とても難産でした。
しかも話も進まないし……、あとで編集するかも。
「おいおい、大丈夫か?」
「……なんとかな」
人里に来るまで魔理沙の箒にぶら下がって来たが、やはりというかなんというか俺は息も絶え絶えの状態で魔理沙と歩いていた。
「魔理沙は何買いに来たんだ?食糧?」
「飯はお前ん家で食うからいらない。買うのは日用品だよ」
「へー」
「自分から話ふっといてすぐに飽きるなよ……。お前は?何を買いに来たんだよ?食糧以外で」
「食糧以外に買う気はないんだが……。霊夢に作ってもらうお札を卸す場所にでも顔を出すくらいか」
お前のせいで残していた備蓄が心許ないからな。タクシー兼荷物持ちにしてやる。女子供だからといって容赦をするような人間じゃないんでね、俺は。飯の代金は労働力で支払ってもらう。どこかの錬金術師じゃないけど等価交換って大事だよね。魔理沙の場合、火事場泥棒で盗みをはたらくので、等価交換なんてあってないようなものだけど。
「じゃあ俺は先に顔出さなきゃいけないところ回ってくるから、魔理沙も必要なもの買って来いよ」
「おう!お前も用事が終わったら私を呼べよ。いつもの大声で」
「嫌だよ。ここで待ち合わせでいいだろ。それかどっかの店で待ち合わせするか?」
「じゃあ団子屋で待ち合わせしようぜ」
霊夢に団子でも買って帰れば喜ぶかな。俺も甘いもの久々に食べたいし、日常にちょっとした潤いは必要だよな?別に生活が貧窮しているわけではないし、これくらいの贅沢は許容範囲内だ。
「オッケーそうしよう」
「よし!じゃあ……」
魔理沙が手を出してくる。何がしたいのかわからないので、とりあえずパシンとタッチする。
「違えよ。小遣い寄こせって意味だよ!だから、ん!」
どうやらお金を要求しているらしい。日用品を買うために人里まで来てるんだから、ある程度のお金は持ってるはずなんだけど。なんで要求してくるのかいまいち分からない。
「いや、魔理沙お前お金は自分で持ってきてるだろ?ならいらないだろ?」
「いやいや、対価は貰わないとな」
「いやいやいや、昼飯振る舞ってやる約束だぞ?」
「いやいやいやいや、それは行きの駄賃だ。帰りの駄賃はまだ貰ってないぜ!」
「いやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいやいやいや」
お金を貰う、渡さないで応酬していく。でもどうやら魔理沙は折れるつもりはないらしい。
「分かった分かった。ほれこれくらいでいいだろ。」
「おっ、流石!話が分かるな!」
魔理沙に俺の財布から三人分の団子が買えるだけの代金を渡す。これだけあれば大丈夫だろう。
「ちょろまかすなよ?盗ったら今後神社に出入り禁止してもらうように霊夢に言うからな」
「分かってるから、心配すんなって!私がそんなことするような人間に見えるかよ?」
「お前には前科があるからな。何を盗ったか帳簿付けてるからな」
「女々しい奴だな。それくらい笑って許してくれよ」
こいつ総額でどれだけの被害をうちの神社に与えたのか。他にもどこかしらで盗んでるはずだから、合計被害総額は日本円にして100万円はいくのではないだろうか?
「仕方ねえな。じゃあ俺は行くから、団子屋でまた」
「おう!またあとでな!」
眩しい笑顔で離れていく魔理沙を見送り俺も目的の場所へと向かう。とはいっても、人の方は出てるみたいで、さっきから視界にはチラチラと入ってきてるんだけどな。
「霧雨さん、もう行きましたから、こっちに来ても大丈夫ですよ」
「気を遣わせたようですまない。勘当した手前、顔を合わせたくはないのでね」
建物の陰から現れたのは、口髭を携えた渋めのおじ様だった。その立ち振る舞いは堂々としており、さっきまで隠れていた人物とは思えない。大手道具店である霧雨店を経営しているこの人里でもそれなりに高い地位にいる人だ。魔理沙の実の父親で、魔理沙は現在勘当状態にあるため、会うのは気まずいのだろう。目的地には霧雨さんと一緒に行くため、歩きながら話をする。
「別にこれくらいかまいませんよ。面倒事は避けるに越したことはないですし」
「助かるよ。あれは誰かに似て、気の強い女だからな」
「ハハ……、それは大変そうだ。俺には魔理沙と生活は無理そうです。胃に穴が開きそうだ」
「それは魔理沙が面倒な娘だということかね?返答次第では私は貴様に対して人里に入れない程の悪評を広めることになるのだか?どうなのかね?」
しまった。霧雨さんの地雷という名の父親スイッチが入ってしまった。基本的にいい方なんだが、勘当したのにも関わらず、ときたまこうやってスイッチが入ってしまうと、途端に日曜日にごろごろしてるダメ親父に変わってしまう。
「別に恋愛対象として見てないだけですよ。妹の親友をそういった目で見れないだけで、客観的に見たら可愛い部類に入るでしょ。それに魔理沙も俺じゃなくて香霖堂さんに想いを寄せてるようですし」
「なにッ!?やはりそうか。あいつ一度呼び戻して、言い聞かせなければ……」
「でも一度くらい、恋愛を経験してた方がよくないですか?失恋を早いうちに経験させといた方が後々立ち直りも早いでしょうし……」
「ふん、そんな不敬な奴がいるなら、さっき言ったようなことをしてやる」
「なら香霖堂さんは問題ないですね、あの人ここに住んでないですし」
森近霖之助、または彼が商っているお店の名前から香霖堂とも呼ばれている。性格はいたって温厚で優しく知的な人物だが、不摂生で一日中本を読んで店番をしているような人物。霊夢の巫女服なんかも作ってくれる意外な一面もある。
「それもそうか」
「それに、他人の恋愛に口を出すものじゃないでしょ?俺は馬に蹴られる趣味はないんで」
「だがなあ……。お前もしお前の妹が突然、彼氏連れて来たら───
「殴ります」
───どうする?って早いぞ。お前も大概親馬鹿、いや兄馬鹿だな」
「霊夢は俺の妹で娘ですから」
「うちの家庭も褒められたものじゃないが、お前の家も同じみたいだな」
文字通り俺が霊夢を育てましたからね。でもどうせ信じてもらえないだろうからな。他愛のない話をしながら歩いてると比較的大きなお店に到着した。霧雨店、里でも大きな色々なものを取り扱っており、うちの神社で作られたお札を卸している店でもある。
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