遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第百三話 夢幻

「負けねえぜ!ヒイロ!」

「無理をするな。まだ傷は完全に治っていないだろう?」

ヒイロとクロウはクロウのリハビリを兼ねてプラクティスを行っていた。

「良かった・・・。クロウの傷がだいぶ治ってきてるわ!」

「これなら、決勝までには何とかなりそうね。」

龍可とアキはクロウの順調な回復に安心した。

「ヒイロ!」

「なんだ?クロウ。」

「悔しいけどよお、決勝でイリアステルと戦う時は頼むぜ!!」

「クロウ・・・。」

「お前なら、絶対に遊星たちの力になれる!!」

「・・・。分かった。必ず勝つ。」

ヒイロとクロウはスピードを上げていった。

 

「龍亞が来ていない?」

プラクティス終了後、ヒイロは龍可と話していた。

「うん。たぶん、ドミノマートにいると思うけど・・・。」

「分かった。俺が探してくる。龍可は戻っていろ。」

ヒイロはストライクチェイサーに搭乗し、龍亞を探しに向かった。

「(龍亞・・・あいつがプラクティスを見に来ないのは珍しい・・・。何かあったのか?)」

 

ダイモンエリアに近づくと、物陰で何かを見ている龍亞を見つけた。

「龍亞。どうした?・・・その足は・・・。」

「しーーー!!」

龍亞はヒイロを黙らせた。

「・・・?」

ヒイロは龍亞が見ている方向を見ると、そこには必死でボロボロのDホイールを修理しているジャージ姿の3人組がいた。

「誰だ?あいつらは。」

「チーム・太陽。田舎から来て、本選に出場が決まったチームなんだ。でも・・・。」

「ゴーストにやられたのか?」

「うん。それで、遊星たちに頼んでみようと思ったんだけど、どうしても自分たちの力で何とかしたいって・・・。」

「そうか・・・。だが・・・。」

ヒイロは再び彼らの様子を見た。

エンジン部分の修理が困難で、何度も修理、試験運転を繰り返しているが、少しも事態が進展しない。

「・・・。帰るぞ。明日、遊星たちに頼んでみよう。あのまま不戦敗になっては気分が悪い。」

「ヒイロ・・・。うん!!」

龍亞はヒイロとともに帰宅した。

 

「(Dホイールの修理?)」

「ああ。チーム太陽という、1台だけのDホイールで戦っているチームだ。だが、ゴーストの被害でこのままでは出場できないくらいまでDホイールが損傷している。」

ヒイロは夜に自室で遊星と連絡を取っていた。

「彼らは自分たちでどうにかしたいらしいが、結果は目に見えている。それに、龍亞はどうにかしたいらしいからな。頼めるか?」

「(分かった。明日は修理の依頼はない。ブルーノと一緒に修理しよう。)」

「助かる。明日、ポッポタイムで会おう。」

ヒイロは携帯を切り、座ったまま眠った。

 

翌日の朝、ヒイロは龍亞、遊星、ブルーノとともにチーム太陽がいると思われる公園へ向かった。

場所は龍亞の案内で向かった彼らが宿泊するホテルのフロントから聞いた。

とうとうそのDホイールは起動すらしなくなったらしく、3人とも行き詰まっていた。

「龍亞・・・遊星だあ!!」

「龍亞・・・。」

緑のジャージを着た男が遊星を見て、目を輝かせ、赤いジャージを着た男は驚きながら龍亞を見た。

一方、青いジャージを着た男は不満げに龍亞を見た。

「余計なことだと思ったんだけど、もし直ってなかったらと思ってさ。」

「これかあ、手製のDホイールってー。」

ブルーノはいつもの好奇心から彼らのDホイールを触ろうとした。

「触るな!!」

青いジャージの男がブルーノの前に立った。

「だから、助けはいらねえって言っただろ。」

「ありがとう。龍亞。実は困っていたところなんだ。」

「・・・!!太郎・・・・。」

「すまない。ジン。」

赤いジャージの男、太郎は申し訳なさそうに青いジャージの男、ジンを見た。

「もう俺には何をどうやったらいいのだか・・・。」

「だからって、こんな奴らに頼まなくても、これまでだってやってきたじゃないか!!誰の力も借りず、俺たち3人の力だけで!!」

ジンは太郎の考えを変えるために必死に訴えた。

「なら、ジンは決勝トーナメントに出場できなくてもいいのか!?」

「え・・・。」

「初めは勝てるかすらわからなかった。でも、勝てた。まぐれかと思ったけど、次も勝てた。そして、予選も通過して・・・。」

太郎は予選通過した時までのことを思い出していた。

「たしかに、ジンの言うとおり、自分たちの力だけで戦うのには意味があるのかもしれない。でも・・・俺は出てみたいんだ。決勝トーナメントに出て、俺たちのデュエルがどこまで通用するかを試してみたいんだ。頼む、ジン。このままだと、決勝トーナメントに出られないんだ!」

「・・・。勝手にしろ!!」

根負けしたジンは太郎の決意に満ちた目をこれ以上みることができず、目をそらしてしぶしぶ同意した。

「ありがとう・・・。ジン・・・。」

「「よろしくお願いします」」

太郎と緑のジャージを着た男は頭を下げた。

「ふん・・・。だが、もう触られているぞ。」

「え・・・?」

2人は自分たちのDホイールを見ると、すでにブルーノが修理を始めていた。

「へえ・・・。こんな風になっているのかあ。」

 

「く・・・。」

遊星たちが修理している中、ジンは不満げに遠くで座っていた。

「すまないな。余計なことをした。」

ヒイロはコーヒーをジンに勧めた。

「いらねえ・・・。」

「そうか。・・・。俺はお前がうらやましい。」

「え・・・?」

「自分たちの力をここまで信じることができる。もし、同じ立場ならおれならどうしていただろうな・・・。」

ヒイロは空を見上げた。

「・・・。あんた・・・誰なんだよ?予選ではチーム5D’sのメンバーに入ってなかっただろ?」

「俺はヒイロ。故あって本選から参加することになった。」

「あ・・・あのお・・・!!」

ヒイロとジンが話している中、緑のジャージを着た男が遊星の前に立った。

背にはデッキを隠していた。

「ええっと・・・・その・・・サイン!もらえますか!?おっ父とおっ母とじっちゃんとばっちゃんと隣の田吾作の分も!!」

男は遊星にデッキを差し出した。

《マグネッツ1号》《コピックス》《ワイト》・・・。

どれもレトロな通常モンスターカードだ。

「うわあ・・・通常モンスターばっかり。」

「あ・・・!!バカ!!ヨシ!!」

ジンは大急ぎで緑のジャージを着た男、ヨシからデッキを取り上げた。

「人にデッキを見せる奴がいるか!!」

「たく・・・。お前ってやつは・・・。」

「仕方ないだろう・・・・。ノート忘れちゃって、他にサインできるものがなくて・・・。」

「だからってなあ!!これからデュエルの相手になるかもしれないってやつに・・・。」

「うん?これは・・・。」

ブルーノはDホイールの中からハンガーを取り出した。

「ああ・・・。これはY字フックの代わりだな。しなりがあって、フィットしやすい。」

「なるほど・・・。」

遊星はハンガーの形を調整して、中にセットした。

「俺も昔は、集めた部品を使って、Dホイールを作っていたからな。」

「ああ・・・。サテライトでな。」

ヒイロは鬼柳と初めてライディングデュエルをしたときのことを思い出した。

その時は、ルカスからもらったデッキではなく、捨てられたカードやセキュリティから奪ったカード、仲間から分けてもらったカードで作ったデッキで戦った。

それが、ヒイロが今使っている幻獣デッキの始まりだ。

「え・・・?遊星が?」

ヨシは意外そうに遊星を見た。

「その時はなりふり構わずだったからな。ゴミから車の廃材、おもちゃの部品も使ったからな。」

「・・・・。」

ジンは遊星の意外なところを知り、黙ってじっと懐かしそうに修理をしている遊星の姿を見た。

 

そして、夕方。

「よーし。エンジンの修理は終わったよ。」

「モニターの修理も終わった。これで、走れるだろう。」

「さっそく試してみよう!!」

ヨシは嬉しそうにDホイールに搭乗し、発進させた。

Dホイールの性能は格段に上昇していて、激しい動きにも耐えていた。

「あれが俺たちのDホイールかよ・・・。」

ジンは驚きながら自分たちのDホイールの圧倒的な性能を見た。

「マシン・デイブレイク・・・。夜明けか・・・。」

「え・・・?なんで俺たちのDホイールの名前を?」

「モニターの修理をした後、つけたら名前が出てきてな。なるほど、お前たちにピッタリな名前だ。」

「ヒイロ・・・。」

「トーナメント・・・いい戦果を挙げられたらいいな。」

「・・・。ああ!!」

 

翌日、ヒイロ達はドームにいた。

決勝トーナメント初戦の相手を確認するためだ。

「みなさん、お待たせしました。それでは、WRGP決勝トーナメントの組み合わせを発表いたします!!」

すると、最初にAブロックの組み合わせが掲載された。

チーム・ニューワールドVSチーム・ジ・アーム、チーム・スモールフィールドVSチーム・ブラックバロンだった。

「俺たちと決勝で戦うために改ざんしたか・・・。」

続けて、Bブロックの組み合わせが発表された。

チーム・ラグナロクVSチーム・フォーチュンアーク、そして・・・・。

「初戦の相手は・・・チーム・太陽か・・・。」

「ああ・・・。」

太郎たちはこのような形でヒイロ達と戦うことになったことに驚いた。




チーム・太陽と戦うことになったチーム5D’s!!
あのモンスターの出番が近いか・・・・?
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