「ふう・・・。新エンジンとプログラムでできる限りのことはやった。」
ミサキはコンピュータを経由して新プログラムのインストールを行い、ヒイロは3台のDホイールに新エンジンを取り付けた。
「あと3日で予選が始まるが、間に合ってよかった。」
「ありがとな!ヒイロ!ミサキ!」
トオルはジャックと一緒に買った新発売のカップめん、スターダスト・ヌードルをヒイロ達にふるまった。
豚骨スープで太麺、更に卵と大量の野菜でトッピングされた体に優しいカップめんだ。
ドラゴンヌードル第2弾で、第1弾は塩味のブルーアイズ・ヌードルだった。
第3弾はレッド・デーモンズ・ヌードルが出るらしいが、何味かはいまだに公開されていない。
「トオル。Dブーストの調子はどうだ?」
「おお!練習試合の時よりもかなり楽になったぜ!!」
「トオル。新エンジンとプログラムを入れといた。」
「よーし!!ならさっそく試験走行してくるぜ!!」
「あ・・・ちょっと・・・。」
トオルはミサキからの返答を聞かずにそのまま試験走行に行ってしまった。
「ふう・・・。」
「相変わらずだな。トオルは・・・。」
「チーム名まで勝手に決めて・・・。」
ヒイロ達が新エンジンとプログラムの開発、そしてデッキ改造に夢中になっていたため、5日前にWRGP参加のエントリーを締切ギリギリで済ました。
その時にトオルは勝手にチームの名前を決めた。
チーム名はチーム・トライウィンズ。
中々の名前で、ヒイロは特に不満はなかったが、ミサキだけ不満げだった。
「チーム・エレキッス・・・チーム・エレキッス・・・。」
「いい加減諦めろ。・・・ん?」
電話が鳴ったため、ヒイロは電話に出た。
「もしもし・・・。」
「(ヒイロ!!大変だ!!クロウが・・・。)」
「右肩を骨折・・・全治1か月か・・・。」
ポッポタイムのガレージで、ヒイロは痣の力でクロウの右肩の治療をしていた。
トオルとミサキも見舞い来ていた。
クロウはダイダロスブリッジで練習走行を行っていた際に、原因不明の転倒をした。
ブラックバードの損傷は軽微だったが、右腕が骨折してしまった。
しかし、なぜか力で回復させることができない部分が出てきた。
「(・・・。なぜ治療できない・・・?)」
「ヒイロ・・・どうなんだ!?WRGPに出れんのか!?」
「クロウ。半分は治せたが、なぜかはわからないが治療できない部分がある。半月は絶対安静だ。」
「まじ・・・かよ・・・。」
ヒイロの宣告を聞いた瞬間、クロウは崩れ落ちた。
「どうすんだよ!?2人だけじゃあハンデがでかいだろ。」
見舞いに来たトオルが遊星に詰問した。
無理もない。
WRGPでは3VS3のライディングデュエルが行われる。
一応、2人チームでの参加も例外として認められているが、その場合でも初期ライフ、スピードカウンター、手札の増加は認められず、1人分のハンデを背負うことになってしまう。
「アキがクロウの代役として参加する。それで・・・頼みがある。」
「分かった。行ってくる。」
ミサキはそれだけ言うと、エレキッスに乗ってダイダロスブリッジへ向かった。
どうやら、ミサキには遊星が頼みたいことが分かったようだ。
「十六夜は特訓をしているのか?」
「ああ。だが、十六夜はまだまだ戦術と技術に未熟な部分がある。」
「それでも、やるしかない。それに、アキは・・・。」
遊星はアキがクロウの代わりに参加させてほしいと頼んできたときの顔を思い出した。
その時のアキの瞳にはかなりの覚悟を感じた。
「・・・。お前の言いたいことは大体分かった。」
ヒイロは再びクロウの治療に集中した。
それから2時間治療を続けたが、効果がなかった。
「クロウ・・・。」
「なんでこんな時に・・・。」
「・・・。」
「なんでこんな時に!!ちくしょう!!俺はあいつらになんて詫びればいいんだよ!?」
クロウは右肩を抱えたまま涙を流した。
クロウにとって、WRGPは自分のためではなく、マーサハウスに今いる子供たちのための重要な大会だからだ。
「クロウ・・・。確かにお前は大会に出られない。だが、お前の思いは遊星とジャック、十六夜が引き継ぐ。それに、お前にはまだやることが残っている。」
「なんだよ・・・やることってよ・・・?」
クロウは涙をためた目でヒイロを見た。
「十六夜はお前の代わりに参加する。だが、今のあいつではおそらく足手まといだ。そして、ミサキは特訓を引き受けたが、徹夜続きで疲れている。だから、お前が・・・十六夜を・・・。」
「・・・ヒイロ?」
「済まない・・・。少し・・・眠らせてくれ・・・。」
ヒイロはそのまま眠ってしまった。
数時間もずっとクロウの治療をしたための疲れだろう。
「おい!ヒイロ!ったく、大丈夫かよ。悪いクロウ。どこか横にさせられる場所はないか?」
「おう・・・。なら、2階のソファーを・・・。」
「分かった。ありがとな!」
トオルはヒイロを担いで2階へ運んだ。
「今の俺にガキどものためにできること・・・。」
クロウは涙を袖で強引にふき取り、携帯を出した。
「うん・・・。ここは・・・?」
「やっと起きた。寝坊助2号。」
「トオルと一緒にするな・・・。」
ヒイロは起き上がると、すぐにミサキがソファーに横になった。
「十六夜は?」
「今はクロウとトオルの手で稽古中・・・。」
ミサキはそれだけ言うと、ぐっすり眠ってしまった。
「これで遊星たちのチームは大丈夫だな。」
ヒイロは自分も特訓に付き合うため、ダイダロスブリッジへ向かった。
そして、WRGP予選前日。
ヒイロ達チーム・トライウィンズは他のチーム同様、予選第1回戦の相手を確認するためにスタジアムに来ていた。
「遊星たちは別のブロックか・・・。」
「遊星たちのチーム名はチーム・5D'sだしな。」
「始まる。」
会場内に放送が流れた。
「(これより、WRGP予選第1回戦の対戦相手を発表します。第1試合・・・。チーム・トライウィンズ。)」
「よっし!!第1試合からなんて幸先いいぜ!!」
「うるさいし、どうでもいい。」
「・・・はい・・・。」
「(それに対するは・・・チーム・ペガサスミニオン!)」
「ペガサス・・・か・・・。」
チーム・ペガサスミニオンはペガサスに育てられた孤児達、ペガサスミニオンが結成したチームだ。
ペガサスは現在は病を理由に決闘者の王国という島で隠居していて、現在はペガサスミニオンの1人である天馬月光がCEOを務めている。
ちなみに、彼の双子の弟である天馬夜行がこのチームのリーダーだ。
「(初戦から強敵か・・・。どこまでやれるか・・・?)」
ヒイロは静かに闘志を燃やしていた。
対戦相手決定です!
さて、どういうメンバー構成かは遊戯王Rを読んだことがある人にはよくわかりますね?
感想待ってます!