「一体なんだというのだ!?あの鍬形は・・・。」
「分からない。装甲の成分もシステムも今まで見たことがない。」
「なあ。こいつの頭に赤い石がついてるぜ。ヒイロの右腕についてる石と同じ感じのな。」
遊星たちはポッポタイムのガレージでスタッグについて調べていた。
しかし、装甲の構造もシステムも今まで見たことがないもので、さすがの遊星もお手上げな状態だった。
「もしかしたら、これが役に立つんじゃないのか?」
ヒイロは遊星の本棚からゴドウィン直筆のノートを出した。
このノートはダークシグナーとの戦いが終わった直後にゴドウィン邸跡地で見つけたものだ。
そのノートの中にはスタッグの姿が描かれた壁画のコピーが貼られたページがあった。
「読んでみてくれるか?」
「ああ。『私は、南米の遺跡でこの壁画を見つけた。次に書くのは、それに書かれた古代文字を解読したものだ。我々は遠い過去に地縛神を倒し、五千年後の者たちに我らが戦いの宿命を押し付ける者たちだ。』」
「戦いの宿命を押し付ける者たち・・・まさか、五千年前のシグナーだというのか!?」
「ジャック。静かにしろ。『我々にはこの輪廻を止める術はない。だが、ダークシグナーとの戦いに巻き込まれた不幸な我らが生まれ変わりのために、三十年かけて意思のある鍬形の姿を模した竜の鎧でもあり、馬の鎧でもある存在、スタッグを生み出した。』」
「何!?これが五千年前の遺物だというのか!?」
遊星は驚きながらスタッグを見つめた。
「『そして、スタッグの力をシグナー以外の欲望にとらわれた悪しき者たちに悪用されるのを避けるため、これを石と化し、大地深くに封印した。我らが生まれ変わりが真に力を欲するとき、これは目覚め、駆け付けるだろう。そして、命の象徴たる心臓の痣を持つ生まれ変わりにこれは仕える。』書かれているのは以上だ。」
ヒイロはノートを閉じ、自分の痣を見た。
「心臓の痣を持つ生まれ変わりということは・・・これはヒイロの物ってことか?」
クロウはスタッグを見ながらヒイロに質問した。
「そういうことらしい・・・。」
ヒイロはスタッグの頭部に手を置いた。
「(だが・・・なぜ半年前、スタッグは目覚めなかったんだ・・・?)」
そんなことをヒイロが考えているときに、上からアキと龍亞、龍可が降りてきた。
「遊星。ルチアーノって子のデッキを調べ終わったわ。大体のこのデッキのコンセプトは遊星の言うとおりだったわ。」
「ありがとう。アキ。龍亞。龍可。」
「大体ということは・・・細部は異なるのか?」
ヒイロはアキに質問した。
「ええ。コアモンスターをカード効果でわざと破壊して5体の機皇帝パーツを一気に特殊召喚するところだけは同じだけど、このデッキに関しては直接攻撃と相手のカードを封じる効果を持つカードが多いわ。」
「確かに、《スキエルA3》と《スキエルA5》の効果もあるからな。それに、遊星が戦った機皇帝と比較して元々の攻撃力は劣る。」
ヒイロはアキからデッキを受け取り、カードを見た。
「何かあるの?」
「ああ。龍亞が言っていたカードがない・・・。」
「え・・・?」
「ルチアーノは転校してきた初日に龍亞とデュエルをしたんだろう?その時に龍亞が見たカードが《起動砦のギア・ゴーレム》以外、一枚も入っていない。」
「じゃあ、俺とのデュエルの時のあいつのデッキは・・・。」
「ああ。おそらく2軍のデッキか、カモフラージュのために作ったデッキだろう。」
ヒイロはデッキの確認が終わると、それをテーブルの上に置いた。
「でも・・・まさかルチアーノがロボットだったなんて・・・。」
龍可はルチアーノのちぎれた左腕を見た。
外見は普通の人間の腕と大差ないものの、内部は機械になっていた。
「これほど効率が良く、精密な機械は今まで見たことがない。まるで未来で作られたかのようなものだ。」
ヒイロはその左腕を持ってそう言った。
「そういえば、あのデュエルの後、ルチアーノが住んでた豪邸がなくなってたし、ボブもパティもルチアーノのことを忘れてたよ。」
ヒイロ達はあの後、龍亞と龍可の案内でルチアーノの豪邸があったところへ足を運んだが、そこは空き地しかなかった。
また、ボブとパティにルチアーノのことを聞いたものの、2人ともルチアーノとデュエルをし、会話もしたこともあるにもかかわらず、彼のことを完全に忘れていた。
「どうやら俺たち・・・とんでもない奴らを相手にしてるみてえだな・・・。」
「遊星・・・。」
「ああ。」
遊星はアキが言いたいことはすでに分かっていた。
「ふん!相手がだれであろうと関係ない!このジャック・アトラスが叩き潰してくれる!!」
「(奴らと戦うためにも・・・早く完成させなければ。シンクロを越えたシンクロ召喚・・・・アクセルシンクロを!!)」
ジャックは再び闘志を燃やし、遊星はアクセルシンクロ完成の決意を新たにした。
「(まったく・・・隕石が落ちてからほとんどろくなことが起こらないな・・・。)」
夜、ヒイロは自室でデッキの整理をしていた。
スタッグについては、話し合いの結果、ポッポタイムのガレージに置いておくことになった。
「できるかぎり、トオルとミサキを巻き込まないようにしないとな・・・うん?」
ヒイロはデッキの中に見慣れない融合モンスターを見つけた。
その姿はスタッグそのものだった。
「(いつの間に俺のデッキの中にこのカードが・・・。)」
共振機スタッグ
レベル2 攻撃1000 守備1000 融合・チューナー 地属性 機械族
レベル2以下のチューナー×2
このカードの融合召喚に成功した時、自分の墓地からレベル8以下のシンクロモンスター1体を特殊召喚することができる。
この効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できず、効果は無効化され、攻撃力と守備力は0となる。
この効果を発動したターンのバトルフェイズはスキップされる。
相手のメインフェイズ時、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードをシンクロ素材としてシンクロ召喚をする事ができる。
「融合チューナー・・・か・・・。おそらく、それがあれば機皇帝に対抗できる・・・。」
ヒイロはカードをデッキに入れ、ベッドの中に入った。
今回もほとんどデュエルがありませんでした・・・。
次回はちゃんとデュエルできるかな・・・?
感想待ってます!!