遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第百二十話 奈落

(ゼロのメインフェイズ1中)

ゼロ

手札4→3

ライフ1000

SPC6

場 覚醒王グレナビューレ レベル12 攻撃4000

  シンクロ・グリード(永続罠)

 

ヒイロ

手札2

ライフ3000

SPC6

場 オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3200

  伏せカード3

 

「これが・・・・カオスフュージョンシンクロ・・・。」

ヒイロは《覚醒王グレナビューレ》から感じる圧倒的な力に戦慄した。

「《シンクロ・グリード》の効果でお互いにデッキからカードを1枚ドローする!」

 

ゼロ

手札3→4

 

ヒイロ

手札2→3

 

「だが、《オチェアーノ・ドラゴン》はお前の場のモンスター効果を封じる。バインドマッドストリーム!」

《オチェアーノ・ドラゴン》は再び濁流を起こしたが、《覚醒王グレナビューレ》は不可視のバリアでそれを弾いた。

「何!?」

「このカードは相手モンスターの効果を受けないわ。私が《オチェアーノ・ドラゴン》のことを計算に入れずにこのカードを召喚したと思ったのかしら?」

「・・・・。」

確かに、ゼロはヒイロやトオルと何度もデュエルをした。

そして、無意味な行為は一度もしていない。

「バトル。《覚醒王グレナビューレ》で《オチェアーノ・ドラゴン》を攻撃。」

「《オチェアーノ・ドラゴン》は1ターンに1度、戦闘では破壊されない。ポセイドンバリア。」

《オチェアーノ・ドラゴン》は激流のバリアで囲まれた。

「でも、このモンスターが戦闘で相手に与えるダメージは2倍になるわ!」

「何!?」

「《覚醒王グレナビューレ》の攻撃。ウェイクアップ・アルティメットソード!」

《覚醒王グレナビューレ》は黄金の大剣を天に掲げ、雷をそれに落とした。

雷の力を受けた大剣は《オチェアーノ・ドラゴン》のバリアを破壊し、ヒイロに凄まじい電撃が襲いかかった。

「うわああああ!!」

 

ヒイロ

ライフ3000→1400

 

覚醒王グレナビューレ

レベル12 攻撃4000 守備4000 シンクロ 光属性 戦士族

融合モンスターのチューナー+チューナー以外のシンクロモンスター2体以上

このカードをシンクロ召喚する際、手札から「超融合」1枚を墓地へ送らなければならない。

このカードは相手のモンスター効果を受けない。

このカードが戦闘で相手ライフに与える戦闘ダメージは2倍になる。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

このカードは戦闘では破壊されない。

 

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド。さあ、ヒイロ。このモンスターを倒さないと、あなたに勝利はないわよ。あと、そろそろ何かを感じるかしら?」

「何・・・!?」

ヒイロの痣が再び光り、様々な光景が脳裏に焼き付く。

アクセルシンクロを超える存在に追い詰められる遊星・・・。

邪悪な門に拘束されたシェリーの捨て身の攻撃に傷つきアキとクロウ・・・。

アポリアの容赦ない攻撃に傷つくジャック・・・。

そして、その攻撃の影響で瀕死になった龍可と無力を絶望する龍亞・・・。

「く・・・。命が・・・消えていく・・・。」

ヒイロはグリップを握りしめた。

「どうやら、あなたたちの死の未来は変化して、あなたたちとその仲間があえなく死んでいく未来になってしまったようね。」

「・・・。」

ヒイロは自分のデッキトップに指を掛けた。

 

 

ゼロ

手札4→3

ライフ1000

SPC6

場 覚醒王グレナビューレ レベル12 攻撃4000

  シンクロ・グリード(永続罠)

  伏せカード1

 

ヒイロ

手札3

ライフ1400

SPC6

場 オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3200

  伏せカード3

 

「俺のターン!」

 

ヒイロ

手札3→4

SPC6→7

 

ゼロ

SPC6→7

 

「罠発動。《プランター・デストロイ》。私の場の永続罠カード1枚とあなたの場の魔法・罠カード2枚を破壊する。」

《シンクロ・グリード》は大爆発を起こし、ヒイロの伏せカード2枚が瞬時に灰になった。

 

破壊されたヒイロの魔法・罠カード

・リビングデッドの呼び声

・ミラージュ・ルーラー

 

プランター・デストロイ

通常罠カード

自分フィールド上に表側表示で存在する永続罠カード1枚と、相手フィールド上に存在する魔法・罠カード2枚を破壊する。

 

「俺は手札から《SP-ダウン・シフト》を発動。俺のスピードカウンターを6つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。」

 

ヒイロ

手札4→5

SPC7→1

 

「俺は・・・・カードを2枚伏せ、ターンエンド・・・。」

ヒイロはカードを確認すると、苦しい表情を浮かべながら終了宣言をした。

 

ゼロ

手札3

ライフ1000

SPC7

場 覚醒王グレナビューレ レベル12 攻撃4000

 

ヒイロ

手札5→3

ライフ1400

SPC1

場 オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3200

  伏せカード3

 

「私のターン。」

 

ゼロ

手札3→4

SPC7→8

 

ヒイロ

SPC1→2

 

「罠発動!《スキル・サクセサー》。俺の場のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで400ポイントアップさせる。」

《オチェアーノ・ドラゴン》は赤く発光し、力が高まった。

 

オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3200→3600

 

「(これで・・・少なくともライフは・・・。)」

「私は《スピード・ワールド2》の効果発動。スピードカウンターを4つ取り除き、手札のSP1枚を相手に見せることで、相手に800ポイントのダメージを与える!」

ゼロはドローしたカード《SP-ファイナル・アタック》を公開すると、オメガ・ホークから火炎放射が放たれた。

「ぐうう・・・・。」

 

ヒイロ

ライフ1400→600

 

ゼロ

SPC8→4

 

「ヒイロ・・・。これであなたは終わりよ。でも、安心しなさい。あなたが愛する人もすぐに後を追うから・・・。」

「く・・・・ゼロ・・・。」

「(ヒイロ・・・。私に見せてくれた可能性はその程度だったのね・・・。)バトル!《覚醒王グレナビューレ》で《オチェアーノ・ドラゴン》に攻撃!」

《覚醒王グレナビューレ》は雷鳴の大剣で《オチェアーノ・ドラゴン》を一刀両断しようとした。

「(あなたの可能性はその程度なの・・・?ヒイロ・・・。)」

《覚醒王グレナビューレ》の攻撃は《オチェアーノ・ドラゴン》の背に乗っているヒイロを切り裂いた。

「罠発動・・・うわあああああ!!!」

 

ヒイロ

ライフ600→0

 

「(終わったわね・・・。あなたの命も・・・私の希望も・・・。)」

ゼロは少し悲しそうな目で攻撃を受けたヒイロを見た。

「・・・。まだだ・・・。」

「え・・・!?」

「まだ終わっていない。《魂のリレー》!」

「《魂のリレー》・・・!?」

ゼロはヒイロが発動したまさかの罠カードに驚いた。

「俺のライフが0になったときに発動し、手札のモンスター1体を特殊召喚する。俺は・・・・《シンクロ・エクスクルーダー》を特殊召喚。」

 

シンクロ・エクスクルーダー レベル2 攻撃0

 

「《シンクロ・エクスクルーダー》が場にいる限り・・・俺はライフが0になっても敗北にはならない・・・。」

 

魂のリレー

通常罠カード

自分のライフポイントが0になるダメージを受ける直前に発動可能。

「自分のライフポイントが0になったらこのデュエルは相手が勝利する。」というルールが無効になる。

その後、自分の手札からモンスター1体を選択して特殊召喚し、そのモンスターがフィールドから離れたとき、このデュエルは相手が勝利する。

 

ヒイロは龍可に限りなく似た容姿の魔法使い、《シンクロ・エクスクルーダー》を見た。

「(龍可・・・。俺は死なない・・・。だから、お前も死ぬな!!)」

「・・・。私はカードを2枚伏せ、ターンエンド・・・。(私が伏せたカードは《デストラクション・ジャマー》と《フュージョン・ガード》・・・。これで、あなたは《覚醒王グレナビューレ》を突破しない限り、勝てなくなった・・・。さあ・・・証明して。私の希望が間違っていないことを・・・。)」

 

ゼロ

手札4→2(うち1枚《SP-ファイナル・アタック》)

ライフ1000

SPC4

場 覚醒王グレナビューレ レベル12 攻撃4000

  伏せカード2(《フュージョン・ガード》《デストラクション・ジャマー》)

 

ヒイロ

手札3

ライフ0

SPC2

場 オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3500→3200

  シンクロ・エクスクルーダー(《魂のリレー》影響下) レベル2 攻撃0

  伏せカード1

 

「(絶対に・・・死なせない・・・。生きて帰る・・・!!)」

ヒイロは目を閉じた。

すると、命の石が輝き、痣の光がアーク・クレイドルを包み込んだ。

 

「・・・!?これは・・・一体・・・?」

「暖けえ・・・。ああ・・・!!」

クロウは傷だらけのはずの体を見た。

なんと、赤い光の影響で、クロウの傷が消えていた。

それは、アキも同様だった。

「これは・・・一体どういうことなの!?」

シェリーは追い詰めたはずのクロウとアキが傷が治った状態で再び立ち上がったのを見て、それを受け入れられずにいた。

「ヒイロが・・・私たちの仲間が未来を変えるために命を燃やしてる!!」

「俺たちだって・・・!!」

 

「ううう・・・。俺のせいで・・・。」

ボロボロになっているジャックと龍可を見て、龍亞は絶望に陥っている龍亞にヒイロの声が響く。

「(龍亞・・・あきらめるな!!)」

「え・・・?ヒイロ・・・!?」

「(今・・・ジャックと龍可を守れるのはお前だけだ・・・・。)」

「ヒイロ・・・。でも・・・。」

「(龍亞・・・。俺の力をお前に貸す・・・。その力で・・・。)」

「ええ・・・・!?」

龍亞は右腕を見ると、そこにはヒイロの痣があり、エクストラデッキにはあるカードが創造されていた。

「ヒイロ・・・。俺は、レベル7の《パワー・ツール・ドラゴン》に、レベル1の《D・ライトン》をチューニング!!世界の未来を守るため、勇気と力がレボリューション!シンクロ召喚!進化せよ、《ライフ・ストリーム・ドラゴン》!」

《パワー・ツール・ドラゴン》の装甲が砕け、オレンジ色の龍となっていった。

 

「・・・!!ヒイロ・・・?」

遊星にもヒイロの力を感じた。

「そうか・・・。こんな状況でも諦めていないんだな・・・。なら、俺もあきらめない!!」

「(目の色が変わった・・・。遊星・・・これが君の力の原動力・・・。)」

アンチノミーは遊星が持つ、仲間との絆の力の強さを再認識した。

「行くぞ!俺のターン!!」

遊星がカードをドローした時、《シューティング・スター・ドラゴン》は彼の闘志に反応したかのように咆哮した。

 

「はあ・・・はあ・・・。」

龍亞にシグナーの力が渡り、ヒイロの腕には命の石だけが残った。

「仲間に力を与えるためにシグナーの力を・・・・。」

「ゼロ・・・。このターンで・・・俺はお前を倒す!!俺のターン!」

 

ヒイロ

手札3→4

SPC2→3

 

ゼロ

SPC4→5

 

「俺は手札から《SP-オーバー・ブースト》を発動。俺のスピードカウンターを4つ増やす。」

 

ヒイロ

SPC3→7

 

「そして、罠発動《幻獣王の宝札》。手札の幻獣1枚を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。」

 

ヒイロ

手札4→5

 

幻獣王の宝札

通常罠カード

自分の手札の「幻獣」と名のつくモンスターカード1枚を墓地へ送ることで発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

「更に、手札から《SP-バーサーカー・アタック》を発動。スピードカウンターを7つ取り除き、手札をすべて墓地へ送ることで、俺の場のモンスター1体はこのターン、墓地へ送った手札の枚数だけ攻撃できる。」

《オチェアーノ・ドラゴン》は血の騒ぎを感じ、興奮した。

 

SP(スピードスペル)-バーサーカー・アタック

通常魔法カード

自分のスピードカウンターを7つ取り除き、手札にあるカードをすべて墓地へ送ることで発動できる。

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択する。

選択されたモンスターはこのターン、その効果で墓地へ送ったカードの数だけ攻撃できる。

このカードを発動したターン、それ以外のモンスターは攻撃できない。

 

「これで、《オチェアーノ・ドラゴン》は5回攻撃ができる。」

「でも、攻撃力は3300。まだ及ばないわ。・・・!!まさか!!」

ゼロはヒイロの墓地にあるカードがあることに気付いた。

「そうだ!俺は墓地から罠カード《スキル・サクセサー》の効果を発動。このカードを除外し、《オチェアーノ・ドラゴン》の攻撃力を800ポイントアップさせる。」

 

オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃3300→4100

 

「更に、《幻獣王の宝札》の効果で墓地へ送った《幻獣ストリームセラフィム》の効果発動。このカードをゲームから除外することで、俺の場のモンスターすべての攻撃力をさらに300ポイントアップさせる!」

ヒイロの場に天使の羽衣を纏った美しい天使が現れ、《オチェアーノ・ドラゴン》に力を与えた。

 

オチェアーノ・ドラゴン レベル10 攻撃4100→4400

シンクロ・エクスクルーダー レベル1 攻撃0→300

 

幻獣ストリームセラフィム

レベル2 攻撃0 守備1000 効果 光属性 天使族

このカードを墓地から除外することで、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力・守備力を300ポイントアップさせる。

 

「(・・・。これが・・・ヒイロの可能性・・・。)」

ゼロは自分の目に曇りがなかったことがわかり、笑みを浮かべた。

「バトル!《オチェアーノ・ドラゴン》、《覚醒王グレナビューレ》を打ち砕け!」

《オチェアーノ・ドラゴン》は安全のためにストライクチェイサーを分離させると、《覚醒王グレナビューレ》に突撃した

《覚醒王グレナビューレ》は大剣でその突撃を何度も凌ぐが、最終的に大剣が砕け、絶え間なく続く攻撃に耐えきれず、破壊された。

「・・・・。」

 

ゼロ

ライフ1000→600→200→0

 

ゼロのライフが0になった瞬間、その周囲で爆発が起こた。

「・・・・!!ミサキ!!」

「・・・・!?」

ヒイロはストライクチェイサーで停止したオメガ・ホークを弾き飛ばし、身代わりに爆発に巻き込まれた。

「え・・・・??」

ゼロ、いやミサキはなぜヒイロが庇ったのか分からなかった。

そして、爆発が起きた場所が崩れていく。

コースの下は奈落の底になっていて、落ちたら一巻の終わり。

ヒイロはそのままストライクチェイサーとともに堕ちようとしたが、ミサキはヒイロの手をつかんだ。

「ミサキ・・・。」

「ヒイロ・・・なんで私を・・・・?」

「たとえ裏切ったとしても・・・利用していたとしても・・・見捨てることができなかった・・・。それだけだ・・・。」

崩壊は止まらず、このままでは2人仲良く落ちてしまう。

「ミサキ・・・。先に行け。」

「え・・・!?」

ヒイロは左手で彼女を手をたたいた。

すると、ミサキの手が離れ、ヒイロは奈落の底へ落ちていく。

「ミサキ!後から追いつく。遊星たちにはそう伝えろ!!」

「ヒイローーーーー!!!」

ミサキは手を必死に伸ばそうとしたが、不可能だった。

「ヒイロ・・・。こういう形で希望を・・・。」

彼女は彼にさらなる力を見せ、可能性を試そうとしたばかりに生まれたこの結末を後悔した。

遊星ギアが停止し、扉が開いた。

「(後から追いつく!遊星たちにそう伝えろ!!)」

「ヒイロ・・・無事でいて・・・。」

ミサキはオメガ・ホークを走らせた。

遊星たちに伝言を伝え、彼らから罰を受けるために・・・。




ヒイロVSゼロのデュエルはヒイロの勝利!
しかし、彼女をかばってヒイロは奈落へと落ちていく・・・。
はたして彼の運命は・・・?
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