遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第八十九話 一歩

「バトル!《プチクリボー》で《エンジェル12》を攻撃!」

「クリクリーーーーー!!」

「・・・・。見事です・・・・。ヒイロ・リオニス・・・。」

 

夜行

ライフ2550→0

 

「(ついに決まったーーーー!!!ヒイロ・リオニスが天馬夜行を下した!これにより、チーム・トライウィンズ、本選に一歩前進だーーーーー!!)」

「やった!!やったな!!ヒイローーーーー!!」

「ヒイロ・・・・あの状況を覆すなんて・・・。」

ピットでは、トオルは歓声を上げ、ミサキは逆転勝利したヒイロの力量に驚いた。

「はあ・・・・はあ・・・・。」

ヒイロはピットに到着すると、かなりの疲労感を覚えた。

「おい・・・大丈夫か?ヒイロ?」

「ああ・・・。こんなに楽しく、疲れるデュエルは初めてだ・・・。」

「それは私も同じです。」

「うん・・・?」

ヒイロ達のピットにチーム・ペガサスミニオンのメンバーが入ってきた。

「月光以外では初めてだな!!あそこまで夜行とやりあうなんてよ!!」

「・・・。見事だ。」

リッチーとデプレもヒイロを称賛した。

「しかし、我々はこれで終わったわけではありません。あと2試合を勝利すれば、予選通過できます。」

「ってことは・・・もう一度こいつらとまた戦えるかもしれねえってことか!!」

「ええ。しかし、そのためには彼らも我々も、もっと力量を上げなければ・・・。」

「ならば・・・すぐに訓練をしなければ・・・。」

デプレはスタジアムから立ち去った。

「お・・・おい!!デプレ!!じゃあな!チーム・トライウィンズ!!また戦えること、楽しみにしてるぜ!!」

「はは・・・。相変わらずだ。二人とも・・・。ああ、そうでした。私がピットに来た目的はもう一つありました。」

そう言うと、夜行はカードを1枚、ヒイロに手渡した。

「これは・・・?」

「私からの好敵手への敬意の証です。では。」

夜行はヒイロに丁寧にお辞儀すると、立ち去って行った。

「好敵手・・・・か・・・・。」

ヒイロは夜行から受け取ったカードを見つめた。

 

「チーム・5D’sそしてチーム・トライウィンズの初戦突破を祝して・・・。」

「「「かんぱーい!!」」」

その夜、ポッポタイムのガレージで、2つのチームの初戦突破記念のささやかなパーティを開いた。

参加者の中にはカーリーとガレージ近くのコーヒー屋で働いている少女、ステファニー、深影の姿もあった。

ヒイロは階段の踊り場にある椅子に座って、1階で祝っている残りのメンバーたちを眺めていた。

「(良かった・・・。遊星たちも無事にまず一勝できたようだ・・・。)」

そう思っていると、急にヒイロの視界が誰かの手に遮られた。

「だ・・・だ・・・だーれだ??」

ヒイロの視界を遮るものの温度がだんだん高くなっているように感じた。

「龍可か・・・。」

ヒイロがそういうと、龍可は目隠しをやめ、顔を赤くしながらヒイロの隣に椅子を移動させ、それに座った。

彼女の顔は、未だに真っ赤なままだった。

「・・・。誰からやれと言われたんだ?」

「・・・パティからよ・・・。恋人同士なら、当然やることだって・・・。」

「(そういうものなのか・・・?)」

ヒイロはそういうことにかなり疎いため、良くわからなかった。

それは、ヒイロの仲間の男性陣も同様だろう。

「おめでたいわね。チーム・5D’sもたかが一勝でお祭り騒ぎ?」

金髪の女Dホイーラーがそう言いながら、ガレージに入ってきた。

「誰なんだろう・・・?あの人・・・。」

「・・・。」

ヒイロは何も言わずに、1階へ降りた。

「・・・。どうやら、あなたは浮かれてはいないようね。」

女Dホイーラーはヒイロに目を向けると、少し感心したように言った。

「遊星。彼女は何者だ?」

「彼女はシェリー・ルブラン。WRGPの参加者だ。」

「そういえば、あなたとは初めて顔を合わせるわね。名前は?」

「ヒイロ・リオニス。」

「覚えておくわ。いつか、あなたのライディングデュエルを見せてもらいたいわね。」

「ああ。まずはあんたの1勝を祝福しよう。」

ヒイロはテーブルに置かれていたお茶をシェリーに勧めた。

「その厚意、今回は甘えさせてもらうわ。」

シェリーは素直にお茶を受け取った。

「ヒイロ。なんでお前があいつが初戦を突破したことを知ってんだよ?」

クロウが質問すると、ヒイロは何も言わずに、今日の予選結果表のコピーを渡した。

シェリーのチームは2人チームで、合計ライフ8000というハンデを抱えていたが、彼女1人で3人すべてを撃破していた。

「怪我をしているなら、せめて情報収集でチームに貢献しろ。」

「へいへい・・・・。」

「大したことじゃないわ。私には、勝ち続けなければならない目的がある。」

「目的・・・?」

「彼女は両親を殺害したイリアステルについて知るためにWRGPに参加している。」

遊星がシェリーに代わって、ヒイロに説明した。

「なるほど・・・。あんたの目的が果たされることを祈ろう。」

「感謝するわ。そういえば、あなたたちを襲っていたゴースト・・・あれはイリアステルの仕業だという情報をつかんだわ。」

「ゴースト・・・。」

ヒイロ達は今までのゴーストの行いを思い出した。

1人目のゴーストは《機皇帝ワイゼル∞》で多くのDホイーラーを襲った。

2人目は《機皇帝スキエル∞》で龍可の《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を奪おうとした。

3人目はジャックの偽物で、ヒイロが早期に撃破したため、大した被害はなかった。

機皇帝の共通点はシンクロモンスターから力を奪うことだ。

3人のゴーストの共通点はロボットであること、デュエルの際にダメージが実体化すること、そして倒されるとほぼ同時に証拠が消え、迷宮入りしてしまうことだ。

「おそらく、俺たちの敵は、相当なテクノロジーを持っていることになる。」

「でも、どうしてイリアステルは、私たちを狙うの?」

「シグナーだからだろうな。俺たちが・・・。」

「勘がいいわね。ヒイロ・リオニス。」

「ヒイロでいい。となると、あんたも赤き龍の伝説を知っているな。」

「もちろんよ。なぜ、シグナーを狙うのかはわからないわ。でも、私は勝ち進めば、奴らから私たちに近づいてくると信じているわ。」

シェリーは外に出て、騎士の馬のような形をしたDホイール、シュツルム・ウント・ドラングに乗った。

「遊星、ヒイロ。それまで、あなたたちが敵にならないことを願っているわ。」

彼女はそれだけ言うと、立ち去って行った。

「なら、俺たちはイェーガーを当たってみようぜ!」

「イェーガー副長官は、長期休暇を取って、今ではどこにいるのか・・・?」

「ちくしょう!!あいつ、ばっくれやがったか!!」

「・・・。なぜイェーガーだ?」

「ああ・・・ヒイロには何を言ってなかったな・・・。」

クロウは新型プログラムを盗まれたこと、そして追いかけているときに見つけたSF映画風の口上についてヒイロに説明した。

「おそらく、イリアステルの工場だな。何を作っているかはある程度見当はつく。」

「え・・・?なんだよ?それはよ。」

「ゴーストだ。奪取したエンジンプログラムも、おそらく奴らの強化のために利用されたと考えていい。工場は今もあるのか?」

「それがよ・・・工場はあの後爆発して、今じゃ何も残ってねえぜ。」

「証拠隠滅か。」

「おーい・・・。」

「私たち・・・話についていけない・・・。」

トオルとミサキは頭を混乱させていた。

「後で俺から可能な限り説明する。」

「なら、長官ならどうなんだ?深影。」

「それが・・・。ゴドウィン長官の後、三人の長官が着任しましたが、イェーガー副長官以外と顔を合わせたことすらないんです・・・。」

「三人のついての情報はある。」

「え・・・?」

「待っていろ。」

ヒイロはトライチェイサーのモニターを起動し、雑賀から受け取った長官のデータを表示した。

「ルチアーノ・・・ホセ・・・・プラシド・・・。」

「ルチアーノって・・・あの!?」

「おそらくな・・・。経歴は謎が多いが、イリアステルのメンバーであるということは分かった。」

「やはりか・・・。それなら、ある程度真相は見えてくる。」

「だが、証拠が隠滅されている以上、下手に手を出しては俺たちが返り討ちに遭うだけだ。今は奴らから手を出してくるのを待つしかない。」

「・・・・。私は戻って、長官に直接会います。これで失礼します。」

「じゃ・・・じゃあ私たちもー・・・。」

「なんか、お邪魔みたいだからー・・・。」

深影が去ると、ステファニーとカーリーも話についていけなくなり、走り去った。

「期待はできそうにないな・・・。」

ヒイロは立ち去る三人を見ながら、そう漏らした。

 

「うん・・・。もう昼か・・・・。」

翌朝、ヒイロは自室のベットで目を覚ました。

まだ眠いためか、若干視界がぼやけていた。

彼はパーティの後、トオルとミサキにイリアステルについての一連の事件を説明し、自室でセキュリティにハッキングをしたが、何も成果が上がらなかった。

そのため、ハッキングによる情報収集をあきらめ、そのまま眠った。

「(うん・・・?誰かいるのか・・・?)」

ヒイロは目をこすると、龍可の寝顔が目の前にあった。

「(また俺のベットに入り込んだか・・・。・・・・!!)」

ヒイロは少し掛布団を持ち上げると、顔を真っ赤にした。

龍可のパジャマがかなり乱れていて、下着がかなりの割合で見えていた。

更に、彼女の小さな胸も片方が露になっていた。

「(頼むから・・・こんな姿で寝るのはやめてくれ・・・。)」

ヒイロは龍可の服装を元通りにした後、居間へ向かった。

 

居間でヒイロは昼ごはんの準備を始めた。

「(龍亞と龍可が起きるまでには完成させておきたい・・・。うん?)」

トオルから電話がかかった。

「ヒイロだ。一体どうした?」

「(ヒイロ!!大変だ!!チーム・ユニコーンとチーム・ペガサスミニオンが・・・!!)」

「何・・・・!?」

トオルからの知らせに、ヒイロは耳を疑った。




ヒイロにもたらされた知らせ。
チーム・ユニコーンとチーム・ペガサスミニオンに一体何が・・・・?
そして、夜行から受け取ったカードとは・・・?
感想待ってます!!
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