遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第九十話 変動

トオルから連絡を受けたヒイロが龍亞と龍可を起こして、一緒に病院へ向かうと、チーム・ユニコーンのメンバー2人は集中治療室の中で、チーム・ペガサスミニオンは病室にいた。

集中治療室前では、遊星、ジャック、クロウ、ブルーノ、トオル、ミサキが待っていた。

「怪我の状況は?」

「命に別状はない・・・だが・・・。」

「アンドレとジャンは意識不明だ。」

「(アンドレ・・・ジャン・・・チーム・ユニコーンのメンバーか・・・。)」

知らせによると、チーム・ユニコーンは今日のチーム・カタストロフとの試合で、チーム・ペガサスミニオンは早朝の練習中に転倒して、このような大けがを負ってしまったらしい。

ヒイロ達チーム・トライウィンズはチーム・ペガサスミニオンから、遊星たちチーム・5D’sはチーム・ユニコーンの中で唯一被害を受けなかったメンバー、ブレオから事情を聴くことになった。

 

ヒイロ達が病室につくと、リッチーとデプレはまだ眠っていて、夜行だけ目を覚ましていた。

「ああ・・・みなさん・・・。」

「相当派手に転倒したみたいだな。」

「はは・・・。お恥ずかしい・・・。」

夜行は苦笑すると、すぐに真面目な表情になった。

「話してもらえる・・・?転倒した時の状況・・・。」

「はい。我々は次の試合のために早朝からハイウェイで練習を行っていました。すると、急にタイヤが何かに引っかかって・・・そのまま・・・。」

「引っかかった・・・?」

ヒイロはクロウから聞いた話を思い出した。

彼が転倒した時も、何かにタイヤが引っ掛かったことを言っていたからだ。

しかも、周囲にはタイヤをひっかけるようなものが何もなかった。

「それは、落下物とかにか?」

「さあ・・・?気を失ってしまったので、良くわかりません・・・。」

「そうか・・・。分かった。あとはゆっくり休んで・・・。」

「アキ!!しっかりしろ!!アキ!!」

「まさか・・・・!!」

ヒイロは遊星の声に何か嫌な予感を感じ、病室を飛び出した。

 

今度はアキが集中治療室に入ってしまった。

ブラッディ―・キッスも大破し、使用不能になっていた。

「今度は十六夜が・・・。状況はクロウの時と同じ・・・。もはやこれは意図的なものに思えて仕方がない・・・。」

「アキ・・・。」

「遊星・・・。」

ヒイロはただじっとアキが入っている集中治療室を見つめている遊星の肩に手を置いた。

「ジャック。クロウ。何か情報は?」

「ああ。ブレオからもらったチーム・カタストロフ戦の録画映像から、転倒したタイミングが、どちらもアンドレとジャンが攻撃して、このカードが効果を発動した時だ。」

ジャックはブレオから借りたポータブルタイプの再生装置から映像を再生し、アンドレの転倒の直前のタイミングで映像を一時停止させた。

そのタイミングは、アンドレの青いユニコーンが大柄で、マーカーがついている男の両手がフックになっている邪悪な戦士を攻撃しようとして、戦士の効果で双方のモンスターが守備表示に代わり、ジャンが効果ダメージを受けたときだった。

「このフックつきは?」

「《ヒドゥン・ナイト―フック》。攻撃表示の時に相手モンスターの攻撃対象となったとき、このカードと攻撃モンスターを守備表示に変更させ、相手に800ポイントのダメージを与えるモンスターだ・・・。」

「あまり相手にしたくないモンスターだな。」

「確かに・・・。このモンスターを倒すには、カード効果で倒すか、2体以上のモンスターで攻撃するか、効果を無効にして倒すか程度だからね。少なくとも、1体だけでは無理だ。」

「いや、効果は大したことではない。問題は、このカードが転倒の原因を作っていることだ。そして・・・。」

ヒイロは遊星たちのブロックの明日の対戦表を見た。

「明日のお前たちの相手がそのチーム・カタストロフだということだ。このままでは遊星とジャックだけで戦わなければ・・・。」

「俺が出るぜ。」

クロウは包帯をとって、立ち上がった。

「大丈夫かよ!?まだ完全に治りきってねえだろ!?」

「そうだよクロウ!もし転倒でもしたら・・・・。」

「分かってる!!でもよ・・・アキをあんな目に合わせたあのカードを許すわけにはいかねえんだよ!!」

「クロウ・・・。」

ヒイロは右手を赤く発光させ、クロウの右肩に当てた。

すると、クロウの右肩の痛みが嘘のように消えた。

「はあ・・・・はあ・・・・。」

右手の光が消えると、ヒイロは近くの椅子に座りこんだ。

「お・・・おい!!ヒイロ!お前・・・。」

「痛みどめはしておいた・・・・。これなら、明日の試合に支障はないだろう・・・。だが、あくまで痛みどめで、効き目は2日後までだ・・・。忘れるな・・・。」

「ああ・・・。ありがとうな・・・。ヒイロ。」

「ああ・・・。」

ヒイロはそのまま意識を失った。

 

「ヒイロ・・・・ヒイロ・・・!!」

「うん・・・。」

ヒイロが目を覚ますと、そこは病室で、龍可が右手を握っていた。

「ヒイロ・・・よかった・・・。」

「心配させやがって・・・。お前、あの後夕方まで意識を失ってたんだぞ!!」

「悪い・・・トオル。力をここまで使ったのは久しぶりだからな・・・・。それより、十六夜は・・・?」

「ああ。治療が終わって、意識を取り戻したぜ。今は遊星と2人きりで話してる。」

「そうか・・・。」

ヒイロはそういうと、対戦表を手に取った。

「チーム・カタストロフの公開処刑はあいつらに任せて、俺たちは次の試合に集中するぞ。」

「ああ。」

「分かってる。」

トオルとミサキはヒイロに同意し、一緒に対戦表を見た。

次の試合の相手はチーム・フレイムスピード。

フォーチューンカップ出場者、炎城ムクロが率いるチームだ。

「(チーム・フレイムスピード・・・お前たちを倒し、本選へ行かせてもらう。)」

 

翌日、スタジアム・・・。

「(ついに始まったー・・・!!WRGP予選Cブロック、チーム・トライウィンズとチーム・フレイムスピードのデュエルだあ!!!)」

ヒイロ達はピットで作戦会議を行った。

「奴らのファーストホイーラーは氷室・・・。最近復帰したプロデュエリストで、遊星の仲間だ。」

「へえー。遊星っていろんな奴が仲間にいるんだな。」

「あいつは今までのこともあって、顔が広くなったからな。」

「なあ、今回も俺を最初に行かせてくれ!!プロデュエリストのデュエルを体感したいんだ!!」

「なら、後始末はヒイロ、最後は私で・・・。」

「な・・・なあ・・・ヒイロが後始末って・・・?」

「そのままの意味。」

トオルは少し悲しげにスクラップランナーに搭乗した。

「ヒイロ!!」

「龍可・・・。今度はピットの方へ来てくれたみたいだな。」

ヒイロはわずかに笑んだ状態で龍可を見た。

「だ・・・だって・・・龍亞が・・・ヒイロのチームのピットクルーになれって・・・。」

龍可は顔を赤くしながらヒイロに言った。

「そうか・・・。」

「ヒイロ・・・その・・・頑張ってね!!」

龍可は真っ赤な顔でヒイロにキスをした。

キスをすると、龍可は自分の席まで逃げてしまった。

「(・・・・。俺の番が来るまでこの顔のままでいろというのか・・・・?)」

ヒイロは赤くなった顔をどうすべきかその場で悩み続けた。




次回、チーム・トライウィンズVSチーム・フレイムスピード!!
相手のもう一人のDホイーラーは何者か・・・?
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