魔法科高校の劣等生の出来損ないの姉(仮)   作:赤影月

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入学編1

ーそれが伝説やお伽話の産物ではなく

現実の技術となってからもうすぐ1世紀

世界中の国々が"魔法師"の育成に邁進していたー

 

春の温かな日射しを受け

色鮮やかな桜が舞い散る頃

国立魔法大学付属第一高校では、入学式が執り行われようとしていた

 

一科生であろうと二科生であろうと、この学校に選ばれ、自らこの学校を選んだ者ならば、自分の立ち位置を見誤らず自分が一科生であるからと横柄な態度をとってはいけない。

また、自分が二科生であるからと憂鬱な、下を向くような態度をとってはならない。

これから始まる新たな生活に一抹の不安を抱きながらも、期待して、大いに期待して、胸を膨らませ、前を向き、純粋に、ただ純粋に、自分の目標や夢に忠実に明るい気持ちを抱いてほしい と、思ってしまう。

 

因みに私の目標は、あまり話したこともない、好かれてもいない殆ど他人のような関係の今年の新入生総代の司波深雪とその兄である司波達也に、平和で温かな暮らしをほんの少しでも多く与えてあげることである。

彼らにとって私は、存在していても別に害があるわけではなく、かといって利益になるようなわけでもない。

そんな風にあちらからは思われているような気がする、いや、そう思ってほしいと願っている。

実を言うと血縁関係上には家族であり、弟妹であるのだが先ほど言った通り彼らとは殆ど他人のような関係だ。

 

「納得できません。

何故お兄様が補欠なのですか。」

窓からしたをみると微笑ましい光景が目に入る。

 

きっと深雪さんは怒っているんだね。内容は達也君が二科生であることかな。それにしてもここ、校舎の二階なのに会話が良く聞こえるな。

そんなことを思いながら様子を眺めていた。

 

実はそれは只単純に深苑が他の人より少しだけ耳がよいことが起因するのだが、そんなこと、深苑が知るはずもない。何かを思い出したのか、まだ朝早くて人の少ない校舎を早足で歩いていく。

 

「おはようございます。」

深苑が声をかけたのはベンチに座って、読書をしている男子生徒だ。

その男子生徒、司波達也は目の前の左胸に、八枚花弁のエンブレムが入っている前髪で目が隠れた少女を見て、その人が誰だかわからない模様。

「司波深苑です。少しだけ話を聞いていただけませんか。」

深苑が名をつげると、よほど驚いたのか目を見開く達也。あまり感情の起伏が激しくない達也にとって、それは驚くべき事実であったのだろう。達也は少し端により深苑に座るように促した、

「おはようございます。お久しぶりですね。お元気でしたか。」

どうやらこの姉弟会うのは久しぶりのようだ。その上、話し方がどうにも他人のよう…

「ええ。それより、先ほどは姉弟で揉めていましたが、深雪さんも達也君も相変わらず仲良しで安心したわ。」

達也は先ほどの様子を見られていたのかと、確かに目立っていたから仕方ないかと心の中で少しため息をついた。

「今日は少しだけ、お願いに来ました。私たちが姉弟であることは、苗字でわかることで、すぐに誰か気づくと思います。達也君は大丈夫だと思うのだけれど、深雪さんにも伝えてほしいの。できれば私のことを姉とは呼ばなくても良いから、深苑と呼んでくれないかしら。あまり、このことで話題になってはほしくないから…」

では今まではどのように呼んでいたのかと言うと、それは深苑にとっては知らないことであったが、自分が姉ということはきっと深雪さんたちは認めていないとそれだけはわかっていた。

「わかりました。深苑さん。しかし、自分はこれでも仰々しいと思われる気がするのですが。」

それは確かにそうなのかもしれない。

しかし実際にはそうするしか方法はないのだ。

「無理に姉さん呼びとかそう言うことはできないわ。だから、気にしないで。」

確かに無理に呼ばせることは肩身が狭い思いをするだろう。

けれど、だからといってそのままで話題にならないようにすることができるのか、といわれてもそれはまた、不明である。

「それと、私は一応風紀委員です。何か私が使える時には使ってください。私は出来損ないですので、使えるかどうかはわかりませんけれどね。そして、遅れてしまいましたが入学おめでとうございます。

達也君と深雪さん二人が無事入学できたこと、とても嬉しくおもいます。」

そうやって言いたいことだけ言うと、失礼します。とことわって席を立って去っていった。

残された達也は、何故、姉という立場でありながら弟である自分に自分を物のように使えというのかわからず困惑していた。

 

再び読書を始めた達也は、時間が迫ってきていることに気づくと立ち上がろうとした。ちょうどその時

「新入生ですね?開場の時間ですよ。」

と声をかけられた。

声をかけたのは、一科生の上級生でCADを所持している小柄の女子生徒だ。

「ありがとうございます。すぐいきます。」

達也がそう答えると

「感心ですね、スクリーン型ですか。」

と、達也がその上級生との関わりを避けようとしているにも関わらず話しかけてきた。どうやらスクリーン型を持ち込み、読書をする人は珍しいらしい。

しかし、読書を好む人は少なくないのでこの上級生は人懐っこいようだ。

「あっ、申し遅れました。私は生徒会長を務めています、七草真由美です。ななくさと書いてさえぐさと読みます。よろしくね」

ナンバーズのしかもななくさかそう心の中で呟きながら達也は

「俺、いえ、自分は、司波達也です。」

と言った。すると

「司波達也くん…そうあなたがあの司波くんね。」

と言った。その表情はどこか暖かく、好奇心を持っているかのような目をしていた。達也は、新入生総代の兄ということで知っているのだろうと予測を付けたがそれは大いに裏切られ

「先生方の間では、貴方の話で持ちきりよ。」

と言われた。

どうやらペーパーテストの結果が前代未聞だったからだそう。

しかし、記述で点をとれても実技が良くないなら何にもならない。達也はその旨を話すが

「いいえ、そんな凄い点数少なくとも私は取れないわ。この学校で取れるとしたら…深苑くらいね。」

思いがけないところでその名がでたことに、達也は驚いた。真由美はそんな達也を気にすることなく

「そういえば深苑がね…ふふっ」

と急に笑い始めた。

達也としてはペーパーテストの深苑の成績が既に驚きであったのだが、三年生と二年生と学年が異なるにも関わらず

親しげに 深苑 と呼んでいることにも驚いていた。

「去年の入学式の日に…あら?これ内緒だったかしらまぁいいわ、深苑はね元から次席だったから、生徒会か風紀委員に勧誘しようとしていたのに、自ら風紀委員に推薦してくださいって頭を下げたのよ?

弟妹の安全を守りたいって理由で。あの時はびっくりしたわ。」

そう言って懐かしそうに笑う彼女とは反対に、達也は深苑がそんなことをしていたとは露ほどにも知らず、何故そんな行動をしたのか疑問でしかなかった。

「そろそろ時間ですので、失礼します。」

そう言って去っていきながらも、頭の中は姉の不思議な行動について考えることでいっぱいであった。

 

 

 

 

 




前髪は風紀委員としてありなのか
と自分でも思うのですが、
深苑は前髪という壁がないと
人と話すのがより下手になります。
登場人物みんな美形なのが原因かもしれませんね。
少し不安なのですが、姉のことをさん付けは
私にとっては仰々しいことなのですが
皆さんはとのように感じるのでしょうか。
できればこのまま通したいのですが、
どうしても仰々しいことではないから
変えてほしいという方がいましたら、
検討しますので御一報を。
*改行の改定を行いました。
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