遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

141 / 144
第百二十六話 二闘

「・・・。」

ポッポタイムのガレージで、チーム5D’sは集団で夕食をしていたが、なぜか全員黙っていた。

その静寂を最初に破ったのは龍亞だった。

「き・・・昨日パパとママから電話があったんだ!!」

「・・・?どういう電話だ?」

ヒイロは初耳だったため、龍亞に問いかけた。

「イギリスで・・・一緒に暮らさないかって・・・。もちろん、ヒイロも一緒に・・・。でも・・・。俺、みんなから離れたくない!!もっとみんなと一緒にいたい!!」

龍亞は涙をためながら思いをぶちまけた。

「そうだな・・・。みんな迷っているのか・・・。アキはアメリカの医療大学への留学、クロウはプロリーグ、ヒイロは・・・旅か・・・。」

「え・・・?」

「遊星・・・なんでそんなことを・・・?」

「・・・。」

3人は遊星をじっと見た。

「アキはお父さんから電話があって、相談に乗ってやってくれと頼まれたからな。クロウのことについては牛尾が教えてくれた。ヒイロは依然お前の部屋に行ったときにパスポートが机の上にのっていたからピンときた。」

「ねえ・・・ヒイロ・・・。旅に出るってどういうこと?」

龍可は不安げに問いかけた。

「・・・。俺はルカスの夢を継いで、世界を見て回りたい。いろんな人間と会って、世界を見て、ルカスがなぜその夢を描いたのかが知りたい・・・。」

「ヒイロ・・・。」

「そういえば、遊星はどうなんだ?お前も悩んでいるんだろう?」

「ああ・・・。フォーチュンが完成して、俺もこれから何をすべきか分からなくなってな・・・。」

「・・・。」

ヒイロはトオルとミサキのことを思い出した。

トオルはプロリーグに参加するための修行の旅に出ていき、ミサキはすでに巡礼の旅に出て行った。

イリアステルが今まで犯してきた罪を償うために、そして自分がこれから生きる意味を探すために・・・。

「(あいつらは・・・自分の次の目的をすでに見つけ、動いている・・・。俺も・・・。)」

すると、急に扉が開いた。

「ジャック・・・!?」

「ジャック!!お前、今までどこへ行ってたんだよ!?」

遊星とクロウは突然帰ってきたジャックを見て、驚きが隠せなかった。

「武者修行の旅に出ていた。俺はプロリーグへ行く!!そして、世界のキングとなる!」

「今更キングだあ!?おいジャック!!俺たちの絆はどうすんだよ!?」

クロウはジャックに詰め寄った。

「そうやっていつでも絆にしがみつくのか!?己の力を、世界に向けて試してみようと思わんのか!?」

「・・・。」

ジャックの言葉にクロウは沈黙した。

「確かにな・・・。俺たちは・・・いつまでも一緒にいられるとは限らない・・・。そして、夢のためには離れ離れにならなければならない時が必ずある・・・。」

「・・・。ジャック。俺とデュエルをしよう。」

「ええ・・・!?」

「・・・。」

ジャックとヒイロ以外はみんな遊星の言葉に驚いた。

「ほう・・・・。この俺とデュエルだと?」

「デュエルはいつでも俺たちの道しるべとなってきた。なら、デュエルをすることで、何か答えが出てくるかもしれない。」

「いいだろう。世界に出る前にお前を倒さねばならないからな!」

 

2時間後、遊星とジャックはライディングデュエルの準備を終え、旧サテライト港にいた。

ヒイロ達も観戦のためにそこにいた。

「ジャック。こうしてお前とデュエルをするのは、フォーチューンカップ以来だな・・・。」

「そうだな。まさか、お前とともにさまざまな敵と戦うことになろうとはな・・・。」

「フォーチューンカップ・・・。」

ヒイロはその時のことを思い出した。

記憶を失い、デュヴァインの操り人形だった自分・・・。

遊星たちとの再会。

アキ、龍亞、龍可などの新しい仲間との出会い。

そして、龍可からの告白・・・。

WRGPでの激戦とアーク・クレイドル・・・。

今までの記憶が彼を駆け巡る。

「俺は待ち望んでいた。こうしてふたたびお前と戦う日を。」

「俺も心のどこかで、それを願っていたかもしれない。」

「もう俺たちのデュエルを邪魔するものはない。」

「ああ・・・!行くぞ!今の俺のすべてをお前にぶつける!」

「来い!遊星!貴様の全力を俺にぶつけろ!デュエルに取りつかれた・・・ジャック・アトラスに!!」

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

遊星たちは猛スピードで発進し、あっという間に見えなくなった。

「・・・。ねえ、ヒイロ・・・。」

「どうした?」

突然、龍亞が口を開いたため、ヒイロは彼に目を向けた。

「俺とデュエルをしよう!!俺も、ヒイロの今の俺のすべてをぶつけたい!!」

龍亞も遊星たちの姿を見て、何かに目覚めたようだった。

「・・・。分かった。今のお前の力を見せてくれ。」

ヒイロと龍亞はデュエルディスクを展開し、龍可とクロウ、アキの前に立った。

「行くよ!!ヒイロ!!」

「・・・・。」

「「デュエル!!」」

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

 

龍亞

手札5

ライフ4000

 

「俺の先攻。ドロー。」

 

ヒイロ

手札5→6

 

「俺は手札から《幻獣先帝バフォメット》を召喚。」

 

幻獣先帝バフォメット レベル4 攻撃1400

 

「え・・・!?Eシリーズじゃないの・・・?」

龍可はヒイロのデッキの変化に驚いた。

「このカードが俺の場にモンスターが存在しないときに召喚に成功した時、デッキからレベル4以下の幻獣を特殊召喚できる。俺はデッキから《幻獣リバースカラドリオス》を特殊召喚。」

 

幻獣リバースカラドリオス レベル3 攻撃400(チューナー)

 

「レベル4の《幻獣先帝バフォメット》に、レベル3の《幻獣リバースカラドリオス》をチューニング。シンクロ召喚。《幻獣炎王ブリュンヒルデ》。」

ヒイロの場に全身に炎を纏っている大柄な戦士が火炎を纏った斧を持って現れた。

 

幻獣炎王ブリュンヒルデ レベル7 攻撃2400

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド。」

 

ヒイロ

手札6→3

ライフ4000

場 幻獣炎王ブリュンヒルデ レベル7 攻撃2400

  伏せカード2

 

龍亞

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「いきなり攻撃力2400のシンクロモンスター・・・。ヒイロ。相変わらず手加減なしね。」

「でも、龍亞も成長してる。このくらい大丈夫よ。」

「ねえ、龍可。今回はヒイロを応援しなきゃダメでしょ?恋人なんだし。」

「え・・・そ・・・それは・・・その・・・・。」

龍可は顔を真っ赤にして小さくなった。

現在の龍可の服装はニット帽とハートマークがついたシャツ、黄色い上着に緑のホットパンツという姿だ。

ヒイロの可愛いといってもらいたくてこの服装にしたが、そうは言ってもらえなかった。

頭をなでてもらえたため、当の本人は満足しているようだが・・・。

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞

手札5→6

 

「俺は手札から《光の護封剣》を発動!」

ヒイロの場に3本の光剣が突き刺さった。

「これでヒイロは3ターンに間攻撃できねえ・・・。」

クロウはヒイロが一時的に不利になったと思っているが、ヒイロの表情はいつも通りだった。

「そして、俺は《D・チャッカン》を守備表示で召喚!」

龍亞の場にオレンジ色のライターが現れた、

 

D・チャッカン レベル3 守備600

 

「《D・チャッカン》が守備表示の時、1ターンに1度、相手に300ポイントのダメージを与えることができる!チャッカン・ファイアー!」

《D・チャッカン》から小さな火球がヒイロに向かって放たれた。

 

ヒイロ

ライフ4000→3700

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

ヒイロ

手札3

ライフ3700

場 幻獣炎王ブリュンヒルデ レベル7 攻撃2400

  伏せカード2

 

龍亞

手札6→3

ライフ4000

場 D・チャッカン レベル3 守備600

  光の護封剣(あと3ターン)

  伏せカード1

 

「俺のターン。」

 

ヒイロ

手札3→4

 

「(龍亞。《光の護封剣》ですべての攻撃が防げるわけではないぞ。)手札から速攻魔法《幻獣の魔石》を発動。このターン、俺の場の幻獣はこのカード以外の魔法・罠カードの効果は受けない。」

「ええ・・・!?」

《幻獣炎王ブリュンヒルデ》は光剣をすり抜け、龍亞の目の前まで来た。

 

幻獣の魔石

速攻魔法カード

このターン、自分フィールド上に表側表示で存在する「幻獣」と名のつくモンスターはこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

「《幻獣炎王ブリュンヒルデ》で《D・チャッカン》を攻撃。このカードは貫通効果を持っている。」

「《幻獣炎王ブリュンヒルデ》の攻撃力は2400。《D・チャッカン》の守備力はたったの600。龍亞に大ダメージが来るぞ!」

《幻獣炎王ブリュンヒルデ》の炎の斧が《D・チャッカン》に襲い掛かった。

「罠発動!《和睦の使者》!これで俺の場のモンスターは戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0になる!」

「・・・。」

《幻獣炎王ブリュンヒルデ》は《和睦の使者》のソリッドビジョンに妨害され、攻撃できなかった。

「(いいぞ・・・。龍亞。もっと本気を見せろ。)俺はターンエンドだ。」

 

ヒイロ

手札4→3

ライフ3700

場 幻獣炎王ブリュンヒルデ レベル7 攻撃2400

  伏せカード2

 

龍亞

手札3

ライフ4000

場 D・チャッカン レベル3 守備600

  光の護封剣(あと2ターン)

  伏せカード1

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞

手札3→4

 

「《D・チャッカン》の効果発動!これでヒイロに再び300ポイントのダメージだ!!」

《D・チャッカン》の火球が再びヒイロを襲った。

 

ヒイロ

ライフ3700→3400

 

「そsて、手札から《D・スコープン》を守備表示で召喚!このカードは守備表示の時、レベルは4になる!」

 

D・スコープン レベル3→4 守備1400(チューナー)

 

「レベル3の《D・チャッカン》に、レベル4の《D・スコープン》をチューニング!世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者、《パワー・ツール・ドラゴン》!」

 

パワー・ツール・ドラゴン レベル7 攻撃2300

 

「《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法カード1枚を手札に加える!」

龍亞のデュエルディスクはデッキをシャッフルし、カードを1枚排出した。

「俺は手札から装備魔法《デーモンの斧》を《パワー・ツール・ドラゴン》に装備。これで、攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

パw-ア・ツール・ドラゴン レベル7 攻撃2300→3300

 

「これで、《パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃力は《幻獣炎王ブリュンヒルデ》を超えたわ。」

「バトル!《パワー・ツール・ドラゴン》で《幻獣炎王ブリュンヒルデ》を攻撃!クラフティ・ブライク!!」

《パワー・ツール・ドラゴン》は《デーモンの斧》で《幻獣炎王ブリュンヒルデ》を一刀両断しようとしたが、突然現れた3本の光剣に阻まれた。

「え・・・?」

「速攻魔法《魔法移し》を使わせてもらった。これで、お前は3ターンの間攻撃できない。」

 

魔法移し

速攻魔法カード

相手フィールド上に存在する通常魔法カード1枚を選択して発動する。

そのカードを墓地へ送り、このカードの効果は墓地へ送ったカードと同じになる。

 

「惜しかったな。龍亞。」

「うう・・・。」

龍亞は《光の護封剣》をじっと見た。

「俺はこれでターンエンド。」

 

ヒイロ

手札3

ライフ3700

場 幻獣炎王ブリュンヒルデ レベル7 攻撃2400

  魔法移し(《光の護封剣》の効果 あと2ターン)(速攻魔法)

  伏せカード1

 

龍亞

手札4→3

ライフ4000

場 パワー・ツール・ドラゴン(《デーモンの斧》装備) レベル7 攻撃3300

  伏せカード1

 

「龍亞。お前の本気はその程度か?」

「まだだ!今日こそ、ヒイロに勝つんだ!!」

龍亞は強い眼でヒイロを見た。




遊星とジャックのデュエルの傍ら、ヒイロと龍亞のデュエルが開始!!
はたして結果は・・・?
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。