Fate/Secondary creation 作:KAITA
人口八万人。若人も老人も五分五分の人数でバランスに偏りはない。
先ほど、
家の外観は白い壁に瓦の屋根。瓦は本物ではなく、形を似せたものだ。二階建てだが、同じ大きさの建物が敷地内に四軒あり、その全てが渡り廊下で繋がっている。
家自体の大きさはそれなりのものであり、収容人数は三十人程。そんなにも大きい家を妹と一緒に二人で贅沢に暮らしているというわけだ。
祖父母とは離れて暮らしているため、家事は全て二人で分担して行っている。今日の夕飯は妹が担当だった。だから、洗い物は鳴海がやる。
そういった具合でその日その日の担当を決めているのだった。
「ただいま」
そういった不満という名の邪念を振り払い、帰ったという報告を告げる。そうすれば、あの子は急いで駆けて来るのだ。
「おかえりなさい!兄さん!」
妹の
「
「わかってませんね〜!兄さんは!」
突然
「兄さんと一緒に居る時が、一番私にとって幸せな時なんですよ!」
「に、兄さん?」
「いや、兄貴冥利に尽きると思ってな。こんな可愛い妹に、自分と居る時が一番だなんて言われたらさ」
今日の夕飯はカレーライス。
最初、
なんでも、味付けに使われるスパイスにカカオが使われる時もあるため、そう意外なものでも無いらしい。と、
「?兄さん?」
「なに、どうした?」
食事の時は二人で向かいって食べるのだが、その時、
食事の際には、居間に置いてあるテレビの電源を入れ、バラエティを見ながら食事を楽しむのが習慣となっていた。
「その、右手どうしましたか?」
「右手?……なんだ?これ」
そう言われて右手を見ると手の甲に、いつの間についたのか、
別に痛みは無いから、さして気にするものでも無いのだが。
「何だろなこれ。別にどうともなってないんだけど……」
「一応、絆創膏でもしておいてくださいね」
「そうだな」
心配して貰えるというのは嬉しいものなのだが、それも過ぎると返事も雑になる。
そうして中々に味のある夕飯を楽しんだ後、
明日の分の米をといでいると、テレビからは最近、世間を賑わせている猟奇殺人についての報道をやっていた。
その犯行は中々に特異なもので、被害者に共通点と言えるものが殆ど無い中で、その死体は全てが先の尖った物。例えば、教会の避雷針。ビルの避雷針。大木の枝。そういったものに、腹を貫かれているというものだ。まるで、
何か意味でもあるのだろうか、この行為には。例えば、魔術的な物とか。しかし、いかんせん
そもそも自分は、魔術師であるということを誰かに言ったこともない。流石に、祖父と祖母は両親の死に方について、鳴海と話し合ったこともたあるが、それだけだ。妹の
その様な
「怖いですね……、兄さんも夜間の外出はしない方が良いかも知れませんよ」
「そうだなあ。これから日の落ちる時間もどんどん早まってくるし。六時には家に居た方が良いかもな。
「わかりました。明日にでもお爺さんに連絡してみます」
「おう。久しぶりに
「流石にそこまでは……」
「無いとも限らん。あの人はああいう人だ」
二人して祖父の人間性についてひとしきり笑い合うと、
「ああ。おやすみ」
しかし、先程見たニュースが気になり、中々眠れない。わざわざ人目に付くようなあんな派手な殺し方。
いや、死んでから刺さったのかもしれないが、それにしても。何故あのような死体を作り上げるのだろうか。
まさか、芸術とでも言うのだろうか。そんな、三文小説のような。散々使い古されたキャラのような者が、本当に居るとでも?
いや、自分には芸術のことなんてわからない。ましてやそんな殺人鬼のことなど。自分に出来ることは、この事件を魔術儀式として見ることだ。
もし仮に、儀式だとすれば恐らくは黒魔術。血を使うのだろうか。それとも、形なのか?人体が尖った物に突き刺さっている様は、不謹慎ながら十字架にも見える。神に抗いながら行なわれる魔術。果たして、そんなものがあるのだろうか。
「……わからん!魔術知識とかそんなもん、何処から手に入れればいいんだよ」
一般的な魔術師であれば、魔術協会に聞けば大抵の事はわかるのだが、
彼に授けられた知識に、魔術師としての価値はない。