Fate/Secondary creation   作:KAITA

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君に、願いはあるだろうか。無かったとしたら、この話は聞かない方がいい。

 

あるとしても、例えばごく簡単な願いとして、あの子と付き合いたい。一万円、いや十万円は欲しいなあ。という願いもダメだ。

 

願いはもっと大きく!夢は常に高みに!そうでなければ、この話に価値など無いのだから。

 

彼女が欲しい?金が欲しい?バカらしい!そんな物、この力を使うまでも無い!

 

世界が欲しい!自分が王になる!不老不死!そこまで行け!

 

さあ、深き欲望を持て若人よ。老獪でさえも常に心に持つのだから! 願いを叶えんと、自分たちの欲望を掴むために御三家により作られた物。それが、

 

聖杯戦争である。

 

 

漆坂純(うるしさかじゅん)。彼女は別に主人公ではない。だが、これから先重要なキャラクターになっていくため、必ず覚えておいて欲しい。

 

彼女がいる場所は、自分の家の中だ。家と言ってもその見た目は大きな屋敷である。そもそも漆坂家は地元ではかなり有名な一族で、世界的にも富豪の家として知られている。

 

また、魔術師一族でもあり、その方面でもその名を轟かせている。

 

有名なもので言えば、空飛ぶ絨毯か。

 

漆坂は物に対し、体内魔力(オド)を流し込むことによって、物質を軽くすることが出来る。

 

まあ、その対象は平たくて面積のある物。つまり絨毯等が最適なものになる。逆に重くして、一つの壁にすることも可能だ。

 

漆坂はその魔術を持ってして、魔術協会でも一定の地位を得ている。

 

逆に言えば、それしか能の無い無力な魔法使いでもある。ただ、一般社会で得た権力と財力で今の地位にしがみついているに過ぎない。

 

生粋の魔術師である漆坂にとって見れば、魔術のみで今の地位を得ている訳でもなく、一般社会で、手を汚し続けているというのは屈辱以外の何物でもないのだった。

 

さて、そんな一族の末裔である(じゅん)は何故か家の地下に居る。そんな所で、何をやっているのか。

 

「準備は出来たわ……。あとは、祈るだけよ」

 

(じゅん)は地面に描かれた魔法陣。その中央に鉄の塊を投げつける。鉄、とは言ってもそれはある形をしていた。

 

相手を拘束する物、鎖である。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。捧げるは黄金の物」

 

俄に魔法陣に輝きが灯る。その色は黄金色。

 

「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

家が揺れる。地震なのか、それとも、魔力の胎動なのか。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

繰り返すつどに五度

 

ただ、満たされる刻を破却する」

 

腕が燃えるように熱い。だが、それは自分に、恐れよりも高揚の気を抱かせる。

 

「……………告げる」

 

一息。

 

「…………告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の武具に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

「誓いを此処に。

 

我は常世総ての善となる者

 

我は常世総ての悪を敷く者」

 

「汝三大の言霊を纏う七天、

 

抑止の輪より来たれ!天秤の守り手よ!!!」

 

その瞬間、爆風が巻き起こる。これはある種、この儀式をやった際のお約束のような物だ。まあ、ならない者も居るが。

 

「ゴホゴホッ!……ふう、地下でやっといて良かったわ。こうなるような気がしてたのよね」

 

果たして、(じゅん)の望みは叶っているのか。煙が晴れたそこに居たのは……。

 

(オレ)をこんな薄暗く、埃の舞う最悪な場所に呼んだのはお前か?雑種」

 

金色の髪に金色の鎧を着て、こちらに傲岸不遜に見下ろす男。しかし、その姿に恐ろしさを覚えさせるものの、反抗しようとするその心の形を折ってくる。

 

そんな印象を与える人物だった。

 

だが、(じゅん)も相当タフな精神を持っているのだろう。目の前に居る人物よりも先に、自分の右手の甲を確認する。

 

(ちゃんと、ある!)

 

そこには複雑に描かれた模様があった。前まではただの蚯蚓脹れに見えていたものが。それは、三つのパーツに分かれた強力な魔法陣だ。

 

「ええ、そうよ。貴方はアーチャーで良いのかしら?」

 

「ふん。この(オレ)に向かってそのような口をきく雑種が居るとはな……。いかにも、(オレ)はアーチャーのクラスとして現界している」

 

「その真名は?」

 

「……マスターのお前ならば、既にわかっているのだろう?雑種」

 

先程の召喚魔法、アレで目の前の人物を呼び出すには、その人物に関連する物を使わなければならない。

 

あの鎖、あれはこの男の友の名を冠した鎖だ。

 

「……古代メソポタミアの王。全てのものを国の果てまで見通し、全てを味わい全てを知り、知恵を極め、深淵を覗き見た。その名は」

 

「ギルガメッシュ」

 

「正解だ雑種」

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