほしいな~」
「…調子に乗りすぎだぞ。貴様の役目は我に奉仕すること。我が宝物庫を貸す必要は無い。」
彼の眼光は刃物より鋭く、彼女を貫いた。だが、彼女は恐怖を感じた素振りを見せない。
「まあ、そうよね…ちょっと中に何が入ってるか気になっただけなんだけどな…」ショボーン
「……そんなに落ち込まずとも、我がいる時なら貸してやらんことも無いぞ」
「ホント!ありがと、王様」
「…その”王様”呼びは控えよ、この世に王は我のみだが、貴様は我の個人所有物。我の事はギルガメッシュと呼べ」
「わかったわ。じゃあ名前が長いからギルでいい?」
「……不遜極まりないが、まあよかろう」
この一週間でギルガメッシュの性格を知り尽くしたレイデは彼の扱いに非常に手馴れていた。故に、この結末は当然と言えただろう。
当然、かの王はそれを知らなかった。まあ、知ったところで結末はあまり変わらないだろうネ!
年内投稿出来てよかったです。
みなさんはFGO頑張ってますか?
来年からまた新章ですね。その前に福袋ですね。私はアビゲイルちゃんをお迎えします(願望)
種火?QP?……コフッ(吐血)