セージSIDE
アイツからの手紙を受け取ってから1日が経ったこの日、私はある任務を言い渡すためにイチカともう1人、合わせて2人を『教皇の間』へと呼びだした。
もうそろそろ着く頃だろうと考えていると従者の1人が2人が着いたことを告げる。
「教皇様、お2人が到着なされました」
「そうか…」
「はっ。
「ふむ、直ぐ向かおう。ところで……」
十二宮出張料理人とはなんの事じゃ?
そう聞くとどこか苦笑いの表情を浮かべながら説明してくれた。
曰く……
食事を作る女官達の
曰く、イチカが料理を作りに行く順番を決めるために
……とんでもない話であった。
だがそれほどの騒ぎになるイチカの料理にも興味がある…
「……一度、呼んでみるか」
イチカSIDE
その日、俺はなんとセージ様に呼び出された。
この事をマニゴルド様に言うと言われた本人も驚いてたから手がかりなし。まあ、叱られる心当たりがないので『教皇の間』へと向かうと途中で
どうして呼ばれたのかと考えていると奥からセージ様が現れ近くのイスに座り声をかけてきた。
「遅くなってすまなかったな」
「いえ、ところで何用ですかな?」
「2人に任務を申し渡す」
この場で俺に発言権は無きに等しいので発言するのはセージ様と童虎様の2人だ。
だがどうしても気になった事が有ったので尋ねてみようと発言の許可をもらおうと口を開く。
「質問をしてもよろしいですか?」
「かまわん」
セージ様から許可をもらったので早速聞いてみることにした。
「何故、私達2人なのですか?」
そう、気になっているのはそこだ。前の時のようにマニゴルド様が一緒じゃないのかと思っているとその理由を教えてくれた。
「今回行く場所に問題があってな。行き先は東洋の島国、日本」
「日本?」
「なるほど」
聞いた事の無い国名に首を傾げるのだが童虎様には聞き覚えが有ったらしい、その表情に理解したと描いてあった。
「童虎様は分かったんですか?」
「あの国は珍しい政策をとっていますからの。容姿が彼らに近い我々が行けばばれ難いと」
「ばれ難い?」
あれ? なんかキナ臭い言葉が出てるけど大丈夫かと不安に思う俺を安心させようとしたのかセージ様が口を開く。
「そうだ、任務の内容は……」
それが今から1週間前の事……
それから俺とは童虎様は準備を済ませて童虎様の故郷である東洋の清国の港町、上海から日本に向かう貿易船へと乗り日本を目指していた。
そして俺は現実逃避のためにあの時のセージ様の言葉を口に出して叫ぶ。
「……『日本に居る引退した
なんでいきなり嵐に襲われるんだよ!
船員全員が驚いて対処に追われ、俺と童虎様も別々で手伝ってるんだぞ!!
愚痴りながらも手伝っている俺の耳にこの船の船長らしき人の焦った声が聞こえてきた。
「―――――沈むぞ!!」
「マジかよ!!?」
叫ぶのと同時に俺の体は船を飲み込んだ波に浚われて海に投げ出された。
ANTHER SIDE
同時刻、日本のとある場所にて……
「はっ、はっ……」
太陽が沈み、星や月の明かりが空を彩り地上を照らしていたこの時、とおる地の森にて息を荒げ呼吸を整えようとする少女とその少女を抱え木々の枝を足場に飛翔する女性の姿が在った。
「お嬢様、口を押さえて…」
「…ごめん」
女性の言葉に少女は謝り呼吸を整えながら震える自分の体を抑えるように抱きしめる。
「いえ、まさかあのような事が起きるとは誰も考えますまい」
女性の言葉に少女も肯定の視線を返す。そもそも今の状況すら2人には信じられないのだから無理もない。
「…どうするのです?」
少女は唯一残った親しき者である女性に問う。一族の生き残りになったであろう自分は、『あの存在』の伝承を受け継ぎこの国に迫る災厄をどうすればよいのかと。
「とりあえず
「…………」
その言葉に少女は頷き……2人の逃避行が始まった。
ANTHER SIDE・Ⅱ
そしてこの様子をこの場とは異なる場所より見つめる男が居た。
「ふう、上手く行ったぜ」
そう、男が口にするように今回の嵐は男の仕業である、と言っても男に嵐を起こす力など無いのだが……手段がないわけではない。
「……こんな面倒な方法を使ったんだ、気付かれねえよな? 気付かれちゃ拙いんだよね」
そして顔に邪悪を形にしたような笑みを浮かべ呟く。
―――――これから行く先が『正真正銘の異世界』だってことはさ―――――
オリジナル編に登場する役者(
理由は
・2人とも東洋人
・日本が鎖国中で外人は無理
などがあります。