遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第五十二話 暗黒

「うう・・・。」

ヒイロが目を開けると、そこはシティのゴドウィン邸があったところだった。

今そこにあるのは邸宅ではなく、南米風の神殿だが。

「ヒイロ!!」

「・・・!!」

ヒイロは突然背後から声が聞こえたため、後ろに振り向いた。

「龍可か・・・。まさかお前も・・・?」

「ええ。急に紫の光に・・・。」

「うん・・・?」

ヒイロ達の目の前に紫の光の球が現れた。

そして、光が消えたとき、遊星たちの姿があった。

「みんないるようだな。」

「遊星!これは一体どうなっている!?」

「分からない・・・。」

「え・・・・!?み・・・みんな!!あれを!?」

龍亞はおびえながらサテライトの方角を呼び指す。

「龍亞!何が見え・・・きゃあ!!」

龍可は龍亞の指さす方向を見て、両手で自分の口を隠した。

サテライトには四枚の翼をもつ黒い怪物がいた。

まだ完全でないためか、肉体がスライム状になっていた。

しかし、その怪物はゆっくりとコンドルの地上絵に向かって進んでいた。

「クリクリー。」

「クリー・・・。」

ヒイロと龍可のデッキから《プチクリボー》と《クリボン》がおびえながら出てきた。

「精霊たちがおびえている・・・。・・・!!」

ヒイロの目に突然、不思議な光景が浮かんだ。

荒野と化した大地で、あの怪物がコンドルの地上絵の中心に立ち、肉体を完成させている光景だった。

「あの怪物は・・・冥界の王!!」

「ええ!?あいつが・・・。」

「まさか・・・ダークシグナーたちは冥界の王を呼び出すための時間稼ぎにすぎなかったとでもいうのか!?」

「お待ちしておりました。シグナーの諸君。どうやら間に合わなかったようですね。」

「何・・・!?」

神殿の中からゴドウィンが現れた。

そして、その右手にはドラゴンヘッドの痣が描かれた左腕が入ったカプセルがあった。

そして、その痣が光り始めた。

そして、遊星たちの右腕が激痛を起こした。

「うう・・・。」

「い・・・・痛い・・・!!」

「あれが・・・最後の痣・・・。」

「ちっ・・・。」

ヒイロは痛みに耐えながら痣の力を発動し、ドラゴンヘッドからの遊星たちの痣への干渉を遮断した。

「それは・・・お前の腕なのか!?」

ジャックはゴドウィンの左腕が義手であることを思い出しながら、彼に詰問した。

「いいえ。これは我が兄、ルドガーのもの。」

ゴドウィンはそう答えると、カプセルを置いた。

「それをなぜお前が持っている!?」

「ふふふ・・・・。」

ゴドウィンは笑いながら、背中のコンドルの痣を見せた。

それが、遊星の質問への答えだった。

「お前は・・・・まさか・・・。」

「ふふふふ・・・うおああああ!!」

ゴドウィンはコンドルの痣の力によって肉体が異常発達した。

それにより、ゴドウィンの服はそれに耐えきれず、破れてしまった。

そして、ゴドウィンの体にダークシグナー特有の模様がつき、目全体が黒く染まった。

「そう・・・私はダークシグナーとなった!!」

「ええ!?」

「そんな・・・バカな・・・・!?」

「ふふふふ・・・。」

ゴドウィンは遊星たちの驚きをよそに、カプセルのロックを解除した。

そして、自らの左腕の義手を破壊し、代わりにルドガーの腕をダークシグナーの力で自らの左腕とした。

だが、その左腕はドラゴンヘッドの痣の抵抗により、若干拒絶反応が起こっていた。

「赤き龍が抵抗しているのか・・・我の物になるには時間がかかるようだ・・・。」

「ゴドウィン・・・・何をしようとしている?」

「我は神となる!赤き龍と邪神!この二つの力を得て、究極の神となるのだ!!」

ゴドウィンは左腕を天に掲げた。

すると、地震のような揺れとともに神殿の高さが徐々に増していった。

そして、やがて神殿はゴドウィン邸があった人工島一つを飲み込むほどのものになった。

ゴドウィンは揺れが収まるのを確認すると、自身の目の前にデュエル用のテーブルを出現させた。

「これより、冥界の王を迎える儀式を始める!それは、このコンドルの地上絵によるライディングデュエルによって執り行われる!そうこの私がシグナーである君たちを完膚なきまでに叩き潰し、冥界の王への生贄にするのです!」

「ゴドウィン!なぜだ!?」

「お前が遊星に頼んだんじゃねえのかよ!?ダークシグナーを倒せって!!」

「さあ、どうします?冥界の王がここへやってきますよ?」

ゴドウィンは遊星とクロウの質問を無視し、デュエルを迫った。

そして、コンドルの地上絵には、冥界の王が前進する姿が映し出された。

「く・・・。ゴドウィン!!このデュエルに勝ったら、冥界の王は!?」

「消えるでしょう。だが、それは私がさせない!!神たる我が!!」

ゴドウィンは絶対的な自信に満ち溢れていた。

そして、遊星は意を決した。

「このデュエル!!受けて立つ!!」

「ゴドウィン!!貴様など、蹴散らしてくれる!!」

「俺も行くぜ!生憎、俺はシグナーじゃねえ。だがな!サテライトのガキどものためなら何でもするぜ!!たとえそれが無謀なことでも、伝説のDホイーラーが飛んだあの時のようにな!」

ジャック、クロウもこのデュエルへの参戦を決意した。

「遊星・・・ジャック・・・クロウ・・・うん・・・?」

ヒイロは何かの気配を感じた。

「どうした?ヒイロ?」

「済まない。遊星。このデュエル、お前たち三人に任せる。別の何かが来る・・・そんな気がする・・・。」

「別の何かだと・・・?」

遊星はヒイロの言葉に疑問を感じた。

「ああ・・。おそらく、そいつの相手は俺がしなければならない・・。」

「・・・。分かった。ゴドウィンと冥界の王のことは俺たちに任せてくれ。」

遊星はそういうと、遊星号に乗り込んだ。

ジャック、クロウもそれぞれのDホイールに乗り、準備を終えた。

「遊星!ジャック!クロウ!」

「頑張って!!」

「お前たち頼むぜえ!」

「アトラス様・・・。」

「遊星・・・。」

「頼むぞ・・・。」

遊星たち3人は仲間の思いを胸に、ライディングデュエルのコースに変化したコンドルの地上絵に飛び込んだ。

 

「行ったか・・・。うん・・・?」

「ヒイロ・・・どうしたの・・・?」

ヒイロが急に後ろを向いたため、気になって龍可は問いかけた。

しかし、ヒイロは何も言わずにそこをじっと見ていた。

「ヒイロ・・・・?」

「・・・生き延びていたか。」

「え・・・?」

シティの中心から人工島へ続く一本道で、仮面をつけ、黒いローブをつけたディヴァインがヒイロ達のところまで歩いていた。

「ディヴァイン・・・もう会わないと思っていたが・・・。」

「え・・・!?」

ヒイロの言葉に反応し、アキも後ろを向いた。

そして、ディヴァインの姿を見て、言葉を失った。

「嘘・・・・?なんで生きてるの・・・!?」

「汝らは勘違いしているようだな。」

「何!?」

仮面の男の口からは確かにディヴァインの声が出ていたが、その口調は明らかに別物だった。

「この男の体から放たれる無尽蔵の闇が格別なものであった。ゆえに奴の自我を抹殺し、我が糧にさせてもらった。」

「というと・・・やはりディヴァインは死んだということか・・・。」

「その通り・・・。」

「お前は何者だ?」

ヒイロはディヴァイン・・・いや、仮面の男に質問した。

「わが名は・・・ダークネス。かつて宇宙が1枚のカードの表と裏から誕生した際に、カードの裏側から生まれ出でた暗黒面そのもの・・・。我はかつて、普通の人間とは違う存在に滅ぼされた・・・。しかし、この男の闇を糧に蘇った。」

「ディヴァインめ・・・死してなお俺たちを弄ぶか・・・。」

ヒイロはもはやこの世に存在しない憎悪の対象に怒った。

「だが、我が体は完全に再生できていない・・・。貴様に右腕に宿る命の石・・・それがあれば瞬時に我が肉体は復活する。その石を渡せ!!」

「悪いが、この石は俺の仲間から譲り受けたもの。それに、お前のようなわけのわからない存在に渡す気はない。」

「そうか・・・ならば!!」

急にヒイロとダークネスは黒い球体に隔離された。

「これは・・・一体どうなってるの・・・?」

「・・・!!ヒイロ!!」

龍可は球体の中に入ろうとしたが、球体に触れた瞬間、恐怖と絶望の感情に襲われ、たまらずそこから離れた。

「龍可!!大丈夫??」

「大丈夫・・・ありがとう龍亞。でも・・・何なの・・・?あの球体は・・・・。」

龍可はその球体の中に残される形になってしまったヒイロの身を案じた。

 

「ここは・・・。」

ヒイロは周囲を見たが、黒一色に染まっていて、ダークネス以外の姿は見えなかった。

「ここは我の世界・・・。虚無の世界だ。ヒイロ・リオニス・・・。かつてのあの男と同じように、普通の人間とは異なる存在となった者よ。汝をこの世界の住人とし、命の石をもらう。」

ダークネスは闇の中からギガントLによく似た漆黒のDホイール、マシンダークネスを召喚し、搭乗した。

それと同時に、ヒイロの背後にトライチェイサーが現れた。

「否応なしか・・・。なら、お前をディヴァインもろとも破壊する!」

ヒイロもトライチェイサーに搭乗し、デュエルモードに移行した。

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

 

ダークネス

手札5

ライフ4000

 

「俺の先攻。カードドロー。」

 

ヒイロ

手札5→6

 

「俺は手札から《幻獣クロスウィング》を守備表示で召喚。」

 

幻獣クロスウィング レベル4 守備1300

 

「ターンエンドだ。」

 

ヒイロ

手札6→5

ライフ4000

場 幻獣クロスウィング レベル4 守備1300

 

ダークネス

手札5

ライフ4000

 

「ふふふ・・・汝、いまだに真実の闇を知らず。我のターン。」

 

ダークネス

手札5→6

SPC0→1

 

ヒイロ

SPC0→1

 

「われは手札から《黒龍の雛》を召喚。」

ダークネスの場に卵の中から目をのぞかせている黒い龍が現れた。

 

黒龍の雛 レベル1 攻撃800

 

「雛・・・?」

「このカードをリリースすることで、手札から《真紅眼の黒竜》を特殊召喚する。」

《黒龍の雛》の体が異常発達し、一瞬で《真紅眼の黒竜》に成長した。

 

真紅眼の黒竜 レベル7 攻撃2400

 

「何・・・いきなり攻撃力2400だと!?」

「バトルだ。《真紅眼の黒竜》で《幻獣クロスウィング》を攻撃。ダークネス・メガ・フレア。」

《真紅眼の黒竜》の口から黒炎弾が発射され、《幻獣クロスウィング》は一瞬で消し飛んでしまった。

「ぐああ!!く・・・これほどの余波が・・・。」

ヒイロは《真紅眼の黒竜》の攻撃の余波で一部に火傷ができた。

「われはカードを2枚伏せ、ターンエンド。」

 

ヒイロ

手札5

ライフ4000

SPC1

場 なし

 

ダークネス

手札6→2

ライフ4000

SPC1

場 真紅眼の黒竜 レベル7 攻撃2400

  伏せカード2

 

「く・・・・。だが、遊星たちはもっと大変なはずだ・・・。」

ヒイロは痣の力で火傷の傷を治療しながら、カードに指をかけた。




遊星 ジャック クロウVSゴドウィンが戦っている中、外野ではヒイロとダークネスのデュエルが勃発!!
ヒイロ達はどうやってこれを潜り抜けるのか・・・・??
ちなみに今回のダークネスのデッキはダークネス吹雪が使っていたデッキを改造したものです。
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