遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第百十五話 絶望

数週間、数か月とギルバードは同じように友人とデュエルする日々が続いた。

だが、突然その日常が終わった。

「なんだ・・・この機械は!?お前たち!!逃げろ!!」

ギルバードと母親は父親と一緒に《機皇帝グランエル》そっくりな機械から逃げていた。

「(機皇帝・・・!?なぜ機皇帝がこいつを襲う・・・?)」

「うわあ!!」

走っている途中にギルバードが倒れ、その瞬間、《機皇帝グランエル》は大出力ビームで彼の父母を一瞬で焼き尽くした。

「う・・・・そ・・・。父さん・・・母さん・・・。うわあああああ!!!」

その時、彼の髪は絶望からか、赤から白に変わってしまった。

「おい!!子供がいるぞ!」

「急いで救助しろ!!」

ギルバードは近くにいた警察に救助され、避難シェルターでその後の少年時代を過ごした。

そこで、彼は両親を殺害した機械の正体を知った。

その機械はモーメントの逆回転によって暴走したネットワークから人類の抹殺を命令された機甲兵士だった。

それからの日常はデュエルではなく、銃火器の使い方、ゲリラ戦、過酷な訓練が休みなしで続く日々・・・。

だが、それは彼が望んだことだった。

これで両親の敵を討つことができるからだ。

そして、彼の容姿がプラシドそっくりになったころ、恋人ができた。

明るく、お人好しな女性だ。

「(今度はプラシドそっくりに・・・。ルチアーノとプラシドは同一人物なのか・・・・?)」

ヒイロは彼の体を動かすのをあきらめ、ただじっと彼の見ているものを覚えていくことにしていた。

ギルバードと彼女はゲリラ戦で《機皇帝ワイゼル》そっくりな機甲兵士を破壊した。

「やったわ!!・・・ねえ、ギル?」

「なんだ?メリル・・・。」

「あのさ・・・もうすぐ、あなたの誕生日よね。」

「ああ。それがどうした?」

「あの・・・その日に・・・私と・・・。」

「・・・!!」

ギルバードの目の前に再びあの《機皇帝グランエル》そっくりな機甲兵士が現れた。

そして、ビームが2人を襲う。

「あいつは・・・。」

「・・・!!ギル!逃げて!!」

メリルはギルバードを突き飛ばした瞬間、彼女はビームに焼かれていった。

「そ・・・んな・・・。メリル・・・。」

機甲兵士はなぜか目の前の彼を見逃し、どこかへ行ってしまった。

「これは・・・・。」

彼は足元にある箱を見つけた。

箱の中には指輪があり、手紙があった。

「(ギル 誕生日おめでとう!!)」

「メリル・・・うわあああああ!!!」

「(あいつは・・・俺そっくりだ・・・。)」

ヒイロは両親を失ったとき、そしてルカスを失った時のことを思い出した。

彼はその後、数々の戦線に身を投じた。

そのたびに仲間ができ、そして失い続けた。

そしてある日、モーメントと機甲兵士はすべて自爆し、全生物が死に絶えてしまった。

その時の彼の容姿はホセそっくりな老人で、その惨劇の後も生き延びていた。

「誰か・・・誰かいないのか・・・?だれでもいい・・・・。私の声にこたえてくれ・・・!!」

ギルバードは様々な都市を彷徨い、空腹に耐えきれず、ついに倒れてしまった。

「父さん・・・母さん・・・メリル・・・。どうして・・・私は・・・。」

死を願った彼の前に3人の男が現れた。

右側のサングラスをつけた男は青い髪の女の赤ん坊を抱いていた。

そして、中央にいる右半身が機械の男が彼に手を差し伸べた。

「我々は・・・人類最後の生き残りだ。生き残った者としての使命を果たそう。」

「生き残った者としての・・・使命・・・。」

彼はその男たちとともに研究に没頭する日々を過ごした。

そこで、彼はアポリアというコードネームを与えられた。

「(まさか・・・これは・・・。)」

その研究の中で、モーメントと機甲兵士の自爆の原因がネットワークが地球を守るために人類との対消滅という結論を出したことだということが分かった。

そして、逆回転の原因がシンクロ召喚とDホイールからモーメントが人々の心の闇に反応してしまったからだということも・・・。

彼らは世界を再生させる方法を探し続けた。

しかし、その方法を見つけることができず、仲間は一人、また一人と老衰で世を去った。

十数年がたち、今度はアポリアが老衰で倒れた。

カプセルの中で眠るアポリアの前に自分に道を示してくれた男が現れた。

その男は遊星のDホイールそっくりな白い機械に搭乗していた。

そして、そばにはミサキそっくりな少女がいた。

「アポリア・・・。君も私を置いていくのか・・・?」

彼の声はほとんど機械音だが、その中には哀しみを感じられた。

「Z-ONE・・・。この世界にはもはや希望はない・・・。ゴホッ・・・ゴホッ・・・。」

「アポリア・・・。」

「聞いてくれZ-ONE・・・。私の心は3つの絶望でできている・・・。愛してくれるものがいなくなった絶望・・・愛する者がいなくなった絶望・・・愛さえいらなくなった絶望・・・。」

アポリアは失ってしまった多くの大事な人々のことを思い出していた。

「この力を利用しろ・・・。Z-ONE・・・。その3つの絶望を分けて、君の下僕として使え!!」

「アポリア・・・約束しよう。」

「君が・・・未来を・・・・希望を取り戻せ・・・!!この子のためにも・・・。」

アポリアは少女をじっと見た。

「アポリアおじいちゃん!!」

「ゼロ・・・。Z-ONEを支えてくれ・・・。去って行った仲間たちの分も・・・。」

アポリアはそのまま目を閉じた。

「もう一人・・・別れを告げるべき男がいたな・・・。」

「(何・・・!?)」

ヒイロはアポリアからなぜか離れて行った。

「いつから私の頭の中にいるのか・・・・どこから来て、どこへ帰るのかは分からないが、いつか・・・お前と会えたら・・・な・・・。」

こうして、アポリアはその生涯を終えた。

「そうか・・・・。これが変えようとした未来か・・・。」

ヒイロの周囲は闇に包まれ、何も見えなくなった。

「確かに・・・このままだと世界は滅ぶかもな・・・。だが、そのやり方は嫌いだな。」

目の前に真っ白なカードが現れた。

「・・・。必ず止める・・・。そして、俺たちが本当に最善の道を見つける。」

ヒイロは決意とともにカードを取ると、周囲は光に包まれていった。




アポリアの過去を追体験したヒイロ。
遊星とアポリアのデュエルは一体・・・!?
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