魔法科高校の劣等生の出来損ないの姉(仮)   作:赤影月

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入学編10

「司波、お前が立てた作戦だ。お前が指示を出せ。」

ここは十文字先輩の車だ。まだ高校生なのに車を運転できるとは流石は十文字先輩だ。そして、十文字会頭、達也、深雪、桐原、レオ、エリカの6人は今回の役割分担をおこなっていた。レオはすでに、いきなり、時速百キロ超で悪路を走行中の大型車全車体を、衝突のタイミングで硬化するなどというハイレベルな魔法を要求されたため、集中力が多大な消費によりかなりへばっていた。

「レオ、お前はここで退路の確保、エリカはレオのアシストと、逃亡者の始末。」

やけにバッサリとしているのでエリカは

「捕まえなくてもいいの?」

と問うたが

「余計なリスクを負う必要はない。」

とのことだ。そして、十文字会頭は桐原と裏口へ回ることとなった。達也と深雪はこのまま乗り込むが、誰も不平は言わずにこの役割分担で決定した。

 

達也と深雪の敵との遭遇は、わりと早かった。達也と深雪は何に隠れるでもなく堂々と進み、敵もまた、堂々とホール状のフロアやな隠れもせずに整列していたからた。

「ようこそ、はじめまして。司波達也くん!そしてそちらのお姫様は妹さんの深雪くんかな?」

なんて、何とも大袈裟な仕草で手を広げ、歓迎のポーズをとってアホ丸出しでしゃべり始めた敵もとい年齢三十前後のブランシュ日本支部のリーダー、司一。彼は部下に狙撃の準備を指示しながら

「交渉は、対等なものでなければならなにから、こちらからも機会をあげよう。司波達也くん、我々の仲間になり給え。」

その言葉を発した司は薄ら笑いを浮かべるその顔は、狂気で正気を演じるその瞳は、普通であれば鳥肌ものだ。しかし、もちろんのこと、達也はそんな馬鹿げたことは断る。それがどうにも司は気に入らないようだ。それもそのはず、達也がアンティナイトを使わずキャストジャミングを行ったことが、その原理がしりたくて、弟に達也を襲わせたり、壬生と接触までさせたのだ。力ずくでもいいから達也を仲間にしたい司は、強硬手段に移る。

「司波達也、我が同士になるがいい!」

さっきの歓迎のポーズ同様、やけに大袈裟でアホっぽいポーズを取りながら眼鏡を外した。

すると、達也の顔からただでさえ乏しかった表情が消えて手の力が抜けていた。それを、効果抜群とでも思ったのか司は嬉々とした表情で

「ハハハハ、君はもう、我々の仲間だ!」

とこぼした。洗脳が完了したとばかりに達也に深雪を襲うように指示する。しかし、そんなことができるわけがない。

「猿芝居はいい加減に止せ。見ているこっちが恥ずかしくなる。」

といつものように…と言うより、いつもよりやや冷ややかに言った。彼はこの魔法の原理がわかったらしい。彼の話に耳を傾け、自分が明らかに不利だと認識した司は部下に一斉射撃の命を下した。

しかし、達也がすぐに武器を分解しパニックがおきる。そして、その間に司は脱兎のごとく逃げ出した。それを達也が追いかけ、深雪がその場を対処しようとする。

「愚か者」

彼女の兄に害を為そうとした一人は既に氷の彫像となっている。他の者も足元が凍って動けない。一人の華奢な少女に二桁の男たちが一歩も動けない状況なのだ。それだけでも十分なのに、兄に害を為そうとしたことは彼女を怒らせるには十分な理由であり、足元が凍ったくらいではそれは終わらない。

「お兄様に手出しをしよつとなどさえしなければ、少し痛い思いをするだけですんたものを。」

冷気がその場に立ち込める。男たちの顔が恐怖と絶望の色に染まる。彼女はそのまま魔法を発動した。振動減速系広域魔法「ニブルヘイム」、声なき断末魔の絶叫があった。

しかしすぐにその魔法は溶けた…いや解けた。先ほどまで、一瞬にして氷の彫像とされていた男たちは今、五体満足で声も出せる。絶望を味わっただけにこれは不思議で、男たちは自分の体を見回す。そうしていたら直ぐにその場に、"パンパパパン"という軽快な音が響く。すると男たちは気絶して、一斉に床に倒れた。これには、深雪は驚愕で一瞬体を固めたが、直ぐに周りを警戒しだす。

その場、ホール状の入口の扉の後ろには少し汗をかいている深苑が立っていた。深雪が殺人をすることにならなかったことにホッと息をついて、その場から立ち去る。しかし、彼女は心の中で、"せっかく着いてきたのに寝ちゃってた"ということを後悔していた。実は、十文字会頭の車の最後尾の荷物入れに身を縮めて入っていたのだ。その最中に疲れと最近徹夜が続いていることも相まって、寝てしまったのた。幸い、誰にも車に勝手に乗って居たなんて事は気づかれていないが、もっと前からいたら、何か出来ていたかもと思うと、彼女の無表情から後悔の色は消えない。だが、予定がギッシリと詰まっている彼女は休息をとることはせずに、次の行動に移る。

 

 

 




今回はあまり深苑が出てきてませんね。他の話もあまり出てこないですが…。けれど、次の話が終わったら過去編で深苑についてわかり、深苑中心に書いていく予定ですので、よろしくお願いします。
最近は時間がなくて、早めに書いているので誤字脱字が多くなっているかもしれません。もし見つけたらお知らせください。
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