遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第百十六話 激震

「う・・・・う・・・」

「・・・ヒイロ・・・?」

龍可はヒイロの手がかすかに動いたのを感じた。

「・・・。龍・・・可・・・?」

「ヒイロ・・・ヒイロ!!」

ゆっくり目を覚ましたヒイロに龍可は思いっきり抱きついた。

「心配かけたな・・・。」

龍可の頭をなでると、ヒイロは傷の具合を確認した。

眠っていたことと、痣の力のおかげか、回復していた。

「遊星は・・・デュエルはどうなった・・・?」

「勝ったわ!もうすぐピットに戻ってくるわ!」

「そうか・・・。」

ヒイロはようやく安堵の表情を見せた。

「初めて見ました・・・。あなたがこのように笑うのは・・・。」

「・・・。うれしいことがあれば、誰だって笑う。行くぞ。あいつを迎えるために。」

「うん!」

「だが、その前に・・・。」

ヒイロは意識を失ったままのジャックに近づき、痣の力で治療を始めた。

 

「(第1回WRGP優勝チーム、チーム5D’sのラストホイーラー、不動遊星が戻ってきたぞーーーーー!!)」

再び戻った青空のもと、観客は大歓声で遊星を迎えた。

「間に合ったな・・・。」

4人はギリギリで遊星が到着する前にピットにたどり着いた。

「ジャック!ヒイロ!意識が戻ったんだな!」

「ああ・・・。眠っている中で、アポリアが行っていた未来を見た・・・。」

「そうか・・・。俺もアポリアから聞いた。未来を変えたいという思いだけは、共感できた。」

「不動遊星・・・。」

ピットにチーム・ラグナロクのメンバーが来た。

「見事だ。これでラグナロクは阻止された。」

銀髪の男はヒイロに目を向けた。

「君が不動遊星が言っていた男、ヒイロ・リオニスか・・・。」

「あんたは?」

「私はハラルド。チーム・ラグナロクのリーダーだ。そして、赤い髪の男はブレイブ、そしてあの黒と黄色が入り混じった髪の大柄な男がドラガンだ。」

「そうか・・・。いつか、お前たちとデュエルしたいものだな。」

「ならば・・・記念にここでやろうか?」

ハラルドはデュエルディスクを展開させた。

「ふっ・・・。」

「ああ!!ちょっとストップストップ!!」

ヒイロとハラルドの間に龍亞が割って入った。

「それより今は・・・そーれ!!」

龍亞はヒイロの顔に向かってノンアルコールシャンパンをぶちまけた。

「ペッ・・・ペッ・・・。やってくれたな・・・。龍可。シャンパンを。」

「うん!楽しんでね!」

龍可はすでに調達したシャンパン2本をヒイロに手渡した。

「龍亞。行くぞ。」

「え・・・?」

ヒイロはお返しとばかりに龍亞にシャンパンを2本一気にぶちまけた。

「うわあ!!やったなーーー!!」

「ちっくしょーー!!うらやましすぎだぜ!!俺も混ぜろー!!」

トオルもシャンパンを持って、クロウと一緒にジャックと戦闘状態になっていた。

「これで・・・未来は・・・。・・・・!!」

ミサキは上空をみて唖然とした。

「ん?どうしたんだよ?ミサキ?」

「・・・。あれを・・・。」

「あれって・・・・げげ!?」

トオルがミサキが指差す方向を見て驚いた。

「どうした?」

「ヒイロ・・・。戦いはまだ終わっていなかったわ・・・。」

「・・・。そうか・・・。」

ヒイロは上空に出現した城を見た。

「アーク・クレイドル・・・・人類最後のモーメント・・・。」

遊星はチーム・ニューワールドを倒したにもかかわらず、出現したその城に怒りを覚えた。

「チーム5D’s!!」

「イェーガー・・・?」

イェーガーが息を切らせながら、ヒイロ達のもとまで走ってきた。

「すぐに治安維持局へ向かいましょう!!これからの対策を考えるのです!!」

「・・・。そうだな。ここで考えていても無駄だからな・・・。」

 

治安維持局では、アーク・クレイドルに関する情報をかき集めていた。

「大変です!!モーメントの出力が急速に弱まっています!!」

「このままでは機能が・・・!!」

「警邏隊A-101から報告!チェイサーⅡが機能停止!!」

「B-501、F―231からも同様の報告が!!」

「それだけではありません!!ネオドミノシティの車両も機能停止!施設の電力もすべてブラックアウト!!」

オペレータールームは次々と起こる異変への対応に苦心していた。

「アーク・クレイドルが原因か・・・・?」

「長官!旧モーメントが起動しました!!しかも、逆回転です!!」

「なんですとーー!!」

「旧モーメントだと・・・!?」

遊星はまさかの報告に大きく目を開いた。

ダークシグナーとの戦いの後、旧モーメントはセキュリティが厳重に管理することとなり、機能も無期限停止となっていた。

「衛星からキャッチした映像、送ります!!」

中央のモニターにアーク・クレイドルの映像が現れた。

そして、その中央にある巨大なモーメントが逆回転していることが分かった。

「マイナス回転するモーメントのエネルギーとプラス回転しているモーメントのエネルギーの相殺が原因か・・・・。」

「長官!!例の物体が徐々に下降しています!!」

「え・・・!?」

「なんだと・・・・!!」

その場にいた全員が、その報告に凍りついた。

「現在のスピードから計算すると、あの物体がネオドミノシティと激突するまで残り12時間!!モーメントが停止している今では、住民全員の避難は困難です!!」

「非常事態を宣言してください!!予備電源をすべて、ネオドミノシティのモニターへ!!」

イェーガーは大急ぎで放送室で非常事態宣言を行った。

「(Z-ONE・・・。あなたは・・・・。)」

ミサキは拳を握りしめた。

 

街はパニック状態になっていた。

非常事態宣言で、アーク・クレイドルの落下を知った人々は我先にと言わんばかりに逃げはじめていた。

局内の職員も、イェーガーの命令ですべて避難することになった。

「遠隔操作できるカメラはすべてアーク・クレイドルに向けたよ。」

ブルーノは様々な角度から撮影したアーク・クレイドルをモニターに出した。

アーク・クレイドルはこうしてみると、崩壊した都市に見えて仕方がなかった。

そして、遊星は決定的なものを目にする。

「これは・・・。」

「どうしたの?遊星。」

それはボロボロになっていた、未完成の橋、サテライトの人々にとっての希望だった。

「ダイダロスブリッジ・・・。」

「未来のサテライトで作ったのか・・・。」

「何か止める手立てはないのですか!?」

全員が黙り込む中、一人だけ声を出す男がいた。

「あるかもしれない。」

「何・・・?ブルーノ・・・。」

「アーク・クレイドルの中央にはマイナス回転しているモーメントがある。それに、より強いプラス回転のモーメントをぶつければ・・・。」

「だが、起動しているモーメントはないぞ。うん・・・?」

監視カメラが、局に向かって疾走している3台のDホイールの姿を映した。

「チーム・ラグナロク・・・。」

「なぜあのDホイールが・・・。」

 

ヒイロ達は彼らを局の前で出迎えた。

「神のカードの力を使ったのか?」

「半分正解だが、本当はこれ。」

ブレイブは自身に左目をヒイロ達に見せた。

その眼には不思議な文字が描かれていた。

「その眼は・・・?」

「君にはまだ説明していなかったな。我々はルーンの瞳を持っている。そのおかげでイリアステルの影響を今まで受けてこなかった。」

「ということは・・・。」

ヒイロは大急ぎでストライクチェイサーに搭乗した。

すると、それが起動し、自動的にスタッグと合体した。

「なるほど・・・。これが龍の鎧であり、馬の鎧でもある共振機、スタッグか・・・。」

ハラルドは興味深そうにストライクチェイサーを見た。

「動くぞ!!」

「よっしゃあ!!これで俺たちはまだ走れるぜ!!」

「いや。まだ問題がある。あの高さまでどうやって行くかだ。それがわからなければ振り出しだ。」

「そう・・・だったな・・・。」

ヒイロ達は再び悩み始めた。

「(お久しぶりね。遊星。ヒイロ。)」

遊星のDホイールから聞き覚えのある女性の声が聞こえた。

「・・・。シェリー!!生きていたのか!?」

遊星はモニターを見ると、そこにはシェリーが映っていた。

「お嬢様!!」

「遊星。ヒイロ。私は未来を見たわ。あなたたちはアーク・クレイドルに来ないほうがいい。私が見た未来。アーク・クレイドルであなたたちが死ぬという未来よ。」

彼女の言葉に、全員が再び凍りついた。

「俺が・・・死ぬだと・・・・!?」

「・・・。」

遊星は動揺を隠せず、ヒイロは表情1つ変えずに彼女をじっと見ていた。




シェリーが言っていた遊星とヒイロの死の未来!!
それは一体・・・!?
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