遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第四十五話 黒鯱

「よし!!あとちょっとでハイウェイを出られるぜ!!」

牛尾はヒイロのことを心配しながらも、龍亞と龍可を遊星がいる『Ccapac Apu』の制御塔へ連れて行くことに集中し、車を走らせていた。

「ヒイロ・・・大丈夫かな?」

「大丈夫よ。ヒイロならきっと・・・。」

「お・・・おい!!なんだよありゃあ!!」

牛尾は右の方向を見て、何かに驚いた。

「え・・・?牛尾のおっちゃん!何か見えるの?」

「ああ・・・。もしかしてこいつが龍可ちゃんが言っていた地縛神ってやつか!?」

牛尾が指差した方向を龍亞と龍可はみた。

それは、紫の模様が付いた黒い巨大な鯱のようなモンスターだった。

「あ・・・。」

龍可の痣が光り、そしてその痣の痛みが彼女にヒイロとクロウが危機的状況に陥っていることを教えた。

「ヒイロ・・・クロウ・・・。」

 

クロウ

手札2

ライフ2400

SPC6

場 BF-蒼炎のシュラ レベル4 守備1200

  BF-アーマード・ウィング レベル7 攻撃力2500

  伏せカード2

 

ヒイロ

手札1

ライフ1200

SPC4

場 幻獣猿王ゼーマン レベル7 攻撃3100

  プチクリボー レベル1 守備0

  伏せカード1

 

ボマー

手札0

ライフ1400

SPC9

場 地縛神Chacu Challhua レベル10 攻撃2900

  チャリオット・パイル(永続罠)

 

「私のターン!」

 

ボマー

手札0→1

SPC9→10

 

クロウ

SPC6→7

 

ヒイロ

SPC4→5

 

「(《地縛神Chacu Challhua》の効果はわからないが、《幻獣猿王ゼーマン》の効果で攻撃は封じることができる。だが、おそらくボマーはすでに対策を練っているはずだ。)」

「私は手札から《SP-ハイパワー・プログラム》を発動!その効果で私はデッキからSPと名のつく魔法カードを1枚選択して手札に加える。」

ボマーはにやりと笑いながらカードを手札に加えた。

 

SP(スピードスペル)-ハイパワー・プログラム

通常魔法

自分フィールド上のレベル8以上のモンスター1体のレベルと自分のスピードカウンターが同じ数値の場合のみ発動できる。

デッキから「SP(スピードスペル)」と名のつくカードを1枚選択して手札に加える。

「SP(スピードスペル)-ハイパワー・プログラム」は1ターンに1度しか発動できない。

 

「一体・・・何のSPを手札に加えやがったんだ・・・?」

「・・・・。」

「私は手札から《SP-ジ・エンド・オブ・バースト》を発動!私のスピードカウンターが10個以上で、貴様らのスピードカウンターが7個以下の場合にのみ発動できる!私のスピードカウンターをすべて取り除く!」

 

ボマー

SPC10→0

 

「何?自分のスピードカウンターを・・・。」

「そして、私の場の永続罠カード1枚をゲームから除外することで、貴様の場に存在するすべてのカードを破壊し、破壊したカード1枚につき300ポイントのダメージをそのカードのコントローラーに与える!」

《チャリオット・パイル》が除外されるのと同時に、ヒイロとクロウの場に無数の爆弾が降り注ぎ、モンスターも魔法・罠カードもすべて爆風の中に消えて行った。

 

SP(スピードスペル)-ジ・エンド・オブ・バースト

自分のスピードカウンターが10個以上存在し、相手のスピードカウンターが7個以下しか存在しない場合のみ自分のスピードカウンターをすべて取り除き、自分の場の永続罠カード1枚をゲームから除外することで発動できる。

相手フィールド上のカードをすべて破壊し、破壊したカード1枚につき300ポイントのダメージをそのカードのコントローラーに与える。

このカードを発動したターン、このターンのバトルフェイズはスキップされ、自分フィールド上のモンスターの効果はエンドフェイズまで無効となる。

 

ヒイロ

ライフ1200→300

 

クロウ

ライフ2400→1200

SPC7→6

 

「くそ・・・!!大丈夫か?ヒイロ!」

「ああ・・・。だが、俺たちのライフはわずかだ・・・。」

「《地縛神Chacu Challhua》はこのターン、このカードの攻撃を放棄する代わりに相手のこのカードの守備力の半分の数値分のダメージを与える効果を持つ。だが、《SP-ジ・エンド・オブ・バースト》の代償としてこのターン、私の場のモンスターの効果は無効となる。私は《地縛神Chacu Challhua》を守備表示に変更。」

 

《地縛神Chacu Challhua》 レベル10 攻撃2900→守備2400

 

「そして、《地縛神Chacu Challhua》が守備表示の時、貴様らはバトルフェイズを行えない。これでターンエンドだ!」

 

クロウ

手札2

ライフ1200

SPC6

 

ヒイロ

手札1

ライフ300

SPC5

 

ボマー

手札0

ライフ1400

SPC0

場 地縛神Chacu Challhua レベル10 守備2400

 

「くそう・・・。このままじゃあ次のボマーのターンで俺かヒイロがやられちまう・・・。だが、せめてこのカードが来れば・・・!!」

クロウはデッキの一番上のカードに目を向けた。

「頼む・・・!俺のデッキ・・・俺にあいつらを守る力を!!ドロー!!」

クロウは目を閉じ、祈りながらカードを引いた。

 

クロウ

手札2→3

SPC6→7

 

ヒイロ

SPC5→6

 

ボマー

SPC0→1

 

そして、目を開いて、カードを見た。

「ありがとよ!俺のデッキ!俺は手札から《SP-サモン・スピーダー》を発動!俺のスピードカウンターが4つ以上あるとき、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する!来い!《BF-鉄鎖のフェーン》!」

 

BF-鉄鎖のフェーン レベル2 攻撃500

 

「そして、手札から《BF-極北のブリザード》を召喚!」

 

BF-極北のブリザード レベル2 攻撃1300(チューナー)

 

「こいつの召喚に成功した時、俺の墓地に存在するレベル4以下のBF1体を守備表示で特殊召喚する!現れろ!《BF-蒼炎のシュラ》!」

 

BF-蒼炎のシュラ レベル4 守備1200

 

「レベル2の《鉄鎖のフェーン》とレベル4の《蒼炎のシュラ》に、レベル2の《極北のブリザード》をチューニング!!吹き荒べ嵐よ!鋼鉄の意志と光の速さを得て、その姿を昇華せよ!シンクロ召喚!《BF-孤高のシルバー・ウィンド》!」

 

BF-孤高のシルバー・ウィンド レベル8 攻撃2800

 

「ふん!せっかくのシンクロモンスターだが、バトルフェイズが行えない以上無意味だ!」

「それはどうかな?こいつにも特殊効果があるのさ!このターン、バトルを放棄する代わりにこのカードの攻撃力よりも低い守備力を持つモンスターを2体まで破壊できる!」

「なんだと・・・!?」

「行け!《シルバー・ウィンド》!パーフェクト・ストーム!!」

《BF-孤高のシルバー・ウィンド》が長刀で《地縛神Chacu Challhua》を切断しようとした。

しかし、その時思いがけないことが起こった。

「苦しいよ!!」

「誰か助けて!!」

《地縛神Chacu Challhua》の腹部に異国風の衣装を身に着けて褐色の肌を持つ姉弟の姿が映っていた。

「な・・・何!?待て!《シルバー・ウィンド》!!」

クロウの制止に応じ、《BF-孤高のシルバー・ウィンド》は攻撃を中断した。

「助けて・・・!」

「痛いよお!!」

「あれは・・・・まさか・・・。」

「ヒイロ。お前にも見えるのか?」

「ああ・・・。」

「どうした?クロウ!攻撃しないのなら、ヒイロのターンになるぞ!!」

ボマーはクロウの横にDホイールを移動させ、警告した。

「ボマー!お前には見えねえのか!?」

「私に見えるのは勝利のゴールのみ!」

「ボマー!」

「くどい!」

ボマーにはクロウの声が届いていなかった。

彼はゴドウィンへの復讐心によってその視野が狭まっていた。

「ボマー・・・。お前が召喚した神をよく見ろ。」

「何!?」

ボマーは《地縛神Chacu Challhua》を改めて見た。

「な・・・なんだと!!?」

ボマーは自らの目を疑った。

《地縛神Chacu Challhua》の肉体にはあの姉弟の姿だけでなく、彼らと同じような肌と衣装の子供たちが映っていたのだ。

「なぜ・・・あの地縛神の中に私の弟と妹・・・私の故郷の人たちがいる!?まさか・・・私の故郷を壊したのはゴドウィンではなく、ダークシグナーだというのか!?くそう!私は一体何のために!?」

ボマーは悔し涙を流しながら、スピードを落としはじめた。

「ボマー・・・。」

「クロウ・・・ヒイロ・・・すまない。私は・・・。」

ボマーは涙をためながらヒイロ達に詫びた。

その時のボマーの目はダークシグナー特有のものではなく、青い瞳だった。

「うお・・・!?」

突然、ボマーの腕の鯱の痣が光った。

「(戦え。ボマー。お前は冥界より蘇ったダークシグナー。シグナーどもを抹殺するのだ。)」

「うわあああ!!」

「ボマー!!」

クロウはボマーの様子を見た。

すると、ボマーの目は紫一色に染まっていて、表情も狂気に満ちてた。

「われはダークシグナー。冥界の闇とともにこの世界を抹殺する!!」

ボマーの口から出た声は何か別の者の声とボマーの声が混ざり合った状態だった。

「うぐあああ!!う・・・うわあ!!」

だが、ボマーは苦しみながら瞳を元に戻した。

ボマーの額は汗でぬれていて、痣の光は何度も点滅した。

「うぐ・・・クロウ・・・ヒイロ・・・早く私を倒せ・・・!!私を倒せば・・・地縛神にとらわれた魂は解放される!!」

「ボマー・・・。」

「うわああああ!!!クロウ・・・お前がターンを進めないのであれば、ヒイロのターンに移行する。さあ!ヒイロ!カードを引け!!」

ボマーの抵抗むなしく、彼は何か別の者にとらわれてしまった。

 

クロウ

手札2

ライフ1200

SPC7

場 BF-孤高のシルバー・ウィンド レベル8 攻撃2800

 

ヒイロ

手札1

ライフ300

SPC6

 

ボマー

手札0

ライフ1400

SPC1

場 地縛神Chacu Challhua レベル10 守備2400

 

「ボマー・・・。分かった。俺のターン。」

 

ヒイロ

手札1→2

SPC6→7

 

クロウ

SOC7→8

 

ボマー

SPC1→2

 

「手札から《幻獣王ガゼル》を召喚。」

 

幻獣王ガゼル レベル4 攻撃1500→2100

 

「そして、手札から《SP-セブンスヘヴン》を発動。その効果で・・・墓地から《幻獣リバースカラドリオス》を特殊召喚。」

 

幻獣リバースカラドリオス レベル3 守備300→900(チューナー)

 

SP-セブンスヘヴン

通常魔法

自分のスピードカウンターが7個存在するときにのみ発動できる。

自分の墓地に存在するレベル6以下のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となる。

 

「レベル4の《ガゼル》にレベル3の《リバースカラドリオス》をチューニング・・・。ボマー・・・安心しろ。俺たちがお前たちを救う。シンクロ召喚。《幻獣ブレイブグリフォン》。」

ヒイロの場に強靭な鉤爪を持った茶色い4つの脚をもち、白い鳥の頭と翼をもった幻獣が現れた。

 

幻獣ブレイブグリフォン

レベル7 攻撃2600 守備2300 シンクロ 風属性 鳥獣族

「幻獣」と名のつくチューナー+チューナー以外の「幻獣」と名のつくモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、相手はこのカード以外の「幻獣」と名のつくモンスターを攻撃対象にすることができない。

このカードのシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル4以下の「幻獣」と名のつくモンスター1体を特殊召喚する。

1ターンに1度、自分フィールド上に存在するこのカード以外の「幻獣」と名のつくモンスターの数だけ相手フィールド上の表側表示で存在するカードを選択する。選択されたカードの効果はこのターンのエンドフェイズ時まで無効となる。

 

幻獣ブレイブグリフォン レベル7 攻撃2600→3200

 

「《ブレイブグリフォン》の効果で、墓地から《幻獣ワイルドホーン》を特殊召喚する。」

 

幻獣ワイルドホーン レベル4 攻撃1700→2300

 

「そして・・・《ブレイブグリフォン》の効果。俺の場のこのカード以外の幻獣の数だけ、お前の場に表側表示で存在するカードの効果をエンドフェイズ時まで無効にする・・・。」

《幻獣ブレイブグリフォン》は《幻獣ワイルドホーン》から力を受け取り、ボマーの場に稲妻を落とした。

稲妻を受けた《地縛神Chacu Challhua》は自らの効果を一時的に失った。

 

「何!?」

「《幻獣ブレイブグリフォン》で《地縛神Chacu Challhua》を攻撃。トルネード・ドロップ。」

《幻獣ブレイブグリフォン》は急速に高度を上げ、《地縛神Chacu Challhua》に狙いを定めた。

そして、急降下して地縛神を鷲掴みにしてそのまま破壊した。

破壊されたのと同時に《地縛神Chacu Challhua》から人々の魂が出ていき、南米の方角へ飛んで行った。

「バカな・・・・《地縛神Chacu Challhua》が・・・・!?」

「《幻獣ワイルドホーン》で・・・ボマーにダイレクトアタック・・・。ワイルドブレイク!」

《幻獣ワイルドホーン》は猛スピードでボマーに突進し、角でボマーを貫いた。

「ぐわああああ!!」

 

ボマー

ライフ1400→0

 

「ありがとう・・・ヒイロ・・・クロウ・・・。」

「・・・。」

「何・・・?」

ヒイロとクロウはボマーの声のようなものが聞こえた後、地上絵が消えた。

そして、ボマーのDホイールは大爆発を起し、彼は先ほどのデュエルの衝撃で崩れ始めた複数のビルの中に消えて行った。

「ボマーーーー!!」

「ボマー・・・・。うん・・・?」

ヒイロは自分の足元に落ちているカードを拾った。

そのカードは《チャリオット・パイル》だった。

「・・・。行くぞ。クロウ。ボマーのためにもな・・・。」

ヒイロはそのカードをデッキに入れると、トライチェイサーを発進させた。

「ああ・・・。ボマーのためにも・・・・必ずダークシグナーを倒すぜ!」

クロウは改めて戦う決心を固めると、ブラックバードを発進させた。

ハイウェイの終点には龍可達が待っている。

そして、空には大きな流れ星が降っていた。




ヒイロ・クロウのタッグの勝利です!!
まあ・・・当然ですが・・・。
《幻獣ブレイブグリフォン》は読者考案のカードです!
考案してくれた人、どうもありがとうございます!
感想待ってます!
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