霊夢のお兄ちゃんになったよ!   作:グリムヘンゼル

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仕事してないと途端に休暇が暇すぎて仕方がない今日この頃
そろそろコロナも収束に動き出しましたね。

正直GWなのにコロナのせいでどこにも行けずストレスと酒の量だけが増えるので早く収束してほしいと個人的に思います。


第38話

秋が終わり、冬も暦上では終わりを迎えた今日この頃、俺と霊夢は冬から出しっぱなしの炬燵にこもっていた。というのも、幻想郷ではいまだに雪が降り積もったまま、ではなく現在進行形で雪が降っているからだ。

 

外では元気な子供と氷妖精のチルノを代表とした妖精達が人里で無邪気に遊びまわっていることだろうが、こちらは連日にわたる雪かきで体力も体温も消耗しているため、動く気力がわかない。まあ、料理したりとか掃除したりとか洗濯したりとか、やることは沢山あるにはあるが、今は思考に入れたくない。

 

例年と比べて長期にわたるこの冬の降雪により積雪量も凄いことになっている。日差しがさすことも稀になっているため、雪が溶けることなく降り積もっているのが原因だ。だから一日で降り積もる量が少なくても、連日放置しておくと瞬く間に玄関が雪で塞がれてしまう、なんてことになってしまう。

 

買い物にだって、道中積雪しているため足がとられやすく、下手をすれば人里に降りるまでに滑り転んで転落死、ということも十分に有り得る。そのため最近は霊夢が買い出しを担当してくれている。飛んで行っているので寒いことを除けば別段不自由はないし俺が行くよりも断然早く帰って来れるので普段から買い出しに行ってほしいくらいだ。その間に家の掃除だって沢山できるし、縫い物だってできる。霖之助さんに頼んでもいいが、あの人も商人だけあって金銭を要求する。確かに何年も生きているだけあって、その技術を伴った衣装は販売できるだけの価値はあるが、節約できるところは節約したい。頑張れば俺だって巫女服くらいなら縫える。ただ、レースとかフリルは面倒だからあまりやりたくはないけど。服のほつれくらいなら簡単にできるのだ。

 

「お兄ちゃんみかん取って」

「ほれ」

「ありがと」

「おう」

 

こんなまったりしているのが最近の日常と化しているが、さすがにもう桜が散り始める時期だ。だというのにいっこうに暖かくならず、あまつさえ雪が降っているなんて異常気象でしかない。地球温暖化の影響かと言われればハッキリと違うと言える。幻想郷の四季は現世と比べまだまだ正常に機能している。去年も一昨年もそれ以前もそこまで例年との気温の変化はなかった。春も秋もそこそこ長かったし、春の妖精だってこの時期は活発に活動していた。幻想郷風に言えば今の時期にまだ春妖精を見ないことが異常だ。

 

話は変わるが東方妖々夢、春雪異変は初春くらいの時期に、春になったのに雪がよく降り冬が終わらないみたいな異変だったような気がする。西行寺幽々子が西行妖という妖怪木を咲かせたいがために魂魄妖夢に春度と言われる、春の概念を物質化したものを収集させたのが原因だ。

 

では今のこの状況はどうだろうか。暦上では既に春、桜も散り始めようかというこの時期にいまだに雪が降り、春がいつ来るかわからないようなこの状況。原作と全て一致しているのではないだろうか。

 

「なあ霊夢、お前異変解決しにいかなくていいのか?これどう考えたって異変だろ?」

「あら、最近は掃除がたくさんできて喜んでたじゃない。私が買い物に行くおかげで掃除が捗るって」

「いやそうだけどね?そろそろお天道様に仕事してもらわないと、家の中が湿気でカビ臭くなる。霊夢だって布団からカビが生えたら嫌だろ?」

 

そうだけど、と何やら歯切れが悪い霊夢。もしかして寒いから外に出て異変解決したくないとか宣うんじゃないだろうか。いやそれはないだろう。それなら買い物に行くことだって相当渋るはずだ。

 

ならなんだ?異変解決後の宴の準備とか片付けが面倒くさいからとかいう理由ではないはずだ。そもそも俺が段取りも片付けもほぼ全部やったからな。霊夢が手を付けたものといえば料理を何品か配膳したくらいだ。だから異変解決後の宴に関することではないだろう。

 

まさか

 

「実害がないから放置しておこうとかじゃないだろうな?」

「うっ!」

「図星か。お前それでも博麗の巫女かよ?まあ、今日はいいから明日になったら解決に動けよ?」

「あんただって急かさないじゃない……」

 

いやもう昼過ぎだし、異変解決するころには夜中になるだろ?そうなったら飯作って食べるってなったらすごい遅い時間になってしまう。事前に作るにしてもいつ帰るかわからないから温めなおすことになるし、炊飯器も電子レンジもないから温めなおすのにも一苦労なのだ。

 

買い物かごと財布を渡す。そろそろ買い物に行ってもらう時間だからな。だから今日は仕方ないのだ、明日から霊夢には頑張ってもらうとしよう。

 

「ほれ、買い物してもらわなきゃ家の飯が食えなくなるぞ?」

「成程、それは異変解決より大事ね」

 

霊夢はキメ顔で買い物かごを受け取りそのまま買い物に行った。その間に掃除をしておこうか。

 

でもなあ、最近は毎日掃除しまくってたからそこまで汚れてるところないんだよな。霊夢は明日には異変解決に行きそうだからお弁当でも持たせてあげるか。でもお弁当箱なんて便利な物ないから、お握りくらいしか持たせられないけど。

 

「何作ろうかなー」

 

お握りの具材として代表的な梅干しは外せないが、他に何入れようか?焼き魚の切り身、高菜、鶏肉くらいなら難なく作れそうだな。霊夢以外にも魔理沙とか咲夜も異変解決に動くだろうから、もしこっちに寄ることがあればすぐ渡せるように作っておこうか。

 

「邪魔するわよ」

「お、どした紫?霊夢なら買い物に行ったけど?なんかあった?異変なら明日から解決に動くけど?」

「霊夢がいないのならちょうどよかったわ。白鹿にはちょっとついて来てもらいたい所があるのよ」

「どこだ?」

 

たしか東方妖々夢では八雲に連なるものとして藍の式神である橙が出てくるし、紫も藍も登場する。さらにこの異変は紫が幽々子を手助けして起こった異変だとされている。それゆえに忙しいから飯でも作ってほしいのだろうか?それか一足先に橙が誰かに倒されたから看病でもしてほしいのだろうか?

 

「白玉楼よ」

「白玉楼か。というと幽々子さんの所だよな。なんかあったのか?」

 

なんでこのタイミングで白玉楼?あれか?妖夢がとうとう料理の作りすぎで腱鞘炎にでもなったか?それとも妖夢が忙しすぎて料理作れないから俺の所にお鉢が回ってきたのか?

 

「あった、というよりかは。あるのだけど。あるのはむこうよりもこっちよ」

「ん?」

「さっき連れて行くって言ったけど拒否権はないから。これは連行、いえ誘拐そのもの」

「は?」

「私もあまりに早く異変解決に動かれるのは困るけど、ここまで動かないのは想定外よ」

 

だからちょっとの間幽々子の所に捕まっててねと付け足されると、途端に足元の感触がなくなり重力に従いスキマを通る。一瞬だけ視界に映る真っ暗闇と、こちらを見つめる無数の瞳は不気味だが、幼い頃から何度も経験すればそれなりに愛着というか慣れがあるため、そこまで驚くことではない。

 

ただそれよりもなぜ紫に誘拐されるのか、そのことに困惑している。いや先程の台詞を聞けばわかる。俺も霊夢も動かな過ぎたのだ。だから俺を幽々子さんの所に誘拐したということだろう。

 

だがそれでなにが変わるのだろうか?もしかして霊夢の直感によって俺を連れ戻そうとして異変解決に動かされる、そのように考えているのかもしれない。確かに霊夢のことだから俺(夕飯を作る人)がいなくなったことを瞬時に感じ取り、何となくどこにいるのか動いて、それで白玉楼までたどり着きそうだ。

 

だが紫は理解しているのだろうか?今回の異変の陰に自分がいることに加えて、俺を攫った事でさらに酷い仕打ちを受けるということに。

 

まあそれは紫の問題であって俺の問題ではない。だから今直面している俺の問題とは関係ないのだ。もし今後関係するとしても今この瞬間には紫も霊夢も関係ない。

 

「いらっしゃい。突然で悪いんだけど、お腹すいたわ」

「わかりましたから、涎拭いてください」

 

幽々子様(ピンクの悪魔)を満足させる、それこそが今の俺に課せられた任務だ。

 

 

 




毎回感想、誤字報告、評価の方もありがとうございます。

こんかいから春雪異変編始まります、があんまり長くならないと思います。
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