Fate/Object   作:あんぼいな

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一ヶ月も間が空いてしまった……。


踊る阿呆と撃つ阿呆 ミレニア城塞強襲戦Ⅵ

「おい、ヘイヴィア」

さて、潜入すると決めたはいいが、潜入するにも準備が必要だ。

「おい、聞こえてるだろ!」

例えば、目立たぬようにその場所に合った衣服に変装するなどが挙げられる。

そのためにクウェンサーとヘイヴィアは、殴って気絶させたホムンクルスから奪った衣服を着用しているのだが……。

 

「おい!」

「どーしたクウェンサー、そんなに声を荒げて」

「何で俺だけ女装なんだ⁉」

 そう、ユグドミレニアのホムンクルス用礼装(女性用)なのであるッ!

 

「仕方が無いだろ。折角気絶させて奪ったんだ。使わねぇともったいない」

「納得できるか!伝説の看板娘クウェン子ちゃんはもう封印したと言っただろ……」

「安心しろ。似合ってんぞ」

「テメェ……!」

 

そんな会話が有りつつも、アサシンとしての能力を遺憾無く発揮してミレニア城塞に潜入して行くクウェンサーとヘイヴィア。

そして、

「ここだよな……」

「ああ、さっきの映像とも一致する。此処で間違いないはずだ」

先程の映像と一致する空間を発見した。しかし、

「チッ、割と人が残ってやがる」

「6人か。ヘイヴィア、無力化できるか?」

「舐めてんのか。10秒で終わらせる」

 

取り回しを重視したためか、ライフルではなく拳銃を取り出すヘイヴィア。

 

「テメェは片付けを頼む。そのくらいは働けよ」

「はいはい」

銃口に消音器をねじ込み、ナイフを腰に装着する。

敵の位置を確認し、

「行くぞ」

 

内部へと躍り出る。

照準を手近に居るホムンクルスの頭部に合わせ、

パン

 

消音器(サプレッサー)により減衰された銃声が響き、額を撃ち抜かれたホムンクルスが糸が切れた様に地面へと倒れる。

そのまま2人目、3人目と撃ち殺した所で離れた位置にいた残り3人が此方へ気付くが、

「遅ぇ!」

 

その中で最も近くにいた敵の首をナイフで掻き切る。

残り2人。

立てかけてあったハルバードを取ろうとした敵にナイフを投擲する。

回転しながら飛ぶナイフは、まるで斧のように敵の側頭部を叩き割った。

悲鳴すら上げず、そのまま真横に薙ぎ倒される。

残り1人。

 

「敵しッ」

 

増援を呼ぼうと声を上げる最後の1人の首を掴み、壁に叩きつける。

首を締め上げながら壁に押し付け、

 

ゴキッ

首の骨を折る。事切れたホムンクルスは、ドチャリと地面に崩れ落ちた。

 

「終わったぞ」

 

「片手で首の骨折るとかバケモノかよ……」

ヘイヴィアが作った死体を一箇所にまとめながらそう漏らすクウェンサー。

「サーヴァントになったせいで多少は強化されてんだろ」

そう言いながら、首を折った最後の1人を引きづり、死体の山に追加する。

そこに落ちていたシートを被せ、死体を見つかりにくくする。

「こんなもんか。」

「良いんじゃねぇか。細かい所まで気にしてたらキリが無ぇ」

 

死体の偽装を切り上げ、本来の目的を再確認する。

 

「先ずはヤツの装甲を調べたいと思う。オブジェクトの装甲は一部を除いて高耐火反応剤を混ぜた鋼を何百、何千と重ね合わせたオニオン装甲でできている」

「流石にそれは整備兵じゃ無くても知っているな」

「だけど、あのオブジェクトの装甲は一見、磨いた石の様な質感だった」

「それが何なのか調べるわけか」

「ああ、まずはそれを探さなきゃな。予備か換えの装甲でも置いてあると良いんだが……」

「あれじゃ無ぇか?」

そう言って奥を指差すヘイヴィア。その視線の先を辿ると。

 

「本当だ、大量に積まれている……」

「とっとと確認しようぜ。いつ敵が来るかもわからないからな」

 

駆け寄り、しげしげと観察する。

 

「この手触りは、やっぱり金属じゃ無いな」

「つまりだ、ヤツの装甲は脆いのか?」

「この材質が岩石を加工したものだったらな。だけど妙だ、あのオブジェクトは防御を捨てているのか?」

「試して見ればいいじゃねえか」

「それもそうだな。それが一番手っ取り早い」

 

近くにあった機材を利用し、積まれた装甲のうち一枚を壁に立てかける。

 

「ヘイヴィア、コレに対戦車ミサイルを撃ってみてくれ」

「了解だ。だが、爆発音を立てれば敵がわんさか来るぞ」

「分かっている。だから結果をカメラに録画して後で解析する。お前が撃ったら敵が来る前に逃げるぞ」

「分かった。いつでも撃てる」

取り出した携行型対戦車ミサイルを構えるヘイヴィア。

「撃ってくれ」

 

携帯端末のカメラを起動したクウェンサーが発射を指示し、

「ッ!」

引き金が引かれ、弾体が発射される。

煙の尾を引いて飛翔する弾体は命中と同時に成形炸薬弾頭の効果によりメタルジェットを生み出し、装甲を穿つ、

だが……。 

 

「命中、したが…」

「マジかよ……」

 

装甲は、表面に微かな焦げ目がついているものの、成形炸薬弾頭による貫通効果など効かなかったかのように、穴の一つも空いていなかった。

「って、惚けてる場合じゃねえ!とっとと逃げるぞ!」

「今の音に気付いたヤツはかなりいるはずだ。無事に脱出出来るといいけど……。」

脱出のため走り出すクウェンサーとヘイヴィア。だが、

カツン

「これ、足音か?」

 

カツン

 

「もう来たのか。」

 

カツン

 

「この足音、ホムンクルス達の履いていたブーツじゃ無い……?」

カツン

 

「まさか……。」

 

そして、クウェンサー達が入ってきた所から、スッ、と1人の男が入ってくる。

 

カツンッ!

 

その男は、マントを羽織り、無貌の仮面を着用した怪人だった。

 

「僕の知らない間にネズミが入り込んでいるとは、参ったな。」

 

「テメェは……。」

 

「僕かい?僕は。」

 

 

 

「黒のキャスター、君達の敵だ。」




来年もよろしくお願いします。
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