魔法科高校の劣等生の出来損ないの姉(仮)   作:赤影月

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追憶編3

「ねぇねぇ、劇場版見た?」

「私は初日に見て、小説を見事にgetした!」

その言葉に対して、ずるいだの、悔しいだの言ってわいわいしている声がする。声がすると言っても、そのわいわいしている声の中には私も入っている。体が、口が、勝手に動くのだ。それにつれて、その時の気分まで蘇って今を生きている私の心に染みてくる。

ああ、私はこの楽しい感じが好きだったな。

そう思いながら、自分の好き勝手に原作を変えたいなどと友人と、美音と長々としゃべっていた。

達也と深雪の幸せをサポートしたいだとか、いやいや、女体化して一条と達也!とかミキをちゃんと美月を早くくっつけてデートを尾行したい!、ほのかを他の誰かとくっつけて私のこのもやもやを無くしたい!、雫に良い相手を!とかひたすらぺちゃくちゃと話している。

願望丸出しの女子トーク。

確かこれは修学旅行の時だったと思う。みんな浴衣を着こなして布団に入り、顔を合わせて熱く話合っている。

一般的な女子ならばここで恋愛トークをしている所なのだろうけれど、奇跡的に同じクラスに揃ったこの女子たちはみな、魔法科高校の劣等生が大好きで恋愛なんてそっちのけで楽しげに話している。

 

確か、事の発端は私であった気がする。

私は小学生の頃からラノベにはまり、普通の本1冊に対してラノベ2冊を基準として月に6冊読破していくのが日常であったため、友人から本を勧めてと言われた時に、その時一番はまってたラノベ「魔法科高校の劣等生」を勧めたのだ。

そうしたら、友人もどはまりして、彼女の周りにもそれは伝わっていった。それだから、今の熱い会話があるのだろう。私はヲタクを極めているという訳ではなかったはずだけれど、一般的な人から見たら十分ヲタクっぽく見えていたのかもしれないから、わざわざヲタクではないとは公言しない。

けれど、私は魔法科高校の劣等生が好きなことに対して、後ろめたい気持ちなど一欠片もなくて、友人と美音と語り合う時間がとても私にとっては有意義で楽しい時間だった。

きっと、私が生まれてから(生まれてからといっても、第2の人生だが)何故かばかりの義務感を感じていたともこの時のトークで、私ならともしも自分がその世界に入ったら、いったい何ができるのだろうか、と話していた内容を考えるとおかしくはない。

 

"私は、自分がその世界で最も身近な人をできるだけ守りたい。幸せにしたい。"

 

と考えたのだから。そして、

 

"もしも、達也と深雪の姉になったら達也と深雪をくっつけるために、自分は当主の座を譲ることにする"

 

と考えていたのだ。これは見事に今に当てはまっている。

でも、私はここに転生するまでの記憶がない。

別に、神様が転生してくれたという訳ではないのかもしれないがら、転生するという儀式的なものはなかったのかもしれない。

けれど、少し記憶が取り戻せつつある今、とびとびの記憶の中には、知りたいことが載っていない。

私は、どうやって死んだのか。

いや、私はまず死んでいるのか。

美音はどうなのか。

そして、私の両親はどうなっているのか。

そのことについて、全くもって載っていない。

載っていないというか、思い出せない。

前まで、たいして前世のことなんて気にもしていなかったのに、今になってこんなにも気にしてしまう。それは確かに前世の記憶を数ヶ所取り戻したから、前の父と母の存在に気づいてしまったのだから仕方ないのだろう。

けれども、私の前世からこの今までの転機を知らなければこのどうしようもない不安を消し去ることは出来ないような気がする。

知ってしまえば、最後まで知り抜かなければと思ってしまう。

 

もう、知らなかった自分には戻れないのだから。

 

 

今まで、司波深苑として生を受けて築いてきた彼女の性格等は、前世の記憶を少し取り戻したことによって前世の性格等が加わった。

それは、彼女を構成するものが変化したということで、大きな変化をもたらすことになった。

今まで、何故かに従って流されるまま意味不明の義務をこなして、真っ暗闇をおぼつかない足取りで歩いていたのが、これによって、一本の筋道が理由ある道となり目の前にある。

深苑は、一人暮らしは達也と深雪をくっつけるにあたって、とても重要なことで、原作通りにラブラブしてもらおうと思って、今まで、努めて出来損ないを演じてきたことが、その功績がとても重大で大切なことであったことがわかった。

今ある原作知識をもとに、彼らの邪魔をしないように支えられるように過ごしていこうと、決めたのだ。

そのためにはまず、美音とよく話をすることが必要だ。私が彼らを支る時に、きっと自分一人ではやって行けない。しかも、前世からの私の唯一無二の存在だ。きっと彼女となら、一緒に頑張ってゆけるだろう。今世でもまた、迷惑かけちゃうなぁ。でも、許してほしいなぁ、なんて、そう結論付けた深苑は、前世でトークを楽しんでいる最中に

「…っ!……ん!…ぉん!」

という声とともに、再び意識をシャットダウンした。

 




次回はまた、原作に戻る…と思います。
きっと少ししか進みませんが…。
深苑たちのトークですが、私はこういう妄想してみた!というのをどうしても言いたい方は、ぜひ感想か、メッセージで教えてください。
もしかしたら、この話のセリフがかやるかも!?です。
多かったら、この後書きも消しますけれどね。
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