カーテンがかけられ、明りがデスクスタンドのみになった部屋・・・。
そこにいるのは証言者、イェーガー。
そして、尋問するのはチーム5D’sとチーム・シェリーの面々。
最初に口を開いたのは、遊星だった。
「約束通り、お前の知っていることをすべて話してもらおうか。」
「ヒ・・ヒッヒッ・・・。」
顔が引きつり、何も話さないイェーガーのイスにシェリーのカードが突き刺さった。
「ひい!!」
「知っていること、全部話しなさい。治安維持局とイリアステルに、一体何の関係があるのか・・・。」
「・・・。ごくり。分かりました。」
覚悟を決めたイェーガーは話しはじめた。
自分は貧乏なサーカス団の出身であること。
そして、誕生日に母親が衣装を質に入れて、カップラーメンをプレゼントしてくれたことを。
「ううう・・・分かる!!俺もだあ!!マーサの家で、仲間たちと1杯のカップラーメンを分け合った!!あの味は今も忘れられ・・・・。」
バコン!!
ジャックはトライアクセラーの一撃で気を失った。
「邪魔をして悪かったな。続きを話せ。更にいうと、イリアステルと関係のある話だけしてくれ。それ以外の話は今は不要だ。」
「あ・・・はい・・・・。」
そして、イェーガーは続けた。
カップラーメンがきっかけに彼は治安維持局に就職したこと。
そして、ゴドウィンの元で懸命に働いて、特別調査局室長に出世したこと。
その結果、家族全員にたくさんのカップラーメンをプレゼントすることができたこと。
「それで・・・イリアステルは?」
「へっ?」
シェリーはカップラーメンの話で満腹になるどころか、たいそうご立腹になり、イェーガーの胸ぐらをつかんだ。
「そんなくだらない話で終わりだなんて言わせないわよ!!」
「シェリー・・・。」
遊星にいさめられたシェリーはイェーガーを解放した。
「君は、さっきからイリアステルに触れることを避けているのかい?」
「は・・・はい・・・。それは・・・。」
「名前が表に出て、家族に危害が加えられないかと思っているのか?」
「・・・。」
「早く話さねえと、イリアステルの前にシェリーに殺されるぜ。」
「は・・・はい・・・。」
イェーガーは意気消沈した。
「今回の事件で、ネオドミノシティには大きな被害が出た。」
遊星はイェーガーのために用意したピリ辛レッドデーモンズヌードルを手に取った。
「奴らをあのまま野放しにしていては、カップラーメンを食べてみんなが笑顔になる、そんな当たり前なことまでできなくなるかもしれない・・。」
「あ・・・。」
「そんな未来でいいのか・・・?」
「・・・!!」
カップラーメンを笑顔で食べている自分の家族の姿がイェーガーの目に浮かんだ。
もし、このまま逃げ続けると、家族の笑顔を見ることが永遠にできなくなるかもしれない。
「分かりました。今度こそすべてお伝えしましょう。」
イェーガーは意を決し、知っていることをすべて話した。
そして、夕方になって話は終わった。
「・・・と、言うわけでございます。」
「なるほどな・・・。」
「どうやら、遊星たちの方が知っていることが多いようだ。」
「・・・。徒労か。」
ヒイロ達はディアブロの事件の後、ホセからいろいろ話を聞いたため、イェーガーのそれと比べるとより有益な情報を得ていた。
「奴らの目的は、モーメントごとネオドミノシティを破壊して、未来を変えることだ。」
「な・・・なんですと!!で・・・では、イリアステルの正体は・・・。」
「だから、それをお前に聞いてるんだよ!!」
「本当にそれだけしか知らないの?」
シェリーは再びイェーガーの胸ぐらをつかんだ。
「え・・・ええっと、他に知っていることは・・・あ!!電話です!!」
「電話だと?」
「はい。前に一度だけ、外部の企業から3人に対して電話がありました。相手の詳細は、治安維持局の機密データベースに保存されているはずです。」
「そのデータベースはどこなんだい?」
「それは・・・・。」
ブルーノの質問に、イェーガーは少し言いにくそうな表情になった。
そして、午後7時半、シティ繁華街にあるゲームセンター、ゲームパラダイス。
そのゲームセンターのアトラクションの1つ、疑似ライディングデュエルゾーンにヒイロ達はいた。
「本当にこの中に機密データベースがあるのか?」
「ヒッヒッヒッ、ここにあるのはごく一部の人間しか知らないのですよ。」
「どう見ても、ただのゲーム機だけど・・・。」
龍亞は不思議そうにこのアトラクションを見た。
「そうでしょう?こんなところに治安維持局のデータベースにアクセスする端末があるとはだれも思いません。たとえ何者に尾行されていても、安心してデータを引き出せるというわけです。」
イェーガーは得意げにアトラクションを起動させ、パスワードを入力した。
「そんな理由でこんな手の込んだ偽装をしたのかよ!?」
「クロウ。静かにしろ。」
「ヒッヒッヒッ、たとえ遊んでいても、任務だといえば何の問題もありませんからね。」
「そっちが本音じゃないの?」
「すごいんだか・・・すごくないんだか・・・。」
龍亞と龍可は評価の苦しんだ。
「これでよし。」
ゲームを起動すると、いきなり画面にあるヒーローが現れた。
「ワンターン!!」
「げっ!!カップラーメンマン!?」
クロウは最新のトラウマ、カップラーメンマンに拒否反応を示した。
そして、詰めデュエルの画面が出た。
プレイヤー
手札2(《SP-スピード・エナジー》《ジェスター・コンフィ》)
ライフ1000
SPC4
場 ジェスター・ロード レベル1 攻撃0
伏せカード1(《サンダー・ブレイク》)
カップラーメンマン
手札0
ライフ1800
SPC4
場 C-バソキアン レベル5 攻撃1600
「これは・・・詰めデュエルか?」
「はい。パスワード代わりの詰めライディングです。問題は2問。チャンスは3回です。私が軽く説いて見せましょう。私はカードを1枚伏せ、罠カード《サンダー・ブレイク》を発動。手札から《ジェスター・コンフィ》を墓地へ送り、《C-バソキアン》を破壊します。」
上空から雷が落ち、《C-バソキアン》は破壊された。
C(カップ)-バソキアン
レベル5 攻撃1600 守備1600 効果 闇属性 魔法使い族
表側攻撃表示で存在するこのカードが戦闘で破壊され、墓地へ送られたとき、相手の手札をすべて墓地へ送る。
「これで、場に存在するモンスターは《ジェスター・ロード》のみ。これで、効果で攻撃力がアップします。」
ジェスター・ロード レベル1 攻撃0→1000
「失敗だな。」
「へ・・・?」
「相手ライフは1800。そして《ジェスター・ロード》の攻撃力は1000。これでは詰めない。」
「あ・・・。」
画面上のイェーガーは詰めデュエル失敗のペナルティとしてカップラーメンマンの必殺技、ソースビームの餌食となり、クラッシュした。
「何をしている・・・?」
ヒイロはかなり白い目でイェーガーを見た。
「え・・・ええっと・・・そ・・・それは・・・部下に問題の設定を任せておりまして・・・。」
「俺がやる。」
ヒイロはイェーガーをおろし、代わりに問題を解き始めた。
プレイヤー
手札2(《SP-スピード・エナジー》《ジェスター・コンフィ》)
ライフ1000
SPC4
場 ジェスター・ロード レベル1 攻撃0
伏せカード1(《サンダー・ブレイク》)
カップラーメンマン
手札0
ライフ1800
SPC4
場 C-バソキアン レベル5 攻撃1600
「俺は《スピード・ワールドⅡ》の効果を発動。スピードカウンターを4つ取り除き、手札のSPを公開することで、相手に800ポイントのダメージを与える。」
画面上のヒイロの手から水の波動がカップラーメンマンに向かって発射された。
カップラーメンマン
ライフ1800→1000
「(ここまで凝っているのか・・・?このゲームは・・・。)そして、カードを1枚伏せ、《サンダー・ブレイク》を発動。《ジェスター・コンフィ》をコストに、《C-バソキアン》を破壊。」
《C-バソキアン》が破壊されたため、《ジェスター・ロード》はジャグリングをはじめた。
ジェスター・ロード レベル1 攻撃0→1000
「バトル。《ジェスター・ロード》でダイレクトアタック。」
《ジェスター・ロード》の攻撃を受けたカップラーメンマンは派手に吹き飛んだ。
カップラーメンマン
ライフ1000→0
「ふん・・・。」
「なるほど。《スピード・ワールドⅡ》の効果でダメージを与えるのがポイントだったのですねえ。」
「・・・。」
ヒイロは再びイェーガーを白い目で見ると、次の問題も簡単に解いた。
「すぐに通信記録を探してくれ。」
「あ・・はい。外部からの通信記録は・・・。」
イェーガーは最近の記録からそれを検索すると、ある企業名が現れた。
「モーメント・エクスプレス開発機構、クラーク・スミスが責任者で、物質転送装置開発を目的としている組織か・・・。」
「詳しいですね。やはり、元アルカディアムーブメントのメンバーだからですか?」
「ああ。1度だけその組織の施設に侵入したことがある。そこでいろいろ資料を手に入れたが、本部ビルと運命を共にした。侵入する価値はある。」
ヒイロ達はポッポタイムへ戻ると、モーメント・エクスプレス開発機構に侵入するための作戦会議を始めた。
イェーガーの情報により、モーメント・エクスプレス開発機構を知ったヒイロ達。
はたして、そこで見るものとは・・・?
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