『オ前ガァ…落チロオオオオオ!!!』
欧州棲姫の深海艦載機が、蒼龍を確実に破壊出来る位置を捉えていた。
「………!」
正に、魚雷を投下しようとした瞬間。
『おおっと! ちょっとm』
『チョットマッターーーッ!』
二対の深海艦載機が、女王の艦載機を撃破する。
『何ィ!?』
「間に合った!」
飛龍が喜びの声を上げた。
その目の先にいたのは、見慣れた人影たちだった。
『アナタタチ! モウ大丈夫ヨ!』
「ナッちゃん! くうさんにシュウちゃんも!?」
『ヨォ。』
『……』
『ン? ナンダホッペ膨ラマセテ?』
『べっつにぃ~? ウチのセリフ盗られたとかぁ? 思ってないしいぃ~~?』
『オイオイwBBAガナニカ言ッテルゾ?』
『テメェ!! 今BBAっつったな!!? そこで的になれやゴラァ!!』
『オーコワwww』
『フ、二人トモ仲良クネ…?』
蒼龍は驚いていた、深海の姫が三人も自分たちを助けてくれているのだから。
『ワタシタチガ来タカラニハ、コノ子タチニハ指一本触レサセナイワ! 正義ハワタシタチニアル!!』
「おお! …ん? ん〜〜?」
『貴様ラァ…作戦ノ途中ダゾ? 任務ヲ放棄スルノカ!?』
『あれぇ〜聞いてないんすかぁ? ウチらは「囮作戦」をやってたんすよ? 本隊が動き出した今、作戦は「しゅ〜りょ〜」ってことじゃないんすか?』
『屁理屈ヲ…コノコトハオ前タチノ提督ニ…!』
『ソノ必要ハナイワッ!』
『それが言いたいだけだろほ〇らメガネおらぁ!?』
『アナタヲ倒セバ、ソンナ面倒シナクテイイワ!』
『グッ!? 最初カラ裏切ルツモリダッタノカ…!』
『裏切ってないっすよ? …「アンタ」も、誰からも裏切られていないっす』
『黙レ! …モウイイ、モウイラナイ。私ヲ否定シタニンゲンタチモ! オ前タチモ!!』
そう言うと欧州棲姫は、裏切り者の粛清のため深海群を差しむけるが
『ふふ〜ん?』
くうさんたちは、自身の「手駒」で、それを迎え討つ。
「うわぁ…蒼龍あれ……?」
「うん、深海群同士の対決なんて、滅多に見られないよ?」
黒と「くろ」の対立に異様な感覚になるも、その頼もしさは変わらなかった。
『さあ。やるっすよ! 蒼龍さん!』
「…うん、やろう!」
動けない連合艦隊の代わりに、くうさんたちと蒼龍は獅子奮迅する。
このまま行けば勝てる…だが果たして、易々といくものかと、一抹の不安を感じながら…
・・・・・
宿毛泊地より出立した艦隊は、一路坊ノ岬を目指していた。
泊地周辺は危険性は薄いものの、油断ならない現状であった。
留守を霧島たちに任せて、提督は艦隊と共に、「提督専用漁船改装快速ボート」(通称:とさすくも丸)で戦地へ赴こうとしていた。
提督は、肩の上に乗せた妖精さんと戯れていた。
「(こちょこちょ)きゃはは!」
「えい風や、にゃぁ?」
「…そうでしょうか?」
そう提督に言葉を返すのは定期従軍医の徳田。
あからさまにしかめ面をすると、提督に対し小言をいう。
「もう驚きはしませんが、しかし呆れましたよ?」
「お? 何が??」
「貴方ですよ。…指揮官、それも頭である貴官が直接出向くなど、本来であれば言語道断です。」
「んー、オレも思ったけんど、居てもたっても居れんでにゃぁ?」
「全く…家族が心配なのは分かりますが、少しはご自分の立場というものを理解していただきたい。」
「それで言うたら、先生も心配でついてきてくれたんよにゃぁ?」
「な”っ!? 私は、軍医としての仕事が」
「お~ぅ? そういう事にしちょいたるわw」
「ぐっ…からかうのは私の仕事です!」
「仕事は軍医やないの…?」
「そこは普通に突っ込むなよ!? …ああ、もう勝手にしてください!」
徳田が言い終わると、提督は彼に問いかけをする。
「にゃぁ先生」
「…何ですか?」
「アンタの悩みごと、そろそろ教えてくれんかよ?」
「……何故にいまそんなことを?」
「聞いときたいがよ? 男同士、何でも話し合える仲になりたいがよ?」
「ふむ、殊勝な心がけですがそれはそれで気色悪いですね?」
「…先生ってホンマは口悪いでね?」
「隠す気もありませんからね?」
「………」
「…はぁ、気持ちはありがたいですが、今は話せません」
「それって、時期が来たら話してくれるが?」
「さあ? …ただ」
「?」
「私は、かつては夢を追い続けていました…この道を歩んでいけば、必ず光が差すと…本気で思ってました」
「…」
「しかしそれは奈落の道で…知らなかったとはいえ、そこに光などあるはずがない」
「逃げたっちゅうこと?」
「直球ですね? …まあ否定しませんが?」
徳田は光を失った目で海を見つめる。
どこを、というわけでなく、ただただボーッと空間を見ているようだった。
「それ以来私は人を信用していない…はっきり言って貴方がたの事も、全く信用していません」
「ほうか? …寂しいにゃぁ?」
「それは結構ですね? …ですが私は」
「ま、えいか? オレが信用しちょればえいし?」
「………」
「先生、今は話さんでえい。でも、その気があるいうんやったら、いつでもえいきね?」
提督の眩い微笑みに、徳田は思わず皮肉を言って突きかえす。
「ふ、一生話さないと思いますが?」
「それはそれでえいんやないの? 重荷になるんやったら手伝うでっちゅうことよ?」
「はっ! 馬鹿ですね…?」
「お互いさまやろ?」
先導する艦隊を眺めながら、男二人は語り合った。
その哀愁ただよう背中を、明石は操舵しながら見ていた。
・・・・・
「…? 爆撃が止んだ……?」
神通が不可思議にそう呟いた。
坊ノ岬に先行し、敵の空襲を掻い潜った彼女の水雷戦隊であったが、突然爆弾の雨は晴れ、辺りは波の音のみが聞こえる静けさに包まれた。
「…罠か?」
「あり得ますね? この様な大胆で緻密な作戦をやってのけたのですから」
「なあなあそれってよぉ? 作戦を立案したヤツがいるってことだロ? …聞いた話だとむこうの提督、ホコリみたいなってよ」
磯風、浜風、江風が話していると神通が前に気配を感じる。
「…いえ、如何やら違うようです」
「ンぇ? …は!?」
見ると水平線から人が近づいているのが分かった。
ピチャ
ピチャ
ピチャ
水の弾く音。海の上を当然のように歩いていた。
「……!」
彼女たちが気付いた時、その人物は「目の前にいた」
「………」
白のコートに、白い肌、そして白に近い長い銀髪。
まるで深海棲艦のような「男」の目は黒く、憎しみに染まっており
深海の姫の特徴である角が額に生えている。
その貌は痩せこけている…「幽玄」であり「荘厳」であるその姿は威圧に似た空気の圧力を感じていた。
「あ、あれが…?」
「ええ、恐らく…今回の作戦立案者、その張本人です」
神通が話すと、謎の人物はその両手を重々しく重ね
パチ、パチ、パチ
拍手。ある意味胸にのしかかるような重音だった。
「…流石は第二水雷戦隊の旗艦代表。その魂は本物のようだ。」
「貴方は…?」
男は口角を歪ませると、一言一句、丁寧に「説明」する。
「私は君たちの「敵」だよ。有体に言うなら深海群を率いる者…だ」
「へっ! 深海の親玉登場ってわけかい!!」
「そう早るな…私は確かに「総督」などと呼ばれているが、君たちのいう「まっとうな」深海のモノという訳ではない」
「…どういう事だ?」
「私は「元人間」だ…残念ながらね?」
「元? …!」
「察しが良いようだな? …そう、かつて人であった我が身は既に亡くなっている」
「そ、そうなのですか! それは「ぞんび」さんなのでしょうか!?」
雪風が無垢に言葉を紡ぐと、総督と呼ばれる男は、大げさに手を広げて見せる。
「近くて遠し…この身は器を改造したものに精神を注ぎ込んだ、まあ「クローン」と考えればいい」
「…つまり最早自分は人の範疇にはない、と?」
「その通りだ…付け加えるなら、例え人と言われても私は「こちら側」だ。」
総督はそう言うと憎々し気に顔に怒りを滾らせた。
「人類が始まって以来、人は無益な戦争を繰り返してきた…ある時は領土の拡大、ある時は己の誇示、と…だがそれは必然であると、百歩譲って認めるものとしよう。」
「…」
「しかして時代は進んだ…力を示す以外にも、他者を支配することなど幾らでも出来る…だがニンゲンはそれを止めようとしない、それはなぜか?」
「…何が言いたい」
総督の禅問答を磯風が遮るが、構わず続ける。
「「弱い」からだよ…力の有る無し、ましてや善し悪しではない。人類はそう運命づけられているのだ。」
「あン?」
「精神の不安定さ、それによる他者への過剰な威嚇…その手段として、「力」は彼らにとって絶好の武器となる」
「…具体的には?」
「「君達」さ…兵器は力の象徴。人類は永い歴史においても絶対的な力には服従してきた…それは何より、自身の「命」を守るため」
総督は皮肉交じりに、言葉を綴っていく。
「分かるかね? ニンゲンはその「偉大な」知恵で幾重にも渡り文明の発展を続けてきた。そんな彼らが未だに幼稚な闘争を繰り返している…ああ滑稽だ、あまりにも無様だ!」
「貴様は違う、と言いたいのか?」
「否…私とて脆弱な存在。そのような大それたことは言わんさ?」
「では単刀直入に、貴方の目的は?」
神通が問うと、彼はその貌を不気味に歪ませる。
「…復讐だよ」
「あ? なンだって!?」
「少し修正すると…「彼女たちの」復讐だ」
そう言うと、総督の周り…いや、海が、海面が揺れる
ザバァ!! と波を荒らして出現した深海群。
おおよそ百は下らないか…海上を埋め尽くす漆黒の大群。
総督の隣には、いつの間にか「離島棲姫」が控えていた。
『………』
「予想しなかったわけではありませんが…やはりこうなってしまいましたか」
「待て」
総督が空間に響き渡る声で、深海群を静止させる。
「君たちの提督…彼が来るまで待とう」
「ン? 提督くンの?」
「連絡はありました…彼方がそれを予期していた、かどうかは分かりませんが」
「沖縄侵略が目的でないのか? …それとも余裕のつもりか?」
「まさか。だがこれは言わば頂上決戦、かつて日の本で関ヶ原が行われたように、我らも再び雌雄を決する時が来た、というまでのこと」
「!? 待ってください! …「復讐」に「再び」…? それはどういう」
「焦らずとも語ろう…君たちには、知る権利がある」
総督は役者が揃うまで、艦娘たちに聞かせる。
深海棲艦の行動原理…彼女たちの「復讐」の理由を…
to be continued
〇おまけ「秋刀魚祭り2017 その2」
-問題の秋刀魚漁場 到着
中国人の皆さん「えんやっこーらー! なんやっそーらー!!」
吹雪「見るからに頑固そうな人ばっかり…」
提督「皆ぁやりゆうかよ〜?」
ちゅーか「あ"ぁん!?」
ひぃ!?
提督「オレらぁも秋刀魚獲りたいき、その辺でやめてくれん?」
吹雪「と、と言うか、貴方がたは我々の領海に無断で進入しているんですよ! やめてください! せっかくの秋刀魚祭りが!?」
なか「んなこと知るかあー###」「テメエらだけこんなうまいもん食べて! 贅沢なんだよぉ!!」「矢でも鉄砲でも八極拳でも持ってこいやぁーー!!!」
流石、話を聞く気ゼロですねえ?
提督「…そんなこと言ってえいのん?」
なかチャン★「…え?」
提督「君らぁの中で「艦これ」知っちゅう人〜?」
なかチャンだyo〜!「…(すっ)」
えっ!? 全員ですか!!?
提督「等価交換っちゅうやつよ? …君らぁが退いてくれたら、ここにいる吹雪の「パンツ」をやるわ」
吹雪「司令官!?!?!?!?」
よっろしくぅ〜★「おおおおおおおおおおおお!!!!!」
見事に釣りましたねぇ…? というか食いつきが凄い。
提督「皆さん! 時代はパンツです! 秋刀魚より吹雪の!!」
きゃはっ★「パンツ! パンツです!!」
提督「よし! 吹雪あとは頼む」
吹雪「なんでこうなるんですか…もう、こんなこともあろうかと、替えのパンツがあります!///(スッ)」
なかなか「うをおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
吹雪ちゃん、乙女の恥じらい的なものは…?
吹雪「司令官の秘書艦になってから海にぶん投げてきました! 桂浜辺りに!!」
そんなばなな
吹雪「おらぁ! さっさと持ってけこの変態どもぉ!! (ブンッ)」
いつもありがとー★「うおおお!! 俺んだあああああああ!!!」「おれがハスハスすりゅのおおおおお!!!」「それを寄越せ…全部だ!」
江風「うわぁナニこれぇ?」
ローマ「日本のヘンタイと大差ないじゃない…馬鹿なの?」
なんてこたぁない…「エロが世界を救う」ただそれだけの話さ?(イケボ)
提督「吹雪のパンツは…国境を越える!」バァーン
吹雪「やめてください!! (泣き)」
こうして、秋刀魚漁場を確保した提督たちは、無事に秋刀魚祭りを開催できるようになりました。
※え? 中国語分かるのって? …気づいてしまったか。そんな君のところに「北上さんを傷つけた」体で大井っち送っといたから。