「ん?此処はどこだ?俺は死んだはずじゃあ...」
不審に思いながら辺りを見渡すとそこには果てし無く広がる真っ白な空間と一つの鉄製と思われる重厚な扉が確認できた。
天国...ってわけじゃ無さそうだなぁ...
一人考えに耽る。
そこに突然、少年が転移してきたが如く現れ、鬼に対し温和な表情で語りかけた
「確かに、貴方は死にましたよ。ちょっと要件がありまして、此処に呼んだのです。」
鬼は突然現れた幼子に警戒心を露わにしながら問いかける。
「誰だ?少年。此処はどこだ?要件とはなんだ?」
「質問に答えましょう。まず私は人々から神と呼ばれる存在。
そして此処は転生の間
要件は貴方に別の世界に転生してもらいたいんですよね」
鬼の問いかけに一つ一つ答えていく。
「神?また、お偉いさんが俺を呼び出したもんだな。で、別世界に転生ってのはどういう事だ?」
神と名乗った少年に不信感を抱きつつ重ねて質問する。
「言葉の通りです。貴方には転生してもらい、貴方の善性、悪性を図りたいのですよ。」
「善性?悪性?なんだそれは?」
「まあ、簡単に言えば貴方はいい子なのか、悪い子なのか確かめたいのですよ。
実は貴方の善行と悪行が丁度拮抗してまして...普通ではありえない事なのですが...」
思い当たる節はある...
勇者達に出会う前は魔人の里を潰し虐殺の限りを尽くしたし、喧嘩を売ってくる冒険者なども血祭りに上げてた事もあった。これが悪行の方だなぁ...
しかし善行はなんだろう魔王を倒すのに協力したくらいしか善行は思い当たらない。
「悪行は分かっているみたいなので言いませんが、善行に関しては魔王討伐と守護者として勤めた事が要因ですね。」
「守護者?なんだそれは?そんなものになった覚えは無いぞ?」
「いいえ、貴方は守護者でした。勇者達の子孫を守り続けていたじゃ無いですか。それです。それが世界の意思に認められ貴方の知らない所で守護者になっていたのですよ。」
そうだったのか...全く知らなかった
「そうか。で、なんで善性、悪性を図りたいんだ?」
「善性が高い者は天国へ、悪性が高い者は地獄へ送るのですが貴方は拮抗してしまっているので何処にも送れないのですよ..
なので別の世界に送り、貴方の善性、悪性を図ろうかと...」
「そうか...別に地獄でも構わんのだが...」
「やめて下さい。そんな事すると私が上に怒られるんですから...」
鬼の返答に困った雰囲気で答えた。
すまんな...
では、早速別の世界とやらに行こうか。
「せっかちですねぇーあ、そうだった、
別の世界に送る際にお願いを3っつ叶えて上げましょう。」
「なに?3つもいいのか?」
お願いを叶えるという言葉に驚きを隠せない。
「ええ、イレギュラーな事なのでサービスです。」
鬼は考え込むようにして顎に手をやり、考え込む。そして
「では、身体を全盛期の頃に戻してくれ。」
一つ目の願いを言った。
「お安い御用です。」
さも、簡単です。と言わんばかりに返答する。
次の願いはあまり考え込んだ様子を見せずに告げた。
「二つ目は...俺が使ってた武器一式を持って行かせてくれ。」
「あらあら、物騒ですね。いいでしょう」
クスクスと笑いながら願いを聞き入れる。
「最後に...俺がいた世界の勇者達にの子孫に加護を与えてやってくれ。」
「え、最後の願いがそれでいいんですか?」
「構わん、末代まで見届けられなかったから心配なんだよ。」
神は呆れたようにため息を吐き
「はぁ...本当に貴方は....
わかりました。神たる私から最大の加護を与えておきますのでもう心配なさらないで下さい。」
「ありがとう。頼む。」
「では、そろそろ時間ですね。彼方の扉を通れば別世界に繋がっています。
どうぞお進み下さい。」
神は鬼を重厚な扉の方へ導く。
「分かった。行ってくる。」
「はい、行ってらっしゃい、」
次会うときは寿命が終わった時ですね。気長に待つ事にしますね。