大音量の爆発音とともに、講堂が揺れる。しかし、深苑はその場にいなかった。深苑以外の風紀委員は普段訓練など受けていないなんて信じられないほど、連携の取れた動きで各自マークしていた同盟メンバーを拘束する。深苑の担当していたメンバーは深苑が渡した飴に睡眠薬が含まれていたため、こんな大騒ぎの中、呑気に夢の中を楽しんでいる。もうお腹いっぱいなどと、本当に同盟のメンバーなのかと疑いたいほど呑気だ。講堂内は第一高校有数の優秀者が揃っているため安全だが、部活等で講堂外にいた生徒は奇襲にあっていてとても危ない。
講堂外では、レオやエリカが戦っていた。そこに達也と深雪が合流して、今起こっていることを話す。テロリストに対しては、生徒でなければ手加減無用だとも付け加える。ここで疑問なのは、何故この二人がここにいたのか、ということだ。達也がそれについて聞くと、
「二人っきり?誤解だ!」
と叫び
「俺は実技の練習をしてただけだせ!この女が後から来たんだ!」
「あたしが練習しに来たら、この男が図々しくも居座ってたのよ!」
とのことだ。声を裏返したり、絶叫したりとなかなかの反応に達也は満足していた。意識を切り替えこれからどこに向かうべきか考えていた。エリカ曰く反対側は先生…よりもある生徒の活躍によりもう殆ど制圧できていたとのことだった。また、その生徒は戦えないのなら講堂が一番安全だからと呼びかけ避難させているらしい。そうやって色々と考えていると、そこに、今日はいたって真面目で行動性重視の格好の小野先生がやって来た。
「彼らの狙いは図書室よ。向こうの主力は、既に館内へ侵入しています。壬生さんもそっちにいるわ。」
この人は何故そんなことが言えるのだろうか。どう見ても、カウンセラーとしての領域を超えている。達也が後に説明してほしいと言うと、教える代わりにお願いしたいことがあるという。それは、壬生さんに機会を与えてほしいとのこと。それに対して達也は
「甘いですね。」
とバッサリと切り捨てた。時間が惜しいので達也と深雪は直ぐに図書室へ向かう。それに対し、レオは冷たいと非難したが、たまたま通りかかった深苑が
「余計な情けをかけると、自分以外に被害がいく。反省してもらわないとね。」
と厳しめのことを言ってから、ささっと達也君について行っててください。きっとそれが今できる最善策ですよ。とアドバイスした。すると、レオとともに固まっていたエリカもレオとともに達也のもとへかけていった。深苑はそのまま、 敵と交戦中の生徒がいないか、避難し損ねた人が居ないかを見回ることにし、早足でその場を去っていった。彼女は、大の大人ができなかったことを、他人に頼むような甘ったれた人のことなんて気にもとめていなかった。
校内を全て見回り、安全を確認した深苑は怪我人の手当てを保健室の教諭とともに行った。実は彼女、風紀委員で捕まえた人が、彼女を恐れて足をもつらせ怪我をする人が月に数回あり、保健室教諭とは結構な頻度で会話をするため、教諭から頼られているのである。そうしていると、壬生が運ばれてきた。どうやら無事に敵を捉えられたらしい。これで風紀委員の仕事も終わり、帰りの許可が得られるかもしれない。今日は帰りが遅くなりそうであったから穗波には好きな所で食べてきてとは言っておいたが、このままなら一緒に料理することも可能だ。希望の光に思わず死んだ表情筋が動き広角が上がる。
しかし、このままでは終わらなさそうだ。壬生がここまでのブランシュの行動に協力していたのは、二科生ということに絶望を抱いたのは、誤解から生まれたものであった。だが、この誤解は少々おかしすぎる。ここまで壬生が二科生に絶望した出来事はそんな簡単に誤解するような内容ではない。壬生の頬に涙が伝う。それを目にしてしまった深苑には今晩の食事のことだってどうでもよくなっていた。きっとこれは洗脳されていたから起こったと自分で結論づけていた。さらに考えると、この事件は自身の夕食時間を遅らせることの上に達也君と深雪さんの生活を害したものである。そんなもの余計許せるものではない。そう思ったのは達也も同じようで、"叩き潰す"という言葉が聞こえる。直接会話はしていないが彼らは同意見であり本気だ。
最近、頭の中が魔法科高校の劣等生でいっぱいになってしまって少々困っています。きっと魔法科高校の劣等生が魅力的過ぎる所為ですね。