遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第四十九話 所有

遊星は『Ccapac Apu』の制御塔を起動し終わり、高台にいたヒイロ達と合流した。

「遊星!!勝ったんだな!」

「ああ・・・。」

「遊星・・・。」

ヒイロとクロウは遊星の思いを察した。

先程のデュエルは、遊星にとってはつらいデュエルだったからだ。

そんな中、ある異変が起こった。

「ん・・・?背中に何か入って・・・・。」

牛尾は背中に違和感を感じ、服の中に手を突っ込もうとしたとき、急に彼の雰囲気が変わった。

「ん・・・牛尾のおっちゃん、どうしたの?」

「・・・。不動遊星・・・。」

「・・・!!その声は・・・牛尾じゃないな!お前は誰だ!!」

遊星は様子と声色が変わった牛尾に詰問した。

すると、牛尾は遊星に目を向けた。

その時の彼の目はダークシグナー特有のものとなり、右腕には蜘蛛の痣があった。

「私の名はルドガー。蜘蛛の痣を持つダークシグナーだ。少し、この男の体を貸してもらった。」

「ルドガー・・・?」

ヒイロはルドガーという名前をアルカディアムーブメントの資料を呼んでいるときに見たことがあったが、より詳しい資料の閲覧をディヴァインが許可しなかったため、どういう人物なのかはよくわからなかった。

「ルドガー!俺に何の用だ!?」

「次のお前の相手は私だ。遊星。旧モーメントで待つ。私と闘いたければ、旧モーメントに来るがいい。」

それだけ言うと、牛尾の目と右腕が元に戻り、服の中から一匹の蜘蛛の死骸が出てきた。

「おお・・・?お前ら・・・一体どうしたんだ?」

「どうする・・・遊星?罠かもしれないぜ?」

クロウは牛尾をスルーし、遊星に問いかける。

「たとえ罠だとしても、あいつとは闘わなければならない。」

遊星は旧モーメントの方角に目を向けた。

「俺は旧モーメントに行く!ルドガーと決着をつける!」

「うん・・・?」

ヒイロの右腕の痣が光った。

すると、ヒイロの眼に本部ビルで現れたダークシグナーとアキのデュエルの光景、そしてサイコパワーを発動し、表情が別人のようになっているアキの姿が映った。

「十六夜が危険な状態だ。」

「なに!?う・・・。」

ヒイロの発言と同時に、遊星と龍可の痣が光り、痛みとともに二人にアキの危機を伝えた。

「遊星たちは旧モーメントへ向かえ!おそらく、奴はダークシグナーの首領だ。気をつけろ。」

それだけ言うと、ヒイロはトライチェイサーを発進させ、『Ccarayhua』の制御塔へ向かってしまった。

「お・・・オイ!!ヒイロ!!・・・またあいつの悪い癖が・・・。」

クロウはヒイロの行為に頭を抱えた。

「ヒイロ・・・。」

龍可は小さくなっていくヒイロの姿を心配しながら見つめていた。

 

一方、『Ccarayhua』の制御塔の前はヒイロの目に浮かんだ光景通りの状態になっていた。

 

(現在、アキのターンのバトルフェイズ)

アキ

手札2

ライフ1900

場 ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃2400

  伏せカード2

 

ミスティ

手札4

ライフ4000

場 バッドエンド・クイーン・ドラゴン レベル6 攻撃1900

  サッド・ストーリー ~悲しみの記憶~(永続魔法)

  サッド・ストーリー ~揺るがない真実~(永続魔法)

  サッド・ストーリー ~忌むべき日~(永続魔法)

  伏せカード1

  鏡の迷宮―ミラー・ラビリンス(フィールド魔法)

 

鏡の迷宮-ミラー・ラビリンス

フィールド魔法カード

自分フィールド上にレベル5以上のモンスターが存在せず、 自分フィールド上にレベル4以下のモンスターが1体しか存在しない場合、 そのモンスターは1度のバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃する事ができる。

 

サッド・ストーリー ~悲しみの記憶~

永続魔法カード

このカードを発動するターン、このカード以外の魔法カードを発動する事ができない。 ドローフェイズ時にドローしたカードがモンスターカードだった場合、 お互いのプレイヤーはそのカードを自分のデッキに戻してシャッフルする。

 

サッド・ストーリー ~揺るがない真実~

永続魔法カード

このカードを発動するターン、このカード以外の魔法カードを発動する事ができない。 ドローフェイズ時にドローしたカードが魔法カードだった場合、 お互いのプレイヤーはそのカードを自分のデッキに戻してシャッフルする。

 

サッド・ストーリー ~忌むべき日~

永続魔法カード

このカードを発動するターン、このカード以外の魔法カードを発動する事ができない。 ドローフェイズ時にドローしたカードが罠カードだった場合、 お互いのプレイヤーはそのカードを自分のデッキに戻してシャッフルする。

 

「《ブラック・ローズ・ドラゴン》で、《バッドエンド・クイーン・ドラゴン》を攻撃!焼き尽くせ。ブラック・ローズ・フレア!」

《ブラック・ローズ・ドラゴン》の口から紫の炎が放たれ、《バッドエンド・クイーン・ドラゴン》を焼きつくし、それと同時にミスティをも傷つけた。

「うう・・・。」

 

ミスティ

ライフ4000→3500

 

更に、アキのサイコパワーの増幅により、地面が大きく揺れた。

「アキさん・・・一体どうしたというの・・・?」

深影は状況を整理することができず、ただ遠くからアキとミスティのデュエルを見るしかなかった。

そんな中、ヒイロはようやく到着した。

「ヒイロ!!」

「深影さん。なぜこのような・・・?」

「分からないの・・・。アキさんがミスティとデュエルをしていたら、急に・・・。」

「十六夜・・・。」

ヒイロは笑みを浮かべながらサイコパワーで周囲に被害を与えていくアキを見た。

アキの髪留め型の制御装置はすでに地面に落ちていた。

「クリクリー!!」

「うん・・・?」

ヒイロのデッキから急に《プチクリボー》が現れ、近くの建物の中に入っていった。

「どこへ行く!!」

「え・・・??ちょっと!!ヒイロ!」

ヒイロは深影の声を耳に入れずに、《プチクリボー》を追いかけた。

「どうなってるのかしら・・・・?」

深影は何がどうなっているのかわからなかった。

 

建物の中には地味なコートを着たディヴァインがアキとミスティの姿を見ていた。

ディヴァインの顔の半分には大きな火傷の跡があった。

「ふふふふ・・・いいぞ!!アキ。リミッターを外したそのサイコパワーを存分に発揮するがいい!!はははははは!!!!」

「・・・。死にぞこないか・・・。」

「うん・・・・?」

ディヴァインは階段の方向に目を向けると、そこにはヒイロの姿があった。

「貴様・・・なぜここがわかった!!」

「悪いが、俺にはお前の目には見えない相棒がいる。」

そういうと、ヒイロは自分の右腕に乗っている《プチクリボー》の頭をなでた。

《プチクリボー》は嬉しそうに消えて行った。

「貴様あ・・・・洗脳が解けた瞬間、どこまでも私を邪魔する気かあ!!」

ディヴァインは《サイコ・ソード》を実体化し、ヒイロに斬りかかった。

「ちっ・・・。」

ヒイロはベルトのケースからトライアクセラーを取り出し、《サイコ・ソード》を受け止めた。

「何!?くっ・・・。」

ディヴァインはすぐに後ろへ下がった。

警棒兼トライチェイサーの起動キーとして開発されたトライアクセラーはセキュリティに支給されている警棒よりも強度ははるかに高い。

そのため、《サイコ・ソード》を受け止めることが可能だった。

「ディヴァイン。お前が十六夜を・・・。」百歩譲って十六夜が誰かの所有物だとしても、すでにお前のものではない。」

「ああ・・・。そうだ!!今やアキは私の忠実なしもべ。最強のサイコデュエリストだ!」

「十六夜はお前の所有物じゃない。百歩譲って十六夜が誰かの所有物だとしても、すでにお前のものではない。」

ヒイロはディヴァインと会話しながら密かにデュエルディスクに何かを入力し、ジージャンの中から何かを取り出した。

「黙れ!!少し前まで私の忠実な操り人形だった貴様がいえることか!」

ディヴァインはヒイロを見下しながらそう吐き捨てた。

「・・・。」

その言葉をディヴァインが発した瞬間、ヒイロは拘束装置を取り出し、ディヴァインのデュエルディスクと自分のそれに取り付けた。

「何・・・?これは・・・。」

「これで・・・デュエルに敗北したデュエリストのデュエルディスクは破壊される。初めてだ。これを使いたいと思ったのは・・・。」

ヒイロは静かに怒っていた。

人間を、あろうことかディヴァインを慕っていたアキまでも道具扱いにするディヴァインに。

そして、そのような男の操り人形となり、多くの人々を傷つけた自分自身に。

「勝負だ。ディヴァイン!」

「そこまで私と闘いたいか・・・。いいだろう!私が貴様を処刑してやる!!」

「「デュエル!!」」

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

 

ディヴァイン

手札5

ライフ4000

 

「私の先攻!ドロー!」

 

ディヴァイン

手札5→6

 

「手札からフィールド魔法《脳開発研究所》を発動!」

建物の中がコンクリートでできたボロボロな空間ではなく、液体の中に入った脳がたくさん並んでいる機械でできた研究施設になった。

「これは・・・・。」

「私は手札から魔法カード《緊急テレポート》を発動!手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する。その効果で私は、《サイコ・コマンダー》を特殊召喚。」

 

サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400(チューナー)

 

「そして、手札から《サイコ・ウォールド》を召喚!」

 

サイコ・ウォールド レベル4 攻撃1900

 

「そして、《脳開発研究所》の効果発動!」

ディヴァインの宣言の瞬間、研究所の中央に大型カプセルが設置され、その中に脳が1つ入れられる。

すると、その脳のコピーが作成され、別の場所で作られていた《タイム・エスケーパー》に入れられた。

 

タイム・エスケーパー レベル2 攻撃500

 

「《脳開発研究所》の効果で、通常召喚に加えて1度だけサイキック族モンスターを通常召喚できる。そして、その方法でサイキック族モンスターを召喚した時、サイコカウンター・・・つまりこのカプセルに脳が1つ増える。また、ライフコストを使用するサイキック族モンスターの効果を発動した時にもライフコストを支払う代わりに脳を1つ増やすことができる。」

「チューナーと2体のモンスター・・・シンクロモンスターか・・・。」

「その通りだ!レベル4の《サイコ・ウォールド》とレベル2の《タイム・エスケーパー》に、レベル3の《サイコ・コマンダー》をチューニング!我が心に燃える復讐の炎よ!最強の悪魔の姿を借り、世界を焼き尽くせ!シンクロ召喚!《メンタルオーバー・デーモン》!」

ディヴァインの場に全身を実体化した脳波に覆われた白い人造悪魔が現れた。

 

メンタルオーバー・デーモン レベル9 攻撃3300

 

「たった1ターンで・・・攻撃力3300か・・・。」

「更に《メンタルオーバー・デーモン》の効果で1ターンに1度、私の墓地に存在するサイキック族モンスター1体を除外することができる!私は《サイコ・ウォールド》を除外する!オーバー・テレポート!」

《メンタルオーバー・デーモン》は墓場から《サイコ・ウォールド》の肉体を引きずり出した。

そして、上空に透明な球体を作りだし、《サイコ・ウォールド》の肉体をそこに隔離した。

「なんだ・・・この球体は・・・?」

「ふふふ・・・カードを1枚伏せ、手札から装備魔法《脳波収集装置》を《メンタルオーバー・デーモン》に装備!」

《メンタルオーバー・デーモン》の体中に受信機のようなものが埋め込まれ、球体の中の《サイコ・ウォールド》の肉体から出ている脳波を受信した。

「このカードを装備した《メンタルオーバー・デーモン》の攻撃力はゲームから除外されている私のサイキック族モンスター1体につき200ポイントアップする。そして、サイコカウンターを1つ取り除くことで次の私のターンのスタンバイフェイズ時まで装備モンスターの効果で墓地から除外したサイキック族モンスターの効果を得る!」

 

メンタルオーバー・デーモン レベル9 攻撃3300→3500

 

脳波受信装置

装備魔法カード

自分フィールド上に表側表示で存在する「メンタルオーバー・デーモン」にのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力はゲームから除外されている自分のサイキック族モンスター1体につき200ポイントアップする。

また、1ターンに1度、サイコカウンターを1つ取り除くことで、装備モンスターは次の自分のターンのスタンバイフェイズまでそのモンスターの効果でゲームから除外されたサイキック族モンスターと同じ効果を得る。

装備モンスターが自分フィールド上に表側表示で存在するとき、自分はモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚・セットをすることができない。

 

「く・・・除外したサイキック族の効果コピーか・・・。」

ヒイロはディヴァインのデュエリストとしての力量の高さを改めて痛感した。

残忍と利己心の塊であるが、実力は本物だ。

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド。さあ、私の力に屈しろ!できそこないの操り人形め!!ははははは!!!」

「く・・・。」

ヒイロは強大なモンスターと化した《メンタルオーバー・デーモン》を睨んだ。

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

 

ディヴァイン

手札6→0

ライフ4000

場 メンタルオーバー・デーモン(《脳波受信装置》装備) 攻撃3500

  脳開発研究所(フィールド魔法)サイコカウンター1

  伏せカード1

 

《メンタルオーバー・デーモン》の効果で除外されたモンスター

サイコ・コマンダー




ヒイロVSディヴァインのデュエル開始です!
そして、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンに近い効果を得たメンタルオーバー・デーモンにヒイロはどう対処するのか・・・?
ちなみに、ジャックとカーリーのデュエルは目撃者なしというわけで割愛させていただきます。(ジャックファン そしてカーリーファンのみなさん・・・すみません!(土下座))
感想待ってます!
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