中央集会所には、多くの人々がいた。
「おおーーー!!すっげーー!」
龍亞は目を輝かせながら、出されている料理や参加している人々を見て回った。
そして、その中にはさまざまな大会で結果を残している優勝候補、『チーム・ユニコーン』のメンバーがテレビ局からの取材を受けていた。
ヒイロ達は今、遊星 クロウ アキ トオルと合流し、ともに式典を楽しんでいる。
「しっかし、珍しいことがあるもんだな。龍亞はともかく、アキまで来るなんてな。」
「え・・・?そ・・・それは・・・。」
アキはクロウからの言葉に少し動揺し、顔をそむけた。
「ん・・・?」
クロウは少しだけ変だと思ったが、今は式典を楽しむべきだと思い、これ以上の詮索をやめた。
「(あの時・・・遊星が何を見て、何を感じていたのか・・・。私はもっと知りたい。ライディングデュエルのことを・・・。)」
アキは以前、不可抗力であったとはいえ、遊星ととある女Dホイーラーのライディングデュエルを、遊星号に乗って観戦したことがある。
その時、遊星が見せた楽しそうな顔、そしてスピードの中でのなんとも説明しがたい感覚が忘れられなかった。
アキはその時、ライディングデュエルに魅了されたのだ。
まあ、その原因の半分はアキの遊星への好意だが・・・。
「あ!!遊星!クロウ!みんな!」
近くでDホイーラーを撮影していたカーリーがヒイロ達に気付き、手を振りながら近づいてきた。
「マスコミにとってはこの式典は最高のニュースのネタになるからな・・・。」
式典に参加している人々の中には『チーム・ユニコーン』以外にも無名のチームから超名門のチームまで多くのDホイーラーがいた。
「あれ・・・?ところで、ジャックは??」
「ジャック・・・あいつのことだから、真っ先に来て格好つけててもおかしく・・・。」
「遅かったな!!」
ジャックがシルクハットと高級感あふれるスーツ姿でヒイロ達の前に現れた。
「うわあ・・・すごく派手な服だな・・・。ジャック・・・。」
トオルはジャックのスーツに興味を持った。
「ど・・・どうしたんだよ!!?その服!」
「決まっているだろう。この日のために特別に作らせた。」
「作らせたって・・・・。ジャック!!また無駄遣いしやがって!!お前、分かってるのか!?あれだけ貯めるのにどれだけ苦労したと思ってやがんだ!!大体、ろくに働きもせずに俺にばっかり宅配便やらせやがって!!」
遊星たちはスポンサーをつけることなく、WRGPのための新エンジン開発にいそしんでいた。
そのため、台所事情は厳しく、遊星は機械修理、クロウは宅配便で生計を立てていた。
一方、ジャックはろくに働きもせず、またキング時代の高級感あふれる生活を味わったためか、近くのコーヒー屋で一杯3000円もする最高級コーヒー『ブルーアイズ・マウンテン』を飲みに行くなどでせっかく貯めた資金を湯水のごとく使った。
なお、だからといってニートではなく、仕事探しはしていて、ジャックの性格ゆえに仕事を見つけてもすぐにクビになっているだけだということを元キングの名誉のために言っておく。
「ヒーヒッヒッヒッ。」
集会所2階から、変な笑い声が聞こえた。
「お・・・?」
「始まるぞ。」
そこには、ピエロのような容姿をした治安維持局副長官 イェーガーがいた。
「えー。みなさん。ライディングデュエルプレミアムイベントに参加していただき誠にありがとうございます・・・。」
それからイェーガーの挨拶、そしてWRGP開催場所がネオドミノシティに決まったことへの意義と喜びを長々と語った。
参加者たちはイェーガーの演説に拍手したが、遊星は演説を聞かずに、思いつめた表情で別の方向を見ていた。
「(やはり・・・シンクロ召喚でなければ、俺のデッキは真価を発揮しないのか・・・?)
遊星は今日のジャックとのデュエルで、自分の考えの甘さを痛感し、どうすればいいか考えていた。
イェーガーの演説が終わると、今度はハイテンションなリーゼント頭の男が映像に現れ、WRGPの説明を行った。
1年後、ダイダロスブリッジの近郊で新設される周回コースで予選を行い、決勝ラウンドはダイダロスブリッジで行うこと、そしてこの大会が3VS3のライディングデュエルで行われることが説明された。
「(3VS3か・・・。遊星たちは参加するようだが・・・。)」
「なあ、ヒイロ。」
「何だ?」
「俺たちも参加してみないか?」
「・・・?」
ヒイロはトオルの突然の提案に少し驚いた。
「俺とヒイロとミサキ。俺たちがどこまでいけるか、その限界を知りたいんだ。」
「・・・・。考えておく。」
「おお!!頼むぜ!ヒイロ!」
トオルはヒイロの返事に満足し、料理を食べに行った。
「うん・・・?」
ヒイロは誰かの視線を感じ、周囲を見渡した。
すると、すぐにその視線が消えてしまった。
「一体・・・誰が・・・?」
「きゃあああ!!」
「!?」
悲鳴が聞こえた方向を、ヒイロが見た。
すると、そこには巨大なDホイールに乗ったモヒカンのゴロツキ ドボックルが暴走行為をしていた。
「WRGPが何だ?ライディングデュエルってのはな、そんなお遊びじゃねえんだよ!」
「捕まえろー!!」
この式典の警備をしていた牛尾がほかの警備員の指揮をして、ドボックルを捕えようとした。
しかし、ドボックルは捕えようとした警備員を跳ね飛ばしながら、暴走行為を続けた。
そして、彼はアキに向かって一直線に疾走した。
「・・・。終わったな。」
ヒイロは龍亞と龍可、そしてほかの観客を2階へ避難させながら、それを見てつぶやいた。
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》を召喚!」
アキはサイコパワーで《ブラック・ローズ・ドラゴン》を実体化させ、ドボックルを突き飛ばした。
「ちくしょう!!」
ドボックルは大急ぎで逃走を開始した。
すると、すぐに牛尾の指示でデュエルチェイサーズが追跡を開始した。
そのあと、動ける警備員たちの手で負傷者の病院への搬送が行われた。
幸い、あれほどの暴走行為にもかかわらず、死者は無かった。
ちなみに、その救助活動の中で、ジャックはテレビ局の取材を受けるというわけのわからない行為に走ったのだが、それに関しては省略する。
「な・・・なんだって!?ゴーストが!?」
「え!?」
牛尾の発言を耳にした遊星たちは驚いた。
あのデュエルで確かにライディングロイドが壊れたのを確認したからだ。
「まさか・・・あのロボットを操っていた奴か!?」
「調べてくる。」
「え・・・ちょっと!!ヒイロ!!」
ヒイロは携帯を操作しながら先ほどの暴走行為で壊れた壁からベランダに出て、飛び降りた。
真下のレーンではトライチェイサーが自律走行をしていた。
トライチェイサーに乗り、ヒイロは追跡を開始した。
トライチェイサーはチェイサーⅡの試作機であり、性能がそれよりも上回っていることから、簡単にデュエルチェイサーズを追い越すことができた。
「どこだ・・・・ゴースト・・・?・・・!!」
ヒイロがそのレーンで最初に目にしたのは爆発、炎上している巨大Dホイールだった。
「・・・。」
ヒイロはそのDホイールに近づくと、そこには意識不明の重体になっているドボックルがいた。
「・・・・。ゴーストにやられたか・・・。」
「ヒイロ・リオニス。」
「誰だ?」
ヒイロは声がした方向に目を向けた。
そこには少し薄めの赤いライディングスーツと、赤いサングラスを装備した青い髪の少女がいた。
「ゴースト・・・ではなさそうだな。」
「ゴーストとデュエルをしようとしたの?」
「ああ。」
「自分の限界を超えていないあなたに、ゴーストを倒せるかしら?」
少女は挑発するような言動をヒイロにぶつけた。
「なら、俺の限界を超える方法があるというのか?」
ヒイロはその挑発をかるく受け流した。
「ええ。見せてあげるわ。あなたに、限界を超える方法を。」
少女はオメガ・ホークに搭乗し、あるスイッチを押した。
すると、トライチェイサーが強制的にデュエルモードに変化した。
「なるほど・・・・。言葉では説明できないということか・・・。」
「そういうこと。」
ヒイロと謎の少女 アンノウンは第1デュエルレーンへ向かい、デュエルを開始した。
「「デュエル!!」」
ヒイロ
手札5
ライフ4000
アンノウン
手札5
ライフ4000
「俺の先攻。ドロー。」
ヒイロ
手札5→6
「俺は《幻獣ワイルドホーン》を召喚。」
幻獣ワイルドホーン レベル4 攻撃1700
「カードを2枚伏せ、ターンエンド。」
ヒイロ
手札6→3
ライフ4000
場 幻獣ワイルドホーン レベル4 攻撃1700
伏せカード2
アンノウン
手札5
ライフ4000
「ふうん。まずは様子を見るってことね?いいわ。私のターン!」
アンノウン
手札5→6
SPC0→1
ヒイロ
SPC0→1
「私は手札から《SP-オーバー・ブースト》を発動。この効果で私のスピードカウンターを4つ増やし、エンドフェイズ時に私のスピードカウンターを1にするわ。」
アンノウン
SPC1→5
Sp-オーバー・ブースト
通常魔法カード
このターン自分用スピードカウンターを4つ増やす。
エンドフェイズに自分用スピードカウンターを1つにする。
「手札から《SP-スピード・フュージョン》を発動。私のスピードカウンターが4つ以上あるとき、私の手札・フィールド上のモンスターを融合するわ。《覚醒霊ミラージュ》と《覚醒導師メイサー》を融合。現れて。《覚醒仙人フガク》!」
胸に龍の紋章が描かれた青い霊と白いローブを着た導師が融合し、白い長髪の隠者が現れた。
Sp-スピード・フュージョン
通常魔法カード
自分用スピードカウンターが4つ以上ある場合に発動する事ができる。
手札またはフィールド上から、融合モンスターカードによって決められた モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから 特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする。)
覚醒霊ミラージュ
レベル2 攻撃200 守備300 チューナー 光属性 悪魔族
このカードが戦闘で破壊され、墓地へ送られたとき、デッキから「覚醒霊ミラージュ」を可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
覚醒導師メイサー
レベル3 攻撃1000 守備1000 チューナー 闇属性 魔法使い族
融合チューナーモンスターの融合召喚に成功した時、このカードを墓地から特殊召喚することができる。
この効果はデュエル中1回だけ発動できる。
覚醒仙人フガク
レベル4 攻撃1800 守備1500 融合・チューナー 光属性 魔法使い族
「覚醒」と名のつくチューナー×2
相手のメインフェイズ時、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードをシンクロ素材としてシンクロ召喚をする事ができる。
また、このカードが破壊され、墓地へ送られたとき、デッキからレベル4以下の「覚醒」と名のつくモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。
「融合チューナー・・・??」
「そう・・・これが限界を超えるための鍵の一つ!《覚醒導師メイサー》の効果!このカードは融合チューナーの融合召喚に成功した時、1度だけ、ぼちから特殊召喚できるわ!」
アンノウンのフィールド上に光と闇が融合した穴が現れ、そこから《覚醒導師メイサー》が出てきた。
覚醒導師メイサー レベル3 攻撃1000(チューナー)
「またチューナーだと・・・!?」
「そして、私の場に覚醒と名のつくチューナーが存在するとき、このカードは特殊召喚できるわ。《覚醒闘士サンチェス》を特殊召喚!」
アンノウンの場に龍の紋章を胸に刻まれた壮年の格闘家が現れた。
覚醒闘士サンチェス
レベル2 攻撃1200 守備600 効果 光属性 戦士族
このカードは自分フィールド上に「覚醒」と名のつくチューナーモンスターが表側表示で存在するとき、手札から特殊召喚できる。
「更に、《覚醒妖精エミリア》を召喚!」
アンノウンの場に龍の紋章を胸に刻まれた白銀の妖精が現れた。
覚醒妖精エミリア
レベル1 攻撃200 守備300 効果 光属性 天使族
このカードをシンクロ素材としてシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、墓地からこのカード以外のシンクロ素材となったモンスター1体を手札に加える。
「レベル2の《覚醒闘士サンチェス》とレベル1の《覚醒妖精エミリア》に、レベル3の《覚醒導師メイサー》をチューニング!シンクロ召喚!《覚醒魔剣士ギルティア》!」
アンノウンの場に龍の紋章を胸に刻まれた黒い鎧を着た魔剣戦士が現れた。
覚醒魔剣士ギルティア
レベル6 攻撃2400 守備1500 シンクロ 闇属性 戦士族
「覚醒」と名のつくチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、デッキからカードを1枚ドローする。
「(融合チューナーとシンクロモンスター・・・まさかな・・・。)」
「《覚醒妖精エミリア》に効果!このカードを素材としたシンクロ召喚に成功した時、墓地からこのカード以外の素材モンスターを1体手札に加えるわ。」
アンノウンは墓地から《覚醒導師メイサー》を手札に加えた。
アンノウン
手札6→1
「バトル!《覚醒魔剣士ギルティア》で《幻獣ワイルドホーン》を攻撃!ソウルスラッシュ!」
《覚醒魔剣士ギルティア》は鎧を着ているとは思えないくらいの素早い動きで《幻獣ワイルドホーン》を翻弄し、切り捨てた。
「く・・・。」
ヒイロ
ライフ4000→3300
「罠カード発動!《幻獣の闘争》。俺の場の幻獣が戦闘で破壊されたときに発動できる。その幻獣を復活させる!蘇れ。《幻獣ワイルドホーン》。」
幻獣ワイルドホーン レベル4 守備0
幻獣の闘争
通常罠カード
自分フィールド上の「幻獣」と名のつくモンスターが戦闘で破壊されたときに発動できる。
そのモンスターを墓地から特殊召喚する。
その効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン、戦闘では破壊されない。
「やるわね。《覚醒魔剣士ギルティア》の効果。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、デッキからカードを1枚ドローするわ。」
アンノウン
手札1→2
「手札から《SP-エンジェル・バトン》を発動。スピードカウンターを4つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローし、手札1枚を墓地へ送るわ。」
アンノウンはカードを2枚ドローし、手札から《覚醒戦艦ベリアル》を墓地へ送った。
覚醒戦艦ベリアル
レベル6 攻撃2200 守備1900 効果 光属性 機械族
このカードが墓地に存在するとき、自分フィールド上に存在するシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
覚醒魔剣士ギルティア レベル6 攻撃2400→2700
アンノウン
SPC5→1
「私はこれでターンエンドよ。」
ヒイロ
手札3
ライフ3300
SPC1
場 幻獣ワイルドホーン レベル4 守備0
伏せカード1
アンノウン
手札2
ライフ4000
SPC1
場 覚醒仙人フガク レベル4 攻撃1800(融合チューナー)
覚醒魔剣士ギルティア レベル6 攻撃2700
「俺のターン!」
ヒイロ
手札3→4
SPC1→2
アンノウン
SPC1→2
「手札から《幻獣ドレインキュクレイン》を召喚。」
ヒイロの場に緑色の体をした巨大な人型モンスターが現れた。
幻獣ドレインキュクレイン
レベル1 攻撃0 守備0 チューナー 闇属性 獣戦士族
このカードの召喚に成功した時、。相手フィールド上のモンスター1体を選択する。
選択したモンスターは装備カード扱いとなり、このカードに装備される。
このカードの攻撃力はこの効果で装備カード扱いとなったモンスターの攻撃力分アップし、レベルも装備カードと同じになる。
この効果を発動したターン、このカードは攻撃できない。
「(これで機皇帝にシンクロモンスターを奪われるのと同じような状況だ・・・。)どうする・・・?」
「ふふふ・・・見せてあげるわ!ヒイロ!これが限界を超える力、可能性を創造する力よ!」
《覚醒仙人フガク》の体が4つの光の球体となり、《覚醒魔剣士ギルティア》の目の前に移動した。
そして、4つの球体が光と闇の力がこもった渦となり、《覚醒魔剣士ギルティア》はその中に飛び込んだ。
そして、渦を抜けたときには《覚醒魔剣士ギルティア》の姿は龍の紋章を胸に刻まれた赤い将軍のマントと魔力がこもった剣と銃を装備した人型のモンスターが現れた。
「ヒイロ・・・これこそが限界を超える力、フュージョンシンクロ、そしてフュージョンシンクロモンスター《覚醒将ガルド》よ!!」
「フュージョンシンクロ・・・・。」
ヒイロは《覚醒将ガルド》をじっと見た。
覚醒将ガルド
レベル10 攻撃3200 守備3000 シンクロ 闇属性 戦士族
融合チューナー+「覚醒」と名のつくシンクロモンスター1体
このカードは戦闘では破壊されない。
相手モンスターの効果の発動、または攻撃宣言時にこのカードをエンドフェイズまでゲームから除外することができる。
この効果を発動したターン、相手フィールド上のモンスターは攻撃できない。
ヒイロ
手札3
ライフ3300
SPC2
場 幻獣ドレインキュクレイン レベル1 攻撃0(チューナー)
幻獣ワイルドホーン レベル4 守備0
アンノウン
手札2
ライフ4000
SPC2
場 覚醒将ガルド レベル10 攻撃3200
混沌の中に可能性を生み出すフュージョンシンクロ登場!
ヒイロはその力を手にすることができるのか・・・?
感想待ってます!