霊夢のお兄ちゃんになったよ!   作:グリムヘンゼル

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主人公の名前は白鹿で、びゃくろく、です。

蛇の妖怪ではないです。
賢くもないです。



第3話

最近は以前と比べて生活が楽になった。いや、むしろ一般的な家庭に近づいた、と言うべきか。基本的な赤ちゃんのお世話は紫母さんと藍お母さんが行い、俺は補助やお手伝いをするレベルでサポートするだけとなっていた。家事に関しても、大部分は俺がやっていることに変わりはないが、二人が家にいるときは手伝ってくれるので、本当に楽になった。

 

今では時々、二人のどちらかが人里に連れて行ってくれるのですごい嬉しい。今生での初めてとなるお出かけで、精神年齢的にも、柄にもなくはしゃいでしまって、周囲が見えていなかった。絶対母さん達は、ニマニマしながら見ていたに違いない。紫母さんにいたっては、人里から帰った後で「ずいぶんはしゃいでいたわね、フフフッ」と肩を震わせながら言ってきたから間違いない。母さんは確実にはしゃいでいる俺を見て愉悦に浸っていたに違いない。まあ、それでも楽しめたのは本当の事だけど。

 

「白鹿、ちょっといいかしら?」

「どーしたの?」

 

夕食を食べ終わって、食休みをしているところに紫母さんが用事があるのか扇子で手招きしている。

 

「明日私たち、お仕事でお出かけするのだけれど、よかったら一緒に行かないかしら?」

「んー。いきたいけどあかちゃんのおせわはどーするの?ほっとけないよ?」

「問題ない。明日はその赤ん坊に関する用事だからな。赤ん坊も連れて行くのさ」

「いってもめーわくじゃない?」

「相手は私たちの身内みたいなものだ、気にする必要はない。それとも白鹿は私たちと出かけるのは嫌か?」

 

嫌ではないです、むしろ行きたいです(真顔)。でも不安にもなるわけですよ。出かける機会は今でも少ないし、出かけたとしても数時間、生まれてこの方半日以上家から離れたことはないから、どうしてもそれ以上離れるとなると、家の事が気になってそれどころではなくなる。この前出かけたときも、1時間程は無邪気に楽しめたが家のことが気になりすぎてそれどころではなかったし。

 

「なぁに?もしかして家のことが心配だからお出かけしたくないの?」

「そーだよ。しかたないじゃん。いままですごーくかじしてきたんだから。かーさんもあんまりてつだってくれなかったし」

「うぐっ……それは……ごめんなさい、何を言っても言い訳になるわね」

「もういいよ。おわったことだし」

「そうね、ありがと。家のことが心配になったらすぐ戻ればいいわ。それくらいの融通は利くもの、あの子」

「ほんと?ならしんぱいないかな」

 

母さん達の仕事相手がそんなに優しい人なら行っても大丈夫そうだな。

 

「ちょっと紫様、白鹿も。行く場所知らせなくていいのですか?」

「「ああ……忘れてた」」

「で?らんおかあさん、どこいくの?」

「私には聞いてくれないのね……」

 

だってさっきまで行先のこと忘れてた母さんに聞くより、ちゃんと覚えてた藍お母さんに聞いた方がよさそうだし。

 

「今回行く場所は、博麗神社。幻想郷の調停者である博麗の巫女が住んでいるところだ。そこに次代の巫女であるその赤ん坊の禊やら命名などを執り行う」

「マジで!?」

 

博麗神社と言えば、東方projectの主人公博麗霊夢の住居であり、幻想郷のパワーバランスを担う一角であるはずだ。物語の重要な位置にいる存在。つまりはここにいる赤ちゃんは博麗の巫女となる重要な存在。

 

「あら、博麗の巫女が重要な存在と分かっているような驚き方ね」

「だって、かあさんのだいじなげんそーきょーをまもるひとにこのこがなるんでしょ?ならじゅーよーなそんざいじゃん!」

「よくわかってるじゃない。偉いわ。よしよし」

「ちょっ、やめっ。イヌネコじゃないんだから!」

 

紫母さんに無理矢理引き寄せられ頭をこねくり回すように撫でられる。

 

「まあまあ、いいじゃない!たまには子どもらしく親の理不尽を受けときなさい」

「やめろぉぉ…ぉ……( ˘ω˘ )スヤァ…」

 

ああ、母さんの匂い。甘く、しかしそれ以外の何かも感じるような不思議と落ち着く匂い。鼻孔を通り過ぎると、眠気が意識を飛ばせと囁いてくる。抵抗むなしく瞼は重く瞳に蓋をした。

 

 

 ■□■□■

 

 

 

翌朝。

いやあ清々しい朝ですね!いつの間にか寝間着に着替えてて、いつの間にか布団の中に収まっていたけど!

いい朝ですね!

 

「白鹿ー!早く起きろー!」

「…はーい!」

 

寝間着から普段着に着替える。その動作に幼いせいで多少てこずりながらも精一杯急ぐ。

 

「おまたせー!」

「こら。朝起きたらまず『おはよう』だろう」

「そうよ?おはよう、白鹿」

「うん。おはよー、かーさん、おかーさん」

 

今日の朝食はご飯味噌汁に漬物、魚の塩焼き。まだまだ幼いこの体では朝からこの量は少々キツイが何もしていなくてもでてくる食事に文句なんか言えるわけもない。味噌汁に入ってるワカメはどっから持って来たの?とか、魚は鮭っぽいけどその正体は何?とか、幻想郷に海なんてないのにどうやって入手したのかは疑問は尽きないが、何もせずに朝食が出て来るならオーケーです。

 

食レポはする気がないので、食事に関しては言及しないよ。したとしてもボキャ貧な俺に感想を求められても「美味しい」ぐらいしか言えないので勘弁願いたい。

 

 

 

さて、それではそろそろ(くだん)の博麗神社へと参ろうではないか!!




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