霊夢のお兄ちゃんになったよ!   作:グリムヘンゼル

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一か月以上間隔をあけての投稿……。もうなんも言えねえ。

仕様がないんだ……。大学の文化祭楽しもうと思ったら、学校から実行委員をさせられて(現在4年)、1,2年生に混じって仕事して、いまだに報告書とか作ってるし、バイトは二つあるし、実家は色々故障するしで、ここ一カ月はなかなかに疲れました。



愚痴ばっかり言っていてもしかたないので、そろそろ本編をどうぞ。


第27話

冷や汗をダラダラと流しながら、霊夢とお嬢様とやらがドンパチしている場所に向かっていると、時々近隣住民にクレームを入れられるレベルの騒音が聞こえてくる。騒音が聞こえてくるたびにメイドさんがこめかみを押さえて、最終的には常にこめかみに手を添えた状態で歩いていた。

 

「大丈夫か?突発的な片頭痛にでもおそわれたか?それとも突発的な第六感でも覚醒したか?」

「なんでこんな時にお客様は暢気なのでしょうか?もしかしたら、今回の被害総額はお客様が支払うことになる可能性があるというのに」

「必死に現実逃避してんだ。現実を押し付けてくれるな、頼むから」

「悲しい男ね」

「悲しいのは現実なんだけどね」

「ここは幻想郷なのだけれど?」

 

幻想が現実となる幻想郷で現実から逃避するという交錯した行為、ちょっとしたことなのに意味が分からなくなってくるな。

 

それにしても、周囲の調度品一つとっても高級そうだ。俺に鑑識能力なんてないけど、精巧な偽物でもそれなりの値段になったはずだ。生前テレビでも、偽物で1万円を超えることが頻繁に起こっていたことから、たとえ全て偽物だとしても、少なくとも日本円にして数十万にはなるのではなかろうか?そうなれば紫から渡された宴会用の資金から抽出しても足りるかどうか分からないぞ。

 

「それにしてもさっきからうるさいな……」

「お嬢様が博麗の巫女とやらを圧倒している音でしょう。どれだけ壊れても全額返済されると考えれば、多少の手間があるとしても、頭痛も和らぎます」

「はあ?何言ってんだ?霊夢がお前のところのチンチクリンぶちのめしてるに決まってるだろ?」

「我らのお嬢様が、そんなどこの馬の骨かもわからない輩に倒されるはずがありません。大丈夫ですか?そんな当然のことが分からないようでは、今後博麗とやらの補佐が務まるかは甚だ疑問ですね。よろしければ代わりましょうか?いいですよ?無理しなくて。博麗の巫女ともども、役割は私たちが承るので、心配しないでください」

 

めっちゃメイドさんが煽ってきて精神的に辛いのですがどうすればいいのでしょうか?しかもすごくいい笑顔だし。イキイキしてる。数時間だけとはいえ今まで一緒に行動した中で一番いい笑顔を俺に見せた気がするぞ?

 

「どうやらこの奥がお嬢様と小蠅が戦っている部屋のようですね。戦闘が激しいようですので扉の前でお待ちいただいてもかまいませんよ?すべて終わり次第、お呼びしますので」

「問題ねえよ。見届けるのも補佐の仕事だ。それに霊夢が負けるなんてありえないしな。死んで、転生して、また死んでも見ないんじゃないか?だから、お前はゴシュジンサマが無様に負けるさまをまじまじとみているといいさ」

「では、ここからは流れ弾が多いですので、自分の身は自分で守ってくださいね」

 

ガチャリとドアノブを回し、木製の大きな扉をメイドさんが開ける。重々しい雰囲気の扉を軽々しく開けるメイドさんに怪力疑惑が浮上したが、不思議なパワーで疑似マッチョになっているだけのような気がするので、気にするだけ無駄であるため放っておこう。

 

「不穏な気配を察知したのだけど、何か知らない?」

「皆目見当がつかないな。ほら俺、ただの一般人だから」

「それならいいのだけれど。中に入りましょうか」

 

メイドさんに促され部屋の中に入り、大きな衝撃を受けた。室内にはいつもの巫女衣装の霊夢と幼女に翼が生えた外見の人物が高速で飛行しているが、それに衝撃を受けたわけではない。部屋の外側につながるであろう壁が全て破壊されて、吹き抜けになっていた。煉瓦積みの屋敷の壁一面が取っ払われ、風が頬を撫でる。同じようになくなった壁を目撃したメイドさんが崩れ落ちて、小さく「修復期間が……」「材料の買い出し……」「費用の抽出……」「作業時間が……」と呟いている。

 

「元気出せよ。な?まだ全壊したわけじゃないんだ。やろうと思えばまだ立て直せるだろ?あの門番だって手伝ってくれるんだろ?なら大丈夫だって」

 

実際はこんな惨状を見て、異変後の予定を組み立てている時点で結構すごい精神力を携えていると思うし、大変だとは思うが、こういった手合いは早いうちに仲間(生贄)をみつけてあげないと可哀想だ。ほら、仲間は多い方が心強いだろう、と気遣いをしてあげているのだ。敵であるメイドさんにここまで気を遣ってる俺ってやっさしーなー。

 

「…………そうですね。私だけでやるのではなく、誰かの手を借りることは大変素晴らしいことですよね?」

「ああ、その通りだ」

「つまり、貴方の手を借りても問題ないということですよね?」

「そういうこと……じゃない!なんでその結論に至った!?外部の人間雇わずに身内でカタをつけろよ!」

「いえ、むしろ貴方にここの工事すべてを任してしまいましょうか。そうすれば私は休めて、賠償金が貰えるという、至高の一時を過ごせるのでは?」

「おい聞こえてるぞ悪徳メイド!残念だが、賭けの内容に肉体労働は入ってねえよ。諦めて身内だけで働きやがれ」

「ではこうしましょう。貴方が払う賠償金のここの修繕費のみを肉体労働として働いてください。どうやらそちらの財布の中身は閑古鳥すら鳴かぬような悲しい状態。そのような方に多大な借金を背負わせてしまうのは、私としても心苦しいのです。幸い貴方は立派な男性のようですし、こういった力仕事には向いているでしょう?それにそちらから修復資材を手配していただいた方が、人々に顔が利く博麗の者なら割安にしてくれるかもしれませんし」

「おいこら、待ちやがれ。男だからといって力仕事をさせようとするんじゃねえよ。我が家じゃもっぱら力仕事はあそこで綺麗に飛んでる妹に任せてんだ。俺はもっぱら事務仕事だ。あと、勝手にその内容で肉体労働に俺が納得しているとは思わないことだな。俺は断固として拒否する」

 

俺たちの口論はその後、10分以上も続いた。途中弾幕ごっこの被害により飛んできた瓦礫に何度もメイドさんは精神的ダメージを、俺は肉体的ダメージを受け、ある結論に至った。

 

勝った者こそが全てを手に入れれる。つまり、この賭けの勝者が好きに条件を決めれる、ということを。

 

「霊夢ぅぅぅぅぅぅ!絶対勝ってぇぇ!!」

「お嬢様ぁぁぁ!ブチのめしちゃってください!!」

 

般若の形相で応援する俺たちに、戦っている当事者は呆れた視線をこちらに送りながらも戦い続けるのだった。

 

ここに幻想郷をかけた壮大な戦いと、お互いの生活をかけた矮小な戦いの火蓋は切って落とされたのだった。

 




感想、ご指摘等ありましたら、お願いします。
今後も続けていくつもりなので、何卒よろしくお願いします。

最近、お酒と甘いものがあれば、執筆速度が恐ろしく早くなることに気付きました。



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