遊戯王5D’s もう一人のデュエリスト   作:ナタタク

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第五十四話 序章

「ふう・・・・。」

ダークネスのライフが0になり、デュエルはヒイロの勝利で終わった。

「やるな・・・汝・・・。我が闇のデッキを破るとは・・・。名は・・・?」

「・・・。ヒイロ・・・リオニス・・・。」

ヒイロはダークネスをじっと見た。

「ヒイロ・リオニス・・・これは序章に過ぎない。いずれ再び会おう・・・。」

ダークネスはそれだけを言い残して姿を消した。

「待て・・・うわっ!!」

ダークネスが消えたのと同時に、ヒイロの周囲が光に包まれた。

 

一方・・・闇の球体の外は夜明けになっていた。

「ヒイロ・・・。」

「あ・・・見て!球体が消えるよ!!」

闇の球体が消え、ヒイロが姿を現した。

「脱出できたか・・・。」

「ヒイロ!!」

龍可はヒイロに抱きついた。

「る・・・・龍可・・・。」

ヒイロは抱きつかれたため、顔を赤くした。

「ふふふ・・・・。」

「わ・・・笑うな・・・!!十六夜!」

「だ・・・だってあんなに無愛想なヒイロが顔を赤くするなんて・・・ふふふ・・・。」

「本当ね・・・ふふ・・・。」

「深影まで・・・くそ・・!!それより、冥界の王はどうなった!?」

「冥界の王は消滅したわ。見て。」

ヒイロはアキが指差す方向を見た。

そこには神殿と地上絵がなくなった人工島があり、そこから遊星、ジャック、クロウがヒイロ達のもとへ戻ってきた。

「終わったね・・・ヒイロ・・・。」

「いや・・・ここからが始まりだ・・・。」

「え・・・?」

龍可はヒイロの言葉の意味がよくわからなかった。

「(ダークネス・・・ディヴァインの肉体を奪った真実の闇・・・。奴を倒さない限り・・・俺の戦いは終わらない・・・。)」

 

半年後・・・ヒイロの手記。

ダークシグナーとの戦いから半年が過ぎ、ダイダロスブリッジが完成し、シティとサテライトが統一した。

俺たちはようやく新しい生活に慣れ始めた。

 

遊星、ジャック、クロウはシティに引っ越し、マーサの学生時代からの友人であるゾラばあさんがやっている時計屋『ポッポタイム』のガレージで生活を始めた。

来年のワールドライディングデュエルグランプリ 通称WRGPに出場するために、新エンジンを作るようだ。

作っては爆発の繰り返しだが、彼らはあきらめずにやっている。

 

十六夜は遊星の手助けもあって、親と再会し、腹を割って話して和解した。

遊星から聞いた話だが、両親は十六夜とどう接すればいいかわからず、捨てたも同然の行為をしてしまったことへの罪悪感に苦しみ続けていたようだ。

現在、十六夜はデュエルアカデミアに復学した。

以前、十六夜はデュエルアカデミアの生徒だったが、サイコパワーがコントロールできないことが原因で行けなくなったという。

だが、復学した後は十六夜の笑顔を見ることが多くなった。

俺も・・・学校に行っていたら少しはましな笑顔を作ることができるだろうか・・・。

いや、元来の物だ。どうにもならないだろう・・・。

 

牛尾と深影はそれぞれセキュリティ特別捜査課長と課長補佐に出世した。

それによって深影のテーブルワークは増え、牛尾は雑務が多くなった。

だが、ダークシグナーとの戦いの過程で成長したおかげか、牛尾はサテライトへの偏見を捨て、収容所の仕事に来たときはサテライト出身の囚人に暴行を加えていた看守を殴り飛ばしたようだ。

 

遊星から聞いたが、ゴドウィンとルドガーはダークシグナーたちを復活させた後、消息を絶った。

ゴドウィンは神になるといっていたのは嘘で、本当は彼なりに運命に抗おうとしていただけだった。

そして、クロウがあこがれていた伝説のDホイーラーはゴドウィンだった。

復活したダークシグナーたちもそれぞれの道へ進んだ。

ディマクは邪神を信仰する民族の出身で、自らの意思でダークシグナーになったようだ。

だが、今回のことで過ちに気付き、現在は罪と向き合うために巡礼の旅に出ている。

ミスティはモデル活動を再開し、アメリカへ引っ越した。

現在も十六夜とはがきでの交流が続いている。

ボマーは故郷へ帰った後、弟と妹と共にナスカへ引っ越した。

再びナスカに封印された地縛神達を監視することで、自分なりに罪を償おうとしているようだ。

復活した後、すぐに出発してしまったため、《チャリオット・パイル》を返すことができなかった。

再会する機会があれば、必ず返さなければ・・・。

鬼柳はダイダロスブリッジの完成を見届けると、旅に出てしまった。

旅立つ鬼柳はどこか思いつめていた。

旅先で何かが起こらなければいいが・・・。

 

そして俺は・・・。

 

「ヒイロ!ただいま!!お腹すいたよー。」

「もー。龍亞ったら・・帰ったらすぐこれだから・・・。ただいま。ヒイロ。」

「おかえり・・・。」

 

俺は龍亞と龍可と一緒にペントハウスで暮らしている。

龍可が何度も俺に頼み込んできたからだ。

最初は断ったが、最後は涙目になって頼み込まれ、龍亞まで加勢したため、折れざるを得なかった。

二人は通信教育をやめ、デュエルアカデミア子等部に入学した。

二人ともあまり成績は良くないようだが、(まあ、龍亞は元来それで、龍可は本当の実力を隠しているためだが・・・。)楽しくやっている。

あれからダークネスの動きはない。

このまま俺たちがこの町で平和に暮らす。

それが、今の俺の願いだ。

 

「・・・。らしくないことばかり書いているな・・・俺は・・・。」

ヒイロは自嘲しながら、手記を自分の机の中にしまった。

「ヒイロ!パパから電話よ。ヒイロに話したいことがあるって・・・。」

「話したいこと・・・?」

ヒイロは電話に出た。

「もしもし・・・。」

「(もしもし。龍亞と龍可の父です。私たちの子供たちがいつのお世話になっております・・・。」)

「いえ・・・俺は何も・・・。」

俺はただ二人の生活の手助けをしているだけだ。

ヒイロはそう言おうとしたが・・・。

「デュエルアカデミアに入学してみませんか?」

「え・・・・?」

ヒイロは予想だにしない言葉に目を丸くした。

「ヒイロ君は今年で16歳ですし、龍亞と龍可がお世話になっているお礼だと思ってください。」

「・・・。で・・・では・・・お願いします・・・。」

「はい。明日には編入届を出しておきます。これからもよろしくお願いします。・・・特に龍可は。」

龍亞と龍可の父親は電話を切った。

「・・・。特に龍可は・・・?」

ヒイロは彼が最後に言った言葉に引っ掛かった。

 

後日、ヒイロのもとに入学試験の案内が届き、ヒイロはデュエルアカデミアへ向かった。




ダークシグナー編終了です!
さて!龍亞と龍可のペントハウスで新たな生活を始めたヒイロ。
これからどうなるのか・・・?
そして、ダークネスは・・・?
これからもお楽しみに!!
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