遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第九十七話 離別

「・・・。」

ヒイロは目を開くと、そこは元の場所だった。

「(まったく・・・。渡すタイミングを考えろ。《マリンフォース・ドラゴン》・・・。」

 

ルチアーノ

手札3(うち1枚は《起動砦のギア・ゴーレム》)

ライフ4000

SPC1

場 機皇帝スキエル∞ レベル1 攻撃2200

  スキエルT レベル1 攻撃600

  スキエルA レベル1 攻撃1000

  スキエルG レベル1 守備300

  スキエルC レベル1 攻撃400

 

ヒイロ

手札2(うち1枚は《幻獣ブラックケルベロス》)

ライフ4600

SPC1

場 幻獣リバースカラドリオス レベル3 攻撃700(チューナー)

  幻獣拳闘士パワーギガース レベル5 攻撃2600

  伏せカード2

 

「僕の・・・ターン!!」

 

ルチアーノ

手札3→4

SPC1→2

 

ヒイロ

SPC1→2

 

「永続罠《フルスロットル》!これで、俺はスタンバイフェイズごとにさらにスピードカウンターが1つのる。」

 

ヒイロ

SPC2→3

 

「手札から《SP-リリース&サモン》発動!スピードカウンターが2つ以上あるとき、僕の場のモンスター1体と手札のモンスター1体を墓地へ送る!!」

ルチアーノは《スキエルA》と《起動砦のギア・ゴーレム》を墓地へ送った。

「そして、デッキからレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する!僕はデッキから《スキエルA3》を特殊召喚!!」

《スキエルA》は《起動砦のギア・ゴーレム》のパーツで改造され、《スキエルA3》となった。

 

スキエルA3 レベル3 攻撃1200

機皇帝スキエル∞ レベル1 攻撃2200→2400

 

SP(スピードスペル)リリース&サモン

通常魔法カード

自分のスピードカウンターが2つ以上あるときにのみ発動できる。

自分の手札とフィールドからモンスターを1体ずつ墓地へ送る。

そして、デッキからレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

 

「更に、《スキエルA3》をリリースし、手札から《スキエルA5》を特殊召喚する!!」

「(これで・・・奴の機皇帝はダイレクトアタックが可能になる・・・。)」

 

スキエルA5 レベル5 攻撃1400

機皇帝スキエル∞ レベル1 攻撃2400→2600

 

「《機皇帝スキエル∞》の効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を吸収する!!」

《機皇帝スキエル∞》の胸部から無数の糸が現れ、《幻獣拳闘士パワーギガース》を吸収しようとした。

「罠カード発動。《緊急同調》。ここで俺はモンスターをチューニングさせる。」

「何!?《緊急同調》だと!?」

「レベル5の《幻獣拳闘士パワーギガース》に、レベル3の《幻獣リバースカラドリオス》をチューニング。深海に眠りし破邪の水龍よ!敵の技を無にし、激流の如く邪悪を薙ぎ払え!シンクロ召喚!出でよ、《マリンフォース・ドラゴン》!」

《幻獣拳闘士パワーギガース》は糸を回避し、《幻獣リバースカラドリオス》とチューニング、《マリンフォース・ドラゴン》となった。

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

 

「ちぃ・・・・!!なら僕は手札の《シンクロ・バインダー》の効果発動!このカードをお前の《マリンフォース・ドラゴン》に装備する!!」

ルチアーノの場に首輪の形をしたモンスターが現れ、《マリンフォース・ドラゴン》の首についた。

「くっ・・・・!」

「《シンクロ・バインダー》を装備したモンスターは0となり、効果も無効になる!さらに・・・。」

ルチアーノがデュエルディスクのボタンを押すと、《マリンフォース・ドラゴン》の首輪にすさまじい電気が走った。

「・・・・!!ぐう・・・・うう・・・・!!」

すると、ヒイロの首にも電気が走り、エレキッスが何度も倒れそうになった。

「こいつは電撃でシンクロモンスターに苦痛を与えるのと一緒に、お前にもその痛みを味あわせることができるんだよ!!キャーーーヒャヒャヒャヒャ!!!」

「うう・・・大丈夫か・・・?《マリンフォース・ドラゴン》・・・・。」

《マリンフォース・ドラゴン》はヒイロの方を向くと、苦しそうだが頷いた。

 

シンクロ・バインダー

レベル1 攻撃0 守備1000 効果 風属性 機械族

このカードは手札から装備カード扱いとして、相手の場のシンクロモンスター1体に装備することができる。

このカードを装備したシンクロモンスターの攻撃力は0となり、効果も無効化される。

装備カードとなったこのカードが墓地へ送られたとき、デッキからカードを1枚ドローする。

 

「さあ・・・もっと苦痛を与えてやる・・・・。《機皇帝スキエル∞》で《マリンフォース・ドラゴン》を攻撃!!」

《機皇帝スキエル∞》は《スキエルA5》から大出力のビームを発射した。

ビームを受けた《マリンフォース・ドラゴン》は焼き尽くされ、消滅した。

そして、ヒイロの体にも膨大なダメージを与えた。

「ぐああああ!!!!!」

 

ヒイロ

ライフ4600→2000

 

「がはっ・・・!!」

ダメージの影響で、ヒイロは吐血した。

そして、その血はエレキッスのモニターを汚した。

「これでお前の体は長くはもたないだろ!?キャーヒャヒャヒャヒャヒャ!!!《シンクロ・バインダー》の効果発動!装備カードになったこのカードが墓地へ送られたとき、カードを1枚ドローする!」

 

ルチアーノ

手札4→1

 

「あ・・・あ・・・・。」

体中に傷があり、口にはまだ生暖かい液体が残っている。

「(く・・・。1日で2度もこんな経験を・・・するなんてな・・・・。だが・・・!!)」

ヒイロは残っていた血を路上に吐き捨てると、アクセルを踏み込んだ。

「罠カード発動!《奇跡の残照》!このターン戦闘で破壊された俺のモンスター1体を特殊召喚する。蘇れ!《マリンフォース・ドラゴン》!」

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

 

「ちぃ・・・!!ならもう一度苦痛を与えてやるよ!手札からもう1枚の《シンクロ・バインダー》の効果発動!!」

《シンクロ・バインダー》は初めから電気を走らせた状態で《マリンフォース・ドラゴン》の首についた。

「ぐあああ!!」

ヒイロの首にも強力な電気が走った。

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600→0

 

「ターンエンド!さあ・・・もっともっと苦痛を与えるぜぇ!!」

ルチアーノは《シンクロ・バインダー》出力をさらに上昇させた。

「う・・・ああああああ!!」

ヒイロは意識が飛ぶほどの電流を受けた。

 

ルチアーノ

手札1→0

ライフ4000

SPC2

場 機皇帝スキエル∞ レベル1 攻撃2600

  スキエルT レベル1 攻撃600

  スキエルA5 レベル1 攻撃1400

  スキエルG レベル1 守備300

  スキエルC レベル1 攻撃400

 

ヒイロ

手札2(うち1枚は《幻獣ブラックケルベロス》)

ライフ2000

SPC3

場 マリンフォース・ドラゴン(《シンクロ・バインダー》装備) レベル8 攻撃0

  フルスロットル(永続罠)

 

「あ・・・うう・・・。」

容赦なく襲う電気はヒイロの意識をボロボロにした。

力が入らず、痣の力を引き出せない。

「(まだ・・・まだ俺は・・・!!)」

 

「・・・!!ヒイロ!?」

避難所で、龍可は何かを感じた。

「どうした?龍可??」

「な・・・なんでもないです・・・。」

「ヒイロが心配なのか?」

「・・・・。」

「図星かよ。まあ、気持ちはわかるぜ。無茶ばかりしてるからな。あいつは。でもよ、あいつは絶対勝って戻ってくるぜ!絶対な。」

「・・・。そう・・・・・・よね・・・。」

龍可は急に眠気に襲われた。

「眠いのか?無理しなくていいぜ。」

トオルはセキュリティから毛布を受け取り、彼女に掛けた。

「ありがとう・・・トオルさん・・・。」

龍可はそのまま眠りについた。

 

「(龍可・・・龍可・・・。)」

「ん・・・。」

龍可が目を覚ますと、彼女は白い空間の中で《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の背に乗っていた。

「《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》・・・ここは・・・?・・・!?」

龍可は今の自分の体を見て、顔を真っ赤にした。

「あなたの精神体をここに呼び寄せたのです。ですが、精神体のままでいられる時間は少ない。すぐに向かいますよ。」

「え・・・どこへ・・・・?」

「ヒイロの元へ・・・。今、彼の命の火が消えようとしています・・・。」

《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》は光を放ち、彼女をどこかへ飛ばした。

 

「・・・。」

「キャヒャヒャヒャヒャ!!!もう意識が飛んじまったかあ!?でも、まだ死んでないよなあ!死ぬまでずっと苦痛を与えてやる!!」

ルチアーノは徐々に電気を強めていった。

「(・・・。ここまでなのか・・・?俺は・・・。)」

ヒイロの意識は深い闇の中へ落ちて行った。

「(遊星・・・すまない・・・。合流できそうにない・・・。そして・・・。)」

彼の目にあの女Dホイーラーの姿が浮かんだ。

「(悪いな・・・。俺はこの程度の男らしい・・・。守るべき相手を間違えたな・・・。)」

そして、闇が晴れ、そこは大粒の雨が降るサテライト付近の荒野となった。

「ここは・・・。そうか・・・。ここがルカスの死に場所・・・。」

ヒイロの目の前に傷を負ったルカスが幼少のヒイロを抱いて走ってきた。

「・・・。ちっ・・・。ここまでが限界か・・・。」

ルカスはそういうと、岩陰に幼少のヒイロを隠した。

すると、ギャング達が岩陰から出てきたルカスを取り囲んだ。

「へ・・・。たった一瓶の薬くらい大目に見てくれたってよかったのによお・・・。」

「おい!!てめえ!薬を返しやがれ!!」

「悪いな。あれ、俺の息子に飲ませちまった。ひどい病気だからな。」

「(これは・・・まさか・・・。)」

ヒイロは目を大きく開いた。

ルカスが死ぬ数日前からそこまでの記憶がヒイロにはない。

「ふざけんなあ!!なら、あの薬の代金2000万!!今ここで払ってもらうぜ!!」

「ああ。俺、文無しなんだ。出世払いってことにしといてくれ。」

「てめえええええ!!構わねえ!奴の臓器で2000万稼がせてもらおうぜ!!」

そして、ルカスと数十人のギャングたちの戦いが始まった。

「(ルカス・・・だから・・・ギャングを相手にして・・・・。)」

ルカスは次々とギャングたちを打ち破っていったが、次々と増援が来て、彼は徐々に疲弊していった。

そして・・・。

「動くな!!」

「!!」

部下の一人が隙をついて岩陰に隠されていた眠っている幼少のヒイロの首にナイフを突き立てた。

「さあ・・・デュエルディスクを置け。」

「く・・・・。」

ルカスはデュエルディスクを置き、両手を上げた。

「楽には死なせねえ・・・。やれ。」

ギャングたちは無抵抗なルカスを攻撃した。

「・・・。」

人質を取られたルカスはただその攻撃をじっと耐えていた。

「やめろ・・・やめろ・・・・ルカス!!」

ヒイロはギャングを殴ろうとしたが、その拳は男の体をすり抜けた。

「・・・。何をやっているんだ俺は・・・。これが・・・過去だとしたら・・・もう変えることができない・・・。」

拳を握りしめながら、ルカスが殴られ続けるのを見ていることしかできなかった。

そして、長い時間殴られ続けたルカスは倒れてしまった。

「ちっ・・・。もうくたばっちまったか。」

倒れたルカスを見たギャングは今度は何度も彼を踏みつけた。

「う・・・・ん・・・・。」

「ち・・・目を覚ましやがったか・・・。」

「・・・!!見るな・・・。目を覚ますな・・・!!」

ヒイロの無意味な願いはかなうわけがなく、幼少のヒイロが目を開けて、最初に見たのは血だらけになったルカスだった。

「うわああああああああ!!!!!」

ヒイロの声が荒野中に響き渡った。

 

そして、時が経つと、その荒野にあるのはギャング達の遺体、倒れているルカス、そして赤く塗れたナイフを握っている幼少のヒイロだった。

生きる術としてルカスから受けた訓練は皮肉にもここで役に立ってしまった。

「・・・。そうだ・・・。俺はここで初めて人間を・・・。」

幼少のヒイロはナイフを捨て、倒れているルカスに近づいた。

「・・・・。」

ルカスは目を開けると、彼の視界に入ったのはヒイロの顔だった。

「ルカス・・・。」

「・・・。俺の分まで・・・。」

「・・・。ルカスの・・・分・・・?」

「ああ・・・。俺の分も・・・生きろ・・・。」

ルカスは精いっぱいの笑顔でヒイロを抱いた。

そして、そばに落ちている自分のデュエルディスク、現在のヒイロが使っているデュエルディスクを手に取った。

「受け取れ・・・。俺の・・・夢と希望を・・・。」

ルカスはヒイロを離し、デュエルディスクを差し出した。

モンスターカードゾーンには《EMウィンドナイト》が攻撃表示でおかれていた。

「お前は・・・俺の生きた証だ・・・。アルス・・・・。」

ルカスはそのまま目を閉じ、二度とその眼を開くことは無かった。

「う・・・あ・・・・あ・・・・うわあああああああ!!!!!」

「アルス・・・。俺の本当の名前・・・。」

ヒイロは自ら捨てた本当の名前を口ずさんだ。

ルカスが死んだときに無意識に抱いた罪悪感がそうさせた。

「ヒイロ・・・。」

背後から聞きなれた愛しい声が聞こえた。

「・・・・。見たのか?」

「うん。・・・。泣いてるの?」

「・・・。泣いていない。」

ヒイロは涙を流していないが、顔を見せなかった。

「泣いていいよ・・・。ヒイロ・・・。」

「・・・?」

「ヒイロは何度も私を守ってくれた・・・。だから、ヒイロがつらくて、倒れそうなときは、私がヒイロを守る!!だから・・・。」

龍可はヒイロを後ろから抱いた。

「・・・。それで十分だ。ありがとう・・・・。」

「ヒイロ・・・。早く勝って、一緒に家へ帰ろう。」

「・・・。だが・・・今の俺の体は・・・。」

ヒイロの体はこの場所でもボロボロなままだった。

「大丈夫だよ・・・。ヒイロ。」

龍可はヒイロの腕にそっとキスをした。

すると、ヒイロの体が光に包まれ、傷が癒えていった。

そして、周囲が光に包まれていった。

ヒイロは無傷の体に若干驚いたものの、こういった。

「・・・。龍可・・・。必ず帰る・・・。」

龍可はヒイロの言葉に満足したかのように姿をけし、ヒイロは再びあのハイウェイに戻った。

「何ぃ!?なんで、あいつの傷が消えてるんだよ!!?」

「・・・。ルチアーノ・・・。悪いが、お前には消えてもらう。約束のためにな。」

ヒイロはデッキトップに指をかけた。

「(ルカス・・・。力を貸してくれ・・・!!)俺のターン!!」




かなり強引で、重いヒイロの過去・・・。
自分の文才のなさが悔やまれます・・・。(泣)
感想待ってます!!
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