??:SIDE
その日は、アレだ。珍しいほど暇だったのは覚えている。だらけきったこんな姿を見れば
「一体何だ?」
取りあえず音のした方に向かってみたら……何かが墜ちてきたんだろうな、天井に穴が空いて、床が陥没していたんだ。そして陥没した床の底に結構重傷だなと判断される見た目をしたガキが倒れていた。
「ガキか?ってヤバくねえか!?」
顔色がどんどん悪くなるし脇腹から結構血も流れてる。とりあえず真央点をついて血を止めた後、この異常事態を伝える為に念話を飛ばす。
『「おい、お師匠。」』
『「丁度良い、巨蟹宮に何かが落ちて来たらしいが大丈夫か?」』
どうやら教皇の間からも見えたらしいな。
『「俺は大丈夫ですよ。それよりも落ちてきたものなんですが・・・」』
『「どうした?」』
『「死にかけてるガキが1人、巨蟹宮に落ちてきました。一応、真央点をついて血止めはしたけど結構ヤバいかな。」』
それでもこれぐらいのガキが今もしぶとく生きてるのもすげえよな。
『「容態はどうなのだ?」』
『「今は安定してる。」』
『「そうか、直ぐにそちらに向かう。」』
取りあえず、お師匠が来るまでにこのガキを動かさないとな。
??:SIDE
目を覚ますとそこは知らない天井が広がっていた。
「ここは……どこ?」
「お、目が覚めたか。」
声のした方に頭を向けるとそこには黄金の鎧を纏った年上の男の人がいた。
「お兄ちゃん、誰?」
「俺か?俺はマニゴルド。
聞いたことのない言葉に戸惑う自分を見て何かを察してくれた。
「詳しくは後で説明してやるから、お前の名前を教えてくれ。」
そう言われて自分の名前を言おうとして―――気付いた。
「名前が…分からない?僕は……誰…?」
「おいおい。」
マニゴルドさんが驚いた顔をして何かを呟いていたがこの時の自分はそれに気を配る余裕は無かった。
「分からない、何も……思い出せない。」
マニゴルド:SIDE
「記憶喪失か……」
俺の報告を聞いたお師匠は珍しく狼狽した表情になってんだが、ここで気になる事が有るので尋ねてみる事にした。
「お師匠、あのガキをどうするんです?」
色々と問題が有る上に記憶喪失ときてるからな……ここは暫くの間『
「その事何だがマニゴルド……暫くお前に預けても良いか?」
「ちょっと待てください、何で俺なんですか!?アルテバランやシジフォス、アスプロス辺りが適任でしょう?」
なんで俺なんだ?そういうのは今、名前を挙げた年上とかが適任だろう?俺には出来ねえと断言できるぞ。
「普通ならそうなのだがな……」
そこんとこはお師匠も理解してんだな。それでも俺に預けるってことは……
「つまりあのガキは普通じゃない?」
「すまん、儂も少し分からん事があってな。」
「珍しい。」
『
「とにかく、暫くは従者として側に置いてくれ。」
「分かったよ。まあ、
取りあえず起きたら色々と説明しないとな。
??:SIDE
マニゴルドが落ちてきた少年が眠る部屋に向かうのを確認した後、今までの様子を見ていたであろう人物が現れる。
「これはどう言う事でしょうな、兄上?」
「ただでさえ、十二宮を覆う結界に何の反応もなく現れると言う不可思議な現象が起きているうえに……この紙に書かれている事自体が問題をややこしくしておる。」
そう、あの子供が十二宮に落ちて初めて、何かが落ちてきたと分かったのだ。それが意味する事はあの子供が『
「西暦2008年か……
兄上があの子供が所持していた紙に書かれていたモノに目を通し、1つの、限りなく正解に等しいであろう可能性を口にした。
「可能性の1つだが……」
「ええ、恐らくは……」
「あの子供は
後書き
と言う訳で今回登場したのは
次回はマニゴルドとイチカの会話になります。